Tarski–Seidenbergの定理

同義語:Tarski-Seidenbergの定理Tarski–Seidenbergの原理実閉体の量化記号消去実閉体の量化子消去半代数的集合の射影定理Tarski–Seidenberg theoremTarski–Seidenberg principle

概要

Tarski–Seidenbergの定理(Tarski–Seidenberg theorem)とは、実閉体 $R$(たとえば実数体 $\mathbb{R}$)の上で、半代数的集合 $S\subset R^{n+1}$ を最初の $n$ 座標へ射影した像がまた半代数的集合になるという定理である。同値な言い換えとして、多項式の等式・不等式と論理記号・量化記号で書いた条件は、量化記号を使わない条件と同値になる(実閉体の量化記号消去)。たとえば「$x^2+bx+c=0$ となる $x$ がある」は $b^2-4c\ge0$ と同値である。証明の核心は 1 変数の多項式の組の符号表が微分と割り算の余りから決まることにあり、そこから閉包・内部・像が半代数的であること、実閉体の間の移行原理、実数体が o-極小構造であることが従う。有理数体では成り立たない。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 半代数的集合, 実閉体, 一階述語論理, 多項式環

Tarski–Seidenbergの定理(Tarski–Seidenberg theorem)は、半代数的集合を座標へ射影した像がまた半代数的集合になる、という実代数幾何の基本定理である。論理の言葉では、実数体(より一般に実閉体)の上で、多項式の等式・不等式と「かつ」「または」「でない」「存在する」「すべての」で書いた条件は、量化記号「存在する」「すべての」を使わない条件に書き直せる(量化記号消去)。たとえば「$x^2+bx+c=0$ となる実数 $x$ が存在する」は「$b^2-4c\ge0$」と同値である。
Tarski は 1940 年より前にこの結果を得ていて(1931 年に証明なしで発表)、のちに『A decision method for elementary algebra and geometry』として出版した(BPR16 の文献表の版は 1951 年の第 2 版)。Seidenberg は 1954 年に別の証明を与えた(BPR16 §2.7、pp. 92–93)。この記事では、主張の 2 つの形とその同値性を証明し、証明の核心である 1 変数の議論(Thom の補題と符号表の還元)を完全に証明する。一般の場合は、パラメータ付きの符号表による帰納法の骨格を示し、細部は文献に委ねる。

主張

$R$ を実閉体とし、$\pi\colon R^{n+1}\to R^n$ を最初の $n$ 個の座標への射影とする。半代数的集合の定義と記号は 半代数的集合 の記事に従う。

Tarski–Seidenbergの定理(射影定理)

$S\subset R^{n+1}$ が半代数的集合なら、$\pi(S)\subset R^n$ も半代数的集合である。$S$ が部分環 $D\subset R$ の上で定義されるなら、$\pi(S)$ も $D$ の上で定義される。

この形はこの記事では一般には証明しない(証明の骨格は「一般の場合の証明の骨格」の節、完全な証明は BPR16 Theorem 2.92、p. 78)。座標の並べ替えは半代数的集合を半代数的集合に写す(半代数的集合 の命題「逆像・直積・切り口で閉じること」の 4)ので、射影を繰り返せば、任意の座標の組への射影についても同じことが成り立つ。
次に論理の形を述べる。

順序体の言語の論理式

変数 $X_1,X_2,\dots$ と $R$ の元を係数とする多項式を使い、論理式と、その自由変数を次のように定める。

  1. 多項式 $P\in R[X_1,\dots,X_k]$ について、$P=0$ と $P>0$ は論理式(原子論理式)である。
  2. $\Phi,\Psi$ が論理式なら、$\Phi\wedge\Psi$、$\Phi\vee\Psi$、$\neg\Phi$ は論理式である。
  3. $\Phi$ が論理式で $X$ が変数なら、$(\exists X)\Phi$ と $(\forall X)\Phi$ は論理式であり、$X$ はその自由変数でない。
    量化記号 $\exists,\forall$ を含まない論理式を量化記号のない論理式という。自由変数が $X_1,\dots,X_k$ に含まれる論理式 $\Phi$ について、$\Phi(x)$ が $R$ で成り立つ点 $x\in R^k$ の全体を $\mathrm{Real}(\Phi)\subset R^k$ と書く($\wedge,\vee,\neg$ は共通部分・和・補集合に、$\exists X$ は「$R$ の元 $x$ が存在して」に、$\forall X$ は「すべての $R$ の元 $x$ について」に対応する)。$\mathrm{Real}(\Phi)=\mathrm{Real}(\Psi)$ のとき、$\Phi$ と $\Psi$ は $R$ で同値であるという。

これは順序環の言語 $\{+,-,\cdot,0,1,<\}$ の 1 階の論理式(一階述語論理)で、$R$ の元をパラメータとして使うものと同じである。実際、その言語の項はパラメータを係数とする多項式であり、$t_1=t_2$ は $t_1-t_2=0$ に、$t_1< t_2$ は $t_2-t_1>0$ に書き直せる。量化記号のない論理式の $\mathrm{Real}$ は、定義から半代数的集合であり、逆に 半代数的集合 の定理「半代数的集合の標準形」により、半代数的集合はすべて量化記号のない論理式の $\mathrm{Real}$ である。

Tarski–Seidenbergの定理(量化記号消去)

$R$ の元を係数とする任意の論理式 $\Phi$ は、量化記号のない論理式と $R$ で同値である。特に、1 階の論理式で定義される $R^k$ の部分集合 $\mathrm{Real}(\Phi)$ は半代数的集合である。係数がすべて部分環 $D$ に入るなら、同値な量化記号のない論理式の係数も $D$ に入るようにとれる。

2 つの形は同値である。

射影定理と量化記号消去の同値性

($D$ を固定して)thm-tarski-seidenberg-projection と thm-tarski-seidenberg-qe は同値である。

量化記号消去 ⇒ 射影定理。$S\subset R^{n+1}$ を半代数的集合とすると、量化記号のない論理式 $\Phi(X_1,\dots,X_{n+1})$ で $S=\mathrm{Real}(\Phi)$ となるものがある。$\pi(S)=\mathrm{Real}\bigl((\exists X_{n+1})\Phi\bigr)$ であり、量化記号消去により、これは量化記号のない論理式の $\mathrm{Real}$、すなわち半代数的集合である。
射影定理 ⇒ 量化記号消去。論理式の構成についての帰納法で、$\mathrm{Real}(\Phi)$ が($D$ の上で定義される)半代数的集合であることを示す。そうなれば、標準形により $\mathrm{Real}(\Phi)$ は量化記号のない論理式の $\mathrm{Real}$ なので、$\Phi$ はそれと同値である。原子論理式なら定義から半代数的である。$\wedge,\vee,\neg$ については、半代数的集合の族が共通部分・和・補集合で閉じていることによる。$(\exists X)\Phi$ については、変数の番号を付け替えて $X$ を最後の変数 $X_{k+1}$ とすれば、$\mathrm{Real}\bigl((\exists X)\Phi\bigr)=\pi\bigl(\mathrm{Real}(\Phi)\bigr)$ であり、帰納法の仮定と射影定理により半代数的である。$(\forall X)\Phi$ は $\neg(\exists X)\neg\Phi$ と同値なので、補集合と射影の場合に帰着する。$\square$

量化記号消去の例

2 次方程式の実数解の存在

実閉体 $R$ で、次の同値が成り立つ。

  1. $(\exists x)\ x^2+bx+c=0$ は $b^2-4c\ge0$ と同値である。
  2. $(\exists x)\ ax^2+bx+c=0$ は、$\bigl(a\ne0\wedge b^2-4ac\ge0\bigr)\vee\bigl(a=0\wedge b\ne0\bigr)\vee\bigl(a=b=c=0\bigr)$ と同値である。
  3. $(\forall x)\ x^2+bx+c>0$ は $b^2-4c< 0$ と同値である。
    ($u\ge0$ は $u>0\vee u=0$、$u\ne0$ は $u>0\vee -u>0$ の略記である。)
    1:$x^2+bx+c=\bigl(x+\tfrac b2\bigr)^2-\tfrac{b^2-4c}4$ である。$b^2-4c\ge0$ なら、実閉体では $0$ 以上の元は平方根 $\delta\ge0$ をもつ(実閉体 の系「順序の一意性」)ので、$x=(-b+\delta)/2$ が根である。逆に根 $x$ があれば $\tfrac{b^2-4c}4=\bigl(x+\tfrac b2\bigr)^2\ge0$ である。2:$a\ne0$ なら両辺を $a$ で割って 1 を使い、$b^2/a^2-4c/a\ge0$ に $a^2>0$ を掛ける。$a=0$ なら $bx+c=0$ が解をもつのは $b\ne0$ または $b=c=0$ のときである。3:$x=-b/2$ での値が $(4c-b^2)/4$ であり、これがすべての $x$ での値の最小値である。
    幾何的には、1 は $\{(b,c,x)\mid x^2+bx+c=0\}$ の $(b,c)$ 平面への射影が $\{b^2-4c>0\}\cup\{b^2-4c=0\}$ であることを言っている。4 次方程式 $x^4+ax^2+bx+c=0$ についても同じことができるが、同値な量化記号のない論理式は $a,b,c$ の多項式の符号条件 12 個の「または」になる(BPR16 Example 2.75、pp. 70–72。Sturm 列を使って計算している)。
反例:有理数体では射影が半代数的でない

半代数的集合 の定義は有理数体 $\mathbb{Q}$ の上でも同じように書けるが、射影定理は成り立たない。$\{(x,y)\in\mathbb{Q}^2\mid y^2-x=0\}$ の $x$ 座標への射影は、有理数の平方の全体 $\mathrm{Sq}:=\{y^2\mid y\in\mathbb{Q}\}$ である。$\mathrm{Sq}$ が有理数係数の多項式 $P_1,\dots,P_s$ の符号条件の組合せで $\mathrm{Sq}=\{x\in\mathbb{Q}\mid\Phi(x)\}$ と書けたとする。零でない $P_j$ の実数の根を $c_1< \cdots< c_N$ とすると、実数の中間値の定理により、各 $\mathbb{Q}\cap(c_k,c_{k+1})$ の上で各 $P_j$ の符号は一定であり、$\mathrm{Sq}$ に属するかどうかも一定である。$\mathrm{Sq}$ は無限集合なので、ある $\mathbb{Q}\cap(c_k,c_{k+1})$ 全体が $\mathrm{Sq}$ に含まれ、有理数 $p< q$ で $\mathbb{Q}\cap(p,q)\subset\mathrm{Sq}$ となるものがある。$(p,q)$ の中の平方 $u^2$($u\in\mathbb{Q}$、$u>0$)をとると、十分大きい整数 $n$ について $u^2(n^2+1)/n^2\in(p,q)$ であり、これは平方でない:$u^2(n^2+1)/n^2=v^2$ なら $n^2+1=(nv/u)^2$ は有理数の平方、したがって整数の平方になるが(有理数の平方である正の整数は整数の平方)、$n^2< n^2+1< (n+1)^2$ である。これは矛盾である。この例は、射影定理に「$R$ が実閉体であること」が要ることを示す。$\mathbb{Q}$ では、2 次方程式の判別式が $0$ 以上でも根があるとは限らない。

1 変数の核心

射影 $R^{n+1}\to R^n$ で消すのは最後の 1 変数 $X$ だけであり、残りの座標 $y\in R^n$ はパラメータとして多項式の係数に入る。したがって証明の核心は、1 変数の多項式の有限個の組について「どの符号条件が実現されるか」が、係数のどんな情報で決まるかを調べることにある。この節では $R$ を実閉体とし、パラメータのない 1 変数の場合を完全に扱う。

微分と単調性

$R$ には極限の概念がないので、多項式の微分は形式的に定める:$P=\sum_ia_iX^i$ に対し $P':=\sum_iia_iX^{i-1}$。$R$ の標数は $0$ なので、$\deg P=p\ge1$ なら $\deg P'=p-1$ である。

Rolleの定理と単調性(実閉体)

$P\in R[X]$、$a< b$ とする。

  1. $P(a)=P(b)=0$ なら、$P'$ は $(a,b)$ に根をもつ。
  2. ある $c\in(a,b)$ について $P(b)-P(a)=(b-a)P'(c)$ である。
  3. $I$ を開区間とし、$P'$ が $I$ 上で正なら、$P$ は $I$ の閉包 $\bar I$($I$ に $R$ の中の端点を加えたもの)の上で狭義単調増加である。負なら狭義単調減少である。

要点:$P$ を $(X-a)^m(X-b)^nQ$ と因数分解して $P'$ の余因子の端点での符号を比べ、多項式の中間値の定理を使う。2 と 3 は 1 から従う。

詳しい証明を開く

1. $P$ が零多項式なら明らかなので、$P\ne0$ とする。$b$ を「$a$ より大きい $P$ の根のうち最小のもの」に取り替えてよい(新しい区間は元の区間に含まれる)。$P=(X-a)^m(X-b)^nQ$($m,n\ge1$、$Q(a)Q(b)\ne0$)と書くと、$Q$ は $(a,b)$ に根をもたないので、実閉体 の命題「多項式の中間値の定理」により $Q(a)$ と $Q(b)$ の符号は等しい。$P'=(X-a)^{m-1}(X-b)^{n-1}Q_1$、$Q_1=m(X-b)Q+n(X-a)Q+(X-a)(X-b)Q'$ であり、$Q_1(a)=m(a-b)Q(a)$、$Q_1(b)=n(b-a)Q(b)$ は符号が逆である(標数 $0$ なので $m,n>0$)。中間値の定理により $Q_1$、したがって $P'$ は $(a,b)$ に根をもつ。

2. $G(X):=(P(b)-P(a))(X-a)-(b-a)(P(X)-P(a))$ は $G(a)=G(b)=0$ を満たすので、1 により $G'(c)=P(b)-P(a)-(b-a)P'(c)=0$ となる $c\in(a,b)$ がある。

3. $x< x'$ が $\bar I$ の 2 点なら、2 により $P(x')-P(x)=(x'-x)P'(c)$ となる $c\in(x,x')\subset I$ があり、$P'(c)>0$ なので $P(x')>P(x)$ である。$\square$

無限遠での符号

$h\in R[X]$ を次数 $e$、最高次係数 $b$ の零でない多項式とする。$M\in R$ があって、$x>M$ では $h(x)$ の符号は $b$ の符号に等しく、$x< -M$ では $(-1)^eb$ の符号に等しい。

$h=b\bigl(X^e+\sum_{j< e}\beta_jX^j\bigr)$ とし、$M:=1+2\sum_{j< e}\lvert\beta_j\rvert$ とおく。$\lvert x\rvert>M$ なら $\lvert x\rvert>1$ なので $\bigl\lvert\sum_{j< e}\beta_jx^{j-e}\bigr\rvert\le\sum_j\lvert\beta_j\rvert/\lvert x\rvert< 1/2$ であり、$h(x)=bx^e\bigl(1+\sum_{j< e}\beta_jx^{j-e}\bigr)$ の符号は $bx^e$ の符号に等しい。$\square$

$h$ の根のどれよりも右(左)の点での $h$ の符号を、$h$ の $+\infty$($-\infty$)での符号と呼ぶ。根のない区間では符号は一定なので、これは lem-tarski-seidenberg-infinity の符号と一致する。特に、次数 $d\ge1$ の $f$ とその微分 $f'$ について、$+\infty$ での符号は等しく、$-\infty$ での符号は逆である(最高次係数は $a$ と $da$、次数は $d$ と $d-1$)。

Thom の補題

Thomの補題

$P\in R[X]$ を次数 $p\ge0$ の零でない多項式とし、$\mathrm{Der}(P):=(P,P',\dots,P^{(p)})$ とする。符号の列 $\sigma=(\sigma_0,\dots,\sigma_p)\in\{-1,0,1\}^{p+1}$ について、
$$ \mathrm{Real}(\sigma):=\{x\in R\mid \operatorname{sign}P^{(i)}(x)=\sigma_i\ (0\le i\le p)\} $$
は、空集合、1 点、開区間のいずれかである。

要点:$p$ についての帰納法。$P'$ の符号の列を固定した集合が開区間なら、その上で $P$ は狭義単調なので、$P$ の符号でさらに切っても空・1 点・開区間のどれかにしかならない。

詳しい証明を開く

$p=0$ なら $P$ は零でない定数なので、$\mathrm{Real}(\sigma)$ は空か $R=(-\infty,+\infty)$ である。$p\ge1$ とし、次数 $p-1$ の $P'$ について主張が正しいとする。$\sigma':=(\sigma_1,\dots,\sigma_p)$ は $\mathrm{Der}(P')$ の符号の列であり、$\mathrm{Real}(\sigma)=\mathrm{Real}(\sigma')\cap\{x\mid\operatorname{sign}P(x)=\sigma_0\}$ である。$\mathrm{Real}(\sigma')$ が空か 1 点なら、$\mathrm{Real}(\sigma)$ も空か 1 点である。$\mathrm{Real}(\sigma')$ が開区間 $I$ なら、$I$ 上で $P'$ の符号は $\sigma_1$ で一定である。$\sigma_1=0$ なら零でない $P'$ が無限個の根をもつことになるので、$\sigma_1=\pm1$ であり、lem-tarski-seidenberg-monotone により $P$ は $I$ 上で狭義単調である。$P$ が $I$ に根をもたなければ、$P$ は $I$ 上で符号一定(中間値の定理)なので $\mathrm{Real}(\sigma)$ は $I$ か空である。根 $r\in I$ をもつなら、狭義単調性から根は $r$ だけで、$I$ は $\{P=0\}\cap I=\{r\}$ と、$r$ の左右の開区間に分かれ、それぞれの上で $P$ の符号は一定である。いずれの場合も $\mathrm{Real}(\sigma)$ は空、1 点、開区間のどれかである。$\square$

導関数の符号による根の区別

$P\ne0$ の $R$ の中の相異なる 2 つの根 $x\ne x'$ では、$(P',P'',\dots,P^{(p)})$ の符号の列が異なる。

符号の列が等しいとすると、$x,x'$ は同じ $\sigma$($\sigma_0=0$)の $\mathrm{Real}(\sigma)$ に属する。lem-tarski-seidenberg-thom によりこれは 1 点か開区間であり、開区間なら $P$ がその上で恒等的に $0$ となって $P\ne0$ に反する。よって 1 点であり、$x=x'$ である。$\square$

たとえば $X^2-2$ の 2 つの根は、$2X$ の符号(正か負か)で区別される。根の近似値を使わずに、根を符号の列という有限の情報で名指しできることが、実閉体の議論を代数的に閉じさせる鍵である(BPR16 Proposition 2.36・2.37、p. 52)。

符号表とその還元

符号表

$F=(f_1,\dots,f_s)$ を $R[X]$ の元の列とする。零でない $f_i$ の $R$ の中の根をすべて合わせたものを $c_1< \cdots< c_N$($N\ge0$)とし、$c_0:=-\infty$、$c_{N+1}:=+\infty$、$I_k:=(c_k,c_{k+1})$($0\le k\le N$)とおく。各 $f_i$ は各 $I_k$ に根をもたないので、$I_k$ 上で符号が一定である(中間値の定理)。$N$ と、$i$ 行目が
$$ \bigl(\operatorname{sign}f_i(I_0),\ \operatorname{sign}f_i(c_1),\ \operatorname{sign}f_i(I_1),\ \dots,\ \operatorname{sign}f_i(c_N),\ \operatorname{sign}f_i(I_N)\bigr) $$
である $s\times(2N+1)$ 行列の組を、$F$ の $R$ での符号表といい、$\mathrm{SIGN}_R(F)$ と書く。

符号表は、根の位置の実際の値を忘れ、「根がいくつあり、どの順に並び、各区間と各根で各多項式がどの符号をとるか」だけを記録した有限の組合せ的なデータである。$f_1,\dots,f_s$ の符号条件を $\wedge,\vee,\neg$ で組み合わせた量化記号のない論理式 $\Phi(X)$ について、$\mathrm{Real}(\Phi)\subset R$ は $c_1,\dots,c_N$ と $I_0,\dots,I_N$ のうち $\Phi$ を満たすものの和である。したがって、$(\exists X)\Phi$ が成り立つかどうかは、$\Phi$ と符号表だけで決まる。

符号表の例

$F=(X^2-2,\ X)$ の根は $-\sqrt2< 0< \sqrt2$ で、$N=3$ である。符号表は次のとおり。

$I_0$$-\sqrt2$$I_1$$0$$I_2$$\sqrt2$$I_3$
$X^2-2$$+$$0$$-$$-$$-$$0$$+$
$X$$-$$-$$-$$0$$+$$+$$+$

たとえば $(\exists X)\,(X^2-2< 0\wedge X>0)$ が成り立つことは、$I_2$ の列から読み取れる。

次の定理が、1 変数の場合の核心である。列の最後の多項式を、それより次数の低い多項式の列で置き換えても、符号表の情報が失われないことを言っている。

符号表の還元

$s\ge1$ とする。$F=(f_1,\dots,f_s)$ を $R[X]$ の元の列で $\deg f_s\ge1$ となるものとし、長さ $2s$ の列
$$ F^\flat:=(f_1,\dots,f_{s-1},\ f_s',\ g_1,\dots,g_{s-1},\ g_s) $$
を次で定める:$i< s$ について、$f_i\ne0$ なら $g_i$ は $f_s$ を $f_i$ で割った余り($f_i$ が零でない定数なら $g_i=0$)、$f_i=0$ なら $g_i:=0$ とし、$g_s$ は $f_s$ を $f_s'$ で割った余りとする。このとき、$s$ だけで決まる写像 $\Gamma_s$ があって、任意の実閉体 $R$ と上の条件を満たす任意の $F$ について
$$ \mathrm{SIGN}_R(F)=\Gamma_s\bigl(\mathrm{SIGN}_R(F^\flat)\bigr) $$
となる。すなわち、$F$ の符号表は $F^\flat$ の符号表から、$R$ にも係数にもよらない手順で読み取れる。

$F^\flat$ の符号表の行を、$f_1,\dots,f_{s-1}$、$f_s'$、$g_1,\dots,g_s$ の順に並べておく。以下の段 0〜5 で、$F$ の符号表の各項目が $F^\flat$ の符号表だけから読み取れることを示す。各段で読み取る手順は $R$ にも $F$ にもよらないので、それを $\Gamma_s$ と定めればよい。$\deg f_s=d\ge1$ で $R$ の標数は $0$ なので $f_s'\ne0$ である。
段 0(零多項式)。$f_i=0$ であることと、$F^\flat$ の符号表の $f_i$ の行がすべて $0$ であることは同値である(零でない多項式は区間 $I_0$ に根をもたないので、そこで $0$ でない符号をとる)。
段 1(区切りの点)。$F^\flat$ の符号表の根 $y_1< \cdots< y_M$ のうち、零でないある $f_i$($i< s$)または $f_s'$ の符号が $0$ になるものを $z_1< \cdots< z_L$ とする。これは零でない $f_1,\dots,f_{s-1}$ と $f_s'$ の根の全体であり(それらは $F^\flat$ の成分なので、根はすべて $y_j$ に現れる)、どの $y_j$ がそれに当たるかは表から読める。$z_0:=-\infty$、$z_{L+1}:=+\infty$、$J_l:=(z_l,z_{l+1})$ とおく。
段 2(区切りの点での $f_s$ の符号)。$z_l$ が $f_i$($i< s$、$f_i\ne0$)の根なら、割り算 $f_s=q_if_i+g_i$ に代入して $f_s(z_l)=g_i(z_l)$ である。$z_l$ が $f_s'$ の根なら、同様に $f_s(z_l)=g_s(z_l)$ である。よって $\operatorname{sign}f_s(z_l)$ は $g_i$ または $g_s$ の行から読める。
段 3(区切りの間)。各 $J_l$ は $F^\flat$ の符号表の連続するいくつかの点と区間の和であり、少なくとも 1 つの区間を含む。$J_l$ には $f_s'$ と零でない $f_i$($i< s$)の根がないので、それらの $J_l$ 上の符号は一定で、$J_l$ に含まれる区間の列から読める。特に $\tau_l:=\operatorname{sign}f_s'(J_l)\in\{1,-1\}$ が読め、lem-tarski-seidenberg-monotone により $f_s$ は $J_l$ の閉包の上で、$\tau_l=1$ なら狭義単調増加、$\tau_l=-1$ なら狭義単調減少である。
段 4(区切りの間の $f_s$ の根)。$J_l$ の左端での符号 $\varepsilon_l^-$ を、$l\ge1$ なら $\operatorname{sign}f_s(z_l)$(段 2)、$l=0$ なら $f_s$ の $-\infty$ での符号とし、右端での符号 $\varepsilon_l^+$ を同様に定める。$f_s$ の $\pm\infty$ での符号は、lem-tarski-seidenberg-infinity の後の注意により、$f_s'$ の行の最初の列の符号を反転したもの、最後の列の符号に等しいので、表から読める。このとき次が成り立つ。
(★) $f_s$ は $J_l$ に高々 1 つの根をもち、根をもつことは $\varepsilon_l^-\varepsilon_l^+=-1$ と同値である。
高々 1 つであることは狭義単調性による。$\varepsilon_l^-=-1$、$\varepsilon_l^+=1$ とする(逆の場合も同じ)。左端が有限なら、$f_s(z_l)< 0$ と連続性から、$z_l$ の十分近くの $u\in J_l$ で $f_s(u)< 0$ となる。左端が $-\infty$ なら、$f_s$ のどの根よりも小さい $u\in J_l$ で $f_s(u)< 0$ となる。同様に $u< v\in J_l$ で $f_s(v)>0$ となるものがとれ、中間値の定理により $(u,v)$ に根がある。逆に根 $r\in J_l$ があり、たとえば $\tau_l=1$ とすると、$J_l$ の閉包の上の狭義単調増加性から、左端が有限なら $f_s(z_l)< f_s(r)=0$、左端が $-\infty$ なら $r$ より小さいすべての点で $f_s< 0$ なので、$\varepsilon_l^-=-1$ である。同様に $\varepsilon_l^+=1$ で、積は $-1$ である。$\tau_l=-1$ でも同じである。
段 5(組み立て)。$F$ の成分の根は、零でない $f_i$($i< s$)の根と $f_s$ の根である。前者は $z_l$ のうち段 1 でそれと分かるもの、後者は $z_l$ のうち段 2 で $\operatorname{sign}f_s(z_l)=0$ となるものと、段 4 で根をもつと分かった $J_l$ のただ 1 つの根 $r_l$ である。$r_l$ は $J_l$ の内部にあり、ほかの根はすべて $z$ の点か別の $J$ の中にあるので、$F$ の根の個数 $N$ と並び順が決まる。各根と各区間での符号は次のように読める。

  • $f_i$($i< s$):$z_l$ での符号は表にある。$r_l$ での符号と、$J_l$ の部分区間での符号は、段 3 の $J_l$ 上の一定の符号である。
  • $f_s$:$z_l$ での符号は段 2、$r_l$ では $0$ である。$J_l$ が根 $r_l$ をもつなら、$r_l$ の左で $-\tau_l$、右で $\tau_l$ である。根をもたないなら $J_l$ 上で一定の $0$ でない符号をとり、それは $\varepsilon_l^-\ne0$ なら $\varepsilon_l^-$(左端の近くの符号)、$\varepsilon_l^-=0$ なら $\tau_l$($0$ から増加または減少する)である。
    $F$ の符号表の各区間は、いくつかの $J_l$ の部分区間と $z$ の点からなり、その上で各成分の符号は一定なので、上のどれか 1 つから読めばよい。以上で $\mathrm{SIGN}_R(F)$ のすべての項目が $\mathrm{SIGN}_R(F^\flat)$ から読み取れた。$\square$

$F^\flat$ では、$f_s$ が次数 $d-1$ の $f_s'$ に置き換わり、新しく加わる $g_i$ はどれも次数が $d$ より小さい(割る多項式の次数より小さく、$f_i$ の次数は $d$ 以下としてよい)。そこで、列の成分のうち最大の次数 $d$ と、次数 $d$ の成分の個数 $m$ の組 $(d,m)$ を辞書式順序で比べると、次数最大の成分を最後に並べ替えて還元するたびに $(d,m)$ は真に減る。$d\le0$(すべての成分が定数)になれば、符号表は定数の符号そのものである。こうして次の系を得る。

1 変数の移行原理

$R\subset R'$ を実閉体($R$ は $R'$ の部分体)とし、$F$ を $R[X]$ の元の列とする。

  1. $\mathrm{SIGN}_R(F)=\mathrm{SIGN}_{R'}(F)$ である。
  2. $F$ の成分の符号条件を組み合わせた量化記号のない論理式 $\Phi(X)$ について、$\Phi(x)$ となる $x\in R$ があることと、$\Phi(x')$ となる $x'\in R'$ があることは同値である。

まず、$R$ の順序は $R'$ の順序の制限である。実際、$c\in R$ が $R$ で正なら $c$ は $R$ の $0$ でない元の平方(実閉体 の系「順序の一意性」)なので、$R'$ でも正である。負の元についても同様である。
1 を、列の成分の次数の組 $(d,m)$ についての帰納法で示す。成分がすべて定数なら、どちらの符号表も $N=0$ で、定数の符号は $R$ と $R'$ で一致する。そうでなければ、次数最大の成分を最後に並べ替え(符号表の行も同じく並べ替わる)、thm-tarski-seidenberg-reduction の $F^\flat$ を作る。微分と割り算の余りは $R[X]$ の中で計算され、$R'[X]$ で計算しても同じ多項式になるので、$F^\flat$ は $R$ と $R'$ で共通であり、$(d,m)$ は真に小さい。帰納法の仮定と定理から
$$ \mathrm{SIGN}_R(F)=\Gamma_s\bigl(\mathrm{SIGN}_R(F^\flat)\bigr)=\Gamma_s\bigl(\mathrm{SIGN}_{R'}(F^\flat)\bigr)=\mathrm{SIGN}_{R'}(F) $$
である。2 は、符号表の直後の注意($(\exists X)\Phi$ の真偽は $\Phi$ と符号表で決まる)と 1 から従う。$\square$

たとえば $R$ として実代数的数の体(実閉体 の例「実代数的数の体」)、$R'=\mathbb{R}$ をとると、実代数的数を係数とする 1 変数の条件が実数の解をもつなら、実代数的数の解ももつ。一般の変数の数でも同じことが成り立つ(BPR16 Theorem 2.98、p. 81、Tarski–Seidenberg の原理)。

一般の場合の証明の骨格

thm-tarski-seidenberg-projection は、thm-tarski-seidenberg-reduction をパラメータ付きで行うことで証明できる。この節の議論は骨格であり、細部はこの記事では証明しない。

  1. 符号表への帰着。$S\subset R^{n+1}$ を半代数的集合とし、$S=\mathrm{Real}(\Phi)$ となる量化記号のない論理式 $\Phi$ の原子論理式に現れる多項式を $f_1,\dots,f_s\in R[Y_1,\dots,Y_n][X]$ とする($X$ が消す変数)。$y\in R^n$ を固定すると、$y\in\pi(S)$ かどうかは $\Phi$ と $\mathrm{SIGN}_R\bigl(f_1(y,X),\dots,f_s(y,X)\bigr)$ だけで決まる。
  2. パラメータ付きの符号表。$R^n$ を有限個の半代数的集合 $A_1,\dots,A_m$ に分けて、各 $A_k$ の上で $y\mapsto\mathrm{SIGN}_R(f_1(y,X),\dots,f_s(y,X))$ が一定になるようにできる。
    分け方の考え方を開く

    $f_i(y,X)$ の $X$ についての各係数は $y$ の多項式である。まず「どの最高次係数が $0$ になるか」で $R^n$ を分けると、各部分の上で $f_i(y,X)$ の $X$ についての次数が一定になる。割り算の余りは、割る多項式の最高次係数 $b(y)$ で割る操作を含むが、$b(y)^{2k}$ を掛けた擬剰余を使えば $y$ の多項式を係数とする多項式になり、$b(y)\ne0$ の部分では真の余りとの比が正なので符号表は変わらない。こうして thm-tarski-seidenberg-reduction の還元を $(d,m)$ が減る方向に繰り返すと、最後に $y$ の多項式だけからなる有限個の列に達し、それらの符号を固定する集合(半代数的集合)の上で、定理の $\Gamma_s$ を逆にたどって $F$ の符号表が一定になる。途中の場合分けが有限個であることも確かめる必要がある。

  3. 結論。$\pi(S)$ は、$\Phi$ を満たす点または区間を符号表がもつような $A_k$ の和であり、半代数的集合である。$f_i$ の係数が $D$ に入れば、途中に現れる多項式の係数も $D$ に入る。
    この議論の細部は、別の方法(パラメータ付きの Sturm 列と Tarski の問い合わせ)による完全な証明として BPR16 §2.3–2.4(Theorem 2.74 の証明 pp. 70–72、Theorem 2.92 の証明 pp. 78–80)にある。根が係数に連続に依存することを使って、分割 $A_k$ の上で根を連続な半代数的関数として並べる柱状分解の形は BPR16 Theorem 5.6(p. 177)にある。BPR16 §2.7(pp. 92–93)によれば、量化記号消去には Tarski の原証明のほか、Seidenberg、Cohen、Hörmander による別証明がある。

系

閉包・内部・像

$R$ を実閉体とする。

  1. 半代数的集合の半代数的写像による像、半代数的写像の合成は半代数的である。
  2. 半代数的集合 $A\subset R^n$ の閉包 $\overline A$ と内部は半代数的である。
  1. $f\colon A\to B$($A\subset R^n$、$B\subset R^m$)を半代数的写像、$A'\subset A$ を半代数的集合とする。$f(A')$ は $\Gamma_f\cap(A'\times R^m)$(半代数的)を最後の $m$ 座標へ射影したものなので、thm-tarski-seidenberg-projection を繰り返し使えば半代数的である。$g\colon B\to C$($C\subset R^p$)も半代数的なら、$\Gamma_{g\circ f}$ は $(\Gamma_f\times R^p)\cap(R^n\times\Gamma_g)$ から真ん中の $m$ 座標を消す射影の像なので、半代数的である。
  2. $A=\mathrm{Real}(\Psi)$ となる量化記号のない論理式 $\Psi$ をとる。$R^n$ の直積位相では、点 $x$ の近傍の基本系として $\{y\mid\sum_i(x_i-y_i)^2< \varepsilon\}$($\varepsilon>0$)をとれる(一辺 $2\delta$ の開箱は $\varepsilon=\delta^2$ の球を含み、$\varepsilon$ の球は $\delta^2=\varepsilon/n$ の開箱を含む。$\delta$ は実閉体の中にある)。よって
    $$ \overline A=\mathrm{Real}\Bigl((\forall E)\bigl(E>0\Rightarrow(\exists Y_1)\cdots(\exists Y_n)(\Psi(Y)\wedge E-\textstyle\sum_i(X_i-Y_i)^2>0)\bigr)\Bigr) $$
    であり($\Phi\Rightarrow\Psi$ は $\neg\Phi\vee\Psi$ の略記)、thm-tarski-seidenberg-qe により半代数的である。内部は補集合の閉包の補集合である。$\square$

さらに次のことが知られている。この記事では証明しない。

  • 半代数的集合は有限個の半代数的に連結な成分に分かれ、$R=\mathbb{R}$ なら連結成分は有限個でそれぞれ半代数的である(BPR16 Theorem 5.21・5.22、pp. 182–183)。
  • Tarski–Seidenberg の原理:$R\subset R'$ を実閉体とし、$\Phi$ を $R$ の元を係数とする自由変数のない論理式とすると、$\Phi$ が $R$ で成り立つことと $R'$ で成り立つことは同値である(BPR16 Theorem 2.98、p. 81)。cor-tarski-seidenberg-one-variable はその 1 変数の場合である。特に、有理数係数の文は、ある実閉体で成り立てばすべての実閉体で成り立つ(同 Theorem 2.99)。
  • Tarski の量化記号消去は具体的な手順で与えられるので、係数が整数の文が $\mathbb{R}$ で成り立つかどうかを判定する算法がある(Wil96 p. 1054 の紹介による)。
  • 実数体 $(\mathbb{R},+,\cdot,<)$ で 1 階の論理式により定義される $\mathbb{R}$ の部分集合は、thm-tarski-seidenberg-qe により半代数的であり、半代数的集合 の命題「直線の半代数的集合は有限個の点と区間の和」によりその形をしている。これは実数体が o-極小構造 であることを意味する。

反例と比較

外す条件反例成り立たなくなること
$R$ が実閉体であること$\mathbb{Q}$ の上の $\{y^2=x\}$ の射影(ex-tarski-seidenberg-rationals)射影が半代数的であること
不等式を使うこと(等式だけにする)円 $x^2+y^2=1$ の射影 $[-1,1]$(半代数的集合 の例「代数的集合の射影は代数的とは限らない」)実代数的集合の射影が実代数的であること
言語が多項式だけであること制限された解析関数を加えた構造 $\mathbb{R}_{\mathrm{an}}$量化記号消去(射影の像は定義可能だが、この言語の量化記号のない論理式では書けないものがある)

3 行目について:$\mathbb{R}$ に $[0,1]^m$ に制限した解析関数をすべて加えた構造では、存在量化記号だけを使う論理式への書き直し(モデル完全性)はできるが、量化記号の完全な消去は成り立たない(Gabrielov と Osgood による。Wil96 p. 1052 の紹介)。一方、この構造でも定義可能な $\mathbb{R}$ の部分集合は有限個の点と区間の和であり、o-極小構造 の例になっている。
複素数体では、代数的集合の射影は、等式と「$\ne$」で書ける構成可能集合になる(Chevalleyの定理)。実数体では「$>$」が必要であり、その代わりに射影で閉じた族として半代数的集合が現れる。

関連項目

参考文献

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