スカラー曲率とはリーマン多様体のリッチテンソルを縮約して得られる曲率の一種である。
リッチ作用素のトレースとしてスカラー曲率(Scalar curvature)が定義される。
すなわち、スカラー曲率 $S$ が
$$
\begin{aligned}
S\colon={\rm tr}(X\mapsto Q(X))
\end{aligned}
$$
で定義される。
チャートに関する成分表示は
$$
\begin{aligned}
S=R^i_{\ i}
\end{aligned}
$$
である。
スカラー曲率の持つ情報量はリーマン曲率テンソルに比べてかなり落ちるが、スカラー関数であるから扱いやすいという利点がある。
$\nabla_aR^a_{ijk}=\nabla_jR_{ki}-\nabla_kR_{ji}$ の $k,i$ を縮約することで
$$
\begin{aligned}
\nabla_aR^a_j&=\nabla_jR-\nabla_aR^a_j\\
\therefore\ \nabla_jR&=2\nabla_aR^a_j
\end{aligned}
$$
を得る。