Gauss–Bonnetの定理

同義語:ガウス・ボンネの定理Gauss-Bonnet theorem

概要

Gauss–Bonnetの定理(Gauss–Bonnet theorem)とは、コンパクトな曲面 $M$ の Gauss 曲率 $K$ の全積分を Euler 標数と結ぶ定理 $\int_M K\,dA=2\pi\chi(M)$ である。境界がある場合は、符号付き測地曲率の積分と角の外角の和も左辺に加わる。例えば半径 $r$ の球面では $K=1/r^2$ で全積分は $4\pi$、トーラスでは $0$ である。曲率の符号は曲面の位相を制限し、向き付け可能な連結閉曲面で $K>0$ が全点で成り立てば種数は $0$ である。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 多様体, 断面曲率, Euler標数, Riemann積分

曲率の総量と曲面の形

球面を大きくすると各点の曲がり方は弱くなる。それでも球面全体で曲率を足した値は $4\pi$ のままである。一方、普通のドーナツ形の曲面では外側に正の曲率、内側に負の曲率が現れ、それらを曲面全体で足すと $0$ になる。この二つの値は、曲面の大きさや細かい形よりも、穴の数に関係する。
Gauss–Bonnet の定理は、曲面の局所的な Gauss 曲率 $K$ を面積で積分した値が、Euler標数という大域的な位相不変量に等しいことを述べる。境界がある場合には、その境界が曲面の中でどれだけ曲がるかも数える(doC16 Chapter 4 §4-5)。このため、曲率を図の見た目だけで正負に分けたり、境界の項を忘れたりすると、正しい等式にならない。
この記事では向き付け可能な滑らかな曲面の式を定め、球面・トーラス・平面内の領域で計算する。主定理そのものの一般的な証明には、局所的な曲率の式を三角形分割で貼り合わせる議論が必要なので刊行書に譲る。その代わり、定理から従う角度の式と幾つかの例を途中を省かずに示す。

曲率と境界の約束

ここで曲面とは、滑らかな2次元のリーマン多様体をいう。点 $p$ の Gauss 曲率 $K(p)$ は、接平面の断面曲率である。曲面が Euclid 空間に埋め込まれていれば、二つの主曲率の積としても求められる。$dA$ を計量から得られる面積要素とする。$\int_M K\,dA$ は点ごとの曲率を面積で重みづけして足した全曲率である。これは一般には $K$ の平均ではない。面積を2倍にしても $K$ をそのまま掛けてよいという意味でもない。
境界をもつ曲面では、向きを一つ決める。境界の向きは、曲面を左側に見ながら進む向きとする。平面の円板なら反時計回り、穴の内側の境界なら時計回りである。$s$ を弧長、$T$ を境界の単位接ベクトル、$N$ を曲面内で $T$ の左にある単位法ベクトルとすると、符号付き測地曲率は
$$ k_g=\langle\nabla_TT,N\rangle $$
と定める。平面の向きを固定して半径 $R$ の円を反時計回りに進むと $k_g=1/R$ になり、曲線の進行方向だけを逆にすると $-1/R$ になる。空間中での曲線の曲率の大きさと、この符号付き測地曲率を混同しない(doC16 Chapter 4 §4-4)。
境界が区分的に滑らかで角をもつなら、各頂点の曲面内の内角を $\theta_j$ とする。境界を進んだときの外角は $\pi-\theta_j$ であり、凸な平面多角形では正になる。滑らかな境界では外角の和は現れない。

閉曲面の式

Gauss–Bonnet の定理(境界なし)

$M$ をコンパクトで境界のない、向き付け可能な滑らかな2次元リーマン多様体とする。このとき
$$ \int_M K\,dA=2\pi\chi(M) $$
である。ここで $\chi(M)$ は $M$ の Euler 標数である。連結性は仮定しない(両辺は連結成分ごとに加法的である)。抽象的な2次元リーマン多様体に対する定理は Lee18 Chapter 9 による。

証明の所在

抽象的な曲面に対する証明は Lee18 Chapter 9 に譲る。Euclid 空間に埋め込まれた正則曲面の場合は doC16 Chapter 4 §4-5 でも扱う。局所版で曲率積分、境界の測地曲率、角の和を結び、その式を三角形分割の各面に適用して内側の辺と角の寄与を整理する。ここではその局所版を前提とした計算と帰結を証明する。

$\chi(M)$ はたとえば有限の三角形分割があるとき、頂点・辺・面の個数を $V,E,F$ として $V-E+F$ で求める。球面は $2$、トーラスは $0$、閉じた向き付け可能な種数 $g$ の曲面は $2-2g$ である(Euler標数)。したがって全曲率はそれぞれ $4\pi,0,4\pi(1-g)$ になる。これは積分の値についての結論であり、トーラス上の曲率が各点で $0$ という主張ではない。

境界と角を含む式

Gauss–Bonnet の定理(境界あり)

$M$ をコンパクトで向き付け可能な滑らかな2次元リーマン多様体とし、境界が有限個の区分的に滑らかな閉曲線からなるとする。角の内角を $\theta_1,\ldots,\theta_m$ とすると
$$ \int_M K\,dA+\int_{\partial M}k_g\,ds+\sum_{j=1}^{m}(\pi-\theta_j)=2\pi\chi(M) $$
である。境界の積分は各滑らかな弧について、曲面を左側に見る境界の向きでとる。角のない滑らかな境界なら最後の和は $0$ である(Lee18 Chapter 9, The Gauss–Bonnet Formula)。

境界付きの式の出典と向き

境界と角を含む一般の証明も Lee18 Chapter 9 に譲る。埋め込まれた正則曲面での古典的な記述は doC16 Chapter 4 §4-5 にある。局所版の符号は境界の向きと測地曲率の定義に依存する。上の約束では平面円板の境界積分が $+2\pi$ になるので、右辺 $2\pi\chi(D^2)=2\pi$ と一致する。

境界を取り除いたときは、境界積分と外角和がなくなり、thm-gb-closed に戻る。また、$K=0$ の平面領域では境界の曲がりと角の和が $2\pi\chi(M)$ を担う。平面という理由だけで全ての項を $0$ としてはいけない。

球面・トーラス・平面領域で確かめる

半径 $R$ の球面

半径 $R>0$ の球面 $S_R^2$ は $K=1/R^2$、面積 $4\pi R^2$ だから
$$ \int_{S_R^2}K\,dA=\frac1{R^2}\,4\pi R^2=4\pi=2\pi\chi(S^2). $$
半径を変えると曲率と面積は逆向きに変わり、積は一定である。$K=1/R^2$ は二つの主曲率の大きさがともに $1/R$ で、その積が正であることからも分かる(doC16 Chapter 3)。

球面の全曲率の計算

球面座標 $x=R(\sin\vartheta\cos\varphi,\sin\vartheta\sin\varphi,\cos\vartheta)$($0<\vartheta<\pi$, $0<\varphi<2\pi$)では、二つの接ベクトルは直交し、長さは $R$ と $R\sin\vartheta$ である。よって $dA=R^2\sin\vartheta\,d\vartheta d\varphi$。球面の単位法線は $x/R$ で、接方向の微分は各方向で $1/R$ 倍なので二つの主曲率の積は $1/R^2$。従って $\int KdA=\int_0^{2\pi}\int_0^\pi\sin\vartheta\,d\vartheta d\varphi=2\pi\cdot2=4\pi$。極の座標特異点は面積零で積分値を変えない。$\square$

球面の北極を含む帽子

半径 $R$ の球面で、北極からの角度が $0\le\vartheta\le a$($0< a<\pi$)の部分を $C_a$ とする。これは円板状なので $\chi(C_a)=1$。内部の曲率積分は帽子の面積を $R^2$ で割った $2\pi(1-\cos a)$ である。一方、境界は緯度 $a$ の円であり、その測地曲率の積分は $2\pi\cos a$。二つを足すと $2\pi$ になり、境界付きの式を満たす。$a>\pi/2$ なら境界の寄与が負になる。

球面の帽子での境界項

極座標の面積要素は $R^2\sin\vartheta\,d\vartheta d\varphi$ なので、$\int_{C_a}K\,dA=\int_0^{2\pi}\int_0^a\sin\vartheta\,d\vartheta d\varphi=2\pi(1-\cos a)$。境界を $\varphi$ が増す向きに回ると、その長さは $2\pi R\sin a$ である。空間内でこの円の加速度は、水平面で円の中心へ向かい、大きさは $1/(R\sin a)$。これを曲面の接平面内で帽子側へ向く単位法線に射影すると、符号付き測地曲率は $k_g=\cos a/(R\sin a)$ になる。よって $\int_{\partial C_a}k_g\,ds=2\pi\cos a$。南半球まで帽子を広げたときに符号が変わるのは、この射影の向きが変わるためである。$\square$

回転トーラス

$R>r>0$ とし、半径 $R$ の円を中心線として半径 $r$ の円を回転したトーラスを考える。外側では $K>0$、内側では $K<0$ で、二つの寄与が打ち消し合う。この例は「全曲率 $0$」と「平坦」を分ける。

回転トーラスの全曲率の計算

パラメータ表示を $x(u,v)=((R+r\cos u)\cos v,(R+r\cos u)\sin v,r\sin u)$($0\le u,v<2\pi$)とする。第 1 基本形式は $r^2du^2+(R+r\cos u)^2dv^2$ だから $dA=r(R+r\cos u)\,du\,dv$。外向き単位法線を $(\cos u\cos v,\cos u\sin v,\sin u)$ とすれば、二つの主曲率は向きの規約によって同時に符号が変わるが、積は $K(u)=\cos u/[r(R+r\cos u)]$ である。よって $K\,dA=\cos u\,du\,dv$ となり、$\int_0^{2\pi}\int_0^{2\pi}\cos u\,du\,dv=0$。これが $\chi(T^2)=0$ と一致する。$\square$

平面の円板と環

平面は $K=0$ なので、半径 $R$ の円板 $D_R$ では境界の円が式の全量を負担する。境界を反時計回りに進むと $k_g=1/R$、長さは $2\pi R$ であり、$\int_{\partial D_R}k_g\,ds=2\pi=2\pi\chi(D_R)$ である。
二つの同心円の間の環 $A_{r,R}$($0< r< R$)では、外周は反時計回り、内周は時計回りに進む。外周の寄与は $+2\pi$、内周は $-2\pi$ なので和は $0$。環の Euler 標数 $\chi(A_{r,R})=0$ と合う。穴の境界を外周と同じ向きに取って $+2\pi$ としてしまうと誤る。

境界の向きと符号の検算

半径 $\rho$ の円を反時計回りに弧長で表せば、接ベクトル $T$ は回転に伴って中心向きに長さ $1/\rho$ の割合で変わる。領域が円の内部なら、進行方向の左の法ベクトル $N$ も中心向きなので $k_g=\langle\nabla_TT,N\rangle=1/\rho$。環の内周では領域を左に置くため進行方向が時計回りとなり、その左は中心と反対向きである。加速度は中心向きなので $k_g=-1/r$。従って $\int_{\partial A_{r,R}}k_gds=(1/R)(2\pi R)+(-1/r)(2\pi r)=0$。$\square$

平面の凸多角形なら、各辺は直線なので $k_g=0$ で、各頂点の外角の和が $2\pi$ になる。これは境界付き Gauss–Bonnet の平面での姿である。凸でない単純多角形でも内角 $\theta_j$ を $0<\theta_j<2\pi$ で測れば、負の外角を含めて同じ式になる。

三角形の角度と曲率

曲面上の線分に相当するものは測地線である。滑らかな曲面上で3本の測地線が囲む領域を考える。各辺に沿う測地曲率は $0$ なので、境界付きの式は角度と領域内部の曲率だけを結ぶ。

測地三角形の角度の過不足

向き付け可能な曲面上の、単純な閉曲線をなす3本の測地線で囲まれた円板状領域 $T$ を考える。内角を $\alpha,\beta,\gamma$ とすると
$$ \alpha+\beta+\gamma-\pi=\int_TK\,dA. $$
特に $K>0$ が領域で成り立つなら角の和は $\pi$ より大きく、$K<0$ なら小さい。

三角形の角度公式

$T$ は円板状だから $\chi(T)=1$。3本の辺は測地線なので、それぞれ $k_g=0$。thm-gb-boundary の外角和は $(\pi-\alpha)+(\pi-\beta)+(\pi-\gamma)=3\pi-(\alpha+\beta+\gamma)$ である。従って $\int_TK\,dA+3\pi-(\alpha+\beta+\gamma)=2\pi$。移項すれば式を得る。面積要素 $dA$ は正なので、曲率の符号が一定なら積分の符号もそれに従う。$\square$

球面の八分の一

半径 $R$ の球面を、座標平面 $x=0,y=0,z=0$ と正の座標の条件で切った領域を考える。境界は3本の大円弧で、それぞれ測地線である。頂点で交わる弧の角はすべて直角なので $\alpha+\beta+\gamma=3\pi/2$。球面の8分の1の面積は $4\pi R^2/8=\pi R^2/2$、曲率は $1/R^2$ なので、右辺は $\pi/2$。左辺 $3\pi/2-\pi=\pi/2$ と一致する。

この例では地図上の「三角形」に相当する図形でも角の和が $180^\circ$ でない。角度の超過分は曲率の積分そのものである。ただし球面上の任意の3本の大円が常に円板状の小さい三角形を囲むとは限らない。prop-gb-geodesic-triangle を使う前に、領域が単純な境界を持ち、円板状であることを確認する。

三角形分割から閉曲面の式を読む

閉曲面を有限個の測地三角形に分けられる状況では、角度公式の和から Gauss–Bonnet の全体式が見える。この導出は、三角形の局所式をすでに使っているので、一般定理の独立した証明ではない。有限な分割で各三角形が円板状であり、辺どうしがきちんと貼り合わされているとする。

三角形の角度和の合計

閉じた向き付け可能な曲面を上のように $F$ 個の測地三角形へ分割し、頂点数を $V$、辺数を $E$ とする。各三角形 $T_j$ に角度公式を適用すると
$$ \int_MK\,dA=2\pi(V-E+F). $$

三角形分割での計数

三角形ごとに prop-gb-geodesic-triangle を足すと、左辺の積分は内側が重ならないことから $\int_MK\,dA$ になる。すべての三角形の角度の総和は、各頂点のまわりで $2\pi$ ずつだから $2\pi V$。各三角形から引く $\pi$ は $\pi F$ なので、全曲率は $2\pi V-\pi F$。一つの辺はちょうど2つの三角形に属するため $3F=2E$。従って $2\pi V-\pi F=2\pi V-2\pi E+2\pi F=2\pi(V-E+F)$。最後の括弧が Euler 標数である。$\square$

この計数では、個々の三角形の曲率積分は形によって変わっても、内側の辺は全体から消え、頂点に集まる角は $2\pi$ になる。局所量の和が位相的な整数に固定される仕組みを表している。実際の一般証明では、測地三角形だけで都合のよい分割を作ることや向き・境界項を処理する必要があり、その技術的部分は Lee18 Chapter 9 に委ねる。

定理から何が分かり、何は分からないか

連結で閉じた向き付け可能曲面の種数を $g$ とすると、分類定理から $\chi=2-2g$ である。thm-gb-closed と合わせれば $\int_MK\,dA=4\pi(1-g)$。したがって $g=0$ なら全曲率は正、$g=1$ なら零、$g\ge2$ なら負である。これは各点の曲率の符号を決めるものではない。回転トーラスには正負の点がともに存在する。
逆に、閉じた向き付け可能曲面上で $K>0$ が全点で成り立てば積分は正だから $\chi>0$、よって連結なら種数 $0$ である。$K<0$ が全点なら $\chi<0$ で種数は少なくとも $2$ となる。$K\equiv0$ なら $\chi=0$ で種数は $1$ である。ここで用いたのは必要条件であり、与えられた曲面に望む符号の計量が作れることは別の存在問題である。
曲面の向きを逆にしても $K$ と $dA$ は変わらない。境界付きの場合には、境界の進行方向と曲面の向きをともに反転させると、領域側を向く曲面内法ベクトル $N$ と加速度 $\nabla_TT$ は変わらず、境界積分も不変である。閉曲面では向き付け可能性なしにも同じ全曲率の式が成り立つが、ここでは境界の符号を明瞭にするため向き付け可能な場合を主に述べた(doC16 Chapter 4 §4-5)。
定理はコンパクト性も要求する。非コンパクトな曲面では、全曲率の積分が収束するか、無限遠にどのような境界寄与が残るかを別に調べなければならない。たとえば全平面では $K=0$ だが、コンパクトな閉曲面の式をそのまま代入して Euler 標数の結論を出すことはできない。大きな円板へ制限すると境界の積分が常に $2\pi$ を担うことが、欠けている項を示している。
境界を外へ押し出す極限操作には、境界項の極限を制御する仮定が要る。単に積分領域を無限に広げるだけでは、コンパクトな場合の公式は得られない。

仮定や項を外したときの反例

Gauss–Bonnet の定理の仮定を外したり、式の項を落としたりすると、等式は成り立たなくなる。

外す条件・項反例成り立たなくなること
コンパクトEuclid 平面 $\mathbb R^2$$\int_MK\,dA=2\pi\chi(M)$
境界の測地曲率の項平面の単位円板境界ありの式
角の外角の項平面の正方形 $[0,1]^2$境界ありの式
三角形の辺が測地線平面の扇形(中心角 $\theta$、半径 $1$)角の和の公式 $\alpha+\beta+\gamma-\pi=\int_TK\,dA$
全点での曲率の符号(積分だけ)回転トーラス全曲率 $0$ なら平坦(各点で $K=0$)
表の反例の確かめ

コンパクトでない平面。 $\mathbb R^2$ は $K\equiv0$ なので $\int K\,dA=0$ である。一方 $\mathbb R^2$ は一点と可縮で $\chi(\mathbb R^2)=1$ だから、右辺は $2\pi$ である。等式は成り立たない。本文で見たように、半径 $R$ の円板に制限すると境界項 $2\pi$ が補う。
境界の項を落とす。 単位円板では $\int K\,dA=0$、$\chi=1$ である。境界の項 $\int k_g\,ds=2\pi$ を落とすと $0=2\pi$ となり誤る。
角の項を落とす。 正方形の辺は直線で $k_g=0$、内部は $K=0$ である。四つの内角は $\pi/2$ で、外角の和は $4\cdot\pi/2=2\pi$ である。この項を落とすと左辺は $0$ で、右辺 $2\pi\chi=2\pi$ と一致しない。
測地線でない辺。 原点を中心とする半径 $1$、中心角 $\theta$($0<\theta<\pi$)の扇形を三角形と見る。二本の半径は直線(測地線)だが、弧は測地線でない。角は中心で $\theta$、弧の両端で $\pi/2$ ずつだから $\alpha+\beta+\gamma-\pi=\theta$ である。一方 $\int K\,dA=0$ で、角の和の公式は成り立たない。境界ありの式では、弧の寄与 $\int k_g\,ds=1\cdot\theta$ が差 $\theta$ をちょうど埋める。
全曲率と各点の曲率。 回転トーラスは $\int K\,dA=0$ だが、本文の計算で $K(u)=\cos u/[r(R+r\cos u)]$ は $u=0$ で正、$u=\pi$ で負である。全曲率の値だけから各点の曲率は決まらない。

関連項目

参考文献

[1]
John M. Lee, Introduction to Riemannian Manifolds, Graduate Texts in Mathematics 176, Springer, 2018, Chapter 9, The Gauss–Bonnet Theorem; The Gauss–Bonnet Formula, pp. 271–275; The Gauss–Bonnet Theorem, pp. 276–280
[2]
Manfredo P. do Carmo, Differential Geometry of Curves and Surfaces, Dover Publications, 2016, Chapter 3 (Gauss curvature); Chapter 4, Sections 4-4 and 4-5 (geodesic curvature and the Gauss-Bonnet theorem)

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