Green関数

同義語:グリーン関数Green's function

概要

Green関数(Green's function)とは、$\mathbb{R}^n$ の滑らかな境界をもつ有界領域 $D$ について、基本解 $\Gamma$ を用いて $G(x,y)=\Gamma(y-x)-h_x(y)$($h_x$ は $D$ で調和で境界で $\Gamma(\cdot-x)$ に等しい関数)と表され、$-\Delta_yG(x,\cdot)=\delta_x$ と境界で $G=0$ を満たす関数である。境界まで $C^2$ 級の $u$ は $u(x)=-\int_{\partial D}u\,\partial_\nu G\,dS-\int_DG\,\Delta u\,dy$ と表され、境界条件付きの Laplace 作用素の逆の積分核にあたる。対称性 $G(x,y)=G(y,x)$ と正値性をもち、球では鏡像の方法で書け、その法線微分が Poisson 核になる。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 調和関数, Gaussの発散定理, 超関数

Green関数(Green's function)とは、$\mathbb{R}^n$ の有界な領域 $D$ と点 $x\in D$ に対して、$y$ の関数として
$$ -\Delta_yG(x,y)=\delta_x\quad(D\text{ の中}),\qquad G(x,y)=0\quad(y\in\partial D) $$
を満たす関数 $G(x,y)$ のことである。$\delta_x$ は点 $x$ に集中した単位の源(Dirac のデルタ)で、物理的には、接地された導体の容器 $D$ の中の点 $x$ に単位の電荷を置いたときの点 $y$ での電位にあたる。Green 関数が分かれば、Poisson 方程式の境界値問題
$$ -\Delta u=f\quad(D\text{ の中}),\qquad u=g\quad(\partial D\text{ の上}) $$
の解は
$$ u(x)=\int_DG(x,y)f(y)\,dy-\int_{\partial D}g(y)\,\frac{\partial G}{\partial\nu_y}(x,y)\,dS(y) $$
と積分で書ける。つまり Green 関数は、Laplace 作用素に境界条件を付けたものの「逆作用素の積分核」である。
この記事では、まず全空間での逆にあたる 基本解 $\Gamma$ を定め、$-\Delta\Gamma=\delta_0$ を超関数の意味で示す。次に、発散定理から Green の表現公式を導き、それを使って Green 関数を定義し、表現公式・対称性 $G(x,y)=G(y,x)$・正値性を証明する。球の Green 関数は鏡像の方法で具体的に書け、その法線微分から球の Poisson 積分の公式が得られる。

記号と基本解

以下 $n\ge2$ とし、$V(B)$ を単位球 $B(0,1)$ の体積とする。半径 $r$ の球面の面積は $nV(B)r^{n-1}$ である(Gaussの発散定理 の記事の系「体積と境界の面積」)。$B(a,r)$ は開球、$\overline B(a,r)$ は閉球、$dS$ は曲面の面積要素である。関数 $u$ が 調和 であるとは、$C^2$ 級で $\Delta u=\sum_i\partial_i^2u=0$ となることをいう(調和関数)。

Laplace 作用素の基本解

$x\in\mathbb{R}^n\setminus\{0\}$ に対し
$$ \Gamma(x):=\begin{cases}-\dfrac{1}{2\pi}\log|x| & (n=2),\\[2mm] \dfrac{1}{n(n-2)V(B)}\,\dfrac{1}{|x|^{n-2}} & (n\ge3)\end{cases} $$
とおき、$\Gamma$ を Laplace 作用素の 基本解(fundamental solution)という。

$\Gamma$ は $|x|$ だけで決まる関数で、$\mathbb{R}^n\setminus\{0\}$ 上で調和である(調和関数 の記事の例「基本解の形の関数」)。$n=2$ では $2V(B)=2\pi$ なので、どちらの場合も
$$ \nabla\Gamma(x)=-\frac{1}{nV(B)}\,\frac{x}{|x|^n}\qquad(x\ne0) $$
が成り立つ。$\Gamma$ は原点の近くで有界でないが、極座標で積分すると $\int_{B(0,1)}|\Gamma|\,dx=nV(B)\int_0^1r^{n-1}|\Gamma(r)|\,dr<\infty$ なので、$\mathbb{R}^n$ 上の局所可積分関数である($r^{n-1}|\Gamma(r)|$ は $n\ge3$ で定数倍の $r$、$n=2$ で定数倍の $r|\log r|$ で、どちらも $[0,1]$ で有界)。定数は次の定理の右辺がちょうど $-\varphi(0)$ になるように選んである。文献によっては符号を逆にして $\Delta\Gamma=\delta_0$ となるように定める(ABR20 p. 193 の $F$ は $-\Gamma$ である)。
以下の証明で何度も使う計算をまとめておく。$x\in\mathbb{R}^n$、$\varepsilon>0$ とし、球面 $\partial B(x,\varepsilon)$ の上で、球の 中心に向かう 単位法線 $\nu(y)=-(y-x)/\varepsilon$ をとると、上の勾配の式から
$$ \frac{\partial}{\partial\nu_y}\Gamma(y-x)=\nabla\Gamma(y-x)\cdot\Bigl(-\frac{y-x}{\varepsilon}\Bigr)=\frac{1}{nV(B)\,\varepsilon^{n-1}} $$
である。これは球面の面積の逆数なので、連続関数 $w$ について
$$ \int_{\partial B(x,\varepsilon)}w(y)\,\frac{\partial}{\partial\nu_y}\Gamma(y-x)\,dS(y)=\bigl(\partial B(x,\varepsilon)\text{ 上の }w\text{ の平均}\bigr)\longrightarrow w(x)\qquad(\varepsilon\to0)\qquad\text{(1)} $$
となる。一方、$\partial B(x,\varepsilon)$ の上で有界な関数 $b$ について
$$ \Bigl|\int_{\partial B(x,\varepsilon)}\Gamma(y-x)\,b(y)\,dS(y)\Bigr|\le\sup|b|\cdot nV(B)\,\varepsilon^{n-1}|\Gamma(\varepsilon)|\longrightarrow0\qquad(\varepsilon\to0)\qquad\text{(2)} $$
である($\Gamma(\varepsilon)$ は $|x|=\varepsilon$ での値。$\varepsilon^{n-1}|\Gamma(\varepsilon)|$ は $n\ge3$ で $\varepsilon$ の定数倍、$n=2$ で $\varepsilon|\log\varepsilon|/(2\pi)$)。

基本解の方程式

$\varphi$ を $\mathbb{R}^n$ 上のコンパクトな台をもつ $C^2$ 級関数とすると
$$ \int_{\mathbb{R}^n}\Gamma(y)\,\Delta\varphi(y)\,dy=-\varphi(0) $$
が成り立つ。すなわち、超関数 の意味で $-\Delta\Gamma=\delta_0$ である。

$\operatorname{supp}\varphi\subset B(0,\rho)$ となる $\rho>0$ をとり、$0<\varepsilon<\rho$ について閉じた円環 $A_\varepsilon:=\{y\mid\varepsilon\le|y|\le\rho\}$ を考える。$A_\varepsilon$ は滑らかな境界をもつコンパクトな領域で(境界は 2 つの球面)、$\Gamma$ は $A_\varepsilon$ を含む開集合 $\mathbb{R}^n\setminus\{0\}$ 上で $C^2$ 級かつ調和である。Gaussの発散定理 の記事の系「部分積分と Green の恒等式」の第 2 恒等式を $u=\Gamma$、$v=\varphi$ に使うと
$$ \int_{A_\varepsilon}\Gamma\,\Delta\varphi\,dy=\int_{\partial A_\varepsilon}\Bigl(\Gamma\,\frac{\partial\varphi}{\partial\nu}-\varphi\,\frac{\partial\Gamma}{\partial\nu}\Bigr)dS $$
である(左辺の $\varphi\,\Delta\Gamma$ の項は $0$)。外側の球面 $|y|=\rho$ の近くでは $\varphi=0$ なので、その上の積分は $0$ である。内側の球面 $|y|=\varepsilon$ では、$A_\varepsilon$ の外向きの法線は原点に向かう $-y/\varepsilon$ である。(2) により $\int\Gamma\,\partial_\nu\varphi\,dS\to0$($|\partial_\nu\varphi|\le\sup|\nabla\varphi|$)、(1) により $\int\varphi\,\partial_\nu\Gamma\,dS\to\varphi(0)$ である。よって右辺は $-\varphi(0)$ に収束する。
左辺については、$\Gamma$ は局所可積分で $\Delta\varphi$ は有界だから、優収束定理により $\int_{A_\varepsilon}\Gamma\Delta\varphi\,dy\to\int_{\mathbb{R}^n}\Gamma\Delta\varphi\,dy$ である。以上で等式が示された。$\varphi\in C_c^\infty(\mathbb{R}^n)$ について、これは超関数 $\Gamma$ の超関数微分が $\langle\Delta\Gamma,\varphi\rangle=\langle\Gamma,\Delta\varphi\rangle=-\varphi(0)$ を満たすことにほかならない(超関数 の記事の定義「超関数微分」)。$\square$

この定理から、全空間での Poisson 方程式の解が畳み込みで得られる。

Newton ポテンシャル

$f$ を $\mathbb{R}^n$ 上のコンパクトな台をもつ $C^2$ 級関数とし、
$$ u(x):=\int_{\mathbb{R}^n}\Gamma(x-y)f(y)\,dy=\int_{\mathbb{R}^n}\Gamma(y)f(x-y)\,dy $$
とおく。このとき $u$ は $\mathbb{R}^n$ 上 $C^2$ 級で、$-\Delta u=f$ を満たす。

2 つの積分が等しいことは変数変換 $y\mapsto x-y$ による。$x$ を有界な集合 $\{|x|< M\}$ に制限すると、$f(x-y)$ とその 2 階までの偏導関数は $y\in B(0,M+\rho)$($\operatorname{supp}f\subset B(0,\rho)$)の外で $0$ で、一様に有界かつ連続である。$\Gamma$ は $B(0,M+\rho)$ 上で可積分なので、優収束定理により積分記号の下で 2 回まで微分でき、$\partial_i\partial_ju(x)=\int\Gamma(y)(\partial_i\partial_jf)(x-y)\,dy$ は $x$ について連続である。特に
$$ \Delta u(x)=\int_{\mathbb{R}^n}\Gamma(y)\,(\Delta f)(x-y)\,dy=\int_{\mathbb{R}^n}\Gamma(y)\,\Delta_y\bigl[f(x-y)\bigr]\,dy $$
であり、$y\mapsto f(x-y)$ はコンパクトな台をもつ $C^2$ 級関数だから、thm-green-fundamental により右辺は $-f(x-0)=-f(x)$ である。$\square$

$u=\Gamma*f$ を $f$ の Newton ポテンシャル という($n=3$ では質量分布 $f$ が作る重力ポテンシャルにあたる)。ABR20 Theorem 9.1、9.2(p. 192)と p. 193 の式 9.3・9.4 も同じ内容を $-\Gamma$ で述べている。

Green の表現公式

以下、$\Omega\subset\mathbb{R}^n$ を滑らかな境界をもつコンパクトな領域(Gaussの発散定理 の記事の定義「滑らかな境界をもつコンパクトな領域」)とし、その内部を $D$、境界を $\partial D=\partial\Omega$ と書く。$D$ は有界な開集合で、$\overline D=\Omega$ である。$\nu$ は外向きの単位法線、$\partial_\nu=\nu\cdot\nabla$ は法線方向の微分である。このような $D$ を 滑らかな境界をもつ有界領域 と呼ぶ。$\overline B(x,\varepsilon)\subset D$ なら、$\overline D\setminus B(x,\varepsilon)$ もまた滑らかな境界をもつコンパクトな領域であり、その境界は $\partial D$ と球面 $\partial B(x,\varepsilon)$ の和で、球面の上の外向きの法線は球の中心 $x$ に向かう(球面の近くの定義関数として $\varepsilon^2-|y-x|^2$ をとればよい)。

Green の表現公式

$D$ を滑らかな境界をもつ有界領域とし、$u$ を $\overline D$ を含む開集合上の $C^2$ 級関数とする。$x\in D$ について
$$ u(x)=\int_{\partial D}\Bigl(\Gamma(y-x)\,\frac{\partial u}{\partial\nu}(y)-u(y)\,\frac{\partial}{\partial\nu_y}\Gamma(y-x)\Bigr)dS(y)-\int_D\Gamma(y-x)\,\Delta u(y)\,dy $$
が成り立つ。

$\overline B(x,\varepsilon)\subset D$ となる $\varepsilon>0$ をとり、$\Omega_\varepsilon:=\overline D\setminus B(x,\varepsilon)$ とおく。$v(y):=\Gamma(y-x)$ は $\Omega_\varepsilon$ を含む開集合 $\mathbb{R}^n\setminus\{x\}$ 上で $C^2$ 級かつ調和である。Gaussの発散定理 の記事の系「部分積分と Green の恒等式」の第 2 恒等式を $u$ と $v$ に使うと、$\Delta v=0$ から
$$ -\int_{\Omega_\varepsilon}v\,\Delta u\,dy=\int_{\partial D}\bigl(u\,\partial_\nu v-v\,\partial_\nu u\bigr)dS+\int_{\partial B(x,\varepsilon)}\bigl(u\,\partial_\nu v-v\,\partial_\nu u\bigr)dS $$
となる。球面の上の法線は中心に向かうので、(1) により $\int_{\partial B(x,\varepsilon)}u\,\partial_\nu v\,dS\to u(x)$、(2) により $\int_{\partial B(x,\varepsilon)}v\,\partial_\nu u\,dS\to0$ である。左辺は、$v$ が局所可積分で $\Delta u$ が $\overline D$ 上で有界なので、優収束定理により $-\int_Dv\,\Delta u\,dy$ に収束する。$\varepsilon\to0$ として
$$ -\int_D\Gamma(y-x)\,\Delta u(y)\,dy=\int_{\partial D}\bigl(u\,\partial_\nu v-v\,\partial_\nu u\bigr)dS+u(x) $$
を得る。これを $u(x)$ について解けば主張の式である。$\square$

この公式は、$u$ の $D$ の中での値が、$\Delta u$ の値と、境界での $u$ と $\partial_\nu u$ の値で決まることを示している。$u\equiv1$ とすると $1=-\int_{\partial D}\partial_{\nu_y}\Gamma(y-x)\,dS(y)$ となり、これは Gaussの発散定理 の記事の定理「Gauss の法則」の言い換えである。ところが Dirichlet問題 で与えられるのは境界での $u$ の値だけで、$\partial_\nu u$ は与えられない。$u$ と $\partial_\nu u$ を境界で同時に勝手に与えることはできない(調和関数は境界値だけで決まる)ので、表現公式から $\partial_\nu u$ の項を消したい。そのために $\Gamma(y-x)$ を、境界で $0$ になるように調和関数で補正する。これが Green 関数である。

Green 関数の定義

Green 関数

$D$ を滑らかな境界をもつ有界領域とする。関数
$$ G\colon\{(x,y)\in D\times\overline D\mid x\ne y\}\longrightarrow\mathbb{R} $$
が $D$ の(Dirichlet 境界条件の)Green 関数 であるとは、各 $x\in D$ について次の 2 つが成り立つことをいう。

  1. $h_x(y):=\Gamma(y-x)-G(x,y)$ で定まる $\overline D\setminus\{x\}$ 上の関数は、$\overline D$ を含む開集合上の $C^2$ 級関数に延長でき、$D$ の上で調和である($y=x$ での値は延長の値とする)。
  2. $y\in\partial D$ なら $G(x,y)=0$ である。

条件 1 と 2 は、$h_x$ が「$D$ で調和で、境界で $\Gamma(\cdot-x)$ に等しい関数」であることを言っている。つまり Green 関数を作ることは、境界値 $\Gamma(\cdot-x)$ の Dirichlet問題 を、境界まで $C^2$ 級の解として解くことと同じである。$h_x$ は 補正関数(Robin 関数と呼ぶ文献もある。DV25 p. 345)と呼ばれる。

Green 関数の一意性

滑らかな境界をもつ有界領域 $D$ の Green 関数は、存在すればただ 1 つである。

$G$ と $G'$ を Green 関数とし、補正関数をそれぞれ $h_x$、$h'_x$ とする。$h_x-h'_x=G'(x,\cdot)-G(x,\cdot)$ は $\overline D$ 上で連続、$D$ 上で調和で、$\partial D$ の上で $0$ である。調和関数 の記事の系「境界値による一意性」により $D$ 上で $h_x=h'_x$ であり、$G=G'$ である。$\square$

存在は領域ごとの問題である。球と、1 次元の区間では下の例のとおり具体的に書ける。一般の滑らかな境界をもつ有界領域での存在は、Dirichlet 問題の解が境界まで滑らかであるかどうかにかかっており、この記事では扱わない。以下の定理は、Green 関数が存在する領域についての主張である。

主定理:Green 関数による表現

Green 関数による表現公式

$D$ を滑らかな境界をもつ有界領域とし、Green 関数 $G$ をもつとする。$u$ を $\overline D$ を含む開集合上の $C^2$ 級関数とすると、$x\in D$ について
$$ u(x)=-\int_{\partial D}u(y)\,\frac{\partial G}{\partial\nu_y}(x,y)\,dS(y)-\int_DG(x,y)\,\Delta u(y)\,dy $$
が成り立つ。

$x\in D$ を固定し、補正関数 $h_x$ を $\overline D$ を含む開集合上の $C^2$ 級関数に延長しておく。Gaussの発散定理 の記事の第 2 恒等式を $u$ と $h_x$ に使うと、$D$ の上で $\Delta h_x=0$ だから
$$ 0=\int_{\partial D}\bigl(u\,\partial_\nu h_x-h_x\,\partial_\nu u\bigr)dS+\int_Dh_x\,\Delta u\,dy $$
である。この右辺を thm-green-representation の右辺に加える。$\partial D$ の上では $h_x(y)=\Gamma(y-x)$ なので $\Gamma(y-x)\,\partial_\nu u-h_x\,\partial_\nu u=0$ となり、$\partial_\nu u$ の項が消える。残りは
$$ u(x)=-\int_{\partial D}u\,\partial_{\nu_y}\bigl(\Gamma(y-x)-h_x(y)\bigr)dS(y)-\int_D\bigl(\Gamma(y-x)-h_x(y)\bigr)\Delta u(y)\,dy $$
であり、$\Gamma(y-x)-h_x(y)=G(x,y)$ だから主張の式になる。$\square$

これで、表現に必要な境界の情報が $u$ の値だけになった。関数
$$ K_D(x,y):=-\frac{\partial G}{\partial\nu_y}(x,y)\qquad(x\in D,\ y\in\partial D) $$
を $D$ の Poisson 核 という。

Green 関数による表現の帰結

thm-green-main の状況で、次が成り立つ。

  1. (調和関数)$u$ が $D$ の上で調和なら $u(x)=\displaystyle\int_{\partial D}K_D(x,y)\,u(y)\,dS(y)$ である。
  2. (Poisson 方程式)$D$ の上で $-\Delta u=f$、$\partial D$ の上で $u=0$ なら $u(x)=\displaystyle\int_DG(x,y)f(y)\,dy$ である。特にこの境界値問題の $C^2$ 級の解はただ 1 つである。
  3. (超関数の方程式)$\varphi\in C_c^\infty(D)$ なら $\displaystyle\int_DG(x,y)\,\Delta\varphi(y)\,dy=-\varphi(x)$ である。すなわち $D$ の上の 超関数 として $-\Delta_yG(x,\cdot)=\delta_x$ である。

1 と 2 は thm-green-main の式で $\Delta u=0$、または $u|_{\partial D}=0$ と $\Delta u=-f$ とおいたものである。3 は $u=\varphi$($D$ の外へ $0$ で延長すると $\mathbb{R}^n$ 上の $C^\infty$ 級関数)とおくと、$\partial D$ の上で $\varphi=0$ なので境界の項が消えることによる。$\square$

2 は解の 一意性と公式 を与えるが、存在は与えない:$f$ が与えられたとき $u(x):=\int_DG(x,y)f(y)\,dy$ が実際に解になることは、$G$ の性質をさらに調べて示す必要があり、この記事では扱わない。

対称性と正値性

Green 関数の対称性

$D$ を滑らかな境界をもつ有界領域とし、Green 関数 $G$ をもつとする。$x,y\in D$、$x\ne y$ なら $G(x,y)=G(y,x)$ である。

$\varepsilon>0$ を、$\overline B(x,\varepsilon)$ と $\overline B(y,\varepsilon)$ が $D$ に含まれ互いに交わらないようにとる。$\Omega_\varepsilon:=\overline D\setminus\bigl(B(x,\varepsilon)\cup B(y,\varepsilon)\bigr)$ は滑らかな境界をもつコンパクトな領域である。$v(z):=G(x,z)$、$w(z):=G(y,z)$ とおくと、$v=\Gamma(\cdot-x)-h_x$ は $\Omega_\varepsilon$ を含む開集合($\overline D$ を含む開集合から点 $x$ を除いたもの)の上で $C^2$ 級で、$\Omega_\varepsilon$ の内部で調和である。$w$ も同様である。第 2 恒等式を $v,w$ に使うと、左辺は $0$ であり、$\partial D$ の上では $v=w=0$ なので
$$ 0=\int_{\partial B(x,\varepsilon)}\bigl(v\,\partial_\nu w-w\,\partial_\nu v\bigr)dS+\int_{\partial B(y,\varepsilon)}\bigl(v\,\partial_\nu w-w\,\partial_\nu v\bigr)dS $$
である(どちらの球面でも法線は中心に向かう)。$\varepsilon\to0$ のとき、(1) と (2) により、$\partial B(x,\varepsilon)$ の上の積分は $-w(x)=-G(y,x)$ に、$\partial B(y,\varepsilon)$ の上の積分は $v(y)=G(x,y)$ に収束する。よって $0=G(x,y)-G(y,x)$ である。$\square$

詳細

$\partial B(x,\varepsilon)$ の上の積分を調べる。$w$ は $x$ の近くで $C^2$ 級なので $w$ と $\partial_\nu w$ は $\overline B(x,\varepsilon)$ の上で有界であり、$h_x$ と $\partial_\nu h_x$ も有界である。$v\,\partial_\nu w=\Gamma(z-x)\partial_\nu w-h_x\partial_\nu w$ の積分は、(2) と「有界な関数の積分は面積 $nV(B)\varepsilon^{n-1}$ の定数倍で抑えられる」ことから $0$ に収束する。$w\,\partial_\nu v=w\,\partial_\nu\Gamma(z-x)-w\,\partial_\nu h_x$ の積分は、(1) により $w(x)=G(y,x)$ に収束する。よって $\partial B(x,\varepsilon)$ の上の積分は $-G(y,x)$ に収束する。$x$ と $y$、$v$ と $w$ の役割を入れ替えた同じ議論で、$\partial B(y,\varepsilon)$ の上の積分 $-\int(w\,\partial_\nu v-v\,\partial_\nu w)\,dS$ は $v(y)=G(x,y)$ に収束する。

対称性は、「$x$ に置いた電荷が $y$ に作る電位」と「$y$ に置いた電荷が $x$ に作る電位」が等しいという相反性である。DV25 Lemma 2.10.1(p. 345)も同じ内容である。

Green 関数の正値性

$D$ を連結で滑らかな境界をもつ有界領域とし、Green 関数 $G$ をもつとする。$x\in D$ とする。

  1. $y\in D\setminus\{x\}$ なら $G(x,y)>0$ である。
  2. $n\ge3$ なら、さらに $G(x,y)<\Gamma(y-x)$ である。
  1. $h_x$ は $\overline D$ 上で連続なので $x$ の近くで有界であり、$y\to x$ のとき $\Gamma(y-x)\to+\infty$ だから $G(x,y)\to+\infty$ である。よって $\varepsilon>0$ を、$\overline B(x,\varepsilon)\subset D$ かつ $0<|y-x|\le\varepsilon$ で $G(x,y)>0$ となるようにとれる。$U:=D\setminus\overline B(x,\varepsilon)$ は有界な開集合で、$-G(x,\cdot)$ は $\overline U$ 上で連続、$U$ 上で調和であり、$U$ の境界($\partial D$ と球面 $\partial B(x,\varepsilon)$ に含まれる)の上で $-G(x,\cdot)\le0$ である。調和関数 の記事の定理「弱最大値原理」により $U$ の上で $-G(x,\cdot)\le0$ であり、$G(x,\cdot)$ は $D\setminus\{x\}$ の上で負にならない。
    $D\setminus\{x\}$ は連結である。
    詳細

    $D\setminus\{x\}$ が交わらない 2 つの空でない開集合 $U_1,U_2$ の和だとする。$B(x,r)\subset D$ となる $r$ をとると、$B(x,r)\setminus\{x\}$ は $n\ge2$ なので弧状連結(2 点を、必要なら $x$ を通らない別の点を経由して、折れ線で結べる)で、したがって連結であり、$U_1$ か $U_2$ の一方、たとえば $U_1$ に含まれる。すると $U_1\cup\{x\}=U_1\cup B(x,r)$ と $U_2$ は交わらない空でない開集合で、和は $D$ となり、$D$ の連結性に反する。


    $G(x,\cdot)$ は連結な開集合 $D\setminus\{x\}$ 上の負にならない調和関数で、恒等的に $0$ ではない($x$ の近くで正)。Harnackの不等式 の記事の系「負にならない調和関数の零点」により、$D\setminus\{x\}$ の上で $G(x,\cdot)>0$ である。
  2. $n\ge3$ なら $\Gamma>0$ である。$h_x$ は $\overline D$ 上で連続、$D$ 上で調和で、$\partial D$ の上で $h_x(y)=\Gamma(y-x)\ge m:=\min_{y\in\partial D}\Gamma(y-x)>0$ である($\partial D$ はコンパクトで $x\notin\partial D$)。弱最大値原理を $m-h_x$ に使うと $D$ の上で $h_x\ge m>0$ であり、$G(x,y)=\Gamma(y-x)-h_x(y)<\Gamma(y-x)$ である。$\square$

2 は「境界を接地すると電位は下がる」ことを表している。$n=2$ では $\Gamma$ が負の値もとるので 2 は一般には成り立たない(下の反例の表)。

例

球の Green 関数

球では、境界の球面に関する鏡像を使って補正関数が具体的に書ける。$x\in B(0,R)\setminus\{0\}$ に対し
$$ x^*:=\frac{R^2}{|x|^2}\,x $$
を $x$ の球面 $\partial B(0,R)$ に関する 鏡像(反転)という。$|x^*|=R^2/|x|>R$ なので $x^*$ は閉球の外にある。

球の Green 関数

$D=B(0,R)$ の Green 関数は
$$ G(x,y)=\begin{cases}\Gamma(y-x)-\Gamma\Bigl(\dfrac{|x|}{R}\,(y-x^*)\Bigr) & (x\ne0),\\[2mm] \Gamma(y)-\Gamma(R\,e_1) & (x=0)\end{cases} $$
である($e_1=(1,0,\dots,0)$。$\Gamma$ は $|x|$ だけで決まるので $\Gamma(Re_1)$ は $|z|=R$ での値)。
確認:$x\ne0$ のとき、補正関数 $h_x(y)=\Gamma\bigl(\frac{|x|}{R}(y-x^*)\bigr)$ は、$n\ge3$ なら $(|x|/R)^{2-n}\Gamma(y-x^*)$、$n=2$ なら $\Gamma(y-x^*)-\frac{1}{2\pi}\log\frac{|x|}{R}$ に等しい。どちらも $\mathbb{R}^n\setminus\{x^*\}$ 上で調和で、この開集合は閉球 $\overline B(0,R)$ を含むので、条件 1 が成り立つ。$|y|=R$ なら
$$ \frac{|x|^2}{R^2}\,|y-x^*|^2=\frac{|x|^2}{R^2}\Bigl(|y|^2-\frac{2R^2}{|x|^2}\,x\cdot y+\frac{R^4}{|x|^2}\Bigr)=|x|^2-2\,x\cdot y+R^2=|y-x|^2 $$
なので(最後に $|y|^2=R^2$ を使った)、$\bigl|\frac{|x|}{R}(y-x^*)\bigr|=|y-x|$ であり、$\Gamma$ が $|\cdot|$ だけで決まることから $h_x(y)=\Gamma(y-x)$、すなわち $G(x,y)=0$ である。$x=0$ のときは $h_0=\Gamma(Re_1)$ は定数で、$|y|=R$ なら $\Gamma(y)=\Gamma(Re_1)$ である。

球の Poisson 積分の公式

$u$ が $\overline B(a,R)$ を含む開集合の上で調和なら、$x\in B(a,R)$ について
$$ u(x)=\int_{\partial B(a,R)}\frac{R^2-|x-a|^2}{nV(B)\,R\,|x-y|^n}\,u(y)\,dS(y) $$
が成り立つ。

平行移動 $u(\cdot+a)$ を考えれば $a=0$ としてよい。cor-green-consequences の 1 により、$y\in\partial B(0,R)$ で $K(x,y):=-\partial_{\nu_y}G(x,y)=(R^2-|x|^2)/(nV(B)R|x-y|^n)$ となることを示せばよい。外向きの法線は $\nu=y/R$ である。

法線微分の計算を開く

$x\ne0$ とする。$n\ge3$ でも $n=2$ でも、$\nabla_yh_x(y)=(|x|/R)^{2-n}\,\nabla\Gamma(y-x^*)=-(|x|/R)^{2-n}\,(y-x^*)/\bigl(nV(B)|y-x^*|^n\bigr)$ である。$|y|=R$ なら上の計算から $|y-x^*|=R|y-x|/|x|$ なので$$\nabla_yh_x(y)=-\frac{|x|^2}{R^2}\cdot\frac{y-x^*}{nV(B)\,|y-x|^n}=-\frac{|x|^2y/R^2-x}{nV(B)\,|y-x|^n}$$であり、$\nabla\Gamma(y-x)=-(y-x)/\bigl(nV(B)|y-x|^n\bigr)$ と合わせて$$\nabla_yG(x,y)=\frac{-(y-x)+|x|^2y/R^2-x}{nV(B)\,|y-x|^n}=-\frac{(R^2-|x|^2)\,y}{R^2\,nV(B)\,|y-x|^n}$$となる。$\nu=y/R$ との内積をとると $y\cdot y/R=R$ から $\partial_{\nu_y}G(x,y)=-(R^2-|x|^2)/(nV(B)R|y-x|^n)$ である。$x=0$ なら $h_0$ は定数で、$\partial_\nu G(0,y)=\nabla\Gamma(y)\cdot y/R=-1/(nV(B)R^{n-1})$ となり、これも同じ式($|x|=0$)である。$\square$

$\partial B(0,1)$ 上の正規化された測度 $d\sigma=dS/(nV(B))$ で書けば、これは $u(x)=\int_{|\zeta|=1}\frac{1-|x|^2}{|x-\zeta|^n}u(\zeta)\,d\sigma(\zeta)$ という Poisson 核 $P(x,\zeta)=(1-|x|^2)/|x-\zeta|^n$ の式である(ABR20 1.14–1.15、pp. 11–12)。ABR20 は $n>2$ の場合にこの式を、上と同じ鏡像の補正関数と Green の恒等式で導いている($n=2$ は p. 10 で Fourier 級数による)。球の Green 関数の式は DV25 Theorem 2.10.4(p. 349)にある。

1 次元の区間

区間の Green 関数

$n=1$、$D=(0,1)$ では、$-u''=f$、$u(0)=u(1)=0$ の Green 関数は
$$ G(x,y)=\min\{x,y\}\,\bigl(1-\max\{x,y\}\bigr) $$
である。1 次元の基本解 $\Gamma(t):=-|t|/2$($-\Gamma''=\delta_0$)を使うと、$y< x$ でも $y>x$ でも $\Gamma(y-x)-G(x,y)=-\tfrac{x+y}{2}+xy$ となり、補正関数 $h_x(y)=-\tfrac{x+y}{2}+xy$ は $y$ の 1 次関数(1 次元の調和関数)で、$y=0,1$ で $G(x,y)=0$ である。$G$ は $x,y$ について対称で、$0< x,y<1$ で正である。

$-u^{\prime\prime}=f$ となることの確認を開く

連続関数 $f$ について $u(x):=\int_0^1G(x,y)f(y)\,dy=(1-x)\int_0^xyf(y)\,dy+x\int_x^1(1-y)f(y)\,dy$ とおくと、微分して $u'(x)=-\int_0^xyf(y)\,dy+\int_x^1(1-y)f(y)\,dy$($x(1-x)f(x)$ の項は打ち消し合う)、$u''(x)=-xf(x)-(1-x)f(x)=-f(x)$ であり、$u(0)=u(1)=0$ である。常微分方程式の境界値問題の Green 関数は Green関数(常微分方程式) で扱う。

半空間

半空間の Green 関数と一意性の破れ

$H:=\{y\in\mathbb{R}^n\mid y_n>0\}$ とし、$\bar x:=(x_1,\dots,x_{n-1},-x_n)$ を $x$ の境界 $\{y_n=0\}$ に関する鏡像とする。$x\in H$ について
$$ G(x,y):=\Gamma(y-x)-\Gamma(y-\bar x) $$
は、$y\in H\setminus\{x\}$ で $y$ について調和であり($\bar x\notin\overline H$)、$y_n=0$ なら $|y-x|=|y-\bar x|$ なので $G(x,y)=0$ である(DV25 Theorem 2.10.5、p. 349)。ところが $H$ は有界でないので、この記事の定義にはあたらず、一意性も成り立たない。実際、任意の定数 $c$ について $G(x,y)+c\,y_n$ も $y$ について $H\setminus\{x\}$ 上で調和で $y_n=0$ で $0$ になり、$-\Delta_y$ を施すと同じく $\delta_x$ になる。無限遠での振る舞いを指定して初めて 1 つに決まる。

反例:仮定を外すと

外す条件反例成り立たなくなること
$D$ が有界半空間 $H$ と $G(x,y)+c\,y_n$Green 関数の一意性
境界が滑らか穴のあいた円板 $B(0,1)\setminus\{0\}\subset\mathbb{R}^2$補正関数(境界値 $\Gamma(\cdot-x)$ の Dirichlet 問題の解)の存在
$D$ が連結交わらない 2 つの球の和正値性 $G(x,y)>0$
$n\ge3$$n=2$、$D=B(0,R)$($R>1$)、$x=0$$G(x,y)<\Gamma(y-x)$
反例の確認

1 行目:ex-green-half-space のとおり、$c$ ごとに異なる関数がどれも「調和な補正で境界で $0$」という条件を満たす。満たさない性質は「$D$ が有界」で、破れるのは prop-green-uniqueness の結論である(有界性は、証明で使った境界値による一意性に必要)。

2〜4 行目の確認を開く

2 行目:$D:=B(0,1)\setminus\{0\}$ の境界は単位円と原点で、原点の近くで $D$ は滑らかな境界をもつ領域の形をしていない。$0<|x|<1$ を固定し、$h$ が $D$ 上で調和、閉円板上で連続で、境界で $h=\Gamma(\cdot-x)$ を満たすとする。$h$ は原点の近くで有界なので、有界な調和関数の孤立特異点は除去できるという定理(ABR20 Theorem 2.3、p. 32。この記事では証明しない)により $h$ は $B(0,1)$ 全体の調和関数に延び、単位円の上で $\Gamma(\cdot-x)$ に等しい。調和関数 の記事の系「境界値による一意性」により、$h$ は ex-green-ball の補正関数 $\Gamma\bigl(|x|(y-x^*)\bigr)$($R=1$)に等しい。$y=0$ でのその値は $\Gamma(|x|\,|x^*|)=\Gamma(1)=0$ だが、境界条件は原点で $h(0)=\Gamma(-x)=-\frac{1}{2\pi}\log|x|>0$ を要求する。これは矛盾なので、そのような $h$ は存在しない。

3 行目:$D=B(-3e_1,1)\cup B(3e_1,1)$、$x=-3e_1$ とする。$D':=B(3e_1,1)$ の上では $\Gamma(\cdot-x)$ は調和なので、$D'$ の上の補正関数は $\Gamma(\cdot-x)$ 自身であり(境界値による一意性)、$D'$ の上で $G(x,\cdot)=0$ となる。$G(x,\cdot)>0$ が破れる。満たさない性質は「$D$ が連結」である。

4 行目:$x=0$ のとき ex-green-ball の補正関数は定数 $h_0=\Gamma(Re_1)=-\frac{1}{2\pi}\log R<0$ なので、$G(0,y)=\Gamma(y)-h_0>\Gamma(y)$ である。$n=2$ では $\Gamma$ が $|y|>1$ で負になるので、thm-green-positivity の 2 の証明の $m>0$ が成り立たない。

補足

  • 名前:Green 関数と Green の恒等式は、George Green の 1828 年の論文に由来する(DV25 p. 291 の脚注 3)。平面の Greenの定理 も同じ人物の名による。
  • 符号の流儀:この記事は $-\Delta_yG=\delta_x$、$G>0$ の流儀をとる。$\Delta_yG=\delta_x$ とし $G<0$ となる流儀もあり、その場合は表現公式の符号が変わる。
  • 一般の作用素:境界条件(Dirichlet 条件の代わりに Neumann 条件など)や作用素(一般の楕円型作用素、常微分作用素)を替えても、「作用素に境界条件を付けたものの逆の積分核」として Green 関数が考えられる。1 次元の例は ex-green-interval である。
  • 正則性との関係:thm-green-newton は、$\Delta u$ が滑らかなら $u$ も滑らかであるという Weylの補題 の記事の系で使われる。一般の楕円型作用素についての同じ現象が 楕円正則性 である。
  • 閉多様体の上で:境界のないコンパクトな Riemann 多様体の上では、定数関数(一般には調和形式)が Laplace 作用素の核に入るので、Laplace 作用素は直交補空間の上でだけ逆をもつ。その逆が Hodge分解 の記事の Green 作用素であり、この記事の Green 関数はその積分核の $\mathbb{R}^n$ の領域版にあたる。

関連項目

参考文献

Mathpediaは寄付と、参考文献の書籍リンク(Amazonアソシエイト)の紹介料で運営されています。 支援について / 寄付する