対称式の基本定理(高校数学)とは、文字をどう並べ替えても変わらない $n$ 文字の多項式(対称式)が、基本対称式 $e_1=\sum x_i$、$e_2=\sum_{i<j}x_ix_j$、…、$e_n=x_1\cdots x_n$ の多項式としてただ 1 通りに表せるという定理である。整数係数の対称式は $e_k$ の整数係数の多項式で表せる。証明は、単項式に辞書式順序を入れ、先頭項が同じ $e_1^{d_1}\cdots e_n^{d_n}$ を引いて先頭項を順に消す。たとえば $x^4+y^4=e_1^4-4e_1^2e_2+2e_2^2$ である。解と係数の関係と合わせると、最高次の係数が $1$ の整数係数の方程式の解の整数係数の対称式は整数になる。
前提知識: 多項式, n次方程式の解と係数の関係
2 次方程式の解 $\alpha,\beta$ について、$\alpha^2+\beta^2$ や $\alpha^3+\beta^3$ は、$\alpha$ と $\beta$ を入れ替えても変わらない。このような式を対称式という。高校では「対称式は $\alpha+\beta$ と $\alpha\beta$ で表せる」と習い、解と係数の関係(n次方程式の解と係数の関係)と組み合わせて、解を求めずに値を計算する。以下では文字を $x,y$ とし、$e_1:=x+y$、$e_2:=xy$ と書く。
3 つの文字 $x,y,z$ では、$e_1:=x+y+z$、$e_2:=xy+yz+zx$、$e_3:=xyz$ とおく。
$$
(x+y+z)^2=x^2+y^2+z^2+2(xy+yz+zx)
$$
なので、$x^2+y^2+z^2=e_1^2-2e_2$ である。たとえば $x^3-2x+1=0$ の 3 つの解では $e_1=0$、$e_2=-2$ なので、2 乗の和は $0-2\cdot(-2)=4$ である。
ここで次の問いが生じる。
| 高校の計算 | この記事の言葉 | 大学の言葉 |
|---|---|---|
| $\alpha\leftrightarrow\beta$ で変わらない式 | 対称式 | 対称群の作用で不変な多項式(対称多項式) |
| $\alpha+\beta$、$\alpha\beta$ | 基本対称式 $e_1,e_2$ | 対称式全体を生成する元 |
| 式変形を工夫する | 先頭項を順に消す | 単項式の順序を使うアルゴリズム |
| 対称式の値は係数で計算できる | thm-fts-main と解と係数の関係 | 対称式の基本定理 |
$n$ 個の文字 $x_1,\dots,x_n$ の多項式 $f(x_1,\dots,x_n)$ が対称式であるとは、文字をどのように並べ替えても $f$ が変わらないことをいう。すなわち、$1,2,\dots,n$ のすべての並べ替え $\sigma$ について
$$
f(x_{\sigma(1)},x_{\sigma(2)},\dots,x_{\sigma(n)})=f(x_1,x_2,\dots,x_n)
$$
が成り立つことである。$k=1,\dots,n$ について、相異なる $k$ 個の文字の積をすべて足したものを $e_k$ と書き、基本対称式という($e_1=\sum_ix_i$、$e_2=\sum_{i< j}x_ix_j$、…、$e_n=x_1\cdots x_n$)。
3 つの文字 $x,y,z$ で考える。
$e_k$ はどれも対称式である。文字を並べ替えても、「$k$ 個の文字の選び方」が互いに入れ替わるだけで、全体の和は変わらないからである。また、対称式どうしの和・差・積は対称式である(並べ替えてから足しても、足してから並べ替えても同じだから)。したがって、$e_1,\dots,e_n$ を多項式 $g$ に代入した $g(e_1,\dots,e_n)$ はすべて対称式である。対称式の基本定理は、この逆が成り立つことを主張する。
一般の証明の前に、2 文字の場合の手順を見る。2 文字の対称式 $f(x,y)$ の項のうち、$x$ の指数が最も大きいもの(それが複数あれば、その中で $y$ の指数が最も大きいもの)を先頭項と呼ぶ。先頭項が $c\,x^ay^b$ なら、$f$ は対称式なので $c\,x^by^a$ も $f$ の項である。$x^ay^b$ が先頭項だから $a\ge b$ である。そこで、先頭項が同じ $c\,x^ay^b$ になる式
$$
c\,e_1^{a-b}e_2^b=c\,(x+y)^{a-b}(xy)^b
$$
を引く。この式の先頭項は $c\,x^{a-b}\cdot x^by^b=c\,x^ay^b$ だからである。
$f=x^4+y^4$ の先頭項は $x^4$($a=4$、$b=0$)なので、$e_1^4=(x+y)^4$ を引く。
$$
f-e_1^4=x^4+y^4-(x^4+4x^3y+6x^2y^2+4xy^3+y^4)=-4x^3y-6x^2y^2-4xy^3
$$
先頭項は $-4x^3y$($a=3$、$b=1$)なので、$-4e_1^2e_2$ を引く、すなわち $4e_1^2e_2=4(x^2+2xy+y^2)xy=4x^3y+8x^2y^2+4xy^3$ を足す。
$$
f-e_1^4+4e_1^2e_2=2x^2y^2
$$
先頭項は $2x^2y^2$($a=b=2$)なので、$2e_2^2$ を引くと $0$ になる。以上をまとめて
$$
x^4+y^4=e_1^4-4e_1^2e_2+2e_2^2
$$
を得る。ex-fts-two-var の工夫した計算と同じ結果である。
図1:x⁴ + y⁴ から先頭項(赤)を順に消していく様子を、項の指数 (x の指数, y の指数) の点で表した。対称式の項は対角線について対称に並び、先頭項は対角線の右下または対角線上にある。
1 回引くたびに先頭項は「より小さい」項に替わり、項の種類は有限個しかないので、いつか $0$ になる。$n$ 文字でも同じことをするために、項の大小を決める。
$n$ 文字の単項式 $x_1^{a_1}x_2^{a_2}\cdots x_n^{a_n}$ を、指数の組 $a=(a_1,\dots,a_n)$ で表し $x^a$ と書く。
2 つの指数の組 $a\ne b$ について、左から見て最初に異なる成分を第 $i$ 成分とする。$a_i>b_i$ のとき $a>b$ と定める。これを辞書式順序という。$0$ でない多項式 $f$ に現れる単項式のうち、この順序で最大のものを(係数を付けて)$f$ の先頭項という。
辞書式順序は、辞書で単語を並べる規則と同じであり、次の 2 つの性質をもつ。
$f,g$ を $0$ でない多項式とし、先頭項をそれぞれ $c\,x^\lambda$、$d\,x^\mu$ とする。$cd\ne0$ ならば、積 $fg$ の先頭項は $cd\,x^{\lambda+\mu}$ である。
$fg$ を展開すると、$f$ の項 $x^\alpha$ と $g$ の項 $x^\beta$ の積 $x^{\alpha+\beta}$ の和になる。$\alpha\le\lambda$、$\beta\le\mu$ なので、上の 2 番目の性質を 2 回使うと $\alpha+\beta\le\lambda+\beta\le\lambda+\mu$ である。等号 $\alpha+\beta=\lambda+\mu$ が成り立つのは、$\alpha=\lambda$ かつ $\beta=\mu$ のときに限る(どちらかで真に小さければ、全体も真に小さい)。よって $x^{\lambda+\mu}$ は展開の中にちょうど 1 回、係数 $cd$ で現れ、他の項はすべてそれより小さい。$cd\ne0$ なので、これが $fg$ の先頭項である。$\square$
$e_k$ の先頭項は係数 $1$ の $x_1x_2\cdots x_k$ で、指数は $(1,\dots,1,0,\dots,0)$($1$ が $k$ 個)である。補題をくり返し使うと、$e_1^{d_1}e_2^{d_2}\cdots e_n^{d_n}$ の先頭項は係数 $1$ の
$$
x_1^{d_1+d_2+\cdots+d_n}\,x_2^{d_2+\cdots+d_n}\cdots x_n^{d_n}
$$
である。$x_1$ はすべての $e_k$ の先頭項に現れ、$x_2$ は $k\ge2$ のものだけに現れる、…と数えればよい。
3 文字で $e_1e_2=(x+y+z)(xy+yz+zx)$ の先頭項は、$d=(1,1,0)$ なので $x^{1+1}y^{1}z^0=x^2y$ である。実際に展開すると
$$
e_1e_2=x^2y+x^2z+xy^2+y^2z+yz^2+z^2x+3xyz
$$
で、指数が最大の項は $x^2y$ である。$e_1^2e_3$ なら $d=(2,0,1)$ で、先頭項は $x^{3}y^{1}z^{1}$ である。
$0$ でない対称式 $f$ の先頭項を $c\,x^\lambda$ とすると、$\lambda_1\ge\lambda_2\ge\cdots\ge\lambda_n$ である。
背理法で示す。ある $i$ で $\lambda_i<\lambda_{i+1}$ だったとする。$f$ は $x_i$ と $x_{i+1}$ を入れ替えても変わらないので、$\lambda$ の第 $i$ 成分と第 $i+1$ 成分を入れ替えた組 $\lambda'$ の単項式も、同じ係数 $c\ne0$ で $f$ に現れる。$\lambda'$ と $\lambda$ は第 $i$ 成分で初めて異なり、$\lambda'_i=\lambda_{i+1}>\lambda_i$ なので $\lambda'>\lambda$ である。これは $x^\lambda$ が $f$ の中で最大であることに反する。$\square$
以下、係数は整数・有理数・実数・複素数のどれかとする。
$n$ 文字の対称式 $f$ は、同じ種類の数を係数とする $n$ 文字の多項式 $g$ を用いて
$$
f(x_1,\dots,x_n)=g(e_1,\dots,e_n)
$$
と表せる。このような $g$ はただ 1 つである。特に、整数係数の対称式は、基本対称式の整数係数の多項式で表せる。
方針:存在は、2 文字の場合(ex-fts-x4y4)と同じく、先頭項が同じ基本対称式の積を引くことをくり返す。一意性は、基本対称式の相異なる積は相異なる先頭項をもつことから示す。
段 1(存在:準備)。$f=0$ なら $g=0$ でよい。$f\ne0$ とし、$f$ の次数を $D$、先頭項を $c\,x^\lambda$ とする。lem-fts-decreasing により
$$
d_1:=\lambda_1-\lambda_2,\quad d_2:=\lambda_2-\lambda_3,\quad\dots,\quad d_{n-1}:=\lambda_{n-1}-\lambda_n,\quad d_n:=\lambda_n
$$
はすべて $0$ 以上の整数である。
段 2(存在:先頭項が同じ式)。$e_1^{d_1}\cdots e_n^{d_n}$ の先頭項は係数 $1$ で、指数の第 $i$ 成分は $d_i+d_{i+1}+\cdots+d_n=\lambda_i$ である(和が途中から打ち消し合う)。すなわち先頭項は $x^\lambda$ である。
段 3(存在:引く)。$f_1:=f-c\,e_1^{d_1}\cdots e_n^{d_n}$ とおく。引いた式の先頭項は $c\,x^\lambda$ なので、$f$ の先頭項と打ち消し合う。$f$ の他の項も、引いた式の他の項も、指数は $\lambda$ より小さい。よって $f_1=0$ であるか、$f_1$ の先頭項の指数は $\lambda$ より真に小さい。また、引いた式の各項の次数は $\lambda_1+\cdots+\lambda_n\le D$ なので、$f_1$ の次数も $D$ 以下である。$f_1$ は対称式の差なので対称式である。
段 4(存在:くり返す)。$f_1$ に同じ操作をして $f_2$、$f_3$、… を作る。先頭項の指数は真に減り続ける。次数 $D$ 以下の単項式は有限個しかないので、真に減り続ける列は有限回で終わり、ある $N$ で $f_N=0$ となる。引いた式をすべて足すと、$f$ は $e_1,\dots,e_n$ の多項式として書ける。各段階で掛けた係数 $c$ はその時点の多項式の係数であり、$e_k$ は整数係数なので、すべての係数は $f$ の係数と同じ種類の数である($f$ が整数係数なら整数)。
段 5(一意性:先頭項が相異なる)。多項式 $h(y_1,\dots,y_n)=\sum_dc_d\,y_1^{d_1}\cdots y_n^{d_n}$ が $0$ でないのに、$h(e_1,\dots,e_n)=0$ となったとする。組 $d$ に、段 2 の先頭項の指数
$$
\mu(d):=(d_1+\cdots+d_n,\ d_2+\cdots+d_n,\ \dots,\ d_n)
$$
を対応させる。$d_i=\mu_i-\mu_{i+1}$($d_n=\mu_n$)で $d$ が復元できるので、相異なる $d$ には相異なる $\mu(d)$ が対応する。$c_d\ne0$ となる $d$ のうち、$\mu(d)$ が最大のものを $d^\circ$ とする。
段 6(一意性:矛盾)。$h(e_1,\dots,e_n)=\sum_dc_d\,e_1^{d_1}\cdots e_n^{d_n}$ を展開する。$d=d^\circ$ の項は単項式 $x^{\mu(d^\circ)}$ を係数 $c_{d^\circ}$ で含む。$c_d\ne0$ である他の $d$ の項に現れる単項式の指数は、その先頭項の指数 $\mu(d)$ 以下で、$\mu(d)<\mu(d^\circ)$ である。よって展開全体での $x^{\mu(d^\circ)}$ の係数は $c_{d^\circ}\ne0$ であり、$h(e_1,\dots,e_n)=0$ に反する。$g$ と $g'$ がともに $f$ を表すなら $(g-g')(e_1,\dots,e_n)=0$ なので、いま示したことから $g-g'=0$、すなわち $g=g'$ である。$\square$
$f=x^2y+xy^2+y^2z+yz^2+z^2x+zx^2$ を表す。
2 文字で、2 次の式 $p\,e_1^2+q\,e_2$($p,q$ は数)が多項式として $0$ になるのはどんなときかを調べる。
$$
p\,e_1^2+q\,e_2=p(x^2+2xy+y^2)+q\,xy=p\,x^2+(2p+q)\,xy+p\,y^2
$$
なので、$0$ になるには $x^2$ の係数から $p=0$、次に $xy$ の係数から $q=0$ が必要である。したがって、たとえば $x^2+y^2=e_1^2-2e_2$ の右辺以外に $a\,e_1^2+b\,e_2$ の形の表し方はない。定理の一意性は、この計算をすべての次数・文字数で保証している。ここで使った「恒等式なら同じ次数の項の係数が等しい」という考え方は、恒等式と未定係数法 で扱う。
$\alpha_1,\dots,\alpha_n$ を、最高次の係数が $1$ の整数係数の $n$ 次多項式の、重複を込めた根とする。整数係数の対称式 $f$ について、$f(\alpha_1,\dots,\alpha_n)$ は整数である。
thm-fts-main により、整数係数の $g$ で $f=g(e_1,\dots,e_n)$ と書ける。多項式を $t^n+a_{n-1}t^{n-1}+\cdots+a_0$ とすると、n次方程式の解と係数の関係 により $e_k(\alpha_1,\dots,\alpha_n)=(-1)^ka_{n-k}$ であり、これは整数である。整数を整数係数の多項式 $g$ に代入した値は整数なので、$f(\alpha_1,\dots,\alpha_n)=g\bigl(e_1(\alpha),\dots,e_n(\alpha)\bigr)$ は整数である。$\square$
$\alpha=\frac{3+\sqrt5}2$、$\beta=\frac{3-\sqrt5}2$ は $t^2-3t+1$ の根なので、系により $\alpha^k+\beta^k$ はすべての $k$ で整数である。$k=1,2,3,4,5$ で $3,7,18,47,123$ となる(ex-fts-two-var の式に $e_1=3$、$e_2=1$ を代入すれば $k=2,3$ の値 $7,18$ が出る)。$0<\beta<1$ なので $\beta^k$ は $k$ とともに $0$ に近づき、$\alpha^k$ は整数 $\alpha^k+\beta^k$ のわずかに下にある。実際 $\alpha^5=122.9918\ldots$ で、$\beta^5=0.0081\ldots$ である。
3 文字の例:まず $x^3+y^3+z^3$ を基本対称式で表す。高校で習う因数分解 $x^3+y^3+z^3-3xyz=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)$ と、ex-fts-three-var の $x^2+y^2+z^2=e_1^2-2e_2$ から、右辺の 2 つ目の因子は $(e_1^2-2e_2)-e_2=e_1^2-3e_2$ である。よって $x^3+y^3+z^3=e_1(e_1^2-3e_2)+3e_3=e_1^3-3e_1e_2+3e_3$ である(ex-fts-algorithm と同じ手順でも導ける。冪和を順に表す一般の規則は Newtonの恒等式(高校数学) で扱う)。$x^3-2x+1=0$ の解 $\alpha,\beta,\gamma$($e_1=0$、$e_2=-2$、$e_3=-1$)では、この式から $\alpha^3+\beta^3+\gamma^3=0-0+3\cdot(-1)=-3$ である。解は $1,\frac{-1\pm\sqrt5}2$ で、$1+0.236\ldots-4.236\ldots=-3$ と一致する。
図2:α = (3 + √5)/2 の累乗 αᵏ(青)と整数 αᵏ + βᵏ(赤)。差 βᵏ は k とともに 0 に近づく。
| 外した仮定 | 崩れる主張 | ボックス |
|---|---|---|
| 対称式である | 基本対称式の多項式で表せる | ex-fts-alternating |
| 最高次の係数が $1$ | 解の整数係数の対称式が整数 | ex-fts-non-monic |
$x_1-x_2$ は $x_1$ と $x_2$ を入れ替えると $-(x_1-x_2)$ になり、対称式ではない。$e_1,e_2$ の多項式はすべて対称式なので、$x_1-x_2$ は $e_1,e_2$ の多項式では表せない。「対称式である」という仮定を外すと定理の結論は成り立たない。一方、その 2 乗 $(x_1-x_2)^2=e_1^2-4e_2$ は対称式である。2 次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解では $e_1^2-4e_2=\frac{b^2}{a^2}-\frac{4c}a=\frac{b^2-4ac}{a^2}$ となり、判別式が現れる(判別式が解の差から来ることは 判別式(高校数学) で扱う)。
$2x^2-5x+3=0$ の解は $1$ と $\frac32$ で、整数係数の対称式 $x_1+x_2$ の値は $\frac52$、$x_1x_2$ の値は $\frac32$ で、整数ではない。解と係数の関係で $a_n=2$ で割る必要があるからである。cor-fts-integer の「最高次の係数が $1$」という仮定を外すと、結論は成り立たない。
差積の 2 乗 $\prod_{i< j}(x_i-x_j)^2$ は対称式なので、基本対称式の多項式で書ける。方程式 $a_nx^n+\cdots+a_0=0$ の解を代入すると $e_k=(-1)^k\frac{a_{n-k}}{a_n}$ なので、最高次の係数が $a_n=1$ のときは係数の多項式で書け、一般には $a_n^{2n-2}$ を掛けると係数の多項式で書ける(たとえば $n=2$ では $a^2(\alpha-\beta)^2=b^2-4ac$)。これが $n$ 次方程式の判別式であり、重解をもつとき、かつそのときに限り $0$ になる(3 次方程式の場合の計算は 3次方程式と多項式の判別式 で扱う)。同様に、$n$ 次式 $f$(最高次の係数 $a$、根 $\alpha_i$)と $m$ 次式 $g$(最高次の係数 $b$、根 $\beta_j$)について、$a^mb^n\prod_{i,j}(\alpha_i-\beta_j)$ は $\alpha$ たちについても $\beta$ たちについても対称なので、$f$ と $g$ の係数の多項式で書ける。これが終結式で、$f$ と $g$ が共通の根をもつとき、かつそのときに限り $0$ になる(ここでは証明しない)。
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