測量と三角比(surveying with trigonometry)とは、測れない長さや位置を、測った長さ(基線)と角から三角比で求めることである。塔の根元 $H$ から出る地面の半直線に $H$ に近い順に $B$、$A$ をとり、$AB=d$、$A$、$B$ での塔の先端の仰角を $\alpha$、$\beta$ とすると高さは $h=\frac{d\sin\alpha\sin\beta}{\sin(\beta-\alpha)}$ である。基線 $AB=c$ の両端で点 $P$ の方向と基線のなす角 $\theta_1$、$\theta_2$ を測ると、$\theta_1+\theta_2<180^\circ$ なら $AP=\frac{c\sin\theta_2}{\sin(\theta_1+\theta_2)}$ で、$P$ が直線 $AB$ のどちら側かを決めれば位置が決まる。
前提知識: 正弦定理(高校数学), 三角比と鈍角への拡張, 三角形の決定と解の個数
平らな土地に立つ塔の高さを、塔に登らずに知りたい。塔の根元まで歩いて行けるなら、根元からの距離を巻き尺で測り、その地点から塔の先端を見上げた角を測れば、直角三角形の正接(タンジェント)で高さが分かる。
塔の根元 $H$ から $60$ m 離れた地点 $A$ で、塔の先端 $P$ を見上げた角が $30^\circ$ だったとする。三角形 $PAH$ は $H$ の角が直角の直角三角形なので、
$$
PH=AH\tan30^\circ=60\cdot\frac1{\sqrt3}=20\sqrt3\fallingdotseq34.64
$$
で、塔の高さはおよそ $34.64$ m である。
では、塔の手前に川があって、根元まで行けないときはどうするか。根元までの距離は測れないが、川のこちら側で、塔に向かってまっすぐ歩いた距離なら測れる。歩く前と歩いた後の 2 か所で見上げた角を測ればよい。
塔の根元 $H$ に向かう一直線の上で、地点 $A$ から塔に向かって $50$ m 進んだ地点を $B$ とする。$A$ で見上げた角が $30^\circ$、$B$ で見上げた角が $45^\circ$ だった。塔の高さを $h$ とする。
直角三角形 $PBH$ で $\tan45^\circ=1$ なので $BH=h$ である。直角三角形 $PAH$ で $\tan30^\circ=\dfrac1{\sqrt3}$ なので $AH=\sqrt3\,h$ である。$A$、$B$、$H$ はこの順に一直線に並ぶので $AH-BH=AB$、つまり
$$
\sqrt3\,h-h=50,\qquad h=\frac{50}{\sqrt3-1}=\frac{50(\sqrt3+1)}{(\sqrt3-1)(\sqrt3+1)}=25(\sqrt3+1)\fallingdotseq68.30
$$
である。塔の高さはおよそ $68.30$ m である。
塔 PH と、根元に向かう一直線の上の 2 つの観測点 A、B。A で見上げた角が α、B で見上げた角が β で、三角形 PAB の P の角は β−α になる
ex-sur-start-two では、根元までの距離を 1 度も測らずに、測れる長さ $AB$ と 2 つの角だけから高さを求めた。このように、直接測れない長さや位置を、測れる長さと角から三角比で求めることを 測量 という。この記事で答える問いは次の 4 つである。
| 測る量 | 決まる量 | 使う定理 |
|---|---|---|
| 根元までの距離と、見上げた角 1 つ | 高さ | 正接の定義(ex-sur-start-one) |
| 根元に向かって進んだ距離と、見上げた角 2 つ | 高さ | 正弦定理(thm-sur-height) |
| 基線の長さと、両端で測った角 2 つ | 点の位置 | 正弦定理(thm-sur-triangulation) |
| 基線の長さと、両端からの距離 2 つ | 点の位置 | 余弦定理(余弦定理(高校数学)) |
| 位置の分かった 3 点を見込む角 2 つ | 自分の位置 | 円周角の定理(Snellius–Pothenotの問題) |
「決まる」は 三角形の決定と解の個数 の「三角形が決まる」と同じ考え方である。そこでは 3 つの量(3 辺、2 辺と間の角、1 辺と両端の角)で三角形がただ 1 つに決まることを示した。測量では、決まった三角形の辺の長さや頂点の座標を式で書くことが目標になる。
ex-sur-start-two では、$\tan30^\circ$ と $\tan45^\circ$ が簡単な値だったので、$AH$ と $BH$ を $h$ で表して連立できた。角が一般の値でも使える式を、正弦定理で導く。
地面に垂直に立つ塔を線分 $PH$($H$ が地面の上の根元、$P$ が先端)とし、高さを $h=PH$ とする。地面の上に、$H$ から出る 1 本の半直線をとり、その上に 2 点 $A$、$B$ を、$B$ が $H$ と $A$ の間にあるようにとる。$AB=d$、$A$ から $P$ を見上げた仰角を $\alpha$、$B$ から $P$ を見上げた仰角を $\beta$ とする。このとき $\alpha<\beta$ であり、
$$
h=\frac{d\sin\alpha\sin\beta}{\sin(\beta-\alpha)}=\frac{d\tan\alpha\tan\beta}{\tan\beta-\tan\alpha}
$$
である。とくに、$d$、$\alpha$、$\beta$ を測れば、根元までの距離を測らなくても $h$ が決まる。
方針:3 点 $P$、$A$、$B$ がつくる三角形で正弦定理を使って $PB$ を求め、次に直角三角形 $PBH$ で $h$ を求める。
段 1(三角形 $PAB$ の角)。$A$、$B$、$H$ はこの順に一直線に並ぶ。$B$ での仰角は $\angle PBH=\beta$ なので、その補角は $\angle PBA=180^\circ-\beta$ である。三角形 $PAB$ の内角の和は $180^\circ$ なので
$$
\angle APB=180^\circ-\angle PAB-\angle PBA=180^\circ-\alpha-(180^\circ-\beta)=\beta-\alpha
$$
である。三角形の内角は正なので $\beta-\alpha>0$、つまり $\alpha<\beta$ である。
段 2(正弦定理)。三角形 $PAB$ で、辺 $PB$ の向かいの角は $\angle PAB=\alpha$、辺 $AB$ の向かいの角は $\angle APB=\beta-\alpha$ である。正弦定理(正弦定理(高校数学))により
$$
\frac{PB}{\sin\alpha}=\frac{AB}{\sin(\beta-\alpha)},\qquad PB=\frac{d\sin\alpha}{\sin(\beta-\alpha)}
$$
である。
段 3(直角三角形 $PBH$)。三角形 $PBH$ は $H$ の角が直角で、$\angle PBH=\beta$ なので、正弦の定義から $PH=PB\sin\beta$ である。段 2 の式を代入すると
$$
h=\frac{d\sin\alpha\sin\beta}{\sin(\beta-\alpha)}
$$
である。
段 4(正接の形)。加法定理から $\sin(\beta-\alpha)=\sin\beta\cos\alpha-\cos\beta\sin\alpha$ である。$0^\circ<\alpha<\beta<90^\circ$ なので $\cos\alpha>0$、$\cos\beta>0$ である。段 3 の式の分子と分母を $\cos\alpha\cos\beta$ で割ると
$$
h=\frac{d\,\dfrac{\sin\alpha}{\cos\alpha}\cdot\dfrac{\sin\beta}{\cos\beta}}{\dfrac{\sin\beta}{\cos\beta}-\dfrac{\sin\alpha}{\cos\alpha}}=\frac{d\tan\alpha\tan\beta}{\tan\beta-\tan\alpha}
$$
となる。$\square$
ex-sur-start-two と同じ考え方でも示せる。直角三角形 $PAH$、$PBH$ で $AH=\dfrac h{\tan\alpha}$、$BH=\dfrac h{\tan\beta}$ である。$B$ は $H$ と $A$ の間にあるので $AH-BH=AB=d$ で、
$$d=h\left(\frac1{\tan\alpha}-\frac1{\tan\beta}\right)=h\cdot\frac{\tan\beta-\tan\alpha}{\tan\alpha\tan\beta}$$
となる。$d>0$、$h>0$ なので $\tan\beta>\tan\alpha$ で、両辺に $\dfrac{\tan\alpha\tan\beta}{\tan\beta-\tan\alpha}$ を掛けると正接の形の式を得る。この証明は短いが、正弦定理の証明は三角形 $PAB$ だけを使うので、あとで thm-sur-triangulation の「平らな土地の上の三角形」にそのまま移せる。
$d=20$、$\alpha=30^\circ$、$\beta=60^\circ$ とする。段 1 の角は $\angle APB=60^\circ-30^\circ=30^\circ$ で、$\angle PAB=\alpha=30^\circ$ と等しい。三角形 $PAB$ は $PB=AB=20$ の二等辺三角形である。直角三角形 $PBH$ で
$$
h=PB\sin60^\circ=20\cdot\frac{\sqrt3}2=\boxed{10\sqrt3}\fallingdotseq17.32
$$
である。thm-sur-height の式でも $\dfrac{20\sin30^\circ\sin60^\circ}{\sin30^\circ}=20\sin60^\circ=10\sqrt3$ となる。
ex-sur-start-two の値 $d=50$、$\alpha=30^\circ$、$\beta=45^\circ$ を式に入れる。$\beta-\alpha=15^\circ$ で、加法定理から
$$
\sin15^\circ=\sin45^\circ\cos30^\circ-\cos45^\circ\sin30^\circ=\frac{\sqrt2}2\cdot\frac{\sqrt3}2-\frac{\sqrt2}2\cdot\frac12=\frac{\sqrt6-\sqrt2}4
$$
である。よって
$$
h=\frac{50\cdot\dfrac12\cdot\dfrac{\sqrt2}2}{\dfrac{\sqrt6-\sqrt2}4}=\frac{50\sqrt2}{\sqrt6-\sqrt2}=\frac{50}{\sqrt3-1}=\boxed{25(\sqrt3+1)}\fallingdotseq68.30
$$
で、ex-sur-start-two の答えと一致する。途中で分母と分子を $\sqrt2$ で割った。正接の形では $\dfrac{50\cdot\frac1{\sqrt3}\cdot1}{1-\frac1{\sqrt3}}=\dfrac{50}{\sqrt3-1}$ で、同じ値になる。
thm-sur-height では 2 点 $A$、$B$ が根元 $H$ の同じ側にあった。$A$ と $B$ が $H$ をはさんで反対側にある($H$ が線分 $AB$ の上にある)ときは、$AH+BH=AB$ となり、
$$
h=\frac{d\sin\alpha\sin\beta}{\sin(\alpha+\beta)}
$$
である。たとえば $d=50$、$\alpha=30^\circ$、$\beta=45^\circ$ なら $h=25(\sqrt3-1)\fallingdotseq18.30$ で、同じ側にある場合の $68.30$ とは大きく違う。どちらの側にあるかで式が変わるので、測量では 2 点と根元の並び方も記録しておく。
別証明と同じく $AH=\dfrac h{\tan\alpha}$、$BH=\dfrac h{\tan\beta}$ で、$AH+BH=d$ から
$$d=h\left(\frac1{\tan\alpha}+\frac1{\tan\beta}\right),\qquad h=\frac{d\tan\alpha\tan\beta}{\tan\alpha+\tan\beta}=\frac{d\sin\alpha\sin\beta}{\sin(\alpha+\beta)}$$
である(最後の等号は、分子と分母に $\cos\alpha\cos\beta$ を掛けて $\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta=\sin(\alpha+\beta)$ を使う)。$d=50$、$\alpha=30^\circ$、$\beta=45^\circ$ では $h=\dfrac{50\cdot\frac1{\sqrt3}\cdot1}{\frac1{\sqrt3}+1}=\dfrac{50}{\sqrt3+1}=25(\sqrt3-1)$ である。
実際に測った角には、目盛りの読み方などによる誤差がある。thm-sur-height の式の分母 $\sin(\beta-\alpha)$ は、2 つの仰角が近いと $0$ に近くなる。すると角のわずかな誤差で、求めた高さが大きく変わるおそれがある。どれだけ変わるかを微分で調べる(数学 III の微分を使う)。関数 $f$ の値の変化を $f(x+\Delta x)-f(x)\fallingdotseq f'(x)\,\Delta x$ で見積もる考え方は 1次近似と誤差の伝わり方(高校数学) で扱った。ここでは角を弧度法(ラジアン)で測る。$1^\circ$ は $\dfrac{\pi}{180}\fallingdotseq0.01745$ ラジアンである。
thm-sur-height で $d$ と $\alpha$ を固定し、高さを $\beta$ の関数
$$
h(\beta)=\frac{d\sin\alpha\sin\beta}{\sin(\beta-\alpha)}\qquad\left(\alpha<\beta<\frac{\pi}2\right)
$$
と見る。このとき
$$
h'(\beta)=-\frac{d\sin^2\alpha}{\sin^2(\beta-\alpha)},\qquad\frac{h'(\beta)}{h(\beta)}=-\frac{\sin\alpha}{\sin\beta\,\sin(\beta-\alpha)}
$$
である。したがって $\beta$ を $\Delta\beta$ だけ読み違えたときの高さのずれ $\Delta h$ と、その割合は、1 次近似で
$$
\Delta h\fallingdotseq-\frac{d\sin^2\alpha}{\sin^2(\beta-\alpha)}\,\Delta\beta,\qquad\frac{\Delta h}{h}\fallingdotseq-\frac{\sin\alpha}{\sin\beta\,\sin(\beta-\alpha)}\,\Delta\beta
$$
と見積もれる。$\beta$ が $\alpha$ に近づくと、右辺の係数はいくらでも大きくなる。
方針:$h(\beta)=d\sin\alpha\cdot g(\beta)$、$g(\beta)=\dfrac{\sin\beta}{\sin(\beta-\alpha)}$ とおき、商の微分法で $g'(\beta)$ を求める。分子は加法定理でまとまる。
段 1(商の微分法)。$(\sin\beta)'=\cos\beta$、$(\sin(\beta-\alpha))'=\cos(\beta-\alpha)$ なので
$$
g'(\beta)=\frac{\cos\beta\,\sin(\beta-\alpha)-\sin\beta\,\cos(\beta-\alpha)}{\sin^2(\beta-\alpha)}
$$
である。
段 2(分子をまとめる)。加法定理 $\sin(x-y)=\sin x\cos y-\cos x\sin y$ で $x=\beta-\alpha$、$y=\beta$ とおくと、段 1 の分子は $\sin\bigl((\beta-\alpha)-\beta\bigr)=\sin(-\alpha)=-\sin\alpha$ である。よって $g'(\beta)=-\dfrac{\sin\alpha}{\sin^2(\beta-\alpha)}$ である。
段 3($h'$ と比)。$d\sin\alpha$ は $\beta$ によらない定数なので
$$
h'(\beta)=d\sin\alpha\cdot g'(\beta)=-\frac{d\sin^2\alpha}{\sin^2(\beta-\alpha)}
$$
である。これを $h(\beta)$ で割ると
$$
\frac{h'(\beta)}{h(\beta)}=-\frac{d\sin^2\alpha}{\sin^2(\beta-\alpha)}\cdot\frac{\sin(\beta-\alpha)}{d\sin\alpha\sin\beta}=-\frac{\sin\alpha}{\sin\beta\,\sin(\beta-\alpha)}
$$
である。$\beta\to\alpha+0$ のとき分母 $\sin\beta\sin(\beta-\alpha)$ は正のまま $0$ に近づくので、係数の絶対値はいくらでも大きくなる。$\square$
ex-sur-height-15 の $d=50$、$\alpha=30^\circ$、$\beta=45^\circ$ で考える。$\sin^2 15^\circ=\dfrac{1-\cos30^\circ}2=\dfrac{2-\sqrt3}4$ なので
$$
h'(\beta)=-\frac{50\cdot\frac14}{\frac{2-\sqrt3}4}=-\frac{50}{2-\sqrt3}=-50(2+\sqrt3)\fallingdotseq-186.60
$$
である。$\beta$ を $1^\circ$ 大きく読み違えると、$\Delta\beta\fallingdotseq0.01745$ なので $\Delta h\fallingdotseq-186.60\times0.01745\fallingdotseq-3.26$ m と見積もれる。実際に $\beta=46^\circ$ で計算すると $h\fallingdotseq65.24$ m で、$68.30$ m から $3.06$ m 下がる。見積もりとよく合う。
割合の係数は $\dfrac{\sin30^\circ}{\sin45^\circ\sin15^\circ}=\sqrt3+1\fallingdotseq2.73$ で、$1^\circ$ の誤差で高さは $2.73\times0.01745\fallingdotseq0.048$、つまりおよそ $4.8\,\%$ ずれる。
$d=50$、$\alpha=30^\circ$ のまま、$\beta=31^\circ$ だったとする。thm-sur-height の式で $h\fallingdotseq737.8$ m である。割合の係数はおよそ $55.6$ で、$1^\circ$ の誤差で高さがほぼ $97\,\%$ ずれると見積もられる。実際、$\beta=32^\circ$ なら $h\fallingdotseq379.6$ m で、高さはおよそ半分になる。
$$\frac{\sin30^\circ}{\sin31^\circ\sin1^\circ}\fallingdotseq\frac{0.5}{0.5150\times0.01745}\fallingdotseq55.6$$
で、$1^\circ$ の誤差では $55.6\times0.01745\fallingdotseq0.97$ である。変化が大きすぎて 1 次近似の見積もりそのものも当てにならないが、「測り方のわずかな違いで答えが大きく変わる」ことははっきり分かる。
d=50、α=30° のとき、高さ h を β の関数として描いたグラフ。β が 30° に近づくと h は急に大きくなり、傾きも急になる
図 2 のグラフは、$\beta$ が $\alpha=30^\circ$ に近いところで急に立ち上がる。この範囲では、角の読みの小さな誤差で高さが大きく変わる。$\beta=45^\circ$ の点での傾きは ex-sur-error-45 の $h'(\beta)$ である。精度よく測るには、2 つの仰角の差 $\beta-\alpha$ が小さくならないように、2 地点の間の距離 $d$ を十分にとればよい。
$d$、$\beta$ を固定して $\alpha$ で微分すると $\dfrac{d\sin^2\beta}{\sin^2(\beta-\alpha)}$ になり、こちらも分母に $\sin^2(\beta-\alpha)$ がある。$\alpha$ の読み違いも、$\beta-\alpha$ が小さいと高さに大きく響く。
$\dfrac{\sin\alpha}{\sin(\beta-\alpha)}$ を $\alpha$ で微分すると、$(\sin(\beta-\alpha))'=-\cos(\beta-\alpha)$ に注意して、$\dfrac{\cos\alpha\sin(\beta-\alpha)+\sin\alpha\cos(\beta-\alpha)}{\sin^2(\beta-\alpha)}=\dfrac{\sin\beta}{\sin^2(\beta-\alpha)}$ である(分子は加法定理で $\sin\bigl(\alpha+(\beta-\alpha)\bigr)$)。これに $d\sin\beta$ を掛けて
$$\frac{\partial h}{\partial\alpha}=\frac{d\sin^2\beta}{\sin^2(\beta-\alpha)}$$
を得る($\beta$ を定数と見て $\alpha$ で微分したものを $\dfrac{\partial h}{\partial\alpha}$ と書く)。$\alpha$ と $\beta$ の両方を読み違えたときのずれは、1 次近似では 2 つの効果の和 $\dfrac{\partial h}{\partial\alpha}\Delta\alpha+h'(\beta)\Delta\beta$ で見積もる(この記事では証明しない。2 変数の 1 次近似は大学で扱う)。
次は、平らな土地の上で、遠くの点の位置を決める。川の向こう岸の木 $P$ のように、そこまで行けない点でも、こちら側に基線 $AB$ を引き、両端で $P$ の方向を測れば位置が決まる。座標で述べる。
$c>0$ とし、座標平面に $A(0,0)$、$B(c,0)$ をとる。$0^\circ<\theta_1<180^\circ$、$0^\circ<\theta_2<180^\circ$ とする。
(1) $\theta_1+\theta_2<180^\circ$ のとき、$y$ 座標が正の点 $P$ で、$\angle PAB=\theta_1$ かつ $\angle PBA=\theta_2$ となるものがただ 1 つある。その点について
$$
AP=\frac{c\sin\theta_2}{\sin(\theta_1+\theta_2)},\qquad BP=\frac{c\sin\theta_1}{\sin(\theta_1+\theta_2)},\qquad P=\left(AP\cos\theta_1,\ AP\sin\theta_1\right)
$$
であり、$P$ から直線 $AB$ までの距離は $\dfrac{c\sin\theta_1\sin\theta_2}{\sin(\theta_1+\theta_2)}$ である。
(2) $\theta_1+\theta_2\ge180^\circ$ のとき、そのような点 $P$ はない。
方針:条件を満たす点は、$A$ から出る半直線と $B$ から出る半直線の両方の上にある。2 本の半直線の交点を連立 1 次方程式で求め、交点がある条件を調べる。
段 1(2 本の半直線)。$y$ 座標が正の点 $P$ で $\angle PAB=\theta_1$ となるのは、$P$ が $A$ から出て $x$ 軸の正の向きと角 $\theta_1$ をなす半直線 $\ell_1$ の上($A$ を除く)にあるときである。$\ell_1$ の点は、正の数 $t$ を使って $t(\cos\theta_1,\ \sin\theta_1)$ と書ける。同じく、$y$ 座標が正の点 $P$ で $\angle PBA=\theta_2$ となるのは、$P$ が $B$ から出て $x$ 軸の負の向きと角 $\theta_2$ をなす半直線 $\ell_2$ の上にあるときで、$\ell_2$ の点は正の数 $s$ を使って $(c-s\cos\theta_2,\ s\sin\theta_2)$ と書ける。
段 2(連立方程式)。$P$ が $\ell_1$ と $\ell_2$ の両方の上にあることは、正の数 $t$、$s$ で
$$
t\cos\theta_1=c-s\cos\theta_2,\qquad t\sin\theta_1=s\sin\theta_2
$$
となることである。2 つ目の式から $s=\dfrac{t\sin\theta_1}{\sin\theta_2}$($\sin\theta_2>0$)で、1 つ目の式に代入して両辺に $\sin\theta_2$ を掛けると
$$
t(\cos\theta_1\sin\theta_2+\sin\theta_1\cos\theta_2)=c\sin\theta_2,\qquad t\sin(\theta_1+\theta_2)=c\sin\theta_2
$$
となる(加法定理)。
段 3(交点がある条件)。$0^\circ<\theta_1+\theta_2<360^\circ$ である。$\theta_1+\theta_2<180^\circ$ なら $\sin(\theta_1+\theta_2)>0$ で、$t=\dfrac{c\sin\theta_2}{\sin(\theta_1+\theta_2)}>0$、$s=\dfrac{c\sin\theta_1}{\sin(\theta_1+\theta_2)}>0$ がただ 1 組に決まる。$\theta_1+\theta_2=180^\circ$ なら左辺は $0$、右辺は正で、$t$ はない。$\theta_1+\theta_2>180^\circ$ なら $\sin(\theta_1+\theta_2)<0$ で $t<0$ となり、正の $t$ はない。これで (2) と、(1) の点がただ 1 つあることが示された。
段 4(長さと座標)。$\lvert(\cos\theta_1,\sin\theta_1)\rvert=1$ なので $AP=t$、同じく $BP=s$ で、段 3 の値が (1) の式である。$P=t(\cos\theta_1,\ \sin\theta_1)=(AP\cos\theta_1,\ AP\sin\theta_1)$ で、直線 $AB$ は $x$ 軸なので、$P$ までの距離は $y$ 座標 $AP\sin\theta_1=\dfrac{c\sin\theta_1\sin\theta_2}{\sin(\theta_1+\theta_2)}$ である。$\square$
三角形 $PAB$ の $P$ の角は $180^\circ-\theta_1-\theta_2$ で、$\sin(180^\circ-\theta_1-\theta_2)=\sin(\theta_1+\theta_2)$ である。したがって (1) の $AP$、$BP$ の式は、正弦定理 $\dfrac{AP}{\sin\theta_2}=\dfrac{BP}{\sin\theta_1}=\dfrac{c}{\sin\angle APB}$ と同じ式である。座標で解くと、$P$ があるかどうか(段 3)まで一緒に分かる。
$\sin135^\circ=\dfrac{\sqrt2}2$ なので $AP=\dfrac{10\cdot\frac{\sqrt2}2}{\frac{\sqrt2}2}=10$、$BP=\dfrac{10\cdot1}{\frac{\sqrt2}2}=10\sqrt2$ で、$P=(10\cos90^\circ,\ 10\sin90^\circ)=(0,10)$ である。$P$ は $A$ の真上にある。
川のこちら岸に沿って、長さ $100$ m の基線 $AB$ をとる。向こう岸の木 $P$ の方向と基線のなす角を測ると、$A$ で $\theta_1=60^\circ$、$B$ で $\theta_2=45^\circ$ だった。$\theta_1+\theta_2=105^\circ$ で、加法定理から
$$
\sin105^\circ=\sin60^\circ\cos45^\circ+\cos60^\circ\sin45^\circ=\frac{\sqrt6+\sqrt2}4
$$
である。thm-sur-triangulation により
$$
AP=\frac{100\cdot\frac{\sqrt2}2}{\frac{\sqrt6+\sqrt2}4}=\frac{200}{\sqrt3+1}=100(\sqrt3-1)\fallingdotseq73.21,\qquad BP=\frac{100\cdot\frac{\sqrt3}2}{\frac{\sqrt6+\sqrt2}4}=\frac{200\sqrt3}{\sqrt6+\sqrt2}=50(3\sqrt2-\sqrt6)\fallingdotseq89.66
$$
である。$A$ を原点、$B$ を $(100,0)$ とすると
$$
P=\left(100(\sqrt3-1)\cdot\frac12,\ 100(\sqrt3-1)\cdot\frac{\sqrt3}2\right)=\left(50\sqrt3-50,\ 150-50\sqrt3\right)\fallingdotseq(36.60,\ 63.40)
$$
である。岸が基線と平行なら、川幅($P$ から直線 $AB$ までの距離)はおよそ $63.40$ m である。
$\dfrac{200\sqrt3}{\sqrt6+\sqrt2}=\dfrac{200\sqrt3(\sqrt6-\sqrt2)}{6-2}=50(\sqrt{18}-\sqrt6)=50(3\sqrt2-\sqrt6)$ である。$\overrightarrow{BP}=(50\sqrt3-150,\ 150-50\sqrt3)$ は $x$ 成分と $y$ 成分の絶対値が等しく、$x$ 成分が負、$y$ 成分が正なので、$x$ 軸の負の向きと $45^\circ$ をなす。これは $\theta_2=45^\circ$ と合う。長さは $\sqrt2\,(150-50\sqrt3)=50(3\sqrt2-\sqrt6)$ で、$BP$ の値と一致する。
ex-sur-river で求めた $AP=100(\sqrt3-1)$ を、次の基線にする。向こう岸のさらに遠くの点 $Q$(直線 $AP$ について $B$ と反対側にある)を $A$ と $P$ から見て、$\angle PAQ=75^\circ$、$\angle APQ=60^\circ$ を測ったとする。三角形 $APQ$ の $Q$ の角は $180^\circ-75^\circ-60^\circ=45^\circ$ で、正弦定理から
$$
AQ=\frac{AP\sin60^\circ}{\sin45^\circ}=100(\sqrt3-1)\cdot\frac{\sqrt3}{\sqrt2}=50(3\sqrt2-\sqrt6)\fallingdotseq89.66
$$
である。半直線 $AP$ は $x$ 軸の正の向きと $60^\circ$ をなし、$Q$ は $B$ と反対側にあるので、半直線 $AQ$ は $x$ 軸の正の向きと $60^\circ+75^\circ=135^\circ$ をなす。よって
$$
Q=\left(AQ\cos135^\circ,\ AQ\sin135^\circ\right)=\left(-(150-50\sqrt3),\ 150-50\sqrt3\right)\fallingdotseq(-63.40,\ 63.40)
$$
である。$Q$ まで行かず、長さを測ったのは基線 $AB$ の $100$ m だけで、あとは角を 4 つ測っただけである。
正弦定理から $PQ=\dfrac{AP\sin75^\circ}{\sin45^\circ}=100(\sqrt3-1)\cdot\dfrac{\sqrt6+\sqrt2}4\cdot\sqrt2=100(\sqrt3-1)\cdot\dfrac{\sqrt3+1}2=100$ である。座標でも $P$ と $Q$ の $y$ 座標が等しく、$x$ 座標の差は $(50\sqrt3-50)+(150-50\sqrt3)=100$ で、一致する。
基線 AB の両端で木 P の方向を測る。A の角は 60°、B の角は 45° で、P から AB までの距離が川幅になる
1 段目で求めた AP を次の基線にして、さらに遠くの点 Q の位置を求める
図 3 は ex-sur-river、図 4 は ex-sur-two-stage である。三角形をつなぐたびに、前の三角形の辺が次の基線になる。
thm-sur-height の図を、塔を含む鉛直な平面の上の図と見て、地面の直線を $x$ 軸にとる。$A$ を原点、$B$ を $(d,0)$ とすると、$\angle PAB=\alpha$、$\angle PBA=180^\circ-\beta$ である。$\theta_1=\alpha$、$\theta_2=180^\circ-\beta$ とおくと $\theta_1+\theta_2=180^\circ-(\beta-\alpha)<180^\circ$ で、thm-sur-triangulation の距離の式は
$$
\frac{d\sin\alpha\sin(180^\circ-\beta)}{\sin\bigl(180^\circ-(\beta-\alpha)\bigr)}=\frac{d\sin\alpha\sin\beta}{\sin(\beta-\alpha)}
$$
となり、thm-sur-height の式に一致する。2 点が根元をはさむ場合(rem-sur-both-sides)は $\theta_1=\alpha$、$\theta_2=\beta$ の場合にあたる。高さを測ることも、川幅を測ることも、「1 辺と両端の角から三角形を決める」という同じ計算である。
thm-sur-height と thm-sur-triangulation の仮定や、測った値が満たすはずの条件(thm-sur-height の配置なら $\alpha<\beta$)、測る量を変えると、高さや位置が決まらなくなったり、式が正しい値を与えなくなったりする。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 2 つの仰角が $\alpha<\beta$ | $\alpha=\beta=30^\circ$、$d=50$ | 高さが決まる(2 本の視線が平行で、先端の点がない) |
| $A$、$B$ が根元から出る同じ半直線の上 | 根元から $50$ m と $25$ m の、向きの違う 2 点 | thm-sur-height の式が正しい高さを与える($30$ m が $18\sqrt5\fallingdotseq40.25$ m になる) |
| $\theta_1+\theta_2<180^\circ$ | $c=100$、$\theta_1=100^\circ$、$\theta_2=90^\circ$ | 条件を満たす点 $P$ がある |
| 基線の両端で角を測る | $A$ で $\theta_1=60^\circ$ だけを測る | 位置が決まる(半直線の上のどこでもよい) |
$d=50$ で、$A$ でも $B$ でも仰角が $30^\circ$ だったとする。鉛直な平面で、地面を $x$ 軸、$A$ を原点、$B$ を $(50,0)$ とすると、$A$ からの視線は直線 $y=\dfrac{x}{\sqrt3}$、$B$ からの視線は直線 $y=\dfrac{x-50}{\sqrt3}$ である。2 本は傾きが等しく、切片が違うので平行で、交わらない。どちらの視線の上にもある先端 $P$ はなく、thm-sur-height の式も分母が $\sin0^\circ=0$ になって使えない。
実際の測量で 2 つの読みがほとんど等しいのは、塔がとても遠くにあるときである。たとえば $\beta=30.5^\circ$ なら式は $h\fallingdotseq1454$ m を与えるが、prop-sur-error のとおり、この値は角の読みのわずかな違いで大きく変わり、信用できない。
地面を上から見た図で、根元を $H(0,0)$、塔の高さを $30$ m とする。$A(50,0)$、$B(20,15)$ で観測すると、$AH=50$、$BH=25$、$d=AB=15\sqrt5$ で、$\tan\alpha=\dfrac35$、$\tan\beta=\dfrac65$ である。これを thm-sur-height の正接の形の式に入れると $18\sqrt5\fallingdotseq40.25$ となり、本当の高さ $30$ m と合わない。証明で使った $AH-BH=AB$ が成り立たないからである($AH-BH=25$、$AB=15\sqrt5\fallingdotseq33.54$)。2 点と根元が一直線に並ばないときは、thm-sur-height の式を使ってはいけない。
$BH=\sqrt{20^2+15^2}=25$、$AB=\sqrt{30^2+15^2}=\sqrt{1125}=15\sqrt5$、$\tan\alpha=\dfrac{30}{50}=\dfrac35$、$\tan\beta=\dfrac{30}{25}=\dfrac65$ である。
$$\frac{15\sqrt5\cdot\frac35\cdot\frac65}{\frac65-\frac35}=15\sqrt5\cdot\frac{18}{25}\cdot\frac53=18\sqrt5\fallingdotseq40.25$$
$c=100$、$\theta_1=100^\circ$、$\theta_2=90^\circ$ とする。thm-sur-triangulation の証明の半直線は、$\ell_1$ が $t(\cos100^\circ,\ \sin100^\circ)$ で $x$ 座標が負の側へ、$\ell_2$ が $B$ から真上へ伸びる $x=100$ である。$\ell_1$ の上の点の $x$ 座標は $t\cos100^\circ<0$ なので、$x=100$ にはならず、2 本は交わらない。
段 2 の式は $t\sin190^\circ=100\sin90^\circ$ で、$\sin190^\circ<0$ なので $t=\dfrac{100}{\sin190^\circ}<0$ となり、正の $t$ はない。
$A(0,0)$、$B(100,0)$ で、$A$ で $\angle PAB=60^\circ$ だけを測ったとする。$P_1(50,\ 50\sqrt3)$ も $P_2(100,\ 100\sqrt3)$ も、半直線 $\ell_1$ の上にあって $\angle P_1AB=\angle P_2AB=60^\circ$ を満たす。$B$ での角は、$P_1$ では $60^\circ$、$P_2$ では $90^\circ$ で違う。$B$ での角も測れば、$P$ は thm-sur-triangulation により 1 点に決まる。
2 つの仰角が等しいと、A と B からの視線は平行になり、交わらない
両端の角の和が 180° 以上だと、A と B から出る半直線は交わらない
図 5 は ex-sur-cx-equal、図 6 は ex-sur-cx-sum の 2 本の直線である。どちらも、1 辺と両端の角から三角形を作ろうとして、2 本の直線が三角形を閉じない場合である。
この記事では地面を平面とした。地球の大きさに比べて無視できないほど広い範囲の測量では、地面は球面に近い曲面で、三角形の辺は球面の上の大円の弧になる。球面の三角形では内角の和が $180^\circ$ より大きく、正弦定理は $\dfrac{\sin A}{\sin a}=\dfrac{\sin B}{\sin b}=\dfrac{\sin C}{\sin c}$(単位球面の上で、辺 $a,b,c$ は中心角)の形に変わる(球面三角法)。この記事では証明しない。
辺が球の半径に比べて小さい三角形では、各内角から「内角の和と $180^\circ$ の差」の $\dfrac13$ を引くと、3 辺の長さが同じ平面の三角形の角にほぼ等しい(Legendreの球面三角形の定理)。これもこの記事では証明しない。
thm-sur-triangulation は、2 つの角 $(\theta_1,\theta_2)$ から点 $P$ の座標 $(x,y)$ への対応を与える。2 つの角がそれぞれ少しずれたときに位置がどれだけずれるかは、この対応の偏微分を並べた行列(Jacobi行列)で見積もる。
$$(\theta_1,\theta_2)\longmapsto\left(\frac{c\sin\theta_2\cos\theta_1}{\sin(\theta_1+\theta_2)},\ \frac{c\sin\theta_1\sin\theta_2}{\sin(\theta_1+\theta_2)}\right)$$
式の分母 $\sin(\theta_1+\theta_2)$ が $0$ に近いとき、つまり $P$ の角 $\angle APB$ が $0^\circ$ や $180^\circ$ に近いときは、prop-sur-error と同じく、角の小さな誤差で位置が大きく変わりうる。
地点 $A$ から塔の先端を見上げた仰角が $30^\circ$ だった。塔の根元に向かってまっすぐ $40$ m 進んだ地点 $B$ では、仰角が $60^\circ$ だった。塔の高さを求めよ。
thm-sur-height の証明の段 1 から $\angle APB=60^\circ-30^\circ=30^\circ=\angle PAB$ なので、三角形 $PAB$ は $PB=AB=40$ の二等辺三角形である。直角三角形 $PBH$ で $h=40\sin60^\circ=20\sqrt3\fallingdotseq34.64$ で、高さはおよそ $34.64$ m である。式に入れても $\dfrac{40\sin30^\circ\sin60^\circ}{\sin30^\circ}=40\sin60^\circ=20\sqrt3$ となる。
高さ $60$ m の灯台の上から、灯台の根元を通る一直線の上の、根元の同じ側にある 2 隻の船を見下ろした。俯角はそれぞれ $45^\circ$ と $30^\circ$ だった。2 隻の船の間の距離を求めよ。
ex-sur-terms (1) のとおり、船から灯台の上を見上げた仰角は俯角に等しい。根元から船までの距離は $\dfrac{60}{\tan45^\circ}=60$ と $\dfrac{60}{\tan30^\circ}=60\sqrt3$ である。2 隻は根元の同じ側の一直線の上にあるので、間の距離は $60\sqrt3-60=60(\sqrt3-1)\fallingdotseq43.92$ で、およそ $43.92$ m である。thm-sur-height の式に $d=60(\sqrt3-1)$、$\alpha=30^\circ$、$\beta=45^\circ$ を入れると $h=\dfrac{60(\sqrt3-1)}{\sqrt3-1}=60$ にもどる(ex-sur-height-15 と同じ計算)。
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