内分点・外分点の座標

同義語:coordinates of division points

概要

内分点・外分点の座標(coordinates of division points)とは、異なる 2 点 $A(x_1,y_1)$、$B(x_2,y_2)$ を結ぶ線分を正の数の比 $m:n$ に内分する点が $\left(\frac{nx_1+mx_2}{m+n},\frac{ny_1+my_2}{m+n}\right)$、$m\ne n$ のとき外分する点がその $n$ を $-n$ に替えた式で表されるという公式である。符号つきの比 $\lambda=\frac{p-a}{b-p}$ を使うと内分と外分は $p=\frac{a+\lambda b}{1+\lambda}$ にまとまり、直線上の $B$ 以外の点と $-1$ 以外の実数 $\lambda$ が 1 対 1 に対応する。$1:1$ の外分点がないのは $\lambda=-1$ に対応する点がないためである。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 数直線, 平行線と線分の比, 絶対値と三角不等式

高校での出発点:数直線と座標平面の内分点・外分点

数学 II では、線分を決まった比に分ける点の座標を、次の公式で求める。2 点 $A$、$B$ を結ぶ線分 $AB$ を $m:n$ に内分する点は
$$ \frac{na+mb}{m+n}\quad(\text{数直線}),\qquad \left(\frac{nx_1+mx_2}{m+n},\ \frac{ny_1+my_2}{m+n}\right)\quad(\text{平面}) $$
で、外分する点は、この式の $n$ を $-n$ に替えたものである。ここで数直線では $A$、$B$ の座標を $a$、$b$、平面では $A(x_1,y_1)$、$B(x_2,y_2)$ とする。まず公式を使う計算を見る。

数直線上の内分点と外分点

数直線上に $A(2)$、$B(8)$ をとる(図 1)。

  1. $2:1$ に内分する点 $P$ は $\dfrac{1\cdot2+2\cdot8}{2+1}=\dfrac{18}3=6$ である。$AP=6-2=4$、$PB=8-6=2$ で、$AP:PB=4:2=2:1$ である。
  2. $2:1$ に外分する点 $Q$ は、$n=1$ を $-1$ に替えて $\dfrac{-1\cdot2+2\cdot8}{2-1}=\dfrac{14}1=14$ である。$AQ=14-2=12$、$QB=14-8=6$ で、$AQ:QB=2:1$ である。
  3. $1:2$ に外分する点 $R$ は $\dfrac{-2\cdot2+1\cdot8}{1-2}=\dfrac{4}{-1}=-4$ である。$AR=2-(-4)=6$、$RB=8-(-4)=12$ で、$AR:RB=1:2$ である。
    $2:1$ の外分点は $B$ の先に、$1:2$ の外分点は $A$ の手前にある。

数直線上の A = 2、B = 8。2:1 に内分する点 P = 6、2:1 に外分する点 Q = 14、1:2 に外分する点 R = −4 の位置を見る図 数直線上の A = 2、B = 8。2:1 に内分する点 P = 6、2:1 に外分する点 Q = 14、1:2 に外分する点 R = −4 の位置を見る図

座標平面の内分点と外分点

$A(-1,3)$、$B(5,-3)$ とする(図 2)。

  1. $1:2$ に内分する点 $P$ は
    $$ \left(\frac{2\cdot(-1)+1\cdot5}{1+2},\ \frac{2\cdot3+1\cdot(-3)}{1+2}\right)=\left(\frac33,\ \frac33\right)=(1,1) $$
    である。$AP=\sqrt{(1+1)^2+(1-3)^2}=\sqrt8=2\sqrt2$、$PB=\sqrt{(5-1)^2+(-3-1)^2}=\sqrt{32}=4\sqrt2$ で、$AP:PB=1:2$ である。$x$ 座標 $-1$、$1$、$5$ だけを見ても、$1-(-1)=2$、$5-1=4$ で、比は $2:4=1:2$ になっている(図 2 の点線。thm-cdp-plane の証明はこのことを使う)。
  2. $3:1$ に外分する点 $Q$ は
    $$ \left(\frac{-1\cdot(-1)+3\cdot5}{3-1},\ \frac{-1\cdot3+3\cdot(-3)}{3-1}\right)=\left(\frac{16}2,\ \frac{-12}2\right)=(8,-6) $$
    である。$AQ=\sqrt{9^2+9^2}=9\sqrt2$、$QB=\sqrt{3^2+3^2}=3\sqrt2$ で、$AQ:QB=3:1$ である。
  3. 中点($1:1$ に内分する点)は $\left(\dfrac{-1+5}2,\dfrac{3-3}2\right)=(2,0)$ である。

A(−1, 3)、B(5, −3) と、AB を 1:2 に内分する点 P(1, 1)、3:1 に外分する点 Q(8, −6)。点線は x 軸への垂線で、x 座標だけを見ても同じ比になっている A(−1, 3)、B(5, −3) と、AB を 1:2 に内分する点 P(1, 1)、3:1 に外分する点 Q(8, −6)。点線は x 軸への垂線で、x 座標だけを見ても同じ比になっている
公式を使う計算は短いが、次のような疑問が残る。この記事ではそれに答える。

  1. 公式はなぜ正しいのか。平面の公式は、数直線の公式とどうつながるのか。→ thm-cdp-line、thm-cdp-plane
  2. 外分の公式が「$n$ を $-n$ に替える」だけで済むのはなぜか。→ def-cdp-signed-ratio、cor-cdp-unified
  3. $1:1$ の外分点がないのはなぜか。直線上のどの点が、どの比に対応するのか。→ thm-cdp-ratio、ex-cdp-equal-ratio
  4. 三角形の重心の座標が、3 つの頂点の座標の平均になるのはなぜか。→ cor-cdp-centroid
  5. 同じ比で内分する点と外分する点には、どんな関係があるか。→ prop-cdp-harmonic
    高校の計算この記事の言葉大学の言葉
    内分点 $\dfrac{na+mb}{m+n}$重み $\dfrac n{m+n}$、$\dfrac m{m+n}$ の平均(thm-cdp-line)凸結合
    外分点は $n$ を $-n$ に符号つきの比 $\lambda=-\dfrac mn$(cor-cdp-unified)係数の和が $1$ の結合(アフィン結合)
    $1:1$ の外分点はない$\lambda=-1$ に対応する点がない(thm-cdp-ratio)無限遠点、1 次分数変換
    重心 $\dfrac{x_1+x_2+x_3}3$中線を $2:1$ に内分する点(cor-cdp-centroid)3 点の重みの等しい平均
    同じ比の内分点と外分点逆数の和が一定(prop-cdp-harmonic)複比が $-1$(調和点列)

内分と外分の定義

線分の内分と外分

$A$、$B$ を異なる 2 点、$m$、$n$ を正の数とする。

  1. 点 $P$ が線分 $AB$ 上(両端を除く)にあって $AP:PB=m:n$ のとき、$P$ は線分 $AB$ を $m:n$ に 内分 するといい、$P$ を 内分点 という。
  2. $m\ne n$ とする。点 $P$ が直線 $AB$ 上で線分 $AB$ の外にあって $AP:PB=m:n$ のとき、$P$ は線分 $AB$ を $m:n$ に 外分 するといい、$P$ を 外分点 という。

$AP:PB=m:n$ は、長さの比の等式で、$n\cdot AP=m\cdot PB$ と同じ意味である。定義の中で「直線 $AB$ 上」を仮定していることに注意する。この仮定を外すと、比の条件を満たす点は直線上にとどまらない(ex-cdp-off-line)。

どの点がどう分けるか

数直線上の $A(0)$、$B(6)$ について、

  1. 点 $2$ は $AP=2$、$PB=4$ で、線分 $AB$ を $2:4=1:2$ に内分する。
  2. 点 $9$ は $AP=9$、$PB=3$ で、線分の外にあるので、$AB$ を $9:3=3:1$ に外分する。
  3. 点 $-3$ は $AP=3$、$PB=9$ で、$AB$ を $3:9=1:3$ に外分する。

数直線上の公式

数直線では、2 点の距離は座標の差の絶対値で、$AP=|p-a|$ である。絶対値を外すために、「$P$ が $A$ と $B$ の間にある」ことを符号で言いかえる。

間にあることを符号で表す

数直線上の異なる 2 点 $A(a)$、$B(b)$ と、$A$、$B$ のどちらとも異なる点 $P(p)$ について、

  1. $P$ が線分 $AB$ 上にあることは、$(p-a)(b-p)>0$ と同値である。
  2. $P$ が線分 $AB$ の外にあることは、$(p-a)(b-p)<0$ と同値である。
$a< b$ と $a>b$ に分ける

方針:$a< b$ のときに示し、$a>b$ のときは $A$ と $B$ の役割を入れかえる。
段 1($a< b$ のとき)。$P$ が線分 $AB$ 上にあることは $a< p< b$、つまり $p-a>0$ かつ $b-p>0$ である。$p-a<0$ かつ $b-p<0$ となることは、$p< a$ かつ $p>b$ で $a< b$ に反するので起こらない。したがって「$(p-a)(b-p)>0$(2 つの因数が同じ符号)」は「$p-a>0$ かつ $b-p>0$」と同値で、1 が成り立つ。$p\ne a$、$p\ne b$ なので積は $0$ ではなく、線分上にないことは積が負であることと同値で、2 も成り立つ。
段 2($a>b$ のとき)。$(p-a)(b-p)=(p-b)(a-p)$ なので、式は $A$ と $B$ を入れかえても変わらない。段 1 を $b< a$ に使えばよい。$\square$

間にあるかどうかは、長さだけでも判定できる。これは平面の公式の証明(prf-cdp-plane)で使う。

間にあることを長さで表す

数直線上の異なる 2 点 $A(a)$、$B(b)$ と、$A$、$B$ のどちらとも異なる点 $P(p)$ について、

  1. $P$ が線分 $AB$ 上にあることは、$AP+PB=AB$ と同値である。
  2. $P$ が線分 $AB$ の外にあることは、$|AP-PB|=AB$ と同値である。
3 つの場所に分けて長さを計算する

方針:$a< b$ のときに、$P$ が $A$ の手前・$A$ と $B$ の間・$B$ の先のどこにあるかで分けて、$AP$、$PB$ を絶対値なしで書く。$a>b$ のときは $A$ と $B$ を入れかえれば同じである($AP+PB$ も $|AP-PB|$ も入れかえで変わらない)。
段 1($a< p< b$ のとき)。$AP=p-a$、$PB=b-p$ なので
$$ AP+PB=(p-a)+(b-p)=b-a=AB,\qquad |AP-PB|=|2p-a-b| $$
である。$a< p< b$ から $2a<2p<2b$、各辺から $a+b$ を引いて $-(b-a)<2p-a-b< b-a$ なので、$|AP-PB|< AB$ である。
段 2($p>b$ のとき)。$AP=p-a$、$PB=p-b$ なので
$$ AP-PB=(p-a)-(p-b)=b-a=AB,\qquad AP+PB=(b-a)+2(p-b)>b-a=AB $$
である($p-b>0$)。
段 3($p< a$ のとき)。$AP=a-p$、$PB=b-p$ なので
$$ PB-AP=(b-p)-(a-p)=b-a=AB,\qquad AP+PB=(b-a)+2(a-p)>b-a=AB $$
である($a-p>0$)。
段 4(まとめ)。$P$ は $A$、$B$ と異なるので、段 1〜3 のどれか 1 つにあたる。$AP+PB=AB$ となるのは段 1 のときだけなので 1 が成り立つ。$|AP-PB|=AB$ となるのは段 2・段 3 のときだけ(段 1 では $|AP-PB|< AB$)なので 2 が成り立つ。$\square$

数直線上の内分点・外分点

数直線上の異なる 2 点 $A(a)$、$B(b)$ と正の数 $m$、$n$ について、

  1. 線分 $AB$ を $m:n$ に内分する点はただ 1 つあり、その座標は $\dfrac{na+mb}{m+n}$ である。
  2. $m\ne n$ のとき、線分 $AB$ を $m:n$ に外分する点はただ 1 つあり、その座標は $\dfrac{-na+mb}{m-n}$ である。
絶対値を符号で外して 1 次方程式を解く

方針:比の条件 $n\cdot AP=m\cdot PB$ を $n|p-a|=m|b-p|$ と書き、lem-cdp-between で絶対値を外して $p$ の 1 次方程式にする。解いたあとで、解が本当に内分点・外分点の条件を満たすことを確かめる。
段 1(内分点の方程式)。$P(p)$ が内分点なら、$P$ は $A$、$B$ と異なり、線分 $AB$ 上にあるので、lem-cdp-between の 1 により $p-a$ と $b-p$ は同じ符号である。すると $n|p-a|=m|b-p|$ は $n(p-a)=m(b-p)$ と同値である(同じ符号の数 $u$、$v$ と正の数 $n$、$m$ について、$n|u|=m|v|$ と $nu=mv$ は同値)。
段 2(解く)。$n(p-a)=m(b-p)$ を展開して $np-na=mb-mp$、移項して $(m+n)p=na+mb$、$m+n>0$ で割って $p=\dfrac{na+mb}{m+n}$ である。内分点があれば、この値しかない。
段 3(確かめる)。$p=\dfrac{na+mb}{m+n}$ とおくと
$$ p-a=\frac{na+mb-(m+n)a}{m+n}=\frac{m(b-a)}{m+n},\qquad b-p=\frac{(m+n)b-na-mb}{m+n}=\frac{n(b-a)}{m+n} $$
である。積は $\dfrac{mn(b-a)^2}{(m+n)^2}>0$ なので、lem-cdp-between の 1 により $P$ は線分 $AB$ 上にある。また $|p-a|:|b-p|=m|b-a|:n|b-a|=m:n$ である。よって $P$ は内分点で、1 が示された。
段 4(外分点)。$P$ が外分点なら、lem-cdp-between の 2 により $p-a$ と $b-p$ は異なる符号なので、$n|p-a|=m|b-p|$ は $n(p-a)=-m(b-p)$ と同値である。展開すると $np-na=-mb+mp$、移項して $(n-m)p=na-mb$、$m\ne n$ なので $p=\dfrac{na-mb}{n-m}=\dfrac{-na+mb}{m-n}$ である。
段 5(確かめる)。この $p$ について、段 3 と同じ計算で
$$ p-a=\frac{m(b-a)}{m-n},\qquad b-p=\frac{-n(b-a)}{m-n} $$
となる。積は $-\dfrac{mn(b-a)^2}{(m-n)^2}<0$ なので $P$ は線分の外にあり、$|p-a|:|b-p|=m:n$ である。よって $P$ は外分点で、2 が示された。$\square$

$A$ から進む割合として読む

prf-cdp-line の段 3 の式 $p-a=\dfrac m{m+n}(b-a)$ は、「$A$ から $B$ へ向かって、全体の $\dfrac m{m+n}$ だけ進んだ点」という意味である。外分点では段 5 の式 $p-a=\dfrac m{m-n}(b-a)$ で、

  • $m>n$ なら $\dfrac m{m-n}>1$ なので、$B$ を越えて進む。
  • $m< n$ なら $\dfrac m{m-n}<0$ なので、$A$ から逆向きに進む。
公式を確かめる 2 つの例
  1. $A(-3)$、$B(5)$ を $3:1$ に内分する点は $\dfrac{1\cdot(-3)+3\cdot5}{4}=\dfrac{12}4=3$、$3:1$ に外分する点は $\dfrac{-1\cdot(-3)+3\cdot5}{2}=\dfrac{18}2=9$ である。内分点では $AP=6$、$PB=2$、外分点では $AP=12$、$PB=4$ で、どちらも比は $3:1$ である。
  2. $a>b$ の場合。$A(5)$、$B(-3)$ を $2:3$ に内分する点は $\dfrac{3\cdot5+2\cdot(-3)}{5}=\dfrac95$ である。$AP=5-\dfrac95=\dfrac{16}5$、$PB=\dfrac95-(-3)=\dfrac{24}5$ で、$AP:PB=16:24=2:3$ である。公式は $A$、$B$ の大小によらずに使える。

座標平面での公式

平面の公式は、$x$ 座標と $y$ 座標のそれぞれに数直線の公式を使って得られる。つなぎに使うのは、中学校で学ぶ「平行線と線分の比」である:平行な何本かの直線が 2 本の直線と交わるとき、それらが切り取る線分の長さの比は、2 本の直線の上で等しい(平行線と線分の比。この記事では証明しない)。

座標平面の内分点・外分点

異なる 2 点 $A(x_1,y_1)$、$B(x_2,y_2)$ と正の数 $m$、$n$ について、線分 $AB$ を $m:n$ に内分する点の座標は
$$ \left(\frac{nx_1+mx_2}{m+n},\ \frac{ny_1+my_2}{m+n}\right) $$
であり、$m\ne n$ のとき $m:n$ に外分する点の座標は
$$ \left(\frac{-nx_1+mx_2}{m-n},\ \frac{-ny_1+my_2}{m-n}\right) $$
である。

$x$ 軸に垂線を下ろして数直線に移す

方針:$x$ 座標について示す($y$ 座標は $y$ 軸に移して同じように示せる)。内分点 $P$ について書き、外分点も同じ手順で示せることを最後に述べる。
段 1($x_1\ne x_2$ のとき、垂線を下ろす)。$A$、$P$、$B$ から $x$ 軸に垂線を下ろし、その足を $A'(x_1)$、$P'(p)$、$B'(x_2)$ とする。3 本の垂線は互いに平行である。$x_1\ne x_2$ なので直線 $AB$ は垂線と平行でなく、3 本の垂線は直線 $AB$ と $x$ 軸の両方に交わる。
段 2(比と位置が移る)。平行線と線分の比により、3 本の垂線が直線 $AB$ から切り取る線分 $AP$、$PB$、$AB$ の長さの比は、$x$ 軸から切り取る線分 $A'P'$、$P'B'$、$A'B'$ の長さの比に等しい。$P$ は線分 $AB$ を $m:n$ に内分するので、$AP:PB=m:n$ で、$P$ は線分 $AB$ 上にあるから $AB=AP+PB$ である。よって $AP:PB:AB=m:n:(m+n)$ で、
$$ A'P'=\frac m{m+n}\,A'B',\qquad P'B'=\frac n{m+n}\,A'B' $$
である。$A'B'=|x_2-x_1|>0$ なので $A'P'>0$、$P'B'>0$ で、$P'$ は $A'$、$B'$ のどちらとも異なる。さらに
$$ A'P'+P'B'=\frac{m+n}{m+n}\,A'B'=A'B' $$
なので、lem-cdp-between-length の 1 により、$P'$ は $x$ 軸上で線分 $A'B'$ 上にある。$A'P':P'B'=m:n$ と合わせて、$P'$ は線分 $A'B'$ を $m:n$ に内分する。
段 3(数直線の公式)。thm-cdp-line の 1 により $p=\dfrac{nx_1+mx_2}{m+n}$ である。$P$ の $x$ 座標は $P'$ の座標 $p$ に等しいので、主張の $x$ 座標が得られた。
段 4($x_1=x_2$ のとき)。直線 $AB$ は $y$ 軸に平行で、その上の点はすべて $x$ 座標が $x_1$ である。公式の値も $\dfrac{nx_1+mx_1}{m+n}=x_1$ で一致する。
段 5(外分点)。外分点 $P$ では、$P$ は直線 $AB$ 上で線分 $AB$ の外にあるので $AB=|AP-PB|$ である(直線 $AB$ に目盛りをつけて数直線とみなし、lem-cdp-between-length の 2 を使う)。よって $AP:PB:AB=m:n:|m-n|$ で、段 2 と同じく平行線と線分の比から
$$ A'P'=\frac m{|m-n|}\,A'B',\qquad P'B'=\frac n{|m-n|}\,A'B' $$
である。どちらも正なので $P'$ は $A'$、$B'$ と異なり、
$$ |A'P'-P'B'|=\frac{|m-n|}{|m-n|}\,A'B'=A'B' $$
である。lem-cdp-between-length の 2 により $P'$ は線分 $A'B'$ の外にあり、$A'P':P'B'=m:n$ なので、$P'$ は線分 $A'B'$ を $m:n$ に外分する。thm-cdp-line の 2 を使えば外分の式が得られる。$x_1=x_2$ のときも、公式の値は $\dfrac{-nx_1+mx_1}{m-n}=x_1$ である。$\square$

図 2 の点線は、この証明の垂線である(数値での確かめは ex-cdp-hs-plane の 1)。

中点と、辺の 3 等分点
  1. $A(x_1,y_1)$、$B(x_2,y_2)$ の中点は、$m=n=1$ として $\left(\dfrac{x_1+x_2}2,\dfrac{y_1+y_2}2\right)$ である。$A(4,-2)$、$B(-2,6)$ なら中点は $(1,2)$ である。
  2. 同じ $A(4,-2)$、$B(-2,6)$ で、線分 $AB$ を 3 等分する 2 点は、$1:2$ と $2:1$ の内分点で、
    $$ \left(\frac{2\cdot4+1\cdot(-2)}3,\ \frac{2\cdot(-2)+1\cdot6}3\right)=(2,\ \tfrac23),\qquad \left(\frac{1\cdot4+2\cdot(-2)}3,\ \frac{1\cdot(-2)+2\cdot6}3\right)=(0,\ \tfrac{10}3) $$
    である。4 点 $A$、$(2,\frac23)$、$(0,\frac{10}3)$、$B$ の $x$ 座標は $4$、$2$、$0$、$-2$ で、等しい間隔 $2$ で並んでいる。

符号つきの比:内分と外分を 1 つにまとめる

prf-cdp-line の段 3・段 5 では、$p-a$ と $b-p$ を $b-a$ の定数倍で表した。内分点と外分点の違いは、この 2 つが同じ符号か異なる符号かだけである。そこで、符号まで含めた比を考える。

符号つきの比

数直線上の異なる 2 点 $A(a)$、$B(b)$ と、$B$ と異なる点 $P(p)$ について、
$$ \lambda=\frac{p-a}{b-p} $$
を、$P$ が線分 $AB$ を分ける 符号つきの比 という。$P=A$ なら $\lambda=0$ である。

内分と外分を 1 つの式で

数直線上の異なる 2 点 $A(a)$、$B(b)$ と正の数 $m$、$n$ について、

  1. $P(p)$ が線分 $AB$ を $m:n$ に内分する点なら $\lambda=\dfrac mn$、$m:n$ に外分する点($m\ne n$)なら $\lambda=-\dfrac mn$ である。
  2. どちらの場合も、$\lambda\ne-1$ で、$P$ の座標は
    $$ p=\frac{a+\lambda b}{1+\lambda} $$
    である。
証明の式から比を読み、代入する

方針:prf-cdp-line の段 3・段 5 の式で $\lambda$ を計算し、それを 2 の式に代入して thm-cdp-line の式と比べる。
段 1(内分点の $\lambda$)。prf-cdp-line の段 3 により $p-a=\dfrac{m(b-a)}{m+n}$、$b-p=\dfrac{n(b-a)}{m+n}$ なので
$$ \lambda=\frac{p-a}{b-p}=\frac{m(b-a)}{n(b-a)}=\frac mn $$
である($b-a\ne0$)。
段 2(外分点の $\lambda$)。段 5 により $p-a=\dfrac{m(b-a)}{m-n}$、$b-p=\dfrac{-n(b-a)}{m-n}$ なので
$$ \lambda=\frac{m(b-a)}{-n(b-a)}=-\frac mn $$
である。
段 3(1 つの式)。$\lambda=\pm\dfrac mn$ で、内分なら $\lambda>0$、外分なら $m\ne n$ なので、どちらも $\lambda\ne-1$ である。$\lambda=\dfrac mn$ のとき、分母・分子に $n$ を掛けて
$$ \frac{a+\frac mn b}{1+\frac mn}=\frac{na+mb}{n+m} $$
で、thm-cdp-line の 1 の座標に等しい。$\lambda=-\dfrac mn$ のとき、同じく
$$ \frac{a-\frac mn b}{1-\frac mn}=\frac{na-mb}{n-m}=\frac{-na+mb}{m-n} $$
で、thm-cdp-line の 2 の座標に等しい。$\square$

「外分は $n$ を $-n$ に替える」は、「比 $\dfrac mn$ を $-\dfrac mn$ に替える」ことである(cor-cdp-unified)。

符号つきの比を読む

ex-cdp-hs-line の $A(2)$、$B(8)$ で、

  1. $P=6$ では $\lambda=\dfrac{6-2}{8-6}=\dfrac42=2$ で、$2:1$ の内分点である。
  2. $Q=14$ では $\lambda=\dfrac{14-2}{8-14}=\dfrac{12}{-6}=-2$ で、$2:1$ の外分点である。
  3. $R=-4$ では $\lambda=\dfrac{-4-2}{8-(-4)}=\dfrac{-6}{12}=-\dfrac12$ で、$1:2$ の外分点である。

$\lambda$ はどんな値でもとれるのか。答えは「$-1$ 以外のすべての実数」である。

点と符号つきの比の対応

数直線上の異なる 2 点 $A(a)$、$B(b)$ をとる。$B$ と異なる点 $P(p)$ に符号つきの比 $\lambda=\dfrac{p-a}{b-p}$ を対応させると、これは「$B$ 以外の点」と「$-1$ 以外の実数」の 1 対 1 の対応になる。逆の対応は $\lambda\mapsto p=\dfrac{a+\lambda b}{1+\lambda}$ である。

値が $-1$ にならないこと、解けること、解が 1 つであること

方針:(1) $\lambda$ が $-1$ にならないこと、(2) $-1$ 以外のどの $\lambda$ にも対応する点があること、(3) その点がただ 1 つであることを順に示す。
段 1($-1$ にならない)。$\dfrac{p-a}{b-p}=-1$ とすると、分母を払って $p-a=-(b-p)=p-b$、両辺から $p$ を引いて $-a=-b$、つまり $a=b$ となり、$A\ne B$ に反する。
段 2(対応する点がある)。$\lambda\ne-1$ とし、$p=\dfrac{a+\lambda b}{1+\lambda}$ とおく。
$$ p-a=\frac{a+\lambda b-a-\lambda a}{1+\lambda}=\frac{\lambda(b-a)}{1+\lambda},\qquad b-p=\frac{b+\lambda b-a-\lambda b}{1+\lambda}=\frac{b-a}{1+\lambda} $$
である。$b-a\ne0$ なので $b-p\ne0$、つまり $p\ne b$ である。比をとると $\dfrac{p-a}{b-p}=\lambda$ である。
段 3(ただ 1 つ)。$B$ と異なる点 $P(p)$ が $\dfrac{p-a}{b-p}=\lambda$ を満たすとする。分母を払うと $p-a=\lambda(b-p)$、移項して $(1+\lambda)p=a+\lambda b$ で、$1+\lambda\ne0$ なので $p=\dfrac{a+\lambda b}{1+\lambda}$ である。$\square$

$\lambda$ の値と点の位置の関係をまとめると、次のようになる(lem-cdp-between と段 2 の式から読める)。

$\lambda$ の範囲点 $P$ の位置
$\lambda>0$線分 $AB$ の内部(内分点)
$\lambda=0$$A$
$-1<\lambda<0$$A$ の外側($m< n$ の外分点)
$\lambda<-1$$B$ の外側($m>n$ の外分点)
$\lambda=-1$対応する点がない
$A=0$、$B=1$ での対応

$a=0$、$b=1$ とすると $\lambda=\dfrac p{1-p}$ である(図 3)。

  • $p=\dfrac12$(中点)なら $\lambda=\dfrac{1/2}{1/2}=1$。
  • $p=\dfrac13$ なら $\lambda=\dfrac{1/3}{2/3}=\dfrac12$。
  • $p=2$ なら $\lambda=\dfrac2{-1}=-2$。
  • $p=3$ なら $\lambda=\dfrac3{-2}=-\dfrac32$。
  • $p=-1$ なら $\lambda=\dfrac{-1}{2}=-\dfrac12$。
    $p$ が右へ遠ざかると $\lambda$ は下から $-1$ に近づき($p=3$ で $-1.5$、$p=11$ で $-1.1$)、左へ遠ざかると上から $-1$ に近づく($p=-1$ で $-0.5$、$p=-9$ で $-0.9$)が、$-1$ にはならない。

A = 0、B = 1 のときの、点 P の座標 p と符号つきの比 λ = p/(1 − p) の対応。λ = −1 の水平線にはグラフが届かない A = 0、B = 1 のときの、点 P の座標 p と符号つきの比 λ = p/(1 − p) の対応。λ = −1 の水平線にはグラフが届かない
$1:1$ の外分点がないことは、thm-cdp-ratio では「$\lambda=-1$ に対応する点がない」ことである。比を $1:1$ に近づけると、外分点は限りなく遠くへ行く(ex-cdp-equal-ratio)。

三角形の重心の座標

三角形の頂点と、向かい合う辺の中点を結ぶ線分を 中線 という。内分点の公式を使うと、3 本の中線が 1 点で交わることと、その点の座標が分かる。

重心の座標

三角形 $ABC$ の頂点を $A(x_1,y_1)$、$B(x_2,y_2)$、$C(x_3,y_3)$ とする。3 本の中線は 1 点
$$ G\left(\frac{x_1+x_2+x_3}3,\ \frac{y_1+y_2+y_3}3\right) $$
で交わり、$G$ は各中線を頂点の側から $2:1$ に内分する。$G$ を三角形の 重心 という。

中線を 2:1 に分ける点を計算し、対称性を見る

方針:中線 $AM$ を $2:1$ に内分する点の座標を計算し、それが $A$、$B$、$C$ について対称な式であることから、ほかの 2 本の中線でも同じ点になることを示す。
段 1(中点)。辺 $BC$ の中点 $M$ は、ex-cdp-plane の (1) により $M\left(\dfrac{x_2+x_3}2,\dfrac{y_2+y_3}2\right)$ である。
段 2($2:1$ の内分点)。中線 $AM$ を $2:1$ に内分する点の $x$ 座標は、thm-cdp-plane で $m=2$、$n=1$ として
$$ \frac{1\cdot x_1+2\cdot\frac{x_2+x_3}2}{2+1}=\frac{x_1+x_2+x_3}3 $$
である。$y$ 座標も同じ計算で $\dfrac{y_1+y_2+y_3}3$ である。この点を $G$ とする。
段 3(ほかの中線)。辺 $CA$ の中点を $N$ として中線 $BN$ を $2:1$ に内分する点を段 1・段 2 と同じように計算すると、$x_1$、$x_2$、$x_3$ の役割が入れかわるだけで、$x$ 座標は $\dfrac{x_2+x_3+x_1}3$ になる。これは段 2 と同じ値である。$y$ 座標も同じである。中線 $CL$($L$ は辺 $AB$ の中点)でも同じである。
段 4(結論)。$G$ は 3 本の中線のどれの上にもあり、それぞれを頂点の側から $2:1$ に内分する。2 本の中線は 1 点でしか交わらない(異なる 2 直線の交点は 1 つ)ので、3 本の中線は $G$ で交わる。$\square$

重心を 2 通りに求める
  1. $A(-1,3)$、$B(5,-3)$、$C(2,6)$ の重心は $\left(\dfrac{-1+5+2}3,\dfrac{3-3+6}3\right)=(2,2)$ である。確かめとして、$BC$ の中点は $M\left(\dfrac72,\dfrac32\right)$ で、$AM$ を $2:1$ に内分する点は $\left(\dfrac{1\cdot(-1)+2\cdot\frac72}3,\ \dfrac{1\cdot3+2\cdot\frac32}3\right)=\left(\dfrac63,\dfrac63\right)=(2,2)$ である(図 4)。
  2. $A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(0,3)$ の重心は $\left(\dfrac{0+6+0}3,\dfrac{0+0+3}3\right)=(2,1)$ である。

三角形 A(−1, 3)、B(5, −3)、C(2, 6) の 3 本の中線(四角は辺の中点)。3 本は重心 G(2, 2) で交わる 三角形 A(−1, 3)、B(5, −3)、C(2, 6) の 3 本の中線(四角は辺の中点)。3 本は重心 G(2, 2) で交わる
重心は 3 つの頂点の座標の平均である。座標を使わない図形的な証明は 三角形の重心(高校数学) で、ベクトルでの書き方は 位置ベクトルと内分点 で扱う。平均が「各点からの距離の 2 乗の和を最小にする点」になることは 平均値と二乗誤差 と同じ構造である。

同じ比の内分点と外分点:高校数学で解く

同じ比 $m:n$ で内分する点と外分する点には、きれいな関係がある。

内分点と外分点の逆数の関係

数直線上の異なる 2 点 $A(a)$、$B(b)$ と、正の数 $m\ne n$ について、線分 $AB$ を $m:n$ に内分する点を $P(p)$、外分する点を $Q(q)$ とする。このとき
$$ \frac1{p-a}+\frac1{q-a}=\frac2{b-a} $$
が成り立つ。特に $a< b$、$m>n$ のときは $AP=p-a$、$AQ=q-a$、$AB=b-a$ なので、$\dfrac1{AP}+\dfrac1{AQ}=\dfrac2{AB}$ である。

$A$ からの符号つきの距離を代入する

方針:prf-cdp-line の段 3・段 5 で求めた $p-a$、$q-a$ の式を代入する。
段 1。prf-cdp-line の段 3 により $p-a=\dfrac{m(b-a)}{m+n}$、段 5 により $q-a=\dfrac{m(b-a)}{m-n}$ である。どちらも $0$ でないので逆数がとれる。
段 2。逆数の和は
$$ \frac{m+n}{m(b-a)}+\frac{m-n}{m(b-a)}=\frac{(m+n)+(m-n)}{m(b-a)}=\frac{2m}{m(b-a)}=\frac2{b-a} $$
である。
段 3(特別な場合)。$a< b$ なら $b-a=AB>0$ である。$P$ は $A$ と $B$ の間にあるので $p-a=AP>0$ である。$m>n$ なら $q-a=\dfrac{m(b-a)}{m-n}>0$ なので $q-a=AQ$ である。代入して $\dfrac1{AP}+\dfrac1{AQ}=\dfrac2{AB}$ を得る。$\square$

逆数の関係を数で確かめる
  1. ex-cdp-hs-line の $A(2)$、$B(8)$、比 $2:1$ では $P=6$、$Q=14$ なので、$\dfrac14+\dfrac1{12}=\dfrac3{12}+\dfrac1{12}=\dfrac4{12}=\dfrac13$ で、$\dfrac2{8-2}=\dfrac13$ に等しい。
  2. 比 $1:2$($m< n$)では、内分点は $\dfrac{2\cdot2+1\cdot8}3=4$、外分点は $R=-4$ である。$q-a=-4-2=-6$ は負で、$\dfrac1{4-2}+\dfrac1{-6}=\dfrac12-\dfrac16=\dfrac13$ となり、符号つきの形の等式が成り立つ。長さ $AR=6$ で $\dfrac12+\dfrac16=\dfrac23\ne\dfrac13$ となるので、$m< n$ では長さの形は成り立たない。

$\dfrac1{AP}+\dfrac1{AQ}=\dfrac2{AB}$ は、$AB$ が $AP$ と $AQ$ の 調和平均(逆数の平均の逆数)$\dfrac{2}{\frac1{AP}+\frac1{AQ}}$ であることを言っている。

大学数学で見る:符号つきの比と 1 次分数変換

複比と調和点列

prop-cdp-harmonic の $P$、$Q$ の符号つきの比は $\lambda_P=\dfrac mn$、$\lambda_Q=-\dfrac mn$ で、比をとると $\dfrac{\lambda_P}{\lambda_Q}=-1$ である。一般に、4 つの数 $z$、$w$、$u$、$v$ に対して
$$ (z,w;u,v)=\frac{z-u}{z-v}\cdot\frac{w-v}{w-u} $$
を 複比 という(Hit18 の Definition 3.4.10)。$\dfrac{p-a}{p-b}=-\lambda_P$、$\dfrac{q-b}{q-a}=-\dfrac1{\lambda_Q}$ なので、$(p,q;a,b)=\dfrac{\lambda_P}{\lambda_Q}=-1$ である。複比が $-1$ になる 4 点を 調和点列 といい、$P$、$Q$ は $A$、$B$ に関して調和共役であるという。
thm-cdp-ratio の対応 $p\mapsto\lambda=\dfrac{p-a}{b-p}$ は、$\dfrac{\alpha p+\beta}{\gamma p+\delta}$ の形の関数(1 次分数変換)である。1 次分数変換は複比を変えない(Hit18 の Theorem 3.4.12。この記事では証明しない)ので、調和点列であることは 1 次分数変換で保たれる。
thm-cdp-ratio の対応は「$B$ 以外の点」と「$-1$ 以外の実数」の対応なので、点の側では $B$ が、$\lambda$ の側では $-1$ が対応から外れている。点の側だけに「無限遠点」を 1 つ付け加えて $\lambda=-1$ に対応させても、今度は $B$ に対応する $\lambda$ がない。そこで $\lambda$ の側にも無限遠点 $\infty$ を 1 つ付け加えて、点 $B$ に対応させる。こうすると、両側とも「数直線に無限遠点を 1 つ加えたもの」になり、その間の 1 対 1 の対応が得られる。$p$ が限りなく遠ざかると $\lambda$ は $-1$ に近づき、$p$ が $b$ に近づくと $|\lambda|$ が限りなく大きくなる(ex-cdp-ratio、図 3)ので、この付け加え方は自然である。数直線に無限遠点を 1 つ加えたものを 射影直線 という(射影空間)。1 次分数変換は、漸化式を解く道具としても 分数型の漸化式と1次分数変換 に現れる。
軌跡の求め方 で見た Apollonius の円(2 点からの距離の比が $m:n$ の点の軌跡)は、$AB$ を $m:n$ に内分する点と外分する点、つまり $A$、$B$ に関して調和共役な 2 点を直径の両端とする円である。

係数の和が 1 の結合

内分点の公式の係数 $\dfrac n{m+n}$、$\dfrac m{m+n}$ も、外分点の公式の係数 $\dfrac{-n}{m-n}$、$\dfrac m{m-n}$ も、和が $1$ である。係数の和が $1$ の結合 $sa+tb$($s+t=1$)を アフィン結合 といい、係数がどちらも $0$ 以上のものを 凸結合 という。内分点は凸結合、外分点は凸結合でないアフィン結合である。
係数の和が $1$ であることは、「原点をどこにとっても同じ点を表す」ことを保証する。座標をすべて $h$ だけずらす($a\mapsto a+h$、$b\mapsto b+h$)と、$s(a+h)+t(b+h)=sa+tb+(s+t)h=sa+tb+h$ で、結果もちょうど $h$ だけずれる。係数の和が $1$ でないと、ずれ方が $h$ と一致しない(ex-cdp-translation)。平面や空間でのこの性質は、ベクトルの言葉で 位置ベクトルと内分点 で証明する。

例と反例

公式の仮定を外すと何が起こるかを確かめる。

外した仮定崩れる主張ボックス
外分では $m\ne n$外分点が存在するex-cdp-equal-ratio
$A\ne B$比から点がただ 1 つ決まるex-cdp-same-point
$P$ は直線 $AB$ 上比が $m:n$ の点は内分点と外分点の 2 つだけex-cdp-off-line
比 $m:n$ を $A$ の側から $AP:PB$ の順に読む公式 $\dfrac{na+mb}{m+n}$ が求める点を与える($m\ne n$ なら、順序を取り違えると中点に関して対称な別の点になる)ex-cdp-order
係数の和が $1$原点をずらしても同じ点を表すex-cdp-translation
1:1 の外分点はない

数直線上の $A(0)$、$B(1)$ を $m:m$ に外分する点 $P(p)$ があるとすると、prf-cdp-line の段 4 の式は $m(p-0)=-m(1-p)$、つまり $mp=-m+mp$ で、$0=-m$ となり $m>0$ に反する。外分点はない。
比を $1:1$ に近づけると、外分点は遠くへ行く。$A(0)$、$B(1)$ を $m:n$ に外分する点は $\dfrac{m}{m-n}$ で、$11:10$ なら $11$、$101:100$ なら $101$ である。

2 点が一致するとき

$A=B=3$ とする。公式に代入すると、どの $m$、$n$ でも内分の式は $\dfrac{3n+3m}{m+n}=3$ で、点 $A$ そのものを返す。しかし $P=A$ では $AP=PB=0$ で、$AP:PB$ は $m:n$ という比の意味をもたない。$P\ne A$ なら $AP=PB>0$ なので比は $1:1$ しかありえない。2 点が一致すると、比による点の指定は意味を失う。

直線上という仮定を外す

$A(0,0)$、$B(3,0)$ について、$PA:PB=2:1$ を満たす点 $P$ を平面全体で探すと、中心 $(4,0)$、半径 $2$ の円になる(軌跡の求め方)。たとえば $(4,2)$ では $PA=\sqrt{16+4}=2\sqrt5$、$PB=\sqrt{1+4}=\sqrt5$ で、比は $2:1$ だが、直線 $AB$($x$ 軸)の上にない。この円と $x$ 軸の交点は $(2,0)$ と $(6,0)$ で、それぞれ $AB$ を $2:1$ に内分する点、外分する点である。「直線 $AB$ 上」の仮定があって初めて、比の条件を満たす点が 2 つに絞られる。

比の順序を入れかえる

$A(2)$、$B(8)$ を $2:1$ に内分する点は $6$、$1:2$ に内分する点は $\dfrac{2\cdot2+1\cdot8}3=4$ で、別の点である。2 点は中点 $5$ に関して対称な位置にある。$m:n$ は「$A$ の側から見た比」なので、順序を入れかえると点が変わる。外分でも、$2:1$ では $14$、$1:2$ では $-4$ で、$B$ の外側と $A$ の外側に分かれる。

係数の和が 1 でない式

$A(2)$、$B(8)$ を $2:1$ に内分する点は $6$ である。原点を $2$ だけ右にずらして座標を $A(0)$、$B(6)$ に替えると、内分点は $\dfrac{1\cdot0+2\cdot6}3=4$ で、元の座標に直すと $4+2=6$ となり、同じ点を表す。
一方、$m+n$ で割るのを忘れた式 $na+mb$ を使うと、元の座標では $1\cdot2+2\cdot8=18$、ずらした座標では $1\cdot0+2\cdot6=12$ で、元の座標に直すと $14$ になり、$18$ と一致しない。係数 $1$、$2$ の和が $3\ne1$ なので、原点の取り方で答えが変わってしまう。

さらに先へ

  • 空間の 2 点 $A(x_1,y_1,z_1)$、$B(x_2,y_2,z_2)$ でも、内分点・外分点は 3 つの座標それぞれに同じ公式を使って求まる。証明は prf-cdp-plane と同じく、座標軸に平行線を下ろせばよい。
  • 位置ベクトルを使うと、内分点の公式は $\dfrac{n\vec a+m\vec b}{m+n}$ と 1 行で書け、直線上にある条件や 2 直線の交点の計算に使える(位置ベクトルと内分点)。凸結合全体が線分や三角形になることは 点の存在範囲と凸結合 で扱う。
  • 三角形の内部の点を、3 頂点の重みの比で表す座標を 重心座標 という(重心座標)。重心は重みがすべて等しい点である。

関連項目

参考文献

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