部屋が二つある家

同義語:Bingの家Bing's househouse with two rooms

概要

部屋が二つある家(house with two rooms)とは、上下二つの部屋と、天井と床下からそれぞれ反対側の部屋へ通じる二本の管と、管と外壁を結ぶ支えの壁からなる 3 次元空間内の 2 次元の空間であり、Bing の家とも呼ばれる。立体の箱を出入口の側から箱一つずつ潰していくとこの家まで縮むので、家は可縮であり、任意の点へ強変位レトラクトする。一方、単位正方形による胞体構造とそれを細分した三角形分割では、どの辺も二枚以上の面に属して自由な辺がなく、家は崩壊可能でない。可縮であることと崩壊可能であることが異なることを示す標準的な例である。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 可縮空間, 変位レトラクト, CW複体

部屋が二つある家は、上下二つの部屋と、それぞれの部屋へ通じる二本の管からなる $\mathbb{R}^3$ の中の $2$ 次元の空間である。Bing の家とも呼ばれる。この空間は可縮空間であり、しかも任意の点へ強変位レトラクトする。それにもかかわらず、自然な胞体構造のどの辺も二枚以上の面に挟まれていて「端」がなく、面を一枚ずつ剥がして縮めていく崩壊の操作は一歩目から始められない。可縮であることと、目に見える手順で点に崩せることとは別の性質であることを示す標準的な例である。
この記事では、整数座標で与えた一つの模型について、二つのことを示す。立体の箱 $[0,5]\times[0,3]\times[0,2]$ が箱を一つずつ潰す操作でこの家まで縮むこと(主定理 1)と、家の胞体構造には自由な辺がないこと(主定理 2)である。

定義

$S=[0,5]\times[0,3]\times[0,2]$ とする。$S$ を高さ $z=1$ の床で上の部屋($1\le z\le2$)と下の部屋($0\le z\le1$)に分け、二本の管を通す。上の管は天井から上の部屋を貫いて下の部屋へ通じ、下の管は床下から下の部屋を貫いて上の部屋へ通じる。長方形の内部とは、その長方形を含む平面の中での内部をいう。

部屋が二つある家

次の (a)〜(e) の和集合 $X\subset\mathbb{R}^3$ を部屋が二つある家(house with two rooms)という。

  • (a) 外壁:$S$ の境界 $\partial S$ から、天井の穴 $[1,2]\times[1,2]\times\{2\}$ の内部と、床下の穴 $[3,4]\times[1,2]\times\{0\}$ の内部を除いたもの。
  • (b) 中の床:$[0,5]\times[0,3]\times\{1\}$ から、二つの正方形 $[1,2]\times[1,2]\times\{1\}$ と $[3,4]\times[1,2]\times\{1\}$ の内部を除いたもの。
  • (c) 上の管の壁:$\{1\}\times[1,2]\times[1,2]$、$\{2\}\times[1,2]\times[1,2]$、$[1,2]\times\{1\}\times[1,2]$、$[1,2]\times\{2\}\times[1,2]$。
  • (d) 下の管の壁:$\{3\}\times[1,2]\times[0,1]$、$\{4\}\times[1,2]\times[0,1]$、$[3,4]\times\{1\}\times[0,1]$、$[3,4]\times\{2\}\times[0,1]$。
  • (e) 支えの壁:$W_U=[0,1]\times\{2\}\times[1,2]$ と $W_L=[4,5]\times\{2\}\times[0,1]$。

天井の穴から入ると、上の管の四枚の壁に囲まれたまま上の部屋を通り抜け、中の床の穴 $[1,2]\times[1,2]\times\{1\}$ から下の部屋に出る。下の部屋へ入る道はこれしかない。同じように、床下の穴から入ると下の管を通って上の部屋に出る。支えの壁 $W_U$ は上の管の角 $\{1\}\times\{2\}\times[1,2]$ と外壁 $x=0$ を結ぶ縦の壁で、上の部屋のうち管のまわりを一周する通路をそこで仕切る。$W_L$ は下の部屋で同じ役割をもつ。
写像 $\rho(x,y,z)=(5-x,\,y,\,2-z)$ は $S$ を $S$ に写し、天井と床下、上の管と下の管、$W_U$ と $W_L$ を入れ替えて、$\rho(X)=X$ を満たす。

模型と他の描き方

この家は寸法や管の位置を変えたいくつかの描き方で知られ、Hat02 第 0 章(p. 4)は、箱を水平な長方形で二部屋に分け、上下から管を通し、二枚の支えの壁を入れる構成として説明している。この記事では上の座標の模型を部屋が二つある家と呼び、主張はすべてこの模型について述べる。

直感

家の中の各部屋は、管のまわりの通路を支えの壁で仕切ったもので、通路は外への出入口を一つだけもつ。外から見れば、立体の箱から、天井の穴に通じる部分と床下の穴に通じる部分の二つの「ふくらんだ風船」を抜いた形である。風船を出入口から順に押し潰していけば箱は家まで縮むので、家は箱と同じく可縮である。
一方、家のどの壁にも、両側に部屋か外がある。面を一枚剥がすには、その面だけに属する辺(自由な辺)が要るが、家にはそれがない。箱からは潰せても、家そのものからは一枚目が剥がせない。

主定理 1:箱からの崩壊と可縮性

以下、直方体を箱といい、箱 $C$ の面(六つの長方形)のうち一つを $F$ とする。$F$ の内部を $F^\circ$、$C$ の境界を $\partial C$ と書く。

箱を一つの面から潰す

箱 $C$ と面 $F$ について、$\partial C\setminus F^\circ$ は $C$ の強変位レトラクトである。

アフィンな座標変換で $C=[-1,1]^2\times[0,1]$、$F=[-1,1]^2\times\{1\}$ としてよい。点 $x=(u,v,w)\in C$ について $m(x)=\max(\lvert u\rvert,\lvert v\rvert)$ とおき、
$$ \lambda(x)=\min\Bigl(\frac{2}{2-w},\ \frac{1}{m(x)}\Bigr)\quad(m(x)=0\text{ なら第 2 項は }+\infty),\qquad r(x)=p+\lambda(x)(x-p) $$
と定める。ここで $p=(0,0,2)$ である。$r(x)$ は $p$ から $x$ を通る半直線を延ばし、底面 $w=0$ か側面 $m=1$ に当たる点である。$2/(2-w)\in[1,2]$ と $1/m\in[1,+\infty]$ は連続なので $\lambda$ も連続で、$\lambda\ge1$ である。$r(x)=(\lambda u,\lambda v,2+\lambda(w-2))$ の第 3 成分は $0$ 以上かつ $w$ 以下、$\max(\lvert\lambda u\rvert,\lvert\lambda v\rvert)=\lambda m\le1$ であり、$\lambda$ の定義からどちらかの等号が成り立つので、$r(x)\in\partial C\setminus F^\circ$ である。$x$ が底面にあれば $2/(2-w)=1$、側面にあれば $1/m=1$ なので $\lambda=1$ で $r(x)=x$ である。$C$ は凸なので $(x,t)\mapsto(1-t)x+t\,r(x)$ は $C$ の中のホモトピーで、$\partial C\setminus F^\circ$ の点を動かさない。$\square$

一段の崩壊

$Y=C\cup Y'$ で、$C$ は箱、$Y'$ は $\mathbb{R}^3$ の閉集合、$C\cap Y'=\partial C\setminus F^\circ$ とする。このとき $Y'$ は $Y$ の強変位レトラクトである。

$C$ の上では lem-bh-box のホモトピー、$Y'$ の上では恒等写像のままのホモトピーを考える。$C\cap Y'$ の上で両者は一致し(前者はそこで点を動かさない)、$C\times[0,1]$ と $Y'\times[0,1]$ は $Y\times[0,1]$ の閉集合なので、貼り合わせの補題により $Y\times[0,1]\to Y$ の連続写像が得られる。時刻 $1$ で $Y$ は $Y'$ に写り、$Y'$ の点は動かない。$\square$

$S$ を次の $22$ 個の箱に分ける。下の表の $11$ 個の箱 $K_1,\dots,K_{11}$ は天井の穴から入って届く部分で、残りの $11$ 個は $K_{11+i}=\rho(K_i)$ とする(床下の穴から届く部分)。入口の面は、その箱を潰すときに使う面 $F_i$ である。

$i$箱 $K_i$入口の面 $F_i$$F_i$ の向こう側後の箱と接する面
1$[1,2]\times[1,2]\times[1,2]$(上の管の中)$z=2$(天井の穴)$S$ の外$z=1$:$K_2$
2$[1,2]\times[1,2]\times[0,1]$$z=1$(中の床の穴)$K_1$$y=1$:$K_3$、$y=2$:$K_4$、$x=1$:$K_5$、$x=2$:$K_6$
3$[1,2]\times[0,1]\times[0,1]$$y=1$$K_2$$x=1$:$K_5$、$x=2$:$K_6$
4$[1,2]\times[2,3]\times[0,1]$$y=2$$K_2$$x=1$:$K_5$、$x=2$:$K_6$
5$[0,1]\times[0,3]\times[0,1]$$x=1$$K_3,K_2,K_4$なし
6$[2,3]\times[0,3]\times[0,1]$$x=2$$K_3,K_2,K_4$$x=3$ の $y\in[0,1]$:$K_7$、$y\in[2,3]$:$K_8$
7$[3,4]\times[0,1]\times[0,1]$$x=3$$K_6$$x=4$:$K_9$
8$[3,4]\times[2,3]\times[0,1]$$x=3$$K_6$$x=4$:$K_{11}$
9$[4,5]\times[0,1]\times[0,1]$$x=4$$K_7$$y=1$:$K_{10}$
10$[4,5]\times[1,2]\times[0,1]$$y=1$$K_9$なし
11$[4,5]\times[2,3]\times[0,1]$$x=4$$K_8$なし
箱は家へ崩れる

$S$ は $X$ へ強変位レトラクトする。したがって $X$ は可縮である。さらに、任意の点 $x_0\in X$ について、$\{x_0\}$ は $X$ の強変位レトラクトである。

$Y_i=X\cup K_i\cup K_{i+1}\cup\cdots\cup K_{22}$($Y_{23}=X$)とおく。$22$ 個の箱は $S$ を内部が重ならないように覆うので $Y_1=S$ である。各 $i$ について、等式
$$ K_i\cap Y_{i+1}=\partial K_i\setminus F_i^\circ $$
(以下 $(\ast)$ と呼ぶ)を示せば、lem-bh-step を $i=1,\dots,22$ と順に使って、$Y_{i+1}$ が $Y_i$ の強変位レトラクトとなる。強変位レトラクトの合成は強変位レトラクトなので、$X$ は $S$ の強変位レトラクトである。
$(\ast)$ は次の三点から従う。(i) どの箱の内部も $X$ と交わらない。$X$ の各部分は整数座標の平面上の長方形で、表の箱の内部を通る格子平面の部分(たとえば $K_5$ の中の $y=1,2$、$K_6$ の中の $y=1,2$)は $X$ に入っていないからである。(ii) 入口の面の内部 $F_i^\circ$ は $X$ に入らず(穴か、壁のない仕切り)、その向こう側は $S$ の外か、表で先に潰した箱である。(iii) 入口以外の各面は、「後の箱と接する面」に挙げた部分を除いて $X$ に含まれる。たとえば $K_2$ の底面は外壁、$K_6$ の $x=3$ の面の $y\in[1,2]$ の部分は下の管の壁、$K_{10}$ の $y=2$ の面は支えの壁 $W_L$ である。(i) と、後の箱の内部が $K_i$ と交わらないことから $K_i\cap Y_{i+1}\subset\partial K_i$ であり、(ii) から $F_i^\circ$ は $Y_{i+1}$ と交わらない。(iii) から、$F_i$ 以外の閉じた面はすべて $Y_{i+1}$ に含まれ、$F_i$ の縁はそれらの面に含まれる。$i\ge12$ は $\rho$ で写して同じである。ただし、天井の穴から届く箱と床下の穴から届く箱は、$X$ の部分(中の床、管の壁)を挟んでしか接しないので、$i\le11$ の段で $K_{12},\dots,K_{22}$ は「後の箱」として $(\ast)$ を乱さない。
$S$ は凸なので可縮であり、その強変位レトラクト $X$ も可縮である。最後の主張を示す。$r\colon S\to X$ を上のレトラクション、$x_0\in X$ とし、$f_t(y)=(1-t)y+tx_0$ を $S$ の中の直線ホモトピーとする。$g_t=r\circ f_t|_X$ は $X$ の中のホモトピーで、$g_0=r|_X=\operatorname{id}_X$、$g_1$ は値 $r(x_0)=x_0$ の定値写像であり、$f_t(x_0)=x_0$ なので $g_t(x_0)=x_0$ がすべての $t$ で成り立つ。$\square$

最後の議論は Hat02 p. 4 の議論と同じ形である。そこでは $X$ の近傍が $3$ 次元の閉球と同相であることを使うが、ここでは逆に箱を家まで潰した。強変位レトラクトの性質は可縮空間一般には成り立たない。くし空間 は可縮だが、点 $(0,1)$ へは強変位レトラクトしない(可縮空間 の注意「指定した点を止める収縮」)。

主定理 2:自由な辺がないこと

$X$ を、整数座標の頂点、長さ $1$ の辺、一辺 $1$ の正方形に分けた胞体構造で考える。数えると頂点 $72$ 個、辺 $154$ 本、正方形 $83$ 枚で、交代和は $72-154+83=1$ である。これは $X$ が可縮であることと合う(有限 CW 複体の Euler 標数はホモトピー型だけで決まる。Hat02 Example 0.2、Theorem 2.44)。Hat02 Example 0.2 は、自身の図の家を三本以上の辺が会う点を頂点として分けた構造で $0$ 胞体 $29$ 個、$1$ 胞体 $51$ 個、$2$ 胞体 $23$ 個と数え、同じく交代和 $1$ を得ている。

辺のまわりの形

単位の辺のうち、正方形がちょうど三枚会うものは、中の床の外周の $16$ 本(外壁の側面の二枚と中の床)と、二枚の支えの壁の周の $8$ 本($W_U$ では側面 $x=0$・天井・中の床・上の管の角に接する四本)であり、残りの辺ではちょうど二枚が会う。したがって $X$ は、前者の辺の内部の点の近くでは三枚の半平面を一本の直線で貼り合わせた形をしており、後者の辺の内部の点の近くでは平面の一部のように見える。どちらの場合も、面の「端」になる一枚の半平面だけの形は現れない。主定理 2 はこのことを辺ごとに述べたものである。

胞体複体の辺がちょうど一枚の $2$ 胞体の辺であるとき、自由な辺という。自由な辺 $\varepsilon$ と、それを辺にもつ唯一の $2$ 胞体を同時に取り除く操作と、どの $2$ 胞体の辺でもない辺と、その辺だけに属する端点を同時に取り除く操作を基本崩壊といい、基本崩壊を有限回繰り返して一点にできる複体を崩壊可能という(可縮空間 の注意「可縮と崩壊可能は異なる」)。

家には自由な辺がない

$X$ の単位正方形による胞体構造で、どの辺も二枚以上の正方形の辺である。さらに、この構造を細分した任意の三角形分割(各正方形を三角形に分けたもの)でも、どの辺も二枚以上の三角形の辺である。したがって、$X$ のこれらの構造ではどの基本崩壊も行えず、$X$ は崩壊可能でない。

正方形の構造。 長さ $1$ の辺 $\varepsilon\subset X$ をとる。$X$ の部分 (a)〜(e) の一つ $P$ が $\varepsilon$ を含み、$\varepsilon$ が $P$ の縁にないなら、$P$ の中で $\varepsilon$ の両側にある二枚の正方形が $X$ に入る($S$ の稜の上の辺は (a) の縁でなく、稜を挟む二つの面に一枚ずつある。穴は稜に接しない)。$\varepsilon$ を含むどの部分でも $\varepsilon$ が縁にあるときは、縁の種類ごとに次のとおりである。

  • 天井の穴・床下の穴の縁:外壁の正方形と管の壁の正方形がある。
  • 中の床の穴の縁:中の床の正方形と管の壁の正方形がある。
  • 中の床の外周($z=1$ の外壁上):$\varepsilon$ は外壁の側面の内部にあり、側面の二枚がある。
  • 管の壁の縦の縁:管の角で、隣り合う二枚の壁がある。管の壁の横の縁は穴の縁である。
  • $W_U$ の縁:$\{0\}\times\{2\}\times[1,2]$ は側面 $x=0$ の内部、$\{1\}\times\{2\}\times[1,2]$ は上の管の角、$[0,1]\times\{2\}\times\{2\}$ は天井の穴でない部分の内部、$[0,1]\times\{2\}\times\{1\}$ は中の床の内部にあり、いずれもそこに二枚ある。$W_L$ は $\rho$ で写して同じである。

細分。 $L$ を、各正方形を三角形に分けた三角形分割とし、$\delta$ を $L$ の辺とする。$\delta$ の中点 $q$ を含む $L$ の単体は $\delta$ と $\delta$ を辺にもつ三角形だけなので、$q$ の小さな近傍の $X$ との交わりはそれらの三角形で覆われる。$\delta$ がある正方形 $Q$ の内部を通るなら、$q$ のまわりの $Q$ の小円板は $\delta$ を含む直線の両側にまたがり、一枚の三角形はその直線の片側にしかないので、二枚以上の三角形が要る。$\delta$ が単位の辺 $\varepsilon$ に含まれるなら、$\varepsilon$ を辺にもつ各正方形 $Q$ について、$q$ のまわりの $Q$ の半円板を覆う三角形が $Q$ の中に一枚以上あり、正方形の構造の結果から $Q$ は二枚以上ある。
崩壊。 正方形・三角形はどれもその辺を含むので、辺は極大な胞体でなく、最初の基本崩壊は $2$ 胞体とその自由な辺の組でなければならない。自由な辺がないので一度も崩壊できず、$X$ は一点でないから崩壊可能でない。$\square$

例と反例

部屋が二つある家は、可縮だが崩壊可能でない $2$ 次元の空間の例として、ダンスハット(三角形の三辺を向きを保って一本に貼り合わせた空間、Hat02 p. 104)と並べて挙げられる。ダンスハットの単体的集合としての性質は 可縮空間(単体的集合) の主定理「単体的ダンスハット」で調べている。一方、可縮空間 の例「木の例」の有限の木は、葉に接する辺から順に崩壊できる。
家の各部品がどの性質を支えているかを、部品を一つずつ変えて確かめる。

外す条件反例成り立たなくなること
支えの壁 $W_U$ があること$X$ から $W_U$ の内部を除いた空間可縮であること
床下の穴が開いていること$X$ に正方形 $[3,4]\times[1,2]\times\{0\}$ を加えた空間可縮であること
上の管の壁 $\{1\}\times[1,2]\times[1,2]$ があること$X$ からその壁の内部を除いた空間自由な辺がないこと

1 行目:$W_U$ の四辺は除いたあとも $X$ のほかの正方形に属するので、頂点と辺は変わらず正方形が一枚減り、Euler 標数は $0$ になる。可縮なら $1$ のはずなので可縮でない。上の部屋の通路が管を一周する輪になるためである。2 行目:加える正方形の辺はすでに $X$ にあるので Euler 標数は $2$ になり、可縮でない。床下の穴をふさぐと、床下から届く部分が閉じた空洞になる。3 行目:天井の穴の縁 $\{1\}\times[1,2]\times\{2\}$ は、壁を除くと天井の正方形 $[0,1]\times[1,2]\times\{2\}$ だけの辺になり、自由な辺である。

関連項目

参考文献

Mathpediaは寄付と、参考文献の書籍リンク(Amazonアソシエイト)の紹介料で運営されています。 支援について / 寄付する