巨大基数

同義語:large cardinal

概要

巨大基数(large cardinal)とは、ZFC だけからは存在を証明できない強い閉包性・反映性を持つ無限基数の総称である。到達不能基数・Mahlo 基数・可測基数・強基数・Woodin 基数・超コンパクト基数などがあり、強いものほど宇宙 $V$ から推移的なクラス $M$ への初等埋め込みで $M$ が $V$ に近いことを要求する。可測基数の下では到達不能基数が定常集合をなし、そのため可測基数の存在は到達不能基数の存在の無矛盾性を証明する。巨大基数の仮定は、定義可能な実数の集合の決定性にも影響する。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 基数, 共終数, ZFC公理系, 初等埋め込み

巨大基数とは

巨大基数(large cardinal)とは、ZFC の公理だけからは存在を証明できない強い閉包性・反映性を持つ無限基数を指す総称である。単独の定義を持つ語ではなく、到達不能基数・Mahlo 基数・可測基数・強基数・Woodin基数・超コンパクト基数などの個々の性質をまとめて呼ぶ。どの性質も、その基数より小さい集合にどんな操作を施しても基数自身には届かない、あるいは宇宙 $V$ の性質がその基数の下へ映し出される、という形をしている。

「巨大」は値の大小だけを意味しない。可測基数 $\kappa$ より大きい基数がすべて可測になるわけではなく、例えば $\kappa$ の次の基数 $\kappa^+$ は可測でない。巨大基数の研究では、ある性質を持つ基数の存在を公理として追加し、そこから何が従うかを調べる。そのため、同じ宇宙の中での性質の含意(可測なら到達不能)と、追加した公理どうしの無矛盾性の強さ(可測基数の存在は到達不能基数の存在より強い)を区別する。この記事では代表的な性質を定義し、後者の比較を二つの定理で証明する。

代表的な性質

以下では ZFC を基礎とする。基数 $\kappa$ が正則であるとは $\operatorname{cf}(\kappa)=\kappa$、つまり $\kappa$ 未満の個数の $\kappa$ 未満の順序数の上限が $\kappa$ 未満に留まることをいう。強極限であるとは、すべての $\mu<\kappa$ で $2^\mu<\kappa$ となることをいう。

到達不能基数と Mahlo 基数

(i) 非可算で正則な強極限基数を到達不能基数という。

(ii) 集合 $C\subseteq\kappa$ が $\kappa$ で非有界かつ閉($\gamma<\kappa$ が極限順序数で $C\cap\gamma$ が $\gamma$ で非有界なら $\gamma\in C$)のとき $C$ を閉非有界集合という。すべての閉非有界集合と交わる集合 $S\subseteq\kappa$ を定常集合という。到達不能基数 $\kappa$ で、$\kappa$ 未満の正則基数全体が $\kappa$ で定常であるものを Mahlo 基数という。

可測基数

非可算基数 $\kappa$ 上に非主で $\kappa$-完備な超フィルター $U$ があるとき、$\kappa$ を可測基数という。ここで非主とは一点集合を含まないこと、$\kappa$-完備とは $\kappa$ 未満個の $U$ の元の交わりがまた $U$ に入ることをいう。

可測基数は、推移的なクラス $M$ への非自明な初等埋め込み $j\colon V\to M$ の臨界点($j$ が最初に動かす順序数、$\operatorname{crit}(j)$ と書く)として特徴づけられる。この同値性は初等埋め込みの「臨界点は可測基数」「可測基数から初等埋め込みへ」で証明されている。より強い巨大基数は、この $M$ が $V$ にどれだけ近いかで定義される。

埋め込みで定義される巨大基数

$\kappa$ を基数とし、$j\colon V\to M$ は推移的なクラス $M$ への初等埋め込みで $\operatorname{crit}(j)=\kappa$ を満たすとする。

(i) 順序数 $\lambda>\kappa$ について、$j(\kappa)\ge\lambda$ かつ $V_\lambda\subseteq M$ となる $j$ があるとき $\kappa$ は $\lambda$-強という。すべての $\lambda>\kappa$ で $\lambda$-強なら強基数という。

(ii) 順序数 $\lambda\ge\kappa$ について、$M$ の元からなる長さ $\lambda$ の列がすべて $M$ に属する(${}^\lambda M\subseteq M$)$j$ があるとき $\kappa$ は $\lambda$-超コンパクトという。すべての $\lambda\ge\kappa$ で $\lambda$-超コンパクトなら超コンパクト基数という。

ここで $V_\lambda$ は累積階層の第 $\lambda$ 段、すなわち階数が $\lambda$ 未満の集合全体である。定義は BingOst19 §4.3, pp. 15–17 に従う。

強基数・超コンパクト基数は可測

$\kappa$ がある $\lambda$ について $\lambda$-強、または $\lambda$-超コンパクトなら、定義にある $j$ は推移的なクラスへの非自明な初等埋め込みで $\operatorname{crit}(j)=\kappa$ を満たす。初等埋め込みの「臨界点は可測基数」により、$U=\{A\subseteq\kappa\mid\kappa\in j(A)\}$ が $\kappa$ 上の非主で $\kappa$-完備な超フィルターになり、$\kappa$ は可測である。条件 $V_\lambda\subseteq M$ や ${}^\lambda M\subseteq M$ はこの議論では使わない。これらの条件は、$M$ が $V$ の情報をどれだけ多く持つかを測る追加の要求であり、$\lambda$ を大きくするほど強い仮定になる。

「$\lambda$ を大きくするほど強い」ことは定義から直ちに分かる。$\lambda<\lambda'$ で $\kappa$ が $\lambda'$-強なら、同じ $j$ について $j(\kappa)\ge\lambda'>\lambda$、$V_\lambda\subseteq V_{\lambda'}\subseteq M$ なので $\kappa$ は $\lambda$-強である。超コンパクト性でも、長さ $\lambda'$ の列について閉じていれば、長さ $\lambda$ の列は長さ $\lambda'$ に延長して(残りを $\emptyset$ で埋めて)$M$ に入れ、そこから $M$ の中で切り詰められるので、$\lambda$-超コンパクトになる。Woodin基数は (i) の条件を集合ごとに相対化したもので、その記事で扱う。

性質定義の形$\kappa$ の下に現れるもの・注意
到達不能冪集合と $\kappa$ 未満個の和で $\kappa$ に届かない$V_\kappa$ が ZFC のモデルになる
Mahlo到達不能で、下の正則基数が定常$\kappa$ 未満の到達不能基数が定常集合をなす(正則基数の定常集合と、$\kappa$ 未満の強極限基数の閉非有界集合の交わり)
可測非主で $\kappa$-完備な超フィルター$\kappa$ 未満の到達不能基数が定常集合をなす(thm-lc-reflection)
強臨界点 $\kappa$ の $j$ で $V_\lambda\subseteq M$$V_\kappa$ の中に可測基数がある(BingOst19 p. 17)
超コンパクト臨界点 $\kappa$ の $j$ で ${}^\lambda M\subseteq M$$V_\kappa$ の中に強基数がある(BingOst19 p. 17)
Reinhardt非自明な $j\colon V\to V$選択公理のもとで矛盾する(Kunen)

右の列は、その性質を持つ基数 $\kappa$ の下($\kappa$ 未満の基数や $V_\kappa$ の中)に何が現れるかを示す。最下行の Kunen の不整合性は HKP12 Theorem 1, p. 2 にあり、この記事では証明しない。

ZFC から存在を証明できないこと

到達不能基数 $\kappa$ があれば $V_\kappa$ は ZFC の集合モデルになり、したがって ZFC に「到達不能基数が存在する」を加えた理論は ZFC の無矛盾性を証明する。Gödel の第二不完全性定理により、ZFC が無矛盾なら ZFC は到達不能基数の存在を証明できない。この議論は到達不能基数の「ZFCからの証明不可能性」で証明されている(所在は BingOst19 §4.3, p. 16 にもある)。表の Reinhardt 以外の性質はどれも到達不能性を含意するので(可測基数については可測基数の「可測基数は到達不能」)、同じ理由でどの巨大基数の存在も ZFC からは証明できない。

これは存在が否定されたという意味ではない。巨大基数の公理は、ZFC から独立な命題として追加して使う。さらに、巨大基数どうしの比較にも同じ型の議論が使える。以下では可測基数と到達不能基数を例に、その比較を証明する。

臨界点の下への反映

鍵になるのは、ある種の性質が推移的なモデルへ「下向きに」そのまま移ることである。

到達不能性は内側のモデルへ移る

$N$ を推移的なクラスまたは集合で、ZFC の各公理を満たすものとする($N\subseteq V$)。$\lambda\in N$ が($V$ で)到達不能基数なら、$N$ の中でも $\lambda$ は到達不能基数である。

$\omega$ は「$0$ でない最小の極限順序数」として $N$ の中と外で一致するので、$\lambda>\omega$ は $N$ でも成り立つ。$N$ の中で $\mu<\lambda$ から $\lambda$ への全単射や、$\mu<\lambda$ から $\lambda$ への非有界な写像があれば、それは $V$ の中でも同じ性質を持つ写像なので、$\lambda$ は $N$ でも基数であり、$N$ でも正則である。$N$ の中で強極限性が破れたとすると、ある $\mu<\lambda$ について $N$ で $2^\mu\ge\lambda$ である。$N$ は選択公理を満たすので、$N$ の中に単射 $g\colon\lambda\to\mathcal P(\mu)^N$ がある。$\mathcal P(\mu)^N\subseteq\mathcal P(\mu)$ なので $g$ は $V$ で $\lambda$ から $\mathcal P(\mu)$ への単射となり、$2^\mu\ge\lambda$ となって $\lambda$ の強極限性に反する。$\square$

補題が言うのは「外で到達不能なら中でも到達不能」という向きだけである。逆向きは一般に成り立たない。$N$ に写像が足りないために、$N$ の中だけで正則や強極限に見えることがあるからである。

可測基数の下の到達不能基数

$\kappa$ を可測基数とする。$\kappa$ 未満の到達不能基数全体は $\kappa$ で定常集合である。とくに $\kappa$ 未満の到達不能基数は $\kappa$ で非有界であり、$\kappa$ は Mahlo 基数である。

初等埋め込みの「可測基数から初等埋め込みへ」により、推移的なクラス $M$ への初等埋め込み $j\colon V\to M$ で $\operatorname{crit}(j)=\kappa$ となるものを取る。ZFC の各公理は $V$ で真なので、初等性から $M$ でも真である。また可測基数の「可測基数は到達不能」により $\kappa$ は到達不能であり、lem-lc-downward により $M$ の中でも $\kappa$ は到達不能である。

$C\subseteq\kappa$ を閉非有界集合とする。まず $j(C)\cap\kappa=C$ である。実際 $\alpha<\kappa$ なら $j(\alpha)=\alpha$ なので、$\alpha\in C\Leftrightarrow j(\alpha)\in j(C)\Leftrightarrow\alpha\in j(C)$ となる。初等性から $M$ の中で $j(C)$ は $j(\kappa)$ の閉非有界集合である。「閉」は $j(C)$ と $j(\kappa)$ の元の範囲に制限した量化記号だけで書けるので、$M$ は推移的であることから $V$ の中でも $j(C)$ は $j(\kappa)$ で閉である。$\kappa< j(\kappa)$ は極限順序数で、$j(C)\cap\kappa=C$ は $\kappa$ で非有界だから、閉であることより $\kappa\in j(C)$ である。

以上から、$M$ の中で次が成り立つ:
$$ \exists\lambda\,\bigl(\lambda\in j(C)\ \wedge\ \lambda< j(\kappa)\ \wedge\ \lambda\text{ は到達不能基数}\bigr). $$
証人は $\lambda=\kappa$ である。これは式 $\exists\lambda\,(\lambda\in C\wedge\lambda<\kappa\wedge\lambda\text{ は到達不能})$ に $j$ を当てたものなので、初等性から $V$ で $C$ は $\kappa$ 未満の到達不能基数を含む。$C$ は任意だったので、$\kappa$ 未満の到達不能基数全体は定常である。

$\alpha<\kappa$ について区間 $(\alpha,\kappa)$ は閉非有界なので、到達不能基数は非有界である。到達不能基数は正則なので、$\kappa$ 未満の正則基数全体も定常であり(定常集合を含む集合は定常)、$\kappa$ は Mahlo 基数である。$\square$

証明の要点は、$\kappa$ 自身が $M$ の中で「$j(\kappa)$ 未満の到達不能基数」として働き、初等性によってその存在が $\kappa$ の下へ引き戻されることである。$\kappa$ は $j$ の値域の外にある($j(\alpha)=\kappa$ となる $\alpha$ はない)が、存在命題の証人として使うだけなら値域の中にある必要はない。

無矛盾性の強さの比較

可測基数は到達不能基数の無矛盾性を証明する

ZFC に「可測基数が存在する」を加えた理論は、「ZFC に『到達不能基数が存在する』を加えた理論は無矛盾である」を証明する。したがって後者の理論が無矛盾なら、後者の理論から可測基数の存在は証明できない。

$\kappa$ を可測基数とする。$\kappa$ は到達不能なので、到達不能基数の「到達不能基数からZFCの集合モデルが得られる」により $V_\kappa$ は ZFC のモデルである。thm-lc-reflection により $\kappa$ 未満の到達不能基数 $\lambda$ がある。$V_\kappa$ は推移的な集合で ZFC を満たすので、lem-lc-downward を $N=V_\kappa$ に当てれば、$V_\kappa$ の中で $\lambda$ は到達不能である。よって $V_\kappa$ は「ZFC + 到達不能基数が存在する」の集合モデルであり、この理論は無矛盾である。

後半:$T$ を「ZFC + 到達不能基数が存在する」とし、$T$ が可測基数の存在を証明したとする。前半により $T$ は $T$ 自身の無矛盾性を証明する。$T$ は算術を含み公理が機械的に列挙できるので、Gödel の第二不完全性定理から $T$ は矛盾する。$\square$

この定理は、可測基数の存在を仮定すれば $T$ の無矛盾性が証明でき、$T$ が無矛盾である限り $T$ からは可測基数の存在が証明できないことを示す。この意味で、可測基数の存在は到達不能基数の存在より強い仮定である。性質の含意(可測なら到達不能)だけからは、この比較は出てこない。含意は同じ宇宙の中の主張だが、無矛盾性の比較はモデルを作ることによる主張だからである。BingOst19 §4.3, p. 17 は、この意味で「超コンパクト > Woodin > 強 > 可測」という強さの序列を挙げ、個々の基数の大小を比べるものではないと注意している。

反例

定義の条件を一つ外すと、巨大基数でなくなる基数がすぐに見つかる。はじめの 3 行は到達不能基数の「例と反例」で詳しく扱われている。

外す条件反例成り立たなくなること
非可算$\omega$正則な強極限だが到達不能基数ではない($V_\omega$ は無限公理を満たさない)
正則$\beth_\omega$強極限だが $\operatorname{cf}(\beth_\omega)=\omega$ で、到達不能でない
強極限$\aleph_1$正則だが $2^{\aleph_0}\ge\aleph_1$ で、到達不能でない
非主主超フィルター $\{A\subseteq\kappa\mid\alpha\in A\}$任意個の交わりで閉じるが、可測性の証人にならない
非可算($\kappa=\omega$ では $\kappa$-完備性が有限個の交わりに退化する)$\omega$ 上の非主超フィルター有限個の交わりでしか閉じず、可測性の証人にならない
「大きい基数の上も大きい」可測基数 $\kappa$ の次の基数 $\kappa^+$後続基数は強極限でない($2^\kappa\ge\kappa^+$)ので到達不能でも可測でもない
反例の確かめ方

$\beth_\omega=\sup_n\beth_n$($\beth_0=\aleph_0$、$\beth_{n+1}=2^{\beth_n}$)について、$\mu<\beth_\omega$ ならある $n$ で $\mu<\beth_n$ なので $2^\mu\le2^{\beth_n}=\beth_{n+1}<\beth_\omega$ となり、強極限である。一方、列 $(\beth_n)_{n<\omega}$ は長さ $\omega$ で $\beth_\omega$ に共終なので正則でない。

$\omega$ 上の非主超フィルター $U$ では、補集合が有限な $A_n=\{m\mid m\ge n\}$ がすべて $U$ に入るのに、$\bigcap_nA_n=\emptyset\notin U$ である。可測基数の定義で「$\kappa$ 未満個」の交わりを要求するのは、この現象を $\kappa$ 未満の長さまで排除するためである。

$\kappa^+$ が可測でないことは、可測基数が到達不能(とくに強極限)であることと、$2^\kappa\ge\kappa^+$ から従う。存在を仮定した巨大基数の上にも、巨大基数でない基数がいくらでもある。

実数の集合への影響

巨大基数の仮定は、基数の構造だけでなく、実数の集合の性質にも影響する。実数の列 $x=(n_0,n_1,\ldots)\in\omega^\omega$ を二人が交互に自然数を選んで作り、$x\in A$ なら先手の勝ちとするゲームを考える。どちらかに必勝戦略があるとき $A$ は決定的であるという(決定性公理)。選択公理を使うと決定的でない集合が作れる(Koe13 §3.1)が、定義可能な集合に限れば巨大基数から決定性が従う。次の定理はいずれもこの記事では証明しない(所在は Koe13 §3.2)。

  • 可測基数が存在すれば、すべての $\Pi^1_1$ 集合(解析集合の補集合)は決定的である(Martin, Theorem 3.7)。
  • $n$ 個の Woodin 基数とそれらより大きい可測基数が存在すれば、すべての $\Pi^1_{n+1}$ 集合は決定的である(Martin–Steel, Theorem 3.12)。
  • 可算無限個の Woodin 基数とそれらすべてより大きい可測基数が存在すれば、内部モデル $L(\mathbb R)$ で決定性公理が成り立つ(Martin–Steel–Woodin, Theorem 3.13)。

ここで $L(\mathbb R)$ は、実数全体から始めて定義可能な部分集合を取る操作を順序数の長さだけ繰り返して得るクラスであり(Koe13 §2.2.1)、結論は宇宙 $V$ 全体の決定性ではない。どの基数を何個仮定し、どのモデルで結論が成り立つかを区別して読む。

注意

$j\colon V\to M$ を使う定義はクラスについての主張であり、初等性は式ごとの図式として述べる(初等埋め込みの「注意」、HKP12 §1, pp. 3–8)。可測基数は「非主で $\kappa$-完備な超フィルターがある」という一つの ZFC の文で言い換えられる。一方、Reinhardt 基数にはそのような無矛盾な一階の言い換えがない。最小の Reinhardt 基数 $\kappa$ を一階の性質で特徴づけられたとすると、初等性から $j(\kappa)$ もその性質を持つ最小の基数になって $j(\kappa)=\kappa$ となり、$\kappa$ が $j$ の臨界点であることに反するからである(HKP12 §1, p. 3)。

巨大基数の公理が「正しい」かどうかは数学の内部では決まらない。この記事で証明したのは、公理どうしの含意と無矛盾性の比較だけである。

関連項目

参考文献

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