外平面グラフ

同義語:outerplanar graph

概要

外平面グラフ(outerplanar graph)とは、すべての頂点が外側の面の境界にのるように、辺を交わらせずに平面に描けるグラフのことである。新しい頂点を 1 つ加えてすべての頂点と結んだグラフが平面グラフであることと同値で、このことと Kuratowski–Wagner の定理から、外平面グラフであることは完全グラフ $K_4$ も完全二部グラフ $K_{2,3}$ もマイナーとして含まないことと同値になる。頂点が $n\ge2$ 個の単純な外平面グラフの辺は $2n-3$ 本以下で、次数 $2$ 以下の頂点をもち、頂点を 3 色で塗り分けられる。多角形の三角形分割を含む平面グラフの基本の部分クラスである。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 平面グラフ, Kuratowskiの定理, 完全グラフ, 完全二部グラフ

凸多角形の頂点を結んで、辺どうしが交わらないように対角線を何本か引いた図を考える。このグラフは、すべての頂点が外側の面の境界にあるように平面に描ける。このように描けるグラフを 外平面グラフ(outerplanar graph)という。平面グラフ の部分クラスで、木・閉路・多角形の三角形分割などを含む。
この記事では、外平面グラフに新しい頂点を 1 つ加えてすべての頂点と結ぶと平面グラフになり、その逆も成り立つこと(lem-otp-apex)を土台にして、次を証明する。外平面グラフであることは、完全グラフ $K_4$ も完全二部グラフ $K_{2,3}$ もマイナーとして含まないことと同値である(thm-otp-minor)。$n\ge2$ 頂点の単純な外平面グラフの辺は $2n-3$ 本以下であり(thm-otp-edges)、次数 $2$ 以下の頂点をもち、頂点を 3 色で塗り分けられる(thm-otp-degree、cor-otp-color)。

定義

この記事のグラフは有限な単純グラフとする(多重辺を許す場合はそのつど断る)。平面への描画(平面埋め込み)・面・外側の面・マイナーは Kuratowskiの定理 の定義「平面への描画」「マイナー」のとおりとし、辺は折れ線で描く。平面グラフ図 $G$ と部分集合 $X\subset\mathbb{R}^2$ について、$X$ の 境界 とは、どの近傍も $X$ とその補集合の両方と交わる点の全体をいう。

外平面グラフ

グラフ $G$ の平面への描画で、すべての頂点が外側の面(有界でない面)の境界にのるものを、$G$ の 外平面描画 という。外平面描画をもつグラフを 外平面グラフ という。

辺が 1 本もないグラフ、木、閉路は外平面グラフである。凸多角形の頂点に頂点を置き、辺を交わらない線分(多角形の辺と対角線)で描けるグラフも外平面グラフである。一方、ex-otp-k4 で見るように $K_4$ は平面グラフだが外平面グラフでない。

この記事で証明せずに用いる平面の位相の事実

次の事実を、この記事では証明せずに用いる。

  • (F1) 平面グラフ図 $G$ の面 $f$ の境界の点 $x$ は、$f$ のある点と、内部が $f$ に含まれる線分で結べる(Die25 §4.1、p. 95)。したがって $f$ の境界の相異なる 2 点 $x,y$ は、内部が $f$ に含まれる折れ線で結べる($x,y$ をそれぞれ線分で $f$ の点 $a,b$ に結び、$a$ と $b$ を $f$ の中の折れ線で結ぶと $x$ から $y$ への折れ線の道ができ、その中に $x$ と $y$ を結ぶ折れ線がある。$f$ は開集合なので $x,y\notin f$ で、この折れ線の端点以外の点は $f$ に入る)。
  • (F2) 平面グラフ図の面の境界は、その平面グラフ図の部分グラフの点集合である。とくに辺 $e$ について、面の境界は $e$ を含むか、$e$ の内部と交わらないかのどちらかである(Die25 Lemma 4.2.2 (i)・Corollary 4.2.3、pp. 97–98)。面 $f$ の境界が部分グラフ $H$ に含まれるなら、$f$ は $H$ の面でもある(Die25 Lemma 4.2.1 (ii)、p. 97)。
  • (F3) 2-連結な平面グラフ図では、どの面の境界も閉路である(Die25 Proposition 4.2.6、p. 99)。
  • (F4) 端点だけを共有する 3 本の折れ線 $P_1,P_2,P_3$ について、$P_1$ の内部の点と $P_3$ の内部の点を結ぶ折れ線 $P$ の内部が、$\mathbb{R}^2\setminus(P_1\cup P_3)$ の $P_2$ の内部を含む領域に含まれるなら、$P$ と $P_2$ の内部は交わる(Die25 Lemma 4.1.2 (ii)、p. 95)。また閉じた折れ線 $C$ について、$\mathbb{R}^2\setminus C$ はちょうど 2 つの領域(有界なものと有界でないもの)に分かれる(Die25 Theorem 4.1.1、p. 95)。
  • (F5) 平面グラフ図 $G$ とその面 $f$ について、$G$ の描画で、$f$ が外側の面に移り、各面の境界にのる頂点の集合が保たれるものがある(BM76 Theorem 9.3 の証明、pp. 139–140。$f$ の点を 1 つ選び、球面に移した描画をその点からの立体射影で平面に戻す。BM76 は辺を一般の曲線で描く。折れ線の描画のまま面を外側の面に移せることと、面と頂点・辺の接し方が保たれることは Die25 §4.3、pp. 103–104 に述べられている)。

頂点を 1 つ加えて平面グラフに帰着する

グラフ $G$ に新しい頂点 $v$ を 1 つ加え、$G$ のすべての頂点と $v$ を辺で結んだグラフを $G\ast v$ と書く。

外平面性と平面性

グラフ $G$ が外平面グラフであることは、$G\ast v$ が平面グラフであることと同値である。

外側の面に新しい頂点を置く

($G\ast v$ が平面グラフなら $G$ は外平面グラフ。)$G\ast v$ の描画から $v$ とそれに接続する辺を除くと $G$ の描画が得られ、点 $v$ は $G$ のある面 $f$ に入る。$G$ の頂点 $x$ について、辺 $vx$ から点 $x$ を除いた集合は連結で $G$ と交わらず $v$ を含むので $f$ に含まれる。よって $x$ は $f$ の閉包に入り、$f$ に属さないので $f$ の境界の点である。(F5) により $f$ を外側の面に移すと、$G$ の外平面描画が得られる。
($G$ が外平面グラフなら $G\ast v$ は平面グラフ。)要点:外側の面に点 $v$ を置き、$G$ の頂点 $x_1,\dots,x_n$ と 1 本ずつ結んでいく。そのたびに、まだ結んでいない頂点が「$v$ を境界にもつ面」の境界にのっていることを保つ。

詳しい証明を開く

$G$ の外平面描画をとり、外側の面を $f$ とする。(F1) により、$x_1$ と $f$ のある点を内部が $f$ に含まれる線分で結べる。その点を $v$ とする。これを辺 $vx_1$ として加えた平面グラフ図を $G_1$ とし、以下 $G_k:=G_{k-1}+vx_k$ を作る。次の性質 (P$_k$) を $k$ についての帰納法で示す:$j>k$ なら、$x_j$ は $G_k$ のある面 $h\subset f$ の境界にのり、$h$ の境界は $v$ を含む。

まず次の 2 つを準備する。$G_{k-1}$($G_0:=G$)の面 $g$ に、$v$ と $x_k$ を結ぶ新しい辺 $e$ を、その内部が $g$ に含まれるように加えたとする($k=1$ では端点 $v$ も $g$ の点で、$k\ge2$ では $v$ は $G_{k-1}$ の頂点)。(a) $G_k$ の面 $h\subset g$ の境界は $v$ を含む。実際、$g$ の点で $G_k$ に属するのは $g\cap e$($e$ の内部と、$k=1$ のときの $v$)だけで、$h$ の境界は $G_k$ に含まれるので、$h$ の境界が $g\cap e$ と交わらなければ $h$ は $g$ の中で開かつ閉になり、$g$ の連結性から $h=g$ となって $g\cap e\ne\emptyset$ に反する。よって $h$ の境界は $v$ か $e$ の内部の点を含み、後者なら (F2) により $e$ 全体を含む。(b) $g$ の境界にあって $e$ にのらない点 $x$ は、$G_k$ のある面 $h\subset g$ の境界にのる。実際、(F1) により $x$ と $g$ の点を結ぶ線分で内部が $g$ に含まれるものがあり、その $x$ に近い部分($x$ から $e$ までの距離より近い部分)は連結で $G_k$ と交わらないので、$G_k$ の 1 つの面 $h\subset g$ に含まれ、$x$ はその境界にのる。

(P$_1$) は、$g=f$、$e=vx_1$ として (a)・(b) から従う($x_j$ は $f$ の境界にある)。(P$_k$) から (P$_{k+1}$):(P$_k$) の面 $h$ で $x_{k+1}$ を境界にもつものを $g$ とする。$v$ と $x_{k+1}$ はどちらも $g$ の境界にあるので、(F1) により内部が $g$ に含まれる折れ線 $e$ で結べ、$G_{k+1}:=G_k+e$ は平面グラフ図である($v$ と $x_{k+1}$ はまだ隣接していない)。$G_k$ の面のうち $g$ 以外のものは $e$ と交わらないので、$G_{k+1}$ の面のまま境界も変わらない。$x_j$($j>k+1$)が (P$_k$) で $g$ 以外の面の境界にのっていればそのまま、$g$ の境界にのっていれば (a)・(b) により、(P$_{k+1}$) の条件を満たす。こうして得られる $G_n$ が $G\ast v$ の描画である。$\square$

$K_4$ と $K_{2,3}$ は外平面グラフでない

$K_4\ast v$ は $K_5$ であり、平面グラフ の命題「$K_5$ は平面グラフでない」により平面グラフでない。$K_{2,3}$ の 2 頂点の側を $\{a,b\}$、3 頂点の側を $\{x,y,z\}$ とすると、$K_{2,3}\ast v$ は $\{a,b,v\}$ と $\{x,y,z\}$ を結ぶ $K_{3,3}$ を部分グラフとして含む。平面グラフの部分グラフは(描画を制限すれば)平面グラフであり、同じ記事の命題「$K_{3,3}$ は平面グラフでない」により $K_{2,3}\ast v$ は平面グラフでない。lem-otp-apex により、$K_4$ も $K_{2,3}$ も外平面グラフでない。どちらも平面グラフではある。

主定理:マイナーによる特徴づけ

外平面グラフの禁止マイナー

グラフ $G$ が外平面グラフであることは、$G$ が $K_4$ も $K_{2,3}$ もマイナーとして含まないことと同値である。

平面性の特徴づけに帰着する

lem-otp-apex と Kuratowskiの定理 の定理「Kuratowski–Wagner の定理」の 1 ⇔ 2 により、$G$ が外平面グラフであることは、$G\ast v$ が $K_5$ も $K_{3,3}$ もマイナーとして含まないことと同値である。そこで次の 2 つを示せばよい。
(a) $G$ が $K_4$ をマイナーとして含めば $G\ast v$ は $K_5$ を、$G$ が $K_{2,3}$ を含めば $G\ast v$ は $K_{3,3}$ を含む。$G$ での分岐集合(Kuratowskiの定理 の定義「マイナー」)に $\{v\}$ を 1 つ加えればよい。$v$ は $G$ のすべての頂点と隣接するので、$\{v\}$ はほかのすべての分岐集合と辺で結ばれる。$K_4$ の 4 つに加えれば $K_5$ の分岐集合になる。$K_{2,3}$ の分岐集合を $A_1,A_2$(2 個の側)と $B_1,B_2,B_3$ とし、$\{v\}$ を $A_1,A_2$ の側に加えれば、$\{v\}$ は $B_1,B_2,B_3$ と結ばれるので $K_{3,3}$ の分岐集合になる。
(b) $G\ast v$ が $X\in\{K_5,K_{3,3}\}$ をマイナーとして含めば、$G$ は $K_4$ か $K_{2,3}$ を含む。分岐集合 $V_x$($x\in V(X)$)をとる。$v$ がどの $V_x$ にも属さなければ、分岐集合はすべて $G$ の中にあり、$G$ は $X$ を含む。$K_5$ は $K_4$ を、$K_{3,3}$ は $K_{2,3}$ を部分グラフとして含むので、$G$ はそれらもマイナーとして含む(マイナーのマイナーはマイナー)。$v\in V_{x_0}$ なら、$V_{x_0}$ を除いた残りの分岐集合は $v$ を含まないので $G$ の連結な部分グラフを誘導し、それらの間の辺は $v$ に接続しないので $G$ の辺である。よって $G$ は $X-x_0$ をマイナーとして含む。$K_5-x_0=K_4$、$K_{3,3}-x_0=K_{2,3}$ である。$\square$

マイナーをとる操作と外平面性

外平面グラフのマイナーは外平面グラフである。とくに外平面グラフの部分グラフは外平面グラフである。

マイナーのマイナー

$M$ が外平面グラフ $G$ のマイナーで、$M$ が $K_4$ か $K_{2,3}$ をマイナーとして含めば、$G$ も含み、thm-otp-minor に反する。部分グラフはマイナーである(分岐集合を 1 点ずつにとる)。$\square$

辺の数

辺の数の上界

$n\ge2$ 頂点の単純な外平面グラフの辺は $2n-3$ 本以下である。

頂点を 1 つ加えて平面グラフの上界を使う

$G$ を $n$ 頂点・$m$ 辺の単純な外平面グラフとする。lem-otp-apex により $G\ast v$ は $n+1\ge3$ 頂点・$m+n$ 辺の単純な平面グラフなので、平面グラフ の系「単純平面グラフの辺数の上界」により $m+n\le3(n+1)-6$、すなわち $m\le2n-3$ である。$\square$

扇は上界に等しい

$n\ge3$ とし、凸 $n$ 角形の頂点を $u,w_1,\dots,w_{n-1}$ の順に並べる。多角形の辺のうち $w_1,\dots,w_{n-1}$ を順に結ぶ $n-2$ 本と、$u$ から各 $w_i$ への $n-1$ 本の線分を辺とするグラフ(扇)は、どの 2 本の線分も端点以外で交わらず、すべての頂点が外側の面の境界にあるので外平面グラフである。辺は $(n-2)+(n-1)=2n-3$ 本で、thm-otp-edges の上界に等しい。$n=2$ では辺 1 本のグラフが上界 $1$ に等しい。

辺の数の条件は外平面であるための十分条件ではない。$K_{2,3}$ は $5$ 頂点・$6$ 辺で $6\le2\cdot5-3$ を満たすが、外平面グラフでない(ex-otp-k4)。

2-連結な外平面グラフの形

2-連結なグラフの外平面描画では、外側の面の境界がすべての頂点を通る閉路になり、残りの辺はその内側を交わらずに走る。

外周の閉路と弦

$G$ を $3$ 頂点以上の 2-連結な外平面グラフとし、外平面描画を 1 つとる。

  1. 外側の面 $f$ の境界は、$G$ のすべての頂点を通る閉路 $C=x_1x_2\cdots x_nx_1$ である。
  2. $C$ にない辺(弦)の内部は、$\mathbb{R}^2\setminus C$ の有界な領域に含まれる。
  3. 2 本の弦 $x_ix_j$、$x_kx_l$($i< j$、$k< l$)について、$i< k< j< l$ となることはない。
閉路の内側で弦は交わらない
  1. (F3) により $f$ の境界は閉路 $C$ で、外平面描画なのですべての頂点は $C$ の上にある。
  2. (F2) により $f$ は $C$ の面でもあり、有界でないので $\mathbb{R}^2\setminus C$ の有界でない領域に等しい。弦 $e$ の内部は $C$ とも $f$ とも交わらない($e$ は $G$ の辺で、$f$ は $G$ と交わらない)ので、有界な領域に含まれる。
  3. $i< k< j< l$ とする。$C$ から $x_i,x_j$ を除くと 2 本の道に分かれ、$x_k$ は一方、$x_l$ は他方の内部にある。それぞれに $x_i,x_j$ を付けた折れ線を $P_1\ni x_k$、$P_3\ni x_l$、弦 $x_ix_j$ を $P_2$ とすると、3 本は端点 $x_i,x_j$ だけを共有する。$P_1\cup P_3=C$ で、(2) により $P_2$ の内部も弦 $x_kx_l$ の内部も有界な領域にある。(F4) により 2 本の弦の内部は交わり、描画であることに反する。$\square$
次数 2 の頂点が 2 つある

$3$ 頂点以上の 2-連結な外平面グラフには、次数 $2$ の頂点が少なくとも 2 つある。

いちばん内側の弦をとる

prop-otp-hamilton の記号を使う。弦がなければ $G=C$ で、すべての頂点の次数は $2$ である。
弦 $x_ix_j$($i< j$)について、$C$ の上で $x_i$ と $x_j$ の間にある頂点の集合の 2 つ $A=\{x_{i+1},\dots,x_{j-1}\}$ と $A'$(残りの側)を、この弦の 側 という。弦なので $x_i,x_j$ は $C$ の上で隣り合わず(単純グラフなので、隣り合えばその辺は $C$ の辺である)、$A,A'$ は空でない。弦とその側 $A$ のすべての組について、$A$ が次数 $2$ の頂点を含むことを $\lvert A\rvert$ についての帰納法で示す($A'$ の側は、番号を巡回的にずらして $A$ の形にすればよい)。
$A$ の頂点に接続する弦がなければ、$A$ の頂点の辺は $C$ の 2 本だけで、次数は $2$ である。$A$ の頂点 $x_k$ に接続する弦 $x_kx_l$ があるとする。prop-otp-hamilton の 3 により、$x_l$ は $A\cup\{x_i,x_j\}$ に属する。このとき弦 $x_kx_l$ の側のうち $A$ に含まれる方 $A_1$($x_k$ と $x_l$ の間で、$x_i,x_j$ を通らない側)は、$x_k$ を含まないので $\lvert A_1\rvert<\lvert A\rvert$ である。帰納法の仮定により $A_1$ は次数 $2$ の頂点を含む。
$A$ と $A'$ は交わらないので、次数 $2$ の頂点が 2 つ得られる。$\square$

対角線を 3 本引いた六角形

凸六角形の頂点を $x_1,\dots,x_6$ とし、6 本の辺と対角線 $x_1x_3$、$x_1x_4$、$x_4x_6$ を辺とするグラフ $G$ を考える。対角線は端点以外で交わらないので $G$ は外平面グラフで、2-連結である。外周の閉路は $x_1x_2\cdots x_6x_1$、弦は 3 本である。辺は $9=2\cdot6-3$ 本で、thm-otp-edges の上界に等しい。次数は順に $4,2,3,4,2,3$ で、次数 $2$ の頂点は $x_2,x_5$ である。prf-otp-two で弦 $x_1x_4$ をとると、2 つの側 $\{x_2,x_3\}$ と $\{x_5,x_6\}$ にそれぞれ $x_2$ と $x_5$ がある。$x_1,\dots,x_6$ に色 $1,2,3,2,1,3$ を塗ると、9 本の辺の両端の色はすべて異なる(cor-otp-color)。

次数 2 以下の頂点と 3 色の塗り分け

次数 2 以下の頂点

頂点が 1 つ以上の単純な外平面グラフには、次数 $2$ 以下の頂点がある。

最小の切り離された部分を見る

$G$ を単純な外平面グラフとする。$G$ が連結でなければ連結成分(cor-otp-minor-closed により外平面)を考えればよく、頂点が $2$ 個以下なら明らかなので、$G$ は連結で $3$ 頂点以上とする。$G$ が 2-連結なら lem-otp-two による。
そうでなければ切断点がある。切断点 $c$ と $G-c$ の連結成分 $K$ の組で、$\lvert K\rvert$ が最小のものをとり、$H:=G[K\cup\{c\}]$ とおく。$K$ の頂点の $G$ での隣接頂点はすべて $K\cup\{c\}$ にあるので、$K$ の頂点の次数は $G$ と $H$ で等しい。$\lvert K\rvert=1$ なら、その頂点の次数は $1$ 以下である。
$\lvert K\rvert\ge2$ とし、$H$ が 2-連結であることを示す。$H$ は連結で $3$ 頂点以上である。$H-c=G[K]$ は連結なので $c$ は $H$ の切断点でない。$w\in K$ が $H$ の切断点だとすると、$H-w$ の連結成分で $c$ を含まないもの $K'$ がある。$K'$ の頂点は $c$ と隣接せず、隣接頂点は $K'\cup\{w\}$ にあるので、$K'$ は $G-w$ の連結成分で、$w$ は $G$ の切断点である($G-w$ には $c$ を含む別の成分がある)。$K'\subset K\setminus\{w\}$ なので $\lvert K'\rvert<\lvert K\rvert$ となり、最小性に反する。
よって $H$ は 2-連結な外平面グラフ(cor-otp-minor-closed)で、lem-otp-two により次数 $2$ の頂点が 2 つある。その一方は $c$ でなく $K$ に属し、$G$ での次数も $2$ である。$\square$

3 色の塗り分け

単純な外平面グラフの頂点は 3 色で塗り分けられる(隣接する頂点が異なる色になる)。

次数 2 以下の頂点を除いて帰納法

頂点の個数についての帰納法による。thm-otp-degree により次数 $2$ 以下の頂点 $u$ がある。$G-u$ は外平面グラフ(cor-otp-minor-closed)なので帰納法の仮定により 3 色で塗り分けられ、$u$ の隣接頂点は 2 個以下なので、$u$ に残りの色を塗ればよい。$\square$

多角形の三角形分割の頂点と辺(多角形の辺と対角線)のなすグラフは外平面グラフで、美術館定理 の補題「三角形分割の頂点は 3 色で塗り分けられる」はこの系の特別な場合である。3 色は減らせない(三角形 $K_3$ は外平面グラフで、2 色では塗れない)。

例と反例

外す条件反例成り立たなくなること
外平面グラフである(平面グラフにゆるめる)$K_4$辺の数が $2n-3$ 以下であること($6>5$)、次数 $2$ 以下の頂点があること(どの頂点も次数 $3$)
単純グラフである2 頂点を 3 本の辺で結んだ多重グラフ(外平面に描ける)辺の数が $2n-3$ 以下であること($3>1$)、次数 $2$ 以下の頂点があること(どちらも次数 $3$)
2-連結である(lem-otp-two)星 $K_{1,3}$次数 $2$ の頂点が 2 つあること(次数は $3,1,1,1$ で、次数 $2$ の頂点はない)

関連項目

参考文献

[1]
Reinhard Diestel, Graph Theory, Graduate Texts in Mathematics 173, Springer, 2025, §4.1・Theorem 4.1.1・Lemma 4.1.2 (p. 95)、Lemma 4.2.1・4.2.2 (p. 97)、Corollary 4.2.3 (p. 98)、Proposition 4.2.6 (p. 99)、§4.3 (pp. 103–104)

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