支配集合

同義語:dominating set

概要

支配集合(dominating set)とは、グラフの頂点の集合 $D$ で、$D$ に入らないどの頂点も $D$ のある頂点に隣接するものであり、その大きさの最小値を支配数 $\gamma(G)$ という。独立集合が極大であることは支配集合であることと同値で、$\gamma(G)\le i(G)\le\alpha(G)$ が成り立つ。孤立点のないグラフでは極小な支配集合の補集合も支配集合なので $\gamma(G)\le n/2$ であり、最小次数が $\delta$ なら $\gamma(G)\le n(1+\log(\delta+1))/(\delta+1)$ である。支配数を求める問題は頂点被覆の問題から帰着され、NP 困難である。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: グラフ, 独立集合, 次数(グラフ)

グラフの頂点の集合 $D$ で、$D$ に入らないどの頂点も $D$ のある頂点と隣接しているものを 支配集合 という。頂点を部屋、辺を「隣の部屋が見える」関係とすれば、支配集合は、そこに見張りを置けばすべての部屋が見張られるような部屋の選び方である。見張りの最小の人数(支配数)を求めることは、施設の配置や通信網の設計に現れる基本的な最適化の問題である。
支配集合は 独立集合 と深く結びついている。独立集合が極大であることは、それが支配集合であることと同値である。この記事では、支配集合を定義して基本的な例と評価を与え、極小な支配集合の特徴づけ、孤立点のないグラフでは支配数が頂点数の半分以下であること、最小次数による上界を確率的な議論で証明する。最後に、支配数を求める問題が頂点被覆の問題と同じだけ難しいことを示す。

定義

この記事のグラフは有限な単純グラフ $G=(V,E)$ で、$n:=\lvert V\rvert$ とする。頂点 $v$ の近傍 $N(v)$ は グラフ の記事の定義「隣接と接続と近傍」のとおりとし、$N[v]:=N(v)\cup\{v\}$ を $v$ の 閉近傍 という。頂点の集合 $S$ について $N[S]:=\bigcup_{v\in S}N[v]$ とする。最小次数を $\delta(G)$、最大次数を $\Delta(G)$ と書く(次数(グラフ) の記事の定義「最小次数・最大次数・平均次数」)。

支配集合と支配数

頂点の集合 $D\subset V$ について、$V\setminus D$ のどの頂点も $D$ のある頂点に隣接するとき、すなわち $N[D]=V$ のとき、$D$ を $G$ の 支配集合(dominating set)という。

  1. 支配集合 $D$ のどの真部分集合も支配集合でないとき、$D$ は 極小 であるという。
  2. 支配集合の大きさの最小値を $G$ の 支配数(domination number)といい、$\gamma(G)$ と書く。大きさが $\gamma(G)$ の支配集合を 最小 の支配集合という。

$V$ 自身は支配集合なので、支配数はつねに定まり $\gamma(G)\le n$ である。最小の支配集合は極小であるが、極小な支配集合は最小とは限らない(ex-dom-values の星)。

独立支配集合

独立集合(どの 2 頂点も隣接しない頂点の集合)であって支配集合でもあるものを 独立支配集合 という。その大きさの最小値を $i(G)$ と書く。

$v$ が $D$ に属するときは $v$ 自身が $N[v]$ に入るので、支配集合の条件は「どの頂点も、$D$ に属するか、$D$ の頂点に隣接する」と言い換えられる。

例

基本的なグラフの支配数
グラフ$n$$\gamma$最小の支配集合の例
完全グラフ $K_n$$n$$1$1 頂点
辺のないグラフ $E_n$$n$$n$全体
星 $K_{1,q}$$q+1$$1$中心
完全二部グラフ $K_{p,q}$($p,q\ge2$)$p+q$$2$両側から 1 頂点ずつ
道 $P_n=1\,2\cdots n$$n$$\lceil n/3\rceil$$2,5,8,\dots$
閉路 $C_n$($n\ge3$)$n$$\lceil n/3\rceil$$2,5,8,\dots$
Petersenグラフ$10$$3$$12,13,23$

$E_n$ では、どの頂点も自分自身でしか支配されないので $\gamma=n$ である。星 $K_{1,q}$($q\ge2$)では、中心だけで支配集合になるが、すべての葉の集合も極小な支配集合である(葉を 1 つでも除くと、その葉は中心にしか隣接しないので支配されない)。$K_{p,q}$ では、1 頂点だけでは同じ側の他の頂点を支配できず、両側から 1 頂点ずつとれば支配集合になる。
道と閉路:どの頂点も閉近傍が $3$ 頂点以下なので、$D$ が支配集合なら $n\le\lvert N[D]\rvert\le3\lvert D\rvert$ であり、$\gamma\ge\lceil n/3\rceil$ である。$k=1,\dots,\lceil n/3\rceil$ について頂点 $3k-1$(それが $n$ を超えるときは頂点 $n$)を選ぶ。頂点 $3k-1$ は $3k-2,3k-1,3k$ を支配し、最後に $n$ を選んだときは $n-1,n$ を支配するので、選んだ頂点は道でも閉路でも支配集合になる。
Petersen グラフは、$\{1,\dots,5\}$ の 2 元部分集合を頂点とし、交わらないものどうしを結んだグラフである(独立集合 の例「Petersen グラフの独立数」と同じ記法で、$ij$ は $\{i,j\}$)。どの頂点も次数 $3$ なので、2 頂点の閉近傍の和は $8$ 頂点以下で、$10$ 頂点を覆えない。よって $\gamma\ge3$ である。$\{12,13,23\}$ 以外の頂点 $ab$ は、$\{a,b\}$ が $\{1,2,3\}$ に含まれないので、$\{a,b\}\cap\{1,2,3\}$ は 1 元以下である。それが空なら $ab$ は 3 つすべてと交わらず、1 元 $\{c\}$ なら $\{1,2,3\}\setminus\{c\}$ と交わらない。どちらの場合も $ab$ は $12,13,23$ のいずれかに隣接するので、$\{12,13,23\}$ は支配集合である。

基本的な性質

支配集合の基本性質
  1. 支配集合を含む頂点の集合は支配集合である。
  2. $\gamma(G)\ge\dfrac{n}{\Delta(G)+1}$ である。
  3. 独立集合 $I$ が極大(独立集合 の定義「独立集合と独立数」)であることと、$I$ が支配集合であることは同値である。とくに独立支配集合は存在し、独立数(独立集合の大きさの最大値)を $\alpha(G)$ とすると $\gamma(G)\le i(G)\le\alpha(G)$ である。
  4. $G$ が孤立点(次数 $0$ の頂点)をもたなければ、頂点被覆(どの辺も少なくとも一方の端点を含む頂点の集合)は支配集合である。とくに $\gamma(G)\le\beta(G)$ である。ここで $\beta(G)$ は頂点被覆の大きさの最小値である。
  5. $G$ の連結成分を $G_1,\dots,G_c$ とすると、$\gamma(G)=\gamma(G_1)+\dots+\gamma(G_c)$ である。

1:$D\subset D'$ なら $N[D]\subset N[D']$ である。
2:$\lvert N[v]\rvert\le\Delta(G)+1$ なので、支配集合 $D$ について $n=\lvert N[D]\rvert\le\lvert D\rvert(\Delta(G)+1)$ である。
3:独立集合 の命題「独立集合の基本性質」の 3 による($v\notin I$ について、$I\cup\{v\}$ が独立集合でないことと、$v$ が $I$ のある頂点に隣接することが同値)。空集合から始めて頂点を加えていけば極大な独立集合ができるので、独立支配集合は存在する。最大独立集合は極大なので、それ自身が独立支配集合であり、$i(G)\le\alpha(G)$ である。$\gamma(G)\le i(G)$ は定義から明らかである。
4:頂点被覆 $K$ と $v\notin K$ をとる。$v$ は孤立点でないので辺 $vu$ があり、$K$ はこの辺の端点を含むが $v\notin K$ なので $u\in K$ である。よって $v$ は $K$ の頂点に隣接する。
5:$D$ が $G$ の支配集合なら、$D\cap V(G_j)$ は $G_j$ の支配集合である($G_j$ の頂点に隣接する頂点は $G_j$ に属する)。逆に各 $G_j$ の支配集合の和集合は $G$ の支配集合である。$\square$

2 の評価は、$\Delta(G)$ に比べて頂点が多いグラフでは良い下界になる。道と閉路の支配数(ex-dom-values)では等号が成り立つ($\lceil\cdot\rceil$ を除いて)。3 により、極大な独立集合を 1 つ作れば支配集合が得られるが、その大きさは $\gamma(G)$ より大きいことがある(ex-dom-counterexamples の 3 行目)。

葉の隣接頂点を選んでよい

$\ell$ を $G$ の葉(次数 $1$ の頂点)とし、その隣接頂点を $p$ とする。このとき、$p$ を含み $\ell$ を含まない最小の支配集合がある。

最小の支配集合 $D$ をとる。$\ell$ を支配するには $N[\ell]=\{\ell,p\}$ の頂点が要るので、$D$ は $\ell$ か $p$ を含む。$\ell\in D$ なら $D':=(D\setminus\{\ell\})\cup\{p\}$ とおく。$N[\ell]=\{\ell,p\}\subset N[p]$ なので $N[D']\supset N[D]=V$ であり、$D'$ は支配集合で $\lvert D'\rvert\le\lvert D\rvert$ である。よって $D'$ も最小で、$p\in D'$ である。$p\in D$ のときは、$\ell\in D$ なら $D\setminus\{\ell\}$ も支配集合になり最小性に反するので、$\ell\notin D$ である。$\square$

たとえば道 $P_n$($n\ge3$)では、葉 $1$ の隣接頂点 $2$ を含む最小の支配集合があり、ex-dom-values の $2,5,8,\dots$ はその形をしている。木 は 2 頂点以上なら葉をもつので、木では、葉の隣接頂点を含む最小の支配集合がつねにとれる。

極小な支配集合

極小な支配集合の特徴づけ

支配集合 $D$ が極小であるためには、$D$ の各頂点 $v$ について、次の (a)(b) の少なくとも一方が成り立つことが必要十分である。
(a) $v$ は $D$ のどの頂点とも隣接しない。
(b) $D$ に属さない頂点 $u$ で、$N(u)\cap D=\{v\}$ となるものがある($u$ を支配する $D$ の頂点は $v$ だけ)。

$D$ が支配集合であることから、$D$ が極小であることは、どの $v\in D$ についても $D\setminus\{v\}$ が支配集合でないことと同値である(1 により、真部分集合が支配集合なら、それを含む $D\setminus\{v\}$ の形の集合も支配集合)。$D\setminus\{v\}$ が支配集合でないことは、$D\setminus\{v\}$ に属さず、$D\setminus\{v\}$ のどの頂点にも隣接しない頂点 $x$ があることである。$x=v$ の場合が (a) であり、$x\ne v$ の場合は、$x\notin D$ で $x$ は $D$ のある頂点に隣接するので、それは $v$ だけ、すなわち (b) である。$\square$

孤立点のないグラフの支配数

$G$ が孤立点をもたないとする。$D$ が $G$ の極小な支配集合なら、補集合 $V\setminus D$ も支配集合である。とくに $\gamma(G)\le n/2$ である。

$V\setminus D$ の頂点は $V\setminus D$ に属するので、$D$ の各頂点 $v$ が $V\setminus D$ の頂点に隣接することを示せばよい。prop-dom-minimal により、$v$ は (a) か (b) を満たす。(b) なら、$v$ は $u\notin D$ に隣接する。(a) なら、$v$ の隣接頂点はどれも $D$ に属さず、$v$ は孤立点でないので隣接頂点があり、それは $V\setminus D$ に属する。
後半:極小な支配集合 $D$ をとる(最小の支配集合は極小なので、それをとればよい)。$D$ と $V\setminus D$ はどちらも支配集合なので、$\gamma(G)\le\min(\lvert D\rvert,n-\lvert D\rvert)\le n/2$ である。$\square$

等号が成り立つグラフ

閉路 $C_4$ では $\gamma=2=n/2$ である。より一般に、任意のグラフ $H$($k$ 頂点、孤立点があってもよい)の各頂点 $x$ に新しい頂点 $x'$ を 1 つずつ辺 $xx'$ で付け加えたグラフ $G$(頂点 $2k$ 個、孤立点なし)では $\gamma(G)=k=n/2$ である。実際、各 $x'$ を支配するには $x$ か $x'$ のどちらかが要り、組 $\{x,x'\}$ は互いに交わらないので $\gamma(G)\ge k$ であり、$H$ の頂点全体は支配集合である。

最小次数による上界

最小次数が大きいグラフでは、thm-dom-half よりはるかに小さい支配集合がある。証明は、頂点を無作為に選んで期待値を計算する確率的方法による。

最小次数による上界

最小次数を $\delta=\delta(G)$ とすると
$$ \gamma(G)\le\frac{n\,\bigl(1+\log(\delta+1)\bigr)}{\delta+1} $$
である($\log$ は自然対数)。

$p:=\log(\delta+1)/(\delta+1)$ とおく。$x>0$ で $\log x\le x-1< x$ なので $0\le p< 1$ である。各頂点を、互いに独立に確率 $p$ で選んで得られる無作為な部分集合を $X$ とする($V$ の部分集合 $S$ に確率 $p^{\lvert S\rvert}(1-p)^{n-\lvert S\rvert}$ を与える有限の確率空間)。$Y:=V\setminus N[X]$ を、$X$ に支配されない頂点の集合とすると、$X\cup Y$ はつねに支配集合である。
期待値の線形性により $E\lvert X\rvert=np$ である。頂点 $v$ が $Y$ に属するのは、$N[v]$ のどの頂点も選ばれないときなので、$\lvert N[v]\rvert\ge\delta+1$ と $1-p\le e^{-p}$ から
$$ P(v\in Y)=(1-p)^{\lvert N[v]\rvert}\le(1-p)^{\delta+1}\le e^{-p(\delta+1)}=\frac{1}{\delta+1} $$
である。よって
$$ E\lvert X\cup Y\rvert\le E\lvert X\rvert+E\lvert Y\rvert\le np+\frac{n}{\delta+1}=\frac{n\bigl(1+\log(\delta+1)\bigr)}{\delta+1} $$
となる。確率変数 $\lvert X\cup Y\rvert$ は、少なくとも 1 つの $S$ で期待値以下の値をとるので、その大きさの支配集合 $X\cup Y$ がある。$\square$

$\delta=0$ のとき右辺は $n$ で、この評価は自明である。$G$ が $d$-正則(すべての頂点の次数が $d$)なら、prop-dom-basic の 2 と合わせて
$$ \frac{n}{d+1}\le\gamma(G)\le\frac{n\bigl(1+\log(d+1)\bigr)}{d+1} $$
となり、上界と下界の比は $1+\log(d+1)$ である。たとえば $K_n$ は $d=n-1$ で、下界の $1$ が正しい値である。

計算の難しさ

支配数を求める問題は、独立集合 の注意「最大独立集合を求める問題」で扱われた頂点被覆の問題と、次の意味で同じだけ難しい。

頂点被覆からの帰着

$G$ を孤立点をもたないグラフとする。$G$ の各辺 $e=uv$ に新しい頂点 $x_e$ を 1 つずつ加え、$x_e$ を $u$ と $v$ に結んだグラフを $G'$ とする(頂点は $n+\lvert E\rvert$ 個)。このとき $\gamma(G')=\beta(G)$ である。

$\gamma(G')\le\beta(G)$:$G$ の頂点被覆 $K$ をとる。元の頂点 $v\notin K$ は、prop-dom-basic の 4 の証明のとおり $G$ の辺で $K$ の頂点に隣接する。新しい頂点 $x_e$($e=uv$)は、$u,v$ の一方が $K$ に属するのでそれに隣接する。よって $K$ は $G'$ の支配集合である。
$\gamma(G')\ge\beta(G)$:$G'$ の支配集合 $D$ をとり、$D$ の新しい頂点 $x_e$($e=uv$)をそれぞれ $u$ に置き換えた集合を $D'$ とする。$\lvert D'\rvert\le\lvert D\rvert$ である。$D'$ も $G'$ の支配集合である。実際、$x_e$ が支配していたのは $x_e,u,v$ だけで、$u$ はこの 3 つすべてに隣接するか一致する($uv$ は $G$ の辺)。$D'$ は元の頂点だけからなり、各 $x_e$($e=uv$)を支配するので $u$ か $v$ を含む。よって $D'$ は $G$ の頂点被覆で、$\beta(G)\le\lvert D'\rvert\le\lvert D\rvert$ である。$\square$

孤立点はどの辺の端点でもないので、頂点被覆の最小の大きさは孤立点を除いても変わらない。$G'$ は $G$ から多項式時間で作れるので、支配数を求める効率のよい方法があれば、孤立点を除いてから prop-dom-vc を使うことで、頂点被覆の最小の大きさも効率よく求まる。頂点被覆の問題は NP 困難である(Eri19 §12.9、p. 394。この記事では証明しない)ので、支配数を求める問題も NP 困難である。Eri19 第 12 章の演習 26(p. 422)はこのことを示させる問題で、prop-dom-vc はその 1 つの解答になっている。支配集合の判定問題が NP 完全であることは WS11 §2.2(p. 39)でも使われている。
一方、近似的には効率よく解ける。支配集合は、全体 $V$ を閉近傍 $N[v]$ たちで覆う集合被覆の問題と同じなので、「まだ支配されていない頂点を最も多く支配する頂点を選ぶ」ことをくり返す貪欲法を使える。WS11 §1.6 の Theorem 1.12(p. 26)を重みがすべて $1$ の場合に当てはめると、得られる支配集合の大きさは $H_{\Delta+1}\,\gamma(G)$ 以下である($H_k:=1+\frac12+\dots+\frac1k$。この記事では証明しない)。

条件を外したときの反例

外す条件反例成り立たなくなること
thm-dom-half の孤立点がない辺のないグラフ $E_n$($n\ge1$)$\gamma(G)\le n/2$($\gamma=n$)
thm-dom-half の $D$ が極小星 $K_{1,3}$ で $D=V$$V\setminus D$ が支配集合である
支配集合に独立性を課さない(独立性を課すと $i$ になる)二重星:辺 $bc$ に、$b$ に葉 $x_1,x_2$、$c$ に葉 $y_1,y_2$ を付けたグラフ$i(G)=\gamma(G)$($\gamma=2$、$i=3$)
prop-dom-basic の 2 で最大次数を使う星 $K_{1,q}$($q\ge2$)で最大次数を最小次数 $\delta=1$ に替える$\gamma\ge n/(\delta+1)$($1< (q+1)/2$)
反例の確認

どの行も、左の条件だけを外している。

4 つの確認を開く

1 行目:$E_n$ の頂点はすべて孤立点で、自分自身でしか支配されないので $\gamma=n>n/2$ である。

2 行目:$V$ は支配集合だが、中心だけでも支配集合なので極小でない。$V\setminus D=\emptyset$ は、頂点があるので支配集合でない。$K_{1,3}$ は孤立点をもたない。

3 行目:$\{b,c\}$ は支配集合で、1 頂点ではどれも 6 頂点を支配しないので $\gamma=2$ である。独立支配集合が $b$ を含めば $c$ を含まず、$y_1,y_2$ は $c$ にしか隣接しないので、$y_1,y_2$ も含む。よって大きさは $3$ 以上で、$\{b,y_1,y_2\}$ は独立支配集合である。$b,c$ をどちらも含まない独立支配集合は 4 枚の葉をすべて含む。よって $i=3$ である。

4 行目:$K_{1,q}$ は $\gamma=1$、$n=q+1$、$\delta=1$、$\Delta=q$ である。$n/(\Delta+1)=1$ なので prop-dom-basic の 2 は成り立つが、$n/(\delta+1)=(q+1)/2>1$ である。

補足

  • 独立集合との関係:prop-dom-basic の 3 により、独立集合と支配集合の両方である集合は、ちょうど極大な独立集合である。$\gamma(G)\le i(G)\le\alpha(G)$ の差はいくらでも大きくなりうる。星 $K_{1,q}$ では $\gamma=i=1$、$\alpha=q$ である。
  • 頂点被覆との関係:孤立点がなければ頂点被覆は支配集合である(prop-dom-basic の 4)。逆は成り立たない。閉路 $C_6=1\,2\,3\,4\,5\,6$ の $\{2,5\}$ は $N[2]\cup N[5]=V$ なので支配集合だが、辺 $34$ を覆わないので頂点被覆でない。
  • 変種:$D$ の各頂点も $D$ の別の頂点に隣接することを求めるもの(全支配集合)や、$D$ の誘導部分グラフが連結であることを求めるもの(連結支配集合)も研究されている。

関連項目

参考文献

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