断面曲率とはリーマン多様体の曲率の一種であり、全ての断面曲率を集めるとリーマン曲率テンソルと同じ情報量を持つ。
$(M,g)$をリーマン多様体とし、リーマン曲率テンソルを$R$とするとき、断面曲率は以下で与えられる。
$X,Y \in T_pM$ が一次独立であるとき、
$$
\begin{aligned}
K(X,Y)\colon=\frac{g(R(X,Y)Y,X)}{||X||^2||Y||^2-g(X,Y)^2}
\end{aligned}
$$
を点 $p$ における $X,Y$ の張る平面の断面曲率(Sectional curvature)という。
$g(R(X,Y)Z,W)$ と $g(X,W)g(Y,Z)-g(X,Z)g(Y,W)$ が $X,Y$ と $Z,W$ に関してそれぞれ反対称テンソルであることから、 $X*=aX+bY,\ Y*=cX+dY$ に対して、
$$
\begin{aligned}
K(X*,Y*)=\frac{g(R(X*,Y*)Y*,X*)}{||X*||^2||Y*||^2-g(X*,Y*)^2}=
\frac{(ad-bc)^2g(R(X,Y)Y,X)}{(ad-bc)^2(||X||^2||Y||^2-g(X,Y)^2)}=K(X,Y)
\end{aligned}
$$
であるから、$K(X,Y)$ は $X,Y$ が張る平面のみで決まる。
また
$$
f(a,b):=g(R(X+aZ,Y+bW)(X+aZ),Y+bW)-g(R(Y+aZ,X+bW)(Y+aZ),X+bW)
$$
とおくと、
$$
g(R(X,Y)Z,W)=\frac{1}{6}\frac{\partial^2 f}{\partial a\partial b}(0,0)
$$
が成り立つことが分かる。よって断面曲率からリーマン曲率テンソルを復元することができる。