Spectral space

概要

Spectral spaceとは、可換環のスペクトラムとして現れるような位相空間のクラスである。

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位相空間$X$とその部分集合$Y$について、$Y$$X$における閉包を$\mathrm{Cl}_X(Y)$と表記する。Mathpediaにおいては原則としてコンパクト性にHausdorff性を要請しないが、この記事においては準コンパクトという用語によってコンパクト性を指すものとする。これは代数幾何学における一般的な語法である。

位相空間$X$spectral spaceであるとは、以下の条件を満たすことを言う。

  • 既約な閉集合$Z\subset X$について、ただひとつの点$z \in Z$が存在して、$Z=\mathrm{Cl}_X(\{z\})$が成り立つ;
  • 準コンパクトである;
  • 準コンパクトな開集合$U$,$V$について、$U\cap V$は準コンパクトである;
  • 準コンパクトな開集合からなる開基が存在する。

Spectral space$X, Y$について、位相空間の射$f\colon X\to Y$spectralであるとは、任意の$Y$の準コンパクトな開集合$V$について$f^{-1}(V)$が準コンパクトであることをいう。

以下の結果はHochsterによる。

可換環のスペクトラム($\mathrm{Spec}$)として現れる位相空間のクラスが、ちょうどspectral spaceのクラスと一致する。

参考文献

[1]
Max Dickmann, Niels Schwartz, and Marcus Tressl, Spectral spaces, New Mathematical Monographs 35, Cambridge University Press, 2019