双対写像(Banach空間)

同義語:正規化双対写像duality mappingduality mapnormalized duality mapping

概要

双対写像(Banach空間)(duality mapping)とは、実ノルム空間 $X$ の各元 $x$ に、ノルムが $\|x\|$ で $x$ での値が $\|x\|^2$ である連続線形汎関数全体の集合 $F(x)$ を対応させる、$X$ から双対空間 $X^*$ への集合値の写像である。$F(x)$ は Hahn–Banach の定理により空でない閉凸集合で、$\frac12\|\cdot\|^2$ の劣微分に等しく、$F$ は単調作用素である。$X^*$ のノルムが狭義凸なら $F(x)$ は 1 点であり、$X$ のノルムが狭義凸なら異なる点の値は交わらない。実 Hilbert 空間では内積による同一視と一致し、$F$ が加法的になるのはノルムが内積から来るときに限る。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: ノルム空間, 連続双対空間, Hahn–Banachの定理, 狭義凸ノルム

何を捉える概念か

実 Hilbert 空間 $H$ では、元 $x$ に連続線形汎関数 $y\mapsto(x,y)$ を対応させると、ノルムが保たれ、$x$ での値は $\|x\|^2$ になる。Rieszの表現定理 により、この対応で $H$ とその双対空間が同一視される。
一般のノルム空間 $X$ には内積がないが、「ノルムが $\|x\|$ で、$x$ での値が $\|x\|^2$ である連続線形汎関数」は Hahn–Banachの定理 によっていつも存在する。ただし 1 つとは限らない。そこで、そのような汎関数全体の集合を $x$ に対応させたものを双対写像(duality mapping)という。双対写像は $X$ から $X^*$ への集合値の写像で、Hilbert 空間での同一視の代わりになり、単調作用素の典型例でもある。
双対写像の値がいつ 1 点になるか、どの汎関数がどの点の値になるかは、ノルムの丸さで決まる。双対空間のノルムが狭義凸ノルムなら値は 1 点であり、$X$ 自身が狭義凸なら異なる点の値は交わらない。双対写像が加法的になるのは、ノルムが内積から来るときに限る。
名前について:双対空間(線形代数) の記事の定義「双対写像」は、線形写像 $T$ に $\psi\mapsto\psi\circ T$ を対応させる転置写像のことで、この記事の双対写像とは別の概念である。
以下、$X$ を実ノルム空間、$X^*$ をその連続双対空間とし、$f\in X^*$ の $x\in X$ での値を $\langle f,x\rangle=f(x)$、双対ノルムを $\|f\|=\sup_{\|x\|\le1}\langle f,x\rangle$ と書く(連続双対空間 の定義「連続双対空間と双対ノルム」)。記号は 一様凸Banach空間 にそろえる。

定義

双対写像(Banach空間)

実ノルム空間 $X$ の元 $x$ に対し、
$$ F(x)=\bigl\{f\in X^*:\ \|f\|=\|x\|,\ \langle f,x\rangle=\|x\|^2\bigr\} $$
とおく。$x\mapsto F(x)$ を $X$ の双対写像(duality mapping、正規化双対写像)という。

$F(x)$ は $X^*$ の部分集合であり、$F$ は集合値の写像である。すべての $x$ で $F(x)$ が 1 点からなるときは、その点を $F(x)$ と書いて $F\colon X\to X^*$ を普通の写像とみなす。この定義は Bre11 の Remark 2(pp. 3–4)による。

基本性質

双対写像の基本性質

$x\in X$ とする。

  1. $F(x)=\{f\in X^*:\ \|f\|\le\|x\|,\ \langle f,x\rangle=\|x\|^2\}$ である。
  2. $F(x)$ は空でない有界な凸集合で、ノルム位相でも弱スター位相でも閉じている。
  3. $F(0)=\{0\}$ であり、$0$ でない実数 $\lambda$ について $F(\lambda x)=\lambda F(x)$ である。
  4. $f\in X^*$ について、$f\in F(x)$ であることと、すべての $y\in X$ で
    $$ \tfrac12\|y\|^2-\tfrac12\|x\|^2\ge\langle f,y-x\rangle $$
    が成り立つことは同値である。

4 は、劣微分 の定義「劣勾配と劣微分」の意味で $F(x)=\partial\varphi(x)$、$\varphi=\frac12\|\cdot\|^2$ であることを述べている。

1:右辺を $B(x)$ とすると $F(x)\subset B(x)$ は明らかである。$x=0$ なら $B(0)=\{0\}=F(0)$ である。$x\ne0$、$f\in B(x)$ なら $\|x\|^2=\langle f,x\rangle\le\|f\|\,\|x\|$ から $\|f\|\ge\|x\|$ なので $\|f\|=\|x\|$ である。
2:$x=0$ なら $F(0)=\{0\}$ である。$x\ne0$ なら、連続双対空間 の定理「点でノルムを実現する汎関数」により $\|f_0\|=1$、$\langle f_0,x\rangle=\|x\|$ となる $f_0$ があり、$\|x\|f_0\in F(x)$ である。1 の表示で、$\{f:\|f\|\le\|x\|\}=\bigcap_{\|y\|\le1}\{f:\langle f,y\rangle\le\|x\|\}$ と $\{f:\langle f,x\rangle=\|x\|^2\}$ はどちらも、$f\mapsto\langle f,y\rangle$ の形の弱スター連続な(したがってノルム連続な)関数で定まる閉じた凸集合の共通部分である。
3:$f\in F(x)$ なら $\|\lambda f\|=|\lambda|\|x\|=\|\lambda x\|$、$\langle\lambda f,\lambda x\rangle=\lambda^2\|x\|^2=\|\lambda x\|^2$ なので $\lambda f\in F(\lambda x)$ である。$\lambda$ を $\lambda^{-1}$、$x$ を $\lambda x$ に替えれば逆の包含を得る。
4:$f\in F(x)$ とする。$\langle f,y\rangle\le\|x\|\,\|y\|$ と $\langle f,x\rangle=\|x\|^2$ から
$$ \tfrac12\|y\|^2-\tfrac12\|x\|^2-\langle f,y-x\rangle\ge\tfrac12\|y\|^2+\tfrac12\|x\|^2-\|x\|\,\|y\|=\tfrac12(\|y\|-\|x\|)^2\ge0 $$
である。逆に不等式を仮定する。$z\in X$、$t>0$ について $y=x+tz$ とおくと、三角不等式から
$$ t\langle f,z\rangle\le\tfrac12\bigl(\|x+tz\|^2-\|x\|^2\bigr)\le t\|x\|\,\|z\|+\tfrac12t^2\|z\|^2 $$
であり、$t$ で割って $t\downarrow0$ とすると $\langle f,z\rangle\le\|x\|\,\|z\|$ を得る。$z$ を $-z$ に替えて $\|f\|\le\|x\|$ である。次に $0< s< 1$ について $y=(1-s)x$ とおくと $\frac12\bigl((1-s)^2-1\bigr)\|x\|^2\ge-s\langle f,x\rangle$、すなわち $\langle f,x\rangle\ge(1-\frac s2)\|x\|^2$ であり、$s\downarrow0$ として $\langle f,x\rangle\ge\|x\|^2$ を得る。$\langle f,x\rangle\le\|f\|\,\|x\|\le\|x\|^2$ と合わせて等号であり、1 から $f\in F(x)$ である。$\square$

1・4 と、2 のうち空でない閉凸集合であることは Bre11 Exercise 1.1 の 1・3(p. 19)にある。

双対写像の単調性

すべての $x,y\in X$、$f\in F(x)$、$g\in F(y)$ について
$$ \langle f-g,x-y\rangle\ge(\|x\|-\|y\|)^2\ge0 $$
である。

$\langle f,y\rangle\le\|f\|\,\|y\|=\|x\|\,\|y\|$、$\langle g,x\rangle\le\|x\|\,\|y\|$ から
$$ \langle f-g,x-y\rangle=\|x\|^2+\|y\|^2-\langle f,y\rangle-\langle g,x\rangle\ge\|x\|^2+\|y\|^2-2\|x\|\,\|y\|=(\|x\|-\|y\|)^2 $$
である。$\square$

$\langle f-g,x-y\rangle\ge0$ は、集合値の写像 $F$ が単調作用素であることを表す。これは 劣微分 の命題「劣微分の基本性質」の 3(劣微分の単調性)を $\varphi=\frac12\|\cdot\|^2$ に使っても得られるが、上の下界 $(\|x\|-\|y\|)^2$ はそれより精しい。この定理は Bre11 Exercise 1.1 の 4(pp. 19–20)にある。

狭義凸性と双対写像

狭義凸性と双対写像
  1. $X^*$ のノルムが狭義凸なら、すべての $x\in X$ で $F(x)$ は 1 点からなる。
  2. $X^*$ のノルムが狭義凸で、$x,y\in X$ が $\langle F(x)-F(y),x-y\rangle=0$ を満たすなら、$F(x)=F(y)$ である。
  3. $X$ のノルムが狭義凸なら、$x\ne y$ について $F(x)\cap F(y)=\emptyset$ である。すなわち、各 $f\in X^*$ について $f\in F(x)$ となる $x$ は高々 1 つである。
  4. $X$ が反射的な Banach 空間なら、各 $f\in X^*$ について $f\in F(x)$ となる $x$ が存在する。

1:$x=0$ なら $F(0)=\{0\}$ である。$r=\|x\|>0$ とし、$f\ne g$ がともに $F(x)$ に属するとする。$f/r$ と $g/r$ は $X^*$ の異なる単位ベクトルなので、狭義凸性から $\|(f+g)/2\|< r$ である。一方 $\langle(f+g)/2,x\rangle=r^2$ なので $r^2\le\|(f+g)/2\|\,r$、すなわち $\|(f+g)/2\|\ge r$ となり矛盾する。$F(x)$ は空でないので(thm-dm-basic の 2)1 点からなる。
2:$f=F(x)$、$g=F(y)$ とおく。thm-dm-monotone から $\|x\|=\|y\|=:r$ である。$r=0$ なら $x=y=0$ である。$r>0$ なら $0=2r^2-\langle f,y\rangle-\langle g,x\rangle$ で、$\langle f,y\rangle\le r^2$、$\langle g,x\rangle\le r^2$ なので、$\langle f,y\rangle=\langle g,x\rangle=r^2$ である。よって $f\in F(y)$ であり、1 の一意性から $f=g$ である。
3:$f\in F(x)\cap F(y)$ なら $\|x\|=\|y\|=\|f\|=:r$ である。$r=0$ なら $x=y=0$ である。$r>0$ なら $x/r$、$y/r$ はともに $S_X$ の点で、$f$ の値はどちらも $r=\|f\|$ である。狭義凸ノルム の命題「ノルムを達成する点の一意性」から $x/r=y/r$ である。
4:$f=0$ なら $f\in F(0)$ である。$f\ne0$ なら、反射的Banach空間 の命題「反射的なら汎関数はノルムを達成する」により $\|x_0\|\le1$、$|\langle f,x_0\rangle|=\|f\|$ となる $x_0$ がある。必要なら $x_0$ を $-x_0$ に替えて $\langle f,x_0\rangle=\|f\|$ とし、$x=\|f\|x_0$ とおく。$\|x\|\le\|f\|$ と $\langle f,x\rangle=\|f\|^2$ から $\|f\|^2\le\|f\|\,\|x\|$ なので $\|x\|=\|f\|$ であり、$f\in F(x)$ である。$\square$

1・2 は Bre11 Exercise 1.1 の 2・5(pp. 19–20)と Remark 2(p. 4)、3・4 は Exercise 3.28(p. 86)にある。同書の Exercise 3.28 は一様凸 Banach 空間について述べている。一様凸 Banach 空間は狭義凸で(一様凸Banach空間 の定義「狭義凸」の後の注意)、反射的である(同記事の定理「Milman–Pettisの定理」)ので、3・4 が当てはまる。

双対写像が全単射になる場合

$X$ を反射的な Banach 空間とし、$X$ と $X^*$ のノルムがともに狭義凸であるとする。このとき $F\colon X\to X^*$ は全単射で、$F(\lambda x)=\lambda F(x)$($\lambda\in\mathbb R$)、$\|F(x)\|=\|x\|$ を満たす。

thm-dm-strict の 1 により $F$ は写像であり、3 により単射、4 により全射である。残りは thm-dm-basic の 3 と定義による。$\square$

$F$ は一般に線形ではない(次の節の例で $p\ne2$ の場合)。逆に $F$ が線形になる、あるいはもっと弱く加法的になるのは、ノルムが内積から来る場合に限る(thm-dm-additive)。

例

内積空間

$X$ を実内積空間(完備とは限らない)とすると、$F(x)$ は汎関数 $y\mapsto(x,y)$ だけからなる。この汎関数が $F(x)$ に属することは Cauchy–Schwarz の不等式から分かる。逆に $f\in F(x)$ なら、thm-dm-basic の 4 を $y=x+tz$ に使うと $t\langle f,z\rangle\le t(x,z)+\frac{t^2}2\|z\|^2$ がすべての実数 $t$ で成り立ち、$t>0$、$t< 0$ で割って $t\to0$ とすると $\langle f,z\rangle=(x,z)$ を得る。$X$ が Hilbert 空間なら、Rieszの表現定理 の同一視のもとで $F$ は恒等写像である。

加法性と内積

実ノルム空間 $X$ について、次は同値である。

  1. ノルムはある内積から来る。
  2. すべての $u,v\in X$ について $F(u)+F(v)\subset F(u+v)$ である。

1 ⇒ 2:ex-dm-inner により $F(u)+F(v)$ は $y\mapsto(u,y)+(v,y)=(u+v,y)$ だけからなり、これは $F(u+v)$ の元である。
2 ⇒ 1:$u,v\in X$ と $f\in F(u)$、$g\in F(v)$ をとる(thm-dm-basic の 2 により存在する)。2 から $f+g\in F(u+v)$ である。また thm-dm-basic の 3 から $-g\in F(-v)$ なので、2 を $u$ と $-v$ に使って $f-g\in F(u-v)$ である。よって
$$ \|u+v\|^2+\|u-v\|^2=\langle f+g,u+v\rangle+\langle f-g,u-v\rangle=2\langle f,u\rangle+2\langle g,v\rangle=2\|u\|^2+2\|v\|^2 $$
であり、平行四辺形の等式が成り立つ。Jordan–von Neumannの定理 の定理「Jordan–von Neumannの定理」により、ノルムは内積から来る。$\square$

この定理は Bre11 Exercise 5.13(p. 150)にある。

数ベクトル空間の $p$ ノルム

$X=\mathbb R^n$ とし、$f\in X^*$ を $f_i=\langle f,e_i\rangle$ によって $(f_1,\dots,f_n)$ と同一視する。$1\le p\le\infty$ と共役指数 $q$ について、$(\mathbb R^n,\|\cdot\|_p)$ の双対ノルムは $\|(f_i)\|_q$ である(Hölderの不等式 の定理「$p$ ノルムの双対表示」)。$x\ne0$ とし $r=\|x\|_p$ とおく。

  1. $p=1$:$F(x)=\{f:\ x_i\ne0$ なら $f_i=r\operatorname{sign}x_i$、$x_i=0$ なら $|f_i|\le r\}$。
  2. $p=\infty$:$I=\{i:|x_i|=r\}$ とすると、$F(x)=\{f:\ i\notin I$ なら $f_i=0$、$i\in I$ なら $f_ix_i\ge0$、$\sum_{i\in I}|f_i|=r\}$。
  3. $1< p<\infty$:$F(x)$ はただ 1 つの元 $f_i=r^{2-p}|x_i|^{p-2}x_i$($x_i=0$ なら $f_i=0$)からなる。
    とくに $p=1$ では $x$ の成分に $0$ があれば、$p=\infty$ では $|x_i|=r$ となる $i$ が 2 つ以上あれば、$F(x)$ は 2 点以上を含む。

1・2 は thm-dm-basic の 1 の表示を使い、「双対ノルム $\le r$」と「$\sum_if_ix_i=r^2$」を比べる。

詳細

$p=1$:$\max_i|f_i|\le r$ なら $\sum_if_ix_i\le\sum_i|f_i||x_i|\le r\sum_i|x_i|=r^2$ であり、等号はすべての $i$ で $f_ix_i=r|x_i|$ となるとき、すなわち $x_i\ne0$ なら $f_i=r\operatorname{sign}x_i$ のときに限る。

$p=\infty$:$\sum_i|f_i|\le r$ なら $\sum_if_ix_i\le\sum_i|f_i||x_i|\le r\sum_i|f_i|\le r^2$ であり、等号は、すべての $i$ で $f_ix_i=|f_i||x_i|$、$|f_i|(r-|x_i|)=0$、かつ $\sum_i|f_i|=r$ のときに限る。

3:$f$ を上の式で定めると、$\sum_if_ix_i=r^{2-p}\sum_i|x_i|^p=r^2$ であり、$(p-1)q=p$ から $\|f\|_q=r^{2-p}\bigl(\sum_i|x_i|^p\bigr)^{1/q}=r^{2-p}r^{p-1}=r$ なので $f\in F(x)$ である。$(\mathbb R^n,\|\cdot\|_q)$ は狭義凸なので(狭義凸ノルム の命題「$L^p$ 空間($1< p<\infty$)」を数え上げ測度に使う)、thm-dm-strict の 1 により $F(x)$ はこの 1 点からなる。$\square$

3 は σ-有限な測度空間上の実数値の $L^p$($1< p<\infty$)にそのまま広がる。$u\in L^p$、$u\ne0$ について $w=\|u\|_p^{2-p}|u|^{p-2}u$($u=0$ の点では $0$)とおくと、同じ計算で $w\in L^q$、$\|w\|_q=\|u\|_p$、$\int wu\,d\mu=\|u\|_p^2$ であり、$v\mapsto\int wv\,d\mu$ が $F(u)$ のただ 1 つの元である。一意性には、$(L^p)^*$ が $L^q$ と等長同型であること(Lp空間の双対 の定理「$L^p$ の双対の表現定理($1< p<\infty$)」)と、$L^q$ のノルムが狭義凸であることを使う。この例と 1・2 の計算は Bre11 Exercise 1.2(p. 20)にある。

反例の表

外す条件反例成り立たなくなること
$X^*$ の狭義凸性$(\mathbb R^2,\|\cdot\|_1)$、$x=e_1$$F(x)$ が 1 点であること(thm-dm-strict の 1)
$X$ の狭義凸性$(\mathbb R^2,\|\cdot\|_\infty)$、$f(x)=x_1$$f\in F(x)$ となる $x$ の一意性(thm-dm-strict の 3)
反射的な Banach 空間であること$\ell^2$ のノルムを入れた $c_{00}$、$f(x)=\sum_n2^{-n}x_n$$f\in F(x)$ となる $x$ の存在(thm-dm-strict の 4)
ノルムが内積から来ること$(\mathbb R^2,\|\cdot\|_4)$$F$ の加法性(thm-dm-additive)

1 行目:ex-dm-finite の 1 で $F(e_1)=\{(1,b):|b|\le1\}$。双対ノルムは $\|\cdot\|_\infty$ で狭義凸でない。2 行目:$\|f\|_1=1$ で、$|s|\le1$ のすべての $x=(1,s)$ について $\|x\|_\infty=1$、$\langle f,x\rangle=1$ なので $f\in F(x)$。thm-dm-strict の 3 の仮定は $X$ の狭義凸性だけである。3 行目:$c_{00}$ は狭義凸な内積空間で、$\|f\|=\|w\|_2$($w=(2^{-n})$)である。$f\in F(x)$ なら $\|x\|_2=\|w\|_2$、$(w,x)=\|w\|_2^2$ で、Cauchy–Schwarz の不等式の等号から $x=w$ となるが、$w\notin c_{00}$ である(狭義凸ノルム の反例の表の 3 行目と同じ例)。4 行目:$(\mathbb R^2,\|\cdot\|_4)$ は反射的で、$X$ も $X^*=(\mathbb R^2,\|\cdot\|_{4/3})$ も狭義凸なので cor-dm-bijective の仮定を満たすが、$\|e_1+e_2\|_4^2+\|e_1-e_2\|_4^2=2\sqrt2\ne4=2\|e_1\|_4^2+2\|e_2\|_4^2$ なので平行四辺形の等式が成り立たず、thm-dm-additive により $F$ は加法的でない。

関連項目

参考文献

[1]
Haim Brezis, Functional Analysis, Sobolev Spaces and Partial Differential Equations, Springer, 2011, Remark 2(pp. 3–4、双対写像の定義)、Exercise 1.1(pp. 19–20)、Exercise 1.2(p. 20)、Exercise 3.28(p. 86)、Exercise 5.13(p. 150)

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