Stoneの定理(一径数ユニタリ群)(Stone's theorem on one-parameter unitary groups)とは、Hilbert 空間上の強連続な一径数ユニタリ群 $U(t)$ と自己共役作用素 $A$ が $U(t)=e^{-itA}$ によって 1 対 1 に対応するという定理である。$A$ から群を作る向きはスペクトル定理の関数計算による。逆向きでは、$U(t)$ を $t=0$ で微分して得る生成作用素が稠密に定義された対称作用素で、群が有界であることから $A\mp i$ の値域が稠密になり、自己共役であることが従う。量子力学の時間発展と Hamilton 作用素の対応を与える。
Stone の定理は、Hilbert 空間上の強連続な一径数ユニタリ群 $U(t)$ と自己共役作用素 $A$ が、$U(t)=e^{-itA}$ によって 1 対 1 に対応することを述べる。有限次元では、Hermite 行列 $A$ から $e^{-itA}$ を冪級数で作ることも、逆に $U(t)$ を $t=0$ で微分して $A$ を取り出すことも難しくない。無限次元では、量子力学の Hamilton 作用素や運動量作用素のように $A$ が有界でないため、$e^{-itA}$ は スペクトル定理 による関数計算で定義し、逆向きでは $U(t)$ の微分が稠密な部分空間の上でしか存在しない。それでも生成作用素はちょうど自己共役になる、というのが定理の内容である。
量子力学では、時間発展を表すユニタリ作用素の族 $U(t)$ と、エネルギーを表す Hamilton 作用素 $H$ が $U(t)=e^{-itH}$ で結ばれ、$\psi(t)=U(t)\psi(0)$ が Schrödinger 方程式 $i\psi'(t)=H\psi(t)$ を解く(量子力学)。観測量を対称作用素でなく自己共役作用素で表す理由の 1 つがこの定理にある(自己共役作用素 の節「スペクトル定理と時間発展」)。
$H$ を複素 Hilbert 空間とし、内積 $\langle\cdot,\cdot\rangle$ は 量子力学の関数解析的構造 の記事にそろえて第 2 変数について線形とする。作用素の定義域・閉包・随伴・対称・自己共役の意味は 自己共役作用素 の記事の定義のとおりで、$D(A)$ は $A$ の定義域、$\overline A$ は閉包、$A^*$ は随伴である。$B(H)$ は $H$ 上の有界線形作用素全体である。
係数 $i$ は $U(t)=e^{-itA}$ となるように選んだ符号である($\frac{d}{dt}e^{-ita}=-iae^{-ita}$)。$U(-t)=U(t)^{-1}=U(t)^*$ である。
$A$ を自己共役作用素、$E$ をその射影値測度とする(自己共役作用素 の節「スペクトル定理と時間発展」)。$\psi\in H$ ごとに $\mu_\psi(B):=\langle\psi,E(B)\psi\rangle$ は全測度 $\|\psi\|^2$ の有限 Borel 測度である。Borel 関数 $h\colon\mathbb{R}\to\mathbb{C}$ に対して作用素 $h(A):=\int h(\lambda)\,dE(\lambda)$ が、定義域 $D(h(A))=\{\psi\mid\int|h|^2\,d\mu_\psi<\infty\}$ の上で定まり、次が成り立つ。
1 は prf-stone-forward、2 は prf-stone-converse で示す。2 の証明は、生成作用素の定義域が稠密であること、生成作用素が対称で $U(t)$ と可換であること(lem-stone-generator)、本質的に自己共役であること、閉包の生成する群がもとの群に一致することの 4 段からなる。全単射であることは、1 と 2 から $A\mapsto e^{-itA}$ と「生成作用素をとる」写像が互いに逆であることによる。
強連続性の仮定は、弱連続性(各 $\varphi,\psi$ で $t\mapsto\langle\varphi,U(t)\psi\rangle$ が連続)に弱めてもよい。ユニタリ性から
$$
\|U(t)\psi-U(t_0)\psi\|^2=\|U(t-t_0)\psi-\psi\|^2=2\|\psi\|^2-2\operatorname{Re}\langle\psi,U(t-t_0)\psi\rangle
$$
なので、弱連続なら強連続である(Tes09 の Theorem 5.2 の証明の冒頭、p. 124 も同じ)。
$A$ が自己共役、$B$ が対称で $A\subset B$ なら、$A=B$ である。
自己共役作用素 の補題「随伴の閉性と対称作用素の閉包」の 1 により、$A\subset B$ から $B^*\subset A^*$ である。$B$ は対称なので $B\subset B^*\subset A^*=A$ となり、$A=B$ である。$\square$
ユニタリ群であること。 $f_sf_t=f_{s+t}$、$f_0=1$、$\overline{f_t}f_t=1$ と、関数計算が積と複素共役を保つことから、$e^{-isA}e^{-itA}=e^{-i(s+t)A}$、$e^{-i0A}=1$、$(e^{-itA})^*e^{-itA}=e^{-itA}(e^{-itA})^*=1$ である。
強連続であること。 $\psi\in H$ について
$$
\|e^{-itA}\psi-e^{-it_0A}\psi\|^2=\int|e^{-it\lambda}-e^{-it_0\lambda}|^2\,d\mu_\psi(\lambda)
$$
であり、被積分関数は $4$ 以下で $t\to t_0$ のとき各点で $0$ に収束する。$\mu_\psi$ は有限測度なので、優収束定理により右辺は $0$ に収束する。
生成作用素が $A$ であること。 $\tilde A$ を $U(t)=e^{-itA}$ の生成作用素とする。$\psi\in D(A)$ について
$$
\Bigl\|\frac{e^{-itA}\psi-\psi}{t}+iA\psi\Bigr\|^2=\int\Bigl|\frac{e^{-it\lambda}-1}{t}+i\lambda\Bigr|^2\,d\mu_\psi(\lambda)
$$
である(関数計算の 3 つ目の性質を $f=(f_t-1)/t$、$c=i$ に、1 つ目の性質を $h(\lambda)=\frac{e^{-it\lambda}-1}{t}+i\lambda$ に当てた)。$|e^{-it\lambda}-1|\leq|t\lambda|$ なので被積分関数は $4\lambda^2$ 以下で、$\psi\in D(A)$ により可積分である。各点で $0$ に収束するので、優収束定理により右辺は $0$ に収束する。よって $\psi\in D(\tilde A)$ で $\tilde A\psi=A\psi$、すなわち $A\subset\tilde A$ である。この証明のすぐ後に示す lem-stone-generator の 1(自己共役性を使わない)により $\tilde A$ は対称なので、lem-stone-maximal により $\tilde A=A$ である。$\square$
次の補題は自己共役性を仮定しない、一径数ユニタリ群の生成作用素一般の性質である。
$U$ を一径数ユニタリ群、$A$ をその生成作用素とする。
1:$U(t)^*=U(-t)$ と、内積が第 1 変数について共役線形であることから
$$
\Bigl\langle\varphi,\,i\frac{U(t)\psi-\psi}{t}\Bigr\rangle
=\Bigl\langle -i\,\frac{U(-t)\varphi-\varphi}{t},\,\psi\Bigr\rangle
=\Bigl\langle i\,\frac{U(s)\varphi-\varphi}{s},\,\psi\Bigr\rangle\qquad(s:=-t)
$$
である。$t\to0$ とすると左辺は $\langle\varphi,A\psi\rangle$、右辺は $\langle A\varphi,\psi\rangle$ に収束する。
2:$h\neq0$ について
$$
\frac{U(h)-1}{h}U(t)\psi=U(t)\frac{U(h)-1}{h}\psi=\frac{U(t+h)\psi-U(t)\psi}{h}
$$
である。$h\to0$ のとき中央の式は、$U(t)$ が有界なので $U(t)(-iA\psi)$ に収束する。左端の式が収束することから $U(t)\psi\in D(A)$、$-iAU(t)\psi=-iU(t)A\psi$ であり、右端の式から微分の主張を得る。$\square$
$U$ を強連続な一径数ユニタリ群、$A$ を生成作用素とする。
段 1:$D(A)$ は稠密。 $\psi\in H$、$\tau>0$ について、連続な $H$ 値関数の Riemann 積分として
$$
\psi_\tau:=\frac1\tau\int_0^\tau U(s)\psi\,ds
$$
とおく。$U(s)\psi$ の連続性から $\|\psi_\tau-\psi\|\leq\sup_{0\leq s\leq\tau}\|U(s)\psi-\psi\|\to0$($\tau\to0$)である。有界作用素 $U(t)$ は積分と交換するので、$t\neq0$ について
$$
\frac{U(t)\psi_\tau-\psi_\tau}{t}=\frac1{\tau t}\Bigl(\int_t^{t+\tau}-\int_0^\tau\Bigr)U(s)\psi\,ds=\frac1\tau\Bigl(\frac1t\int_\tau^{\tau+t}U(s)\psi\,ds-\frac1t\int_0^tU(s)\psi\,ds\Bigr)
$$
であり、$t\to0$ で $\frac1\tau(U(\tau)\psi-\psi)$ に収束する。よって $\psi_\tau\in D(A)$ で、$D(A)$ は稠密である。
段 2:$A$ は本質的に自己共役。 lem-stone-generator の 1 により $A$ は対称である。自己共役作用素 の系「本質的な自己共役性の判定」により、$\operatorname{ran}(A-i)$ と $\operatorname{ran}(A+i)$ が稠密であることを示せばよい。$\varphi$ が $\operatorname{ran}(A-z)$($z=\pm i$)に直交するとする。これは、すべての $\psi\in D(A)$ で $\langle\varphi,A\psi\rangle=\langle\overline z\varphi,\psi\rangle$ ということである。$\psi\in D(A)$ を固定し $g(t):=\langle\varphi,U(t)\psi\rangle$ とおくと、lem-stone-generator の 2 と $U(t)\psi\in D(A)$ から
$$
g'(t)=\langle\varphi,-iAU(t)\psi\rangle=-i\langle\overline z\varphi,U(t)\psi\rangle=-iz\,g(t)
$$
となり、$g(t)=e^{-izt}g(0)$ である。$z=\pm i$ なら $|e^{-izt}|=e^{\pm t}$ は $t\to\pm\infty$ で有界でないが、$|g(t)|\leq\|\varphi\|\|\psi\|$ は有界なので $g(0)=\langle\varphi,\psi\rangle=0$ である。$\psi\in D(A)$ は任意で $D(A)$ は稠密なので $\varphi=0$ である。
段 3:$\overline A$ の生成する群は $U$。 $\overline A$ は自己共役なので、prf-stone-forward により $V(t):=e^{-it\overline A}$ は強連続な一径数ユニタリ群で、生成作用素は $\overline A$ である。$\psi\in D(A)$ とし、$\phi(t):=U(t)\psi-V(t)\psi$ とおく。lem-stone-generator の 2 を $U$ と $V$ に当てると、$U(t)\psi\in D(A)\subset D(\overline A)$、$V(t)\psi\in D(\overline A)$ で
$$
\phi'(t)=-iAU(t)\psi+i\overline AV(t)\psi=-i\overline A\phi(t)
$$
である。$\overline A$ は対称なので $\langle\phi,\overline A\phi\rangle$ は実数で、
$$
\frac{d}{dt}\|\phi(t)\|^2=2\operatorname{Re}\langle\phi(t),\phi'(t)\rangle=2\operatorname{Re}\bigl(-i\langle\phi(t),\overline A\phi(t)\rangle\bigr)=0
$$
となる。$\phi(0)=0$ なので $\phi\equiv0$、すなわち $D(A)$ の上で $U(t)=V(t)$ である。両辺は有界で $D(A)$ は稠密なので $U(t)=V(t)$ である。
段 4:$A$ は自己共役。 $U=V$ なので、$U$ の生成作用素 $A$ は $V$ の生成作用素 $\overline A$ に等しい。よって $A=\overline A$ は自己共役で、$U(t)=e^{-itA}$ である。$\square$
段 2 で $z=\pm i$ を使ったのは、$e^{-izt}$ が $t$ のどちらかの向きに指数的に増大するからである。$z$ が実数なら $e^{-izt}$ は有界で、この議論は何も言わない。対称作用素 $A$ でも、自己共役でなければ $A^*$ が実数でない固有値をもちうる(ex-stone-counterexamples の 2 行目)ので、群 $U(t)$ の存在が $\ker(A^*\mp i)=0$ を強制していることになる。
$(X,\mu)$ を $\sigma$-有限な測度空間、$a\colon X\to\mathbb{R}$ を可測関数とし、$H=L^2(X,\mu)$ 上で
$$
(U(t)\psi)(x):=e^{-ita(x)}\psi(x)
$$
とおく。$|e^{-ita}|=1$ と $e^{-isa}e^{-ita}=e^{-i(s+t)a}$ から $U$ は一径数ユニタリ群であり、$\|U(t)\psi-U(t_0)\psi\|^2=\int|e^{-ita}-e^{-it_0a}|^2|\psi|^2\,d\mu$ に優収束定理を使えば強連続である。その生成作用素は掛け算作用素 $M_a$($D(M_a)=\{\psi\mid a\psi\in L^2\}$)である。
実際、$a\psi\in L^2$ なら、prf-stone-forward と同じく $\bigl|\frac{e^{-ita}-1}{t}+ia\bigr|^2|\psi|^2\leq4a^2|\psi|^2$ と優収束定理から $i\frac{U(t)\psi-\psi}{t}\to a\psi$ である。逆に、ある $\psi$ について $L^2$ の極限 $\phi:=\lim_{t\to0}i\frac{U(t)\psi-\psi}{t}$ が存在するとする。$t_n\to0$ をとると、$L^2$ で収束する列は概収束する部分列をもつ。各点では $i\frac{e^{-it_na(x)}-1}{t_n}\psi(x)\to a(x)\psi(x)$ なので、$\phi=a\psi$($\mu$-a.e.)であり、$a\psi\in L^2$ となる。
この例では生成作用素を直接求めたので、thm-stone-main の 1 を経由していない。$M_a$ が自己共役であることは 量子力学の関数解析的構造 の命題「実数値関数による乗算作用素は自己共役」にあり、thm-stone-main の 2 と整合する。
$H=L^2(\mathbb{R})$ 上で $(U(t)\psi)(x):=\psi(x-t)$ とおく。Lebesgue 測度の平行移動不変性から $U(t)$ はユニタリで、$U(s+t)=U(s)U(t)$ である。ユニタリな Fourier 変換 $(\mathcal F\psi)(\xi)=(2\pi)^{-1/2}\int e^{-ix\xi}\psi(x)\,dx$(Plancherelの定理。規約は 量子力学の関数解析的構造 の命題「Fourier変換による位置と運動量の交換」に合わせた)について、変数変換 $x=y+t$ により $\psi\in L^1\cap L^2$ で
$$
\mathcal F(U(t)\psi)(\xi)=e^{-it\xi}(\mathcal F\psi)(\xi)
$$
であり、両辺は $\psi$ について $L^2$ で連続なので、すべての $\psi\in L^2$ で成り立つ。すなわち $U(t)=\mathcal F^{-1}V(t)\mathcal F$、$V(t)$ は $e^{-it\xi}$ を掛ける群である。ex-stone-multiplication により $V$ は強連続で生成作用素は $\xi$ の掛け算 $M_\xi$ なので、$U$ も強連続で、生成作用素は
$$
P:=\mathcal F^{-1}M_\xi\mathcal F,\qquad D(P)=\{\psi\in L^2(\mathbb{R})\mid\xi\,\mathcal F\psi\in L^2\}
$$
である(ユニタリ $\mathcal F$ は極限と交換する)。$\psi$ が滑らかで台がコンパクトなら、$\frac{\psi(x-t)-\psi(x)}{t}\to-\psi'(x)$ は一様かつ台をそろえて収束するので $L^2$ でも収束し、$P\psi=-i\psi'$ となる。$P$ は量子力学の運動量作用素で、thm-stone-main の 2 から改めて自己共役であることが分かる。
$H=\mathbb{C}^n$ では強連続性はただの連続性である。連続な一径数ユニタリ群 $U$ に対し、thm-stone-main の 2 の段 1 により生成作用素の定義域は稠密、すなわち $\mathbb{C}^n$ 全体で、$A$ は Hermite 行列、$U(t)=e^{-itA}$ は行列の指数関数($A$ の固有値分解で $\lambda_j\mapsto e^{-it\lambda_j}$ としたもの)である。とくに、連続性だけを仮定した群 $U$ が自動的に $t$ について無限回微分可能になる。$n=1$ では、連続な準同型 $\mathbb{R}\to\{z\in\mathbb{C}\mid|z|=1\}$ が $t\mapsto e^{-ita}$($a\in\mathbb{R}$)の形に限ることを述べている。
量子力学の自由粒子の時間発展は、ex-stone-translation と同じく Fourier 変換で掛け算に写る群 $\mathcal F^{-1}e^{-it|\xi|^2}\mathcal F$ で、その生成作用素は $-\Delta$ である。ポテンシャルを加えた Hamilton 作用素の自己共役性は Schrödinger作用素 で扱う。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 強連続性(弱連続性) | 非可算集合 $\mathbb{R}$ 上の $\ell^2(\mathbb{R})$ での平行移動 | 生成作用素の定義域の稠密性、$U(t)=e^{-itA}$ |
| 自己共役性(対称で止める) | 自己共役作用素 の例「対称だが自己共役でない作用素」の $T$ | $T$ を生成作用素とする強連続な一径数ユニタリ群の存在 |
| ユニタリ性 | $H=\mathbb{C}$、$U(t)=e^t$ | 生成作用素が対称であること |
1 行目:$H=\ell^2(\mathbb{R})$ を、$\sum_{s\in\mathbb{R}}|\psi(s)|^2<\infty$ を満たす関数 $\psi\colon\mathbb{R}\to\mathbb{C}$ 全体(台は高々可算)とし、$(U(t)\psi)(s):=\psi(s-t)$ とおく。$U$ は一径数ユニタリ群である。$\psi\neq0$ の台を $S$ とすると、$t\notin S-S:=\{s-s'\mid s,s'\in S\}$ なら $\psi$ と $U(t)\psi$ の台は交わらず、$\|U(t)\psi-\psi\|^2=2\|\psi\|^2$ である。$S-S$ は可算なので、$0$ に収束する列 $t_n\notin S-S$ がとれ、$\|(U(t_n)\psi-\psi)/t_n\|=\sqrt2\|\psi\|/|t_n|\to\infty$ となる。よって強連続でなく、生成作用素の定義域は $\{0\}$ で稠密でない。thm-stone-main の 1 により $e^{-itA}$ はつねに強連続なので、$U(t)=e^{-itA}$ となる自己共役作用素 $A$ もない。同じ計算で $\langle\delta_0,U(t)\delta_0\rangle$ は $t\neq0$ で $0$、$t=0$ で $1$ なので、弱連続でもない。
2 行目:その $T$ が強連続な一径数ユニタリ群の生成作用素なら、thm-stone-main の 2 により自己共役になり、$T$ が自己共役でないことに反する。$T$ を延長した自己共役作用素 $A$($(Ax)_n=nx_n$)の群 $e^{-itA}$ の生成作用素は $A$ であって $T$ ではない。$T^*$ が固有値 $-i$ をもつことが、段 2 の議論が $T$ では通らない理由である。
3 行目:$U(0)=1$、$U(s+t)=U(s)U(t)$ で連続だが、$|U(t)|\neq1$($t\neq0$)なのでユニタリでない。生成作用素は $A\psi=i\lim_{t\to0}\frac{e^t-1}{t}\psi=i\psi$ で、$\langle1,A1\rangle=i\neq-i=\langle A1,1\rangle$ なので対称でない。lem-stone-generator の 1 の証明が使った $U(t)^*=U(-t)$ が成り立たない。
ユニタリ性を「縮小($\|U(t)\|\leq1$)」に、群を $t\geq0$ だけの半群に弱めると、強連続な縮小半群の生成作用素を特徴づける Hille–吉田の定理 になる。Stone の定理はその特別な場合とみることもできるが、ユニタリ群では生成作用素が自己共役という対称な条件で特徴づけられる点が特有である。また、一径数ユニタリ群の組で Weyl 関係を満たすものの一意性を述べる Stone–von Neumann の定理は、量子力学の関数解析的構造 の定理「Stone–von Neumannの一意性定理」にある。
thm-stone-main の 1 は Tes09 Theorem 5.1(pp. 123–124)、2 は Theorem 5.2(Stone の定理、pp. 124–125)にあり、この記事の証明の流れ(平均 $\psi_\tau$ による稠密性、$\langle\varphi,U(t)\psi\rangle$ の微分方程式による本質的な自己共役性、$\|U(t)\psi-V(t)\psi\|^2$ の微分による群の一致)は同書と同じである。本質的な自己共役性の判定には、Tes09 は Lemma 2.7(p. 66)の条件のうち $A^*$ の核の条件($z\in\mathbb{C}\setminus\mathbb{R}$)を使い、この記事では同値な $\operatorname{ran}(A\mp i)$ の稠密性を 自己共役作用素 の系から引いた。lem-stone-maximal は同書 Corollary 2.2(p. 60)にあたる。弱連続から強連続が従うことは同書では Lemma 1.12 (iv)(p. 49)による。
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