Youngの畳み込み不等式

同義語:畳み込みのYoungの不等式Young's convolution inequalityYoung's inequality for convolutions

概要

Youngの畳み込み不等式(Young's convolution inequality)とは、$1\le p,q,r\le\infty$ が $\frac1p+\frac1q=1+\frac1r$ を満たすとき、$f\in L^p(\mathbb{R}^N)$ と $g\in L^q(\mathbb{R}^N)$ の畳み込み $f*g$ が $L^r$ に入り、$\|f*g\|_r\le\|f\|_p\|g\|_q$ を満たすという不等式である。被積分関数を 3 つの因子に分けた Hölder の不等式と Tonelli の定理で示される。$q=1$ なら $L^1$ の関数との畳み込みが $L^p$ 上の有界作用素であることを、$q=p'$ なら $f*g$ が有界な一様連続関数になることを表す。指数の関係は拡大・縮小から必要でもある。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: Lp空間, Hölderの不等式, 畳み込み, Fubiniの定理

何を述べる不等式か

$\mathbb{R}^N$ 上の 2 つの関数 $f,g$ の畳み込み
$$ (f*g)(x)=\int_{\mathbb{R}^N}f(x-y)\,g(y)\,dy $$
は、$g$ の値を $f$ の平行移動で重みづけて平均したものである。Youngの畳み込み不等式は、$f\in L^p$、$g\in L^q$ のとき、この積分がほとんどすべての $x$ で意味をもち、$f*g$ が指数
$$ \frac1r=\frac1p+\frac1q-1 $$
の $L^r$ に入って $\|f*g\|_r\le\|f\|_p\|g\|_q$ となることを述べる。$1/r\le1/p$ かつ $1/r\le1/q$ なので、畳み込むと可積分性の指数が上がる(局所的な特異性がならされる)。

  • $q=1$ のとき $r=p$ で、$\|f*g\|_p\le\|f\|_p\|g\|_1$ となる。$L^1$ の関数との畳み込みは $L^p$ 上の有界作用素である。
  • $1/p+1/q=1$ のとき $r=\infty$ で、$f*g$ は有界な一様連続関数になる。$1< p<\infty$ ならさらに無限遠で $0$ に近づく。
    2 つの数についての不等式 $ab\le a^p/p+b^q/q$ も Young の不等式と呼ばれる(凸関数 の記事の系「Youngの不等式」)。この記事の不等式とは別のものである。
    畳み込み の記事では、Fourier 変換との相性のために積分に定数 $(2\pi)^{-N/2}$ を掛けた畳み込みを使っている。この記事の畳み込みには定数を付けない。定数を付けた畳み込みでは、右辺にも同じ定数が掛かる。

設定と主張

以下、$\mathbb{R}^N$ に Lebesgue 測度を入れ、関数は実数値または複素数値とする。$L^p=L^p(\mathbb{R}^N)$ はほとんど至る所等しい関数を同一視した空間である。指数 $1\le p\le\infty$ の共役指数を $p'$ と書く($\frac1p+\frac1{p'}=1$、$1'=\infty$、$\infty'=1$)。$\frac1\infty=0$ と約束する。
$f,g$ が可測なら、$(x,y)\mapsto f(x-y)g(y)$ は $\mathbb{R}^N\times\mathbb{R}^N$ 上で可測である($f$ を Borel 可測な代表に取り替えると、線形写像 $(x,y)\mapsto x-y$ との合成は Borel 可測になる。取り替えの差は $\{(x,y):x-y\in Z\}$($Z$ は Borel 零集合に取れる)の上だけで、この集合の各 $y$ での断面 $Z+y$ は零集合なので、Fubiniの定理 の記事の Tonelli の定理によりこの集合は零集合である)。

畳み込み積分

可測関数 $f,g$ について、積分 $\int_{\mathbb{R}^N}|f(x-y)g(y)|\,dy$ が有限な $x$ で
$$ (f*g)(x):=\int_{\mathbb{R}^N}f(x-y)\,g(y)\,dy $$
と定める。この積分がほとんどすべての $x$ で有限なとき、$f*g$ はほとんど至る所定義された関数として $L^p$ の議論に使える。

$f$ や $g$ を零集合の上で変えても、積分が有限になる $x$ の集合も $f*g$ の値も変わらない($y\mapsto x-y$ は零集合を零集合に写す)。$z=x-y$ と変数変換すれば、積分が有限な $x$ で $(f*g)(x)=(g*f)(x)$ である。
主定理の証明には 3 つの関数についての Hölder の不等式を使う。

3 つの関数についての Hölder の不等式

$1\le a,b,c\le\infty$、$\frac1a+\frac1b+\frac1c=1$ とし、$u,v,w$ を測度空間上の可測関数とする。このとき
$$ \int|uvw|\le\|u\|_a\|v\|_b\|w\|_c $$
が成り立つ(右辺に $\infty$ が現れるときも、$0\cdot\infty=0$ の約束で正しい)。

$a=\infty$ なら $\int|uvw|\le\|u\|_\infty\int|vw|$ で、$\frac1b+\frac1c=1$ だから通常の Hölder の不等式に帰着する。$a<\infty$ とし、$s:=a'$ と置くと $\frac1b+\frac1c=\frac1s$ である。通常の Hölder の不等式から $\int|uvw|\le\|u\|_a\|vw\|_s$ である。$s=\infty$ なら $b=c=\infty$ で $\|vw\|_\infty\le\|v\|_\infty\|w\|_\infty$ である。$s<\infty$ なら $\frac{s}{b}+\frac{s}{c}=1$ なので、指数 $b/s$ と $c/s$(どちらも $1$ 以上で、一方が $\infty$ でもよい)の Hölder の不等式を $|v|^s,|w|^s$ に使って
$$ \int|v|^s|w|^s\le\Bigl(\int|v|^b\Bigr)^{s/b}\Bigl(\int|w|^c\Bigr)^{s/c} $$
($b=\infty$ なら左辺 $\le\|v\|_\infty^s\int|w|^s$)を得る。$\frac1s$ 乗すれば $\|vw\|_s\le\|v\|_b\|w\|_c$ である。$\square$

Youngの畳み込み不等式

$1\le p,q,r\le\infty$ が
$$ \frac1p+\frac1q=1+\frac1r $$
を満たすとし、$f\in L^p(\mathbb{R}^N)$、$g\in L^q(\mathbb{R}^N)$ とする。このとき、ほとんどすべての $x$ で $y\mapsto f(x-y)g(y)$ は可積分であり、$f*g\in L^r(\mathbb{R}^N)$ かつ
$$ \|f*g\|_r\le\|f\|_p\,\|g\|_q $$
が成り立つ。$r=\infty$ のときは、すべての $x$ で可積分である。

$r=\infty$ の場合。このとき $q=p'$ である。$x$ を固定すると、Lebesgue 測度の平行移動と反転についての不変性から $\|f(x-\cdot)\|_p=\|f\|_p$ であり、Hölder の不等式により
$$ \int|f(x-y)g(y)|\,dy\le\|f\|_p\|g\|_{p'} $$
がすべての $x$ で成り立つ。よって $f*g$ はいたるところ定義され、$|(f*g)(x)|\le\|f\|_p\|g\|_q$ である。
$r<\infty$ の場合。$p=\infty$ なら $\frac1q=1+\frac1r>1$ となって $q\ge1$ に反するので $p<\infty$ であり、同様に $q<\infty$ である。
$$ H(x):=\int_{\mathbb{R}^N}|f(x-y)|^p|g(y)|^q\,dy\in[0,\infty] $$
と置く。非負関数なので Tonelli の定理で積分の順序を交換でき、平行移動不変性から
$$ \int_{\mathbb{R}^N}H(x)\,dx=\int|g(y)|^q\Bigl(\int|f(x-y)|^p\,dx\Bigr)dy=\|f\|_p^p\,\|g\|_q^q<\infty $$
である。とくにほとんどすべての $x$ で $H(x)<\infty$ である。
指数を $\frac1b:=\frac1p-\frac1r$、$\frac1c:=\frac1q-\frac1r$ で定める。どちらも $0$ 以上 $1$ 以下で、$\frac1r+\frac1b+\frac1c=\frac1p+\frac1q-\frac1r=1$ である。$x$ を固定し、$y$ の関数として
$$ |f(x-y)g(y)|=\underbrace{\bigl(|f(x-y)|^p|g(y)|^q\bigr)^{1/r}}_{u(y)}\cdot\underbrace{|f(x-y)|^{p/b}}_{v(y)}\cdot\underbrace{|g(y)|^{q/c}}_{w(y)} $$
と分ける($\frac pr+\frac pb=1$、$\frac qr+\frac qc=1$ による。$\frac1b=0$ のときは $v=1$、$\frac1c=0$ のときは $w=1$ と読む)。$\|u\|_r=H(x)^{1/r}$、$\|v\|_b=\|f\|_p^{p/b}$、$\|w\|_c=\|g\|_q^{q/c}$ なので、lem-yci-holder3 により
$$ \int|f(x-y)g(y)|\,dy\le H(x)^{1/r}\,\|f\|_p^{p/b}\,\|g\|_q^{q/c} $$
である($b=\infty$ なら $\|v\|_\infty=1=\|f\|_p^0$、$c=\infty$ でも同様)。右辺は $H(x)<\infty$ なら有限なので、ほとんどすべての $x$ で $y\mapsto f(x-y)g(y)$ は可積分である。両辺を $r$ 乗して $x$ で積分すると
$$ \int|(f*g)(x)|^r\,dx\le\|f\|_p^{pr/b}\|g\|_q^{qr/c}\int H(x)\,dx=\|f\|_p^{p+pr/b}\,\|g\|_q^{q+qr/c} $$
である。$p+\frac{pr}b=pr\bigl(\frac1r+\frac1p-\frac1r\bigr)=r$、同様に $q+\frac{qr}c=r$ なので、右辺は $(\|f\|_p\|g\|_q)^r$ である。$f*g$ の可測性は、$f(x-y)g(y)$ を実部・虚部の正の部分と負の部分に分け、それぞれの $y$ についての積分が $x$ の可測関数になること(Tonelli の定理)からわかる。$\square$

指数の条件は「$\frac1p+\frac1q\ge1$ で、$r$ を $\frac1r=\frac1p+\frac1q-1$ で定める」と言っても同じである。$\frac1r\le\frac1p$ と $\frac1r\le\frac1q$ から $r\ge p$、$r\ge q$ である。
$q=1$ の場合($r=p$)は 畳み込み の記事の命題「$L^p$関数と$L^1$関数の畳み込み」でもある(定数 $(2\pi)^{-N/2}$ の違いを除く)。そこでは測度 $|g(y)|dy$ についての Hölder の不等式で示している。上の証明で $q=1$ とすると $b=\infty$、$c=p'$ で、同じ計算になる。

共役な指数の場合:連続性と無限遠での減衰

$r=\infty$、すなわち $q=p'$ のとき、$f*g$ は有界であるだけでなく連続になる。証明の鍵は平行移動の連続性(軟化子 の記事の補題「平行移動の連続性」):$1\le p<\infty$、$f\in L^p$ なら $h\to0$ のとき $\|f(\cdot+h)-f\|_p\to0$ である。

共役な指数での畳み込み

$1\le p\le\infty$、$f\in L^p(\mathbb{R}^N)$、$g\in L^{p'}(\mathbb{R}^N)$ とする。

  1. $f*g$ はいたるところ定義された有界な一様連続関数で、$\sup_x|(f*g)(x)|\le\|f\|_p\|g\|_{p'}$ である。
  2. $1< p<\infty$ なら、$|x|\to\infty$ のとき $(f*g)(x)\to0$ である。

1.定義と上界は thm-yci-main の $r=\infty$ の場合である。$p<\infty$ とする。$x,h\in\mathbb{R}^N$ について
$$ |(f*g)(x+h)-(f*g)(x)|\le\int|f(x+h-y)-f(x-y)|\,|g(y)|\,dy\le\|f(\cdot+h)-f\|_p\,\|g\|_{p'} $$
である(Hölder の不等式と、$y\mapsto x-y$ による平行移動・反転の不変性)。右辺は $x$ によらず、$h\to0$ で $0$ に近づくので、$f*g$ は一様連続である。$p=\infty$ なら $p'=1<\infty$ なので、$f*g=g*f$ として $f$ と $g$ の役割を入れ替えればよい。
2.$1< p<\infty$ なら $p,p'$ はどちらも有限なので、連続でコンパクトな台をもつ関数は $L^p$ でも $L^{p'}$ でも稠密である(軟化子 の命題「連続でコンパクトな台をもつ関数の稠密性」。Bre11 Theorem 4.12、p. 97)。$\|f-f_k\|_p\to0$、$\|g-g_k\|_{p'}\to0$ となるそのような $f_k,g_k$ をとる。$(f_k*g_k)(x)\ne0$ なら $x-y\in\operatorname{supp}f_k$ かつ $y\in\operatorname{supp}g_k$ となる $y$ があるので、$f_k*g_k$ はコンパクト集合 $\operatorname{supp}f_k+\operatorname{supp}g_k$ の外で $0$ である。1 の上界を使うと、すべての $x$ で
$$ |(f*g)(x)-(f_k*g_k)(x)|\le\|f-f_k\|_p\|g\|_{p'}+\|f_k\|_p\|g-g_k\|_{p'} $$
であり、右辺は $k\to\infty$ で $0$ に近づく($\|f_k\|_p$ は有界)。$\varepsilon>0$ に対し右辺が $\varepsilon$ より小さい $k$ を 1 つ固定すれば、コンパクト集合 $\operatorname{supp}f_k+\operatorname{supp}g_k$ の外で $|(f*g)(x)|<\varepsilon$ である。$\square$

2 は $p=1$($p'=\infty$)では成り立たない(下の反例の表の 3 行目)。

指数の関係はなぜこの形か

$\frac1p+\frac1q=1+\frac1r$ という関係は、拡大・縮小についての次元の勘定から決まる。

指数の関係の必要性

$1\le p,q,r\le\infty$ と定数 $C<\infty$ について、$\mathbb{R}^N$ の球の指示関数 $f,g$ に対していつも $\|f*g\|_r\le C\|f\|_p\|g\|_q$ が成り立つとする。このとき $\frac1p+\frac1q=1+\frac1r$ である。

$\varphi:=\mathbf 1_{B(0,1)}$、$\lambda>0$ について $\varphi_\lambda(x):=\varphi(x/\lambda)=\mathbf 1_{B(0,\lambda)}(x)$ と置く。変数変換 $x=\lambda u$ により $\|\varphi_\lambda\|_p=\lambda^{N/p}\|\varphi\|_p$ である($p=\infty$ でも $\lambda^0=1$ として正しい)。また $y=\lambda v$ と置換すると
$$ (\varphi_\lambda*\varphi_\lambda)(x)=\int\varphi\Bigl(\frac{x-y}\lambda\Bigr)\varphi\Bigl(\frac y\lambda\Bigr)dy=\lambda^N(\varphi*\varphi)(x/\lambda) $$
なので、$\|\varphi_\lambda*\varphi_\lambda\|_r=\lambda^{N+N/r}\|\varphi*\varphi\|_r$ である。$\varphi*\varphi$ は有界で台が $\overline B(0,2)$ に入り、$(\varphi*\varphi)(0)$ は単位球の体積で正、しかも連続(prop-yci-conjugate の 1)なので、$0<\|\varphi*\varphi\|_r<\infty$ である。仮定から、すべての $\lambda>0$ で
$$ \lambda^{N+N/r}\|\varphi*\varphi\|_r\le C\lambda^{N/p+N/q}\|\varphi\|_p\|\varphi\|_q $$
である。$\alpha:=N+\frac Nr-\frac Np-\frac Nq$ と置くと $\lambda^{\alpha}$ が $\lambda>0$ について有界となる。$\alpha>0$ なら $\lambda\to\infty$、$\alpha<0$ なら $\lambda\to0$ で矛盾するので、$\alpha=0$ である。$\square$

例

区間の指示関数どうしの畳み込み

$N=1$、$f=g=\mathbf 1_{[0,1]}$ とする。$(f*g)(x)$ は $[0,1]$ と $[x-1,x]$ の共通部分の長さなので、$0\le x\le1$ で $x$、$1\le x\le2$ で $2-x$、それ以外で $0$ の三角形の関数である。$\|f\|_p=\|g\|_q=1$ だから Young の不等式の右辺は $1$ である。$1\le r<\infty$ なら
$$ \|f*g\|_r^r=2\int_0^1x^r\,dx=\frac2{r+1}, $$
$r=\infty$ なら $\|f*g\|_\infty=1$ である。$\bigl(\frac2{r+1}\bigr)^{1/r}\le1$ は $r\ge1$ と同値で、等号は $r=1$ と $r=\infty$ のときに限る。$1< r<\infty$ では不等式は等号にならない。

$r=1$($p=q=1$)の場合、$f,g\ge0$ なら Tonelli の定理により $\int f*g=\int f\int g$ なので、いつも等号である。

反例の表

外す条件反例成り立たなくなること
指数の関係($p=q=1$ のまま $r=2$ にする)$\mathbb{R}$ 上の $f=g=x^{-3/4}\mathbf 1_{(0,1)}(x)$$f*g\in L^r$
$\frac1p+\frac1q\ge1$($p=q=3$ にする)$\mathbb{R}$ 上の $f=g=(1+\lvert x\rvert)^{-1/2}$積分 $\int f(x-y)g(y)\,dy$ がほとんどすべての $x$ で有限であること
prop-yci-conjugate の 2 の $1< p<\infty$($p=1$、$p'=\infty$ にする)$\mathbb{R}$ 上の $f=\mathbf 1_{[0,1]}$、$g=1$$f*g$ が無限遠で $0$ に近づくこと

1 行目:$f\in L^1$ で、$0< x<1$ では $(f*f)(x)=x^{-1/2}\int_0^1t^{-3/4}(1-t)^{-3/4}\,dt$($y=xt$ と置換)である。$\int_0^1(x^{-1/2})^2\,dx=\infty$ なので $f*f\notin L^2$ である(畳み込み の記事の注意「反例:$L^1*L^1$ は必ずしも有界でも連続でもない」と同じ関数)。
2 行目:$\int(1+|x|)^{-3/2}\,dx=4$ なので $f,g\in L^3(\mathbb{R})$ である。どの $x$ についても、$|y|\ge|x|$ なら $|x-y|\le2|y|$ なので $f(x-y)g(y)\ge(1+2|y|)^{-1}$ であり、$\int_{|y|\ge|x|}(1+2|y|)^{-1}dy=\infty$ である。積分はすべての $x$ で発散する。
3 行目:すべての $x$ で $(f*g)(x)=\int_{x-1}^{x}1\,dy=1$ である。

補間による見方

複素数値の関数では、Young の不等式を Riesz–Thorinの補間定理 から導くこともできる。$1< q<\infty$ とし、$g\in L^q$ を固定して$Tf:=f*g$ と置く。$q=1$ の場合を $f,g$ の役割を入れ替えて使うと $\|Tf\|_q\le\|g\|_q\|f\|_1$ であり、Hölder の不等式から $\|Tf\|_\infty\le\|g\|_q\|f\|_{q'}$ である。端点 $(p_0,q_0)=(1,q)$、$(p_1,q_1)=(q',\infty)$ を $0<\theta<1$ で補間すると、$\frac1p=1-\frac\theta q$、$\frac1r=\frac{1-\theta}q$ であり、$\frac1p+\frac1q-1=\frac1r$ を満たす $1< p< q'$ のすべての指数が得られる(両端の $p=1$、$p=q'$ は上の 2 つの評価そのものである)。作用素ノルムは $\|g\|_q^{1-\theta}\|g\|_q^{\theta}=\|g\|_q$ 以下である。

応用:畳み込みの像のコンパクト性

$G\in L^1(\mathbb{R}^N)$ を固定し、$L^p$ の有界集合 $B$ を $G$ との畳み込みで写すと、$q=1$ の場合の Young の不等式から $\|G*u\|_p\le\|G\|_1\|u\|_p$ である。さらに $\|(G*u)(\cdot+h)-G*u\|_p\le\|G(\cdot+h)-G\|_1\|u\|_p$ も同じ不等式から従う。こうして $G*B$ は平行移動について一様に連続になり、Kolmogorov–Riesz–Fréchetの定理 によって、測度有限な集合の上ではノルム位相で相対コンパクトになる。

補足

文献

$q=1$ の場合は Bre11 Theorem 4.15(p. 104)で、証明は同じ頁から p. 105 にある。一般の指数の主張は同書 p. 117 の Theorem 4.33 に述べられ、証明は Exercise 4.30(pp. 127–128)に委ねられている。この記事の証明は、その演習のヒントにある 3 つの因子への分け方による。共役な指数で連続になること、$1< p<\infty$ なら無限遠で $0$ に近づくことは Exercise 4.30 の 3 である。平行移動の連続性は同書 Lemma 4.3(p. 114)にある。

関連項目

参考文献

[1]
Haim Brezis, Functional Analysis, Sobolev Spaces and Partial Differential Equations, Springer, 2011, Theorem 4.12(p. 97、$C_c$ の稠密性)、Theorem 4.15 とその証明(pp. 104–105、$q=1$ の場合)、Lemma 4.3(p. 114、平行移動の連続性)、Theorem 4.33(p. 117、一般の指数の主張)、Exercise 4.30(pp. 127–128、一般の指数の証明の筋と共役な指数の場合)

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