山田–渡辺の定理(Yamada–Watanabe theorem)とは、確率微分方程式 $dX_t=b(t,X_t)\,dt+\sigma(t,X_t)\,dW_t$ について、弱い解が存在し道ごとの一意性が成り立てば、解は $X=F(W)$($F$ は可測)と書ける強い解になり、解の分布もただ 1 つに決まるという定理である。証明の核心は、同じ Brown 運動の上に条件付き独立な 2 つの解を作ると道ごとの一意性で一致し、条件付き分布が 1 点に集中することにある。田中の方程式 $dX_t=\operatorname{sgn}(X_t)\,dW_t$($\operatorname{sgn}(0)=-1$)では弱い解はあるが道ごとの一意性も強い解もなく、この仮定は外せない。同じ論文の判定条件により、拡散係数が $\frac12$ 次の Hölder 連続でも道ごとの一意性が成り立つ。
山田–渡辺の定理(Yamada–Watanabe theorem)は、確率微分方程式
$$
dX_t=b(t,X_t)\,dt+\sigma(t,X_t)\,dW_t,\qquad X_0=x
$$
について、弱い解が存在し、道ごとの一意性が成り立つならば、強い解が存在し、解の分布もただ 1 つに決まる という定理である。確率論の山田俊雄(Toshio Yamada)と渡辺信三(Shinzo Watanabe)が 1971 年の論文で示した(Kur07 p. 952、LG83 p. 16 と文献表 p. 31)。
確率微分方程式の解には 2 通りの捉え方がある。強い解 は、あらかじめ与えられた Brown 運動 $W$ から、その過去の情報だけを使って作られる解である。弱い解 は、Brown 運動も含めた組として、どこかの確率空間の上に解があればよいとするものである。弱い解のほうが作りやすく、たとえば確率測度の取り替え(Girsanovの定理)で得られる。一方、一意性にも、同じ Brown 運動に対する 2 つの解の道が一致するという 道ごとの一意性 と、解の分布が一致するという 法則の一意性 がある。山田–渡辺の定理は、この 4 つの概念を結び、「存在は弱い意味で、一意性は強い意味で」示せば両方が強い意味で成り立つことを保証する。
同じ論文で山田と渡辺は、拡散係数 $\sigma$ が Lipschitz 連続でなく $\frac12$ 次の Hölder 連続であっても道ごとの一意性が成り立つという判定条件も与えた。この記事では、解と一意性の概念を整理し、主定理の主張と証明の仕組みを述べ、その中心にある「条件付き独立な 2 つのコピー」の補題を完全に証明する。主定理の一般の証明はこの記事では証明しない。さらに、田中の方程式で仮定が外せないことを確かめ、一意性の判定条件を述べる。
以下、$T>0$ を固定し、係数 $b,\sigma\colon[0,T]\times\mathbb R\to\mathbb R$ は Borel 可測で、定数 $K$ について $\lvert b(t,x)\rvert+\lvert\sigma(t,x)\rvert\le K(1+\lvert x\rvert)$ を満たすとする。$C:=C([0,T])$ を連続関数の空間とし、一様ノルムの位相の Borel 集合族を考える。
確率空間 $(\Omega,\mathcal F,P)$ と、確率 $0$ の事象を含むフィルトレーション $(\mathcal G_t)_{0\le t\le T}$ をとる。道が連続な過程 $W$ が $(\mathcal G_t)$-Brown 運動 であるとは、$W$ が $(\mathcal G_t)$ に適合した標準 Brown 運動で、各 $t\le u$ について $W_u-W_t$ が $\mathcal G_t$ と独立であることをいう。田中の公式 の定義「伊藤積分の拡張」の構成は、Brown 運動の適合性と未来の増分の独立性しか使わないので、$B$ と $\mathcal F_t$ を $W$ と $\mathcal G_t$ に替えてもそのまま使える。発展的可測で $E\int_0^TH_t^2\,dt< \infty$ の過程 $H$ はその類に入る(MP10 Lemma 7.3(p. 191)の階段状の過程による近似と、田中の公式 の命題「拡張した積分の性質」の 4 による)。
$x\in\mathbb R$ とする。
確率微分方程式 の定義「弱い解」は、係数が連続で解が 2 乗平均で連続な場合のこの定義である。強い解は、Brown 運動の道を入力として解の道を出力する仕組みがあることを意味する。
確率微分方程式 の主定理「確率微分方程式の解の存在と一意性」は、係数が連続で Lipschitz 条件を満たすとき、同じ記事の解の範囲で、強い解の存在と道ごとの一意性を逐次近似で示している。山田–渡辺の定理は、存在と一意性を別々の方法で示す道を開く。
初期値 $x$ を固定する。
証明の仕組みは次のとおりである。同じ初期値の 2 つの弱い解 $(X^1,W^1)$、$(X^2,W^2)$ をとる。$W^1$ と $W^2$ はどちらも標準 Brown 運動なので $C$ の上の分布 $\mu$ は同じである。$W^i=w$ のときの $X^i$ の条件付き分布を $Q_i(w,\cdot)$ とし、$C\times C\times C$ の上に
$$
\widehat P(dx_1\,dx_2\,dw):=Q_1(w,dx_1)\,Q_2(w,dx_2)\,\mu(dw)
$$
を考える。$\widehat P$ のもとでは、第 3 成分 $w$ が共通の Brown 運動で、$x_1,x_2$ は $w$ を与えたとき条件付き独立である。$x_1,x_2$ の過去が $w$ の未来と独立になるようにフィルトレーションを選べば、$x_1,x_2$ はともに同じ $w$ に対する解になる(ここが証明でいちばん繊細な点である)。道ごとの一意性から $\widehat P$ のもとで $x_1=x_2$ であり、とくに $X^1$ と $X^2$ の分布は一致する(1)。さらに、次の補題により、$w$ を与えたときの条件付き分布は 1 点に集中し、$x_1$ は $w$ の関数になる(2)。
$(\Omega,\mathcal F,P)$ を確率空間、$\mathcal G\subset\mathcal F$ を部分 $\sigma$-代数、$X_1,X_2$ を実数値の確率変数とし、すべての有理数 $q,r$ について確率 $1$ で次が成り立つとする。
有理数 $q$ について、$P(X_1\le q\mid\mathcal G)$ の $\mathcal G$-可測な版を $p_q$ とする($0\le p_q\le1$ にとれる)。2 と 1 から
$$
P(X_1\le q< X_2\mid\mathcal G)=P(X_1\le q\mid\mathcal G)-P(X_1\le q,\ X_2\le q\mid\mathcal G)=p_q-p_q^2
$$
である。期待値をとると $P(X_1\le q< X_2)=E[p_q(1-p_q)]$ で、$X_1=X_2$(確率 $1$)から左辺は $0$ である。$p_q(1-p_q)\ge0$ なので、確率 $1$ で $p_q\in\{0,1\}$ である。
$A_q:=\{p_q=1\}\in\mathcal G$ とおく。条件付き期待値 の定義から
$$
P(\{X_1\le q\}\setminus A_q)=E[p_q1_{A_q^c}]=0,\qquad P(A_q\setminus\{X_1\le q\})=E[(1-p_q)1_{A_q}]=0
$$
なので、$\{X_1\le q\}$ と $A_q$ は確率 $0$ の差を除いて一致する。可算個の $q$ についての例外を合わせた確率 $0$ の事象の外では、すべての有理数 $q$ で $1_{\{X_1\le q\}}=1_{A_q}$ である。$Z:=\inf\{q\in\mathbb Q:\omega\in A_q\}$(値が $\pm\infty$ になるところでは $Z:=0$)とおくと、$\{Z< c\}=\bigcup_{q< c}A_q$($c$ が有限で $Z$ が有限のところ)から $Z$ は $\mathcal G$-可測である。例外の外では $Z=\inf\{q\in\mathbb Q:X_1\le q\}=X_1$ である。$\square$
$X^1,X^2$ を $[0,T]$ 上の道が連続な過程、$W$ を $C$ に値をとる確率変数、$\mathcal G:=\sigma(W)$ とする。$C$ の上の有界な Borel 関数 $f,g$ について、確率 $1$ で $E[f(X^1)\mid\mathcal G]=E[f(X^2)\mid\mathcal G]$、$E[f(X^1)g(X^2)\mid\mathcal G]=E[f(X^1)\mid\mathcal G]\,E[g(X^2)\mid\mathcal G]$ とする。確率 $1$ で $X^1=X^2$ ならば、Borel 可測な $F\colon C\to C$ があって確率 $1$ で $X^1=F(W)$ である。
各有理数 $t\in[0,T]$(と $t=T$)について、$f=1_{\{x(t)\le q\}}$、$g=1_{\{x(t)\le r\}}$ とすると lem-yw-copies の仮定が満たされ、$\sigma(W)$-可測な $Z_t$ で確率 $1$ で $X^1_t=Z_t$ となるものがある。可測関数への分解(Doob–Dynkin の補題)により $Z_t=f_t(W)$ となる Borel 関数 $f_t\colon C\to\mathbb R$ がある。$w\in C$ について、$t\mapsto f_t(w)$($t$ は可算集合を動く)が一様連続なら、その $[0,T]$ への連続な延長を $F(w)$、そうでなければ $F(w):=0$ とおく。一様連続であるという条件は可算個の $f_t$ の値についての可算個の条件なので $F$ は Borel 可測である。可算個の例外を合わせた確率 $0$ の事象の外では、$X^1$ の道は連続で可算集合の上で $f_t(W)$ と一致するので、$X^1=F(W)$ である。$\square$
主定理の証明では、上の $\widehat P$ のもとの $(x_1,x_2,w)$ にこの系を当てる。2 つのコピーが条件付き独立で、しかも道ごとの一意性によって一致してしまうなら、そもそも $w$ を与えたときに偶然の入る余地がない、というのが議論の核心である。
次の例では、弱い解はあるが道ごとの一意性が成り立たない。田中の方程式(Tanaka's equation)と呼ばれ、主定理の仮定のうち道ごとの一意性が本質的であることを示す。
$\sigma(x):=1$($x>0$)、$\sigma(x):=-1$($x\le0$)とし、
$$
dX_t=\sigma(X_t)\,dW_t,\qquad X_0=0
$$
を考える($b=0$)。$B$ を標準 Brown 運動、$\mathcal F_t$ を 田中の公式 の設定のものとし、$W_t:=\int_0^t\operatorname{sgn}(B_s)\,dB_s$ とおく。
要点:$W$ による積分の左端の和 $\sum\sigma(B_{t_{j-1}})(W_{t_j}-W_{t_{j-1}})$ は、$B$ による積分 $\int H^\Pi\operatorname{sgn}(B_s)\,dB_s$ に書き直せる。極限で $\int\sigma(B_s)\operatorname{sgn}(B_s)\,dB_s=\int1\,dB_s=B_t$ となる。
1。 田中の公式 の補題「符号を掛けた積分は Brown 運動」により、$W$ は標準 Brown 運動で、増分 $W_u-W_t$ は $\mathcal F_t$ と独立であり、$W$ は $(\mathcal F_t)$ に適合する。よって $W$ は $(\mathcal F_t)$-Brown 運動で、$W$ についての拡張した伊藤積分が使える。
$[0,T]$ の分割 $\Pi:0=t_0< \cdots< t_k=T$ について $H^\Pi:=\sum_j\sigma(B_{t_{j-1}})1_{(t_{j-1},t_j]}$ とおく。田中の公式 の命題「拡張した積分の性質」の 4 を $W$ について使うと $\int_0^tH^\Pi\,dW=\sum_j\sigma(B_{t_{j-1}})(W_{t_j\wedge t}-W_{t_{j-1}\wedge t})$ であり、同じ 4 を $B$ と $H=\operatorname{sgn}(B)$ について使うと、各項は $\int_0^t\sigma(B_{t_{j-1}})1_{(t_{j-1},t_j]}(s)\operatorname{sgn}(B_s)\,dB_s$ に等しい。よって
$$\int_0^tH^\Pi\,dW=\int_0^tH^\Pi_s\operatorname{sgn}(B_s)\,dB_s$$
である。$B_s\ne0$ となる $s$ では、分割が十分細かければ $s$ を含む小区間の左端でも $B$ の符号が同じなので $H^\Pi_s\to\sigma(B_s)$ であり、$\{s:B_s=0\}$ は確率 $1$ で Lebesgue 測度 $0$ である。有界なので 優収束定理 から $E\int_0^T(H^\Pi_s-\sigma(B_s))^2ds\to0$ である。同じ命題の 1 により、左辺は $\int_0^t\sigma(B_s)\,dW_s$ に、右辺は $\int_0^t\sigma(B_s)\operatorname{sgn}(B_s)\,dB_s$ に 2 乗平均で近づく($\operatorname{sgn}^2\le1$)。$B_s\ne0$ なら $\sigma(B_s)\operatorname{sgn}(B_s)=1$ なので、等長性から後者は $\int_0^t1\,dB_s=B_t$ に確率 $1$ で等しい。したがって各 $t$ で確率 $1$ で $B_t=\int_0^t\sigma(B_s)\,dW_s$ で、両辺の道は連続なので確率 $1$ ですべての $t$ で成り立つ。$\sigma$ は有界なので def-yw-solutions の可積分性の条件も満たされる。
2。 $H'^\Pi:=\sum_j\sigma(-B_{t_{j-1}})1_{(t_{j-1},t_j]}$ について同じ議論をすると、$B_s\ne0$ では $\sigma(-B_s)\operatorname{sgn}(B_s)=-1$ なので、$\int_0^t\sigma(-B_s)\,dW_s=-B_t$ を得る。よって $X'=-B$ も解である。$t>0$ では $P(B_t\ne-B_t)=P(B_t\ne0)=1$ なので、2 つの解は一致しない。$\square$
この方程式では法則の一意性は成り立ち(SW20 §1、p. 2)、強い解は存在しない(Pro13 要旨、p. 1)。この記事ではこれらを証明しない。強い解がない理由は次のように読める。$X$ が解なら $\int\operatorname{sgn}(X_s)\,dX_s=W_t$ となるので、田中の公式 から $W_t=\lvert X_t\rvert-L^0_t(X)$ であり、$W$ は $\lvert X\rvert$ だけから決まる。$W$ の過去を知っても $X$ の符号はわからないので、$X$ は $W$ の過去の関数になりえない。
田中の方程式は、「法則の一意性」から「道ごとの一意性」は出ないこと、弱い解はあっても強い解がないことがあることを同時に示す。主定理 2 の仮定から道ごとの一意性を外すと、結論が成り立たなくなる。
山田と渡辺は、拡散係数の連続性が Lipschitz 条件より弱くても道ごとの一意性が成り立つ条件を与えた。
$b,\sigma\colon\mathbb R\to\mathbb R$ を有界な Borel 関数とし、次を仮定する。
この記事では証明しない。LG83 Théorème 1.3 の 1)(p. 20、証明 pp. 20–21)で、同 p. 21 の注意 a) がこれを山田–渡辺の結果としている。原論文の証明は、$\lvert x\rvert$ を $C^2$ 級の関数で近似して伊藤の公式を当てるものである(LG83 p. 15)。LG83 は局所時間を使って次のように示す。同じ $W$ に対する 2 つの解の差 $\Delta:=X^1-X^2$ は連続なセミマルチンゲールで、その 2 次変分の密度は $(\sigma(X^1_s)-\sigma(X^2_s))^2\le\rho(\lvert\Delta_s\rvert)$ である。連続なセミマルチンゲールの滞在時間の公式 $\int_0^tg(\Delta_s)\,d\langle\Delta\rangle_s=\int_{\mathbb R}g(a)L^a_t(\Delta)\,da$($g\ge0$ は Borel 関数。LG83 p. 16。Brown 運動の場合は 田中の公式 の節「一般化」)と $\int_{0+}du/\rho=\infty$ から、$\Delta$ の $0$ での局所時間が $0$ になる(同 Lemme 1.0、p. 17 と Corollaire 1.1、p. 18)。すると田中の公式は $\lvert\Delta_t\rvert=\int_0^t\operatorname{sgn}(\Delta_s)(\sigma(X^1_s)-\sigma(X^2_s))\,dW_s+\int_0^t\operatorname{sgn}(\Delta_s)(b(X^1_s)-b(X^2_s))\,ds$ となり、期待値をとって $E\lvert\Delta_t\rvert\le K\int_0^tE\lvert\Delta_s\rvert\,ds$($K$ は $b$ の Lipschitz 定数)を得る。Grönwallの不等式 から $E\lvert\Delta_t\rvert=0$ である。
$\rho(u)=Cu^2$ は Lipschitz 条件、$\rho(u)=Cu$ は $\lvert\sigma(x)-\sigma(y)\rvert\le\sqrt{C\lvert x-y\rvert}$、つまり $\frac12$ 次の Hölder 連続性にあたり、どちらも $\int_0^\varepsilon du/\rho=\infty$ を満たす。たとえば $\sigma(x)=\min(\sqrt{\lvert x\rvert},1)$ は $\frac12$ 次の Hölder 連続(定数 $1$)なので、$dX_t=b(X_t)\,dt+\min(\sqrt{\lvert X_t\rvert},1)\,dW_t$ は $b$ が有界で Lipschitz なら道ごとに一意である。$\rho(u)=Cu^{2\alpha}$($\alpha<\frac12$)では $\int_0^\varepsilon u^{-2\alpha}du< \infty$ となり、判定条件は使えない。
判定条件と主定理を合わせると、次のように強い解が得られる。$\sigma$ が $\frac12$ 次の Hölder 連続で Lipschitz でないときは、確率微分方程式 の逐次近似は直接には使えない。それでも、弱い解を別の方法で作り、thm-yw-criterion で道ごとの一意性を確かめれば、thm-yw-main の 2 により、与えられた Brown 運動の上に強い解がただ 1 つある。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 主定理 2 の道ごとの一意性 | 田中の方程式(ex-yw-tanaka-equation) | 弱い解はあるが強い解がない(Pro13) |
| 判定条件の 2($\sigma$ の連続性の程度) | 田中の方程式の $\sigma$($0$ で値が $2$ 跳ぶ) | 道ごとの一意性($B$ と $-B$ がともに解) |
| 判定条件の 1($b$ の Lipschitz 連続性) | $b(x)=3\min(\lvert x\rvert^{2/3},1)$、$\sigma=0$、$x=0$、$T>1$ | 道ごとの一意性($X\equiv0$ と別の解) |
2 行目:$x>0\ge y$ なら $(\sigma(x)-\sigma(y))^2=4$ で、$\lvert x-y\rvert$ はいくらでも小さくとれるので、条件 2 を満たす $\rho$ は $u>0$ で $\rho(u)\ge4$ となり、$\int_0^\varepsilon du/\rho\le\varepsilon/4< \infty$ である。3 行目:$\sigma=0$ はどの $\rho$ についても条件 2 を満たす。$X_t:=t^3$($t\le1$)、$X_t:=1+3(t-1)$($t>1$)は、$t\le1$ で $X_t'=3t^2=3X_t^{2/3}=b(X_t)$、$t>1$ で $X_t\ge1$ から $X_t'=3=b(X_t)$ を満たすので、確率的でない解である。$X\equiv0$ も解で、2 つは一致しない。$b$ は有界で連続だが、$0$ の近くで $\lvert b(x)-b(0)\rvert/\lvert x\rvert=3\lvert x\rvert^{-1/3}\to\infty$ なので Lipschitz 連続でない。これは 確率微分方程式 の反例の表の 1 行目と同じ現象である。
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