余生成子

同義語:cogenerator余生成対象

概要

余生成子(cogenerator)とは、圏の対象 $Q$ であって、平行な射 $u\ne v\colon X\to Y$ に対し $\psi u\ne\psi v$ となる射 $\psi\colon Y\to Q$ が存在するもの、すなわち $\operatorname{Hom}(-,Q)$ が忠実になるものである。アーベル群の圏では $\mathbb Q/\mathbb Z$ が入射的な余生成子であり、環 $R$ 上の左加群の圏では $\operatorname{Hom}_{\mathbb Z}(R,\mathbb Q/\mathbb Z)$ がそうなる。アーベル圏に入射的余生成子 $Q$ があれば、$\operatorname{Hom}(-,Q)$ は完全かつ忠実で列の完全性を判定し、十分な入射対象の存在、平坦性の Lambek の判定法、Mitchell の埋め込み定理に使われる。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 圏, アーベル圏, 入射対象, 可除群

余生成子(cogenerator)は、圏の対象 $Q$ であって、$Q$ への射だけで平行な射の違いを見分けられるものである。アーベル群の圏では $\mathbb Q/\mathbb Z$ がその代表で、どんな零でない元も $\mathbb Q/\mathbb Z$ への準同型で零でない値をとる。双対の概念が生成子(生成対象)であり、加群の圏では環そのものが生成子になる。
入射的でもある余生成子(入射的余生成子)$Q$ をもつアーベル圏では、反変関手 $\operatorname{Hom}(-,Q)$ が完全かつ忠実になり、列が完全かどうかを $Q$ への射だけで判定できる。この性質は、Mitchellの埋め込み定理 の証明や、加群の平坦性を入射性に言い換える Lambek の判定法に使われる。

定義

この記事の圏は、どの二つの対象の間の射も集合をなす(局所小である)とする。

余生成子と生成子

$\mathcal C$ を圏とする。

  1. 対象 $Q$ が余生成子であるとは、平行な射 $u\ne v\colon X\rightrightarrows Y$ に対し、$\psi u\ne\psi v$ となる射 $\psi\colon Y\to Q$ が存在することをいう。
  2. 対象 $G$ が生成子(生成対象)であるとは、平行な射 $u\ne v\colon X\rightrightarrows Y$ に対し、$ux\ne vx$ となる射 $x\colon G\to X$ が存在することをいう。
  3. $\mathcal C$ がアーベル圏で、$Q$ が余生成子かつ入射対象であるとき、$Q$ を入射的余生成子という。

$Q$ が余生成子であることは、反変関手 $\operatorname{Hom}(-,Q)\colon\mathcal C^{\mathrm{op}}\to\mathbf{Set}$ が忠実関手であることと同じである。$Q$ は $\mathcal C$ の余生成子であることと、反対圏 $\mathcal C^{\mathrm{op}}$ の生成子であることは同値である。一つの対象の代わりに対象の集合で同じ条件を課したものを余生成集合といい、随伴関手定理 の特殊随伴関手定理の仮定に現れる。アーベル圏の生成子の扱いは Grothendieck圏 の記事にある。
文献によっては、$\operatorname{Hom}(-,Q)$ が射の同型を反映する($\operatorname{Hom}(f,Q)$ が全単射なら $f$ は同型)ことを余生成子の定義にする(KS06 Definition 5.2.1, p. 117)。有限余極限と小さい直積をもち、モノ射かつエピ射である射が同型である圏(たとえば小さい直積をもつアーベル圏)では、二つの定義は一致する(KS06 Proposition 5.2.4, pp. 118–119 を反対圏に当てたもの)。

アーベル圏での言い換え

$\mathcal A$ をアーベル圏、$Q$ をその対象とする。次の 1 と 2 は同値である。

  1. $Q$ は余生成子である。
  2. 零でない任意の射 $f\colon X\to Y$ に対し、$\psi f\ne0$ となる $\psi\colon Y\to Q$ がある。
    $\mathcal A$ が $Q$ の集合で添字づけられた直積をもつとき、1 と 2 は次の 3 とも同値である。
  3. 各対象 $X$ について、成分が $\psi\in\operatorname{Hom}(X,Q)$ である標準射 $c_X\colon X\to Q^{\operatorname{Hom}(X,Q)}$ はモノ射である。
    $Q$ が入射対象なら、1 と 2 は次の 4 とも同値である。
  4. 零でない任意の対象 $X$ について $\operatorname{Hom}(X,Q)\ne0$ である。

1 と 2:$\mathcal A$ は加法圏なので、$\psi u\ne\psi v$ は $\psi(u-v)\ne0$ と同じである。$f=u-v$ とおけばよい。
2 から 3:$k\colon K\to X$ を $c_X$ の核とする。各 $\psi\colon X\to Q$ について、射影 $p_\psi$ との合成で $\psi k=p_\psi c_Xk=0$ である。$k\ne0$ なら 2 により $\psi k\ne0$ となる $\psi$ があって矛盾するので、$k=0$ であり、$c_X$ はモノ射である。
3 から 2:$f\ne0$ なら、$c_Y$ がモノ射なので $c_Yf\ne0$ である。直積への射が零でないことは、ある成分が零でないことなので、ある $\psi$ で $p_\psi c_Yf=\psi f\ne0$ である。
2 から 4:$f=\mathrm{id}_X$ に当てればよい。4 から 2($Q$ が入射的なとき):$f\ne0$ の像 $\operatorname{Im}f$ は零でないので、零でない $\psi_0\colon\operatorname{Im}f\to Q$ がある。$Q$ の入射性により、$\psi_0$ はモノ射 $\operatorname{Im}f\to Y$ に沿って $\psi\colon Y\to Q$ に延びる。$f$ は $X\to\operatorname{Im}f\to Y$ と分解し、前半はエピ射なので、$\psi f=\psi_0\circ(X\to\operatorname{Im}f)\ne0$ である。$\square$

例

加群の圏の入射的余生成子
  1. $\mathbb Q/\mathbb Z$ はアーベル群の圏 $\mathbf{Ab}$ の入射的余生成子である。
  2. $R$ を環とし、アーベル群 $R^\vee:=\operatorname{Hom}_{\mathbb Z}(R,\mathbb Q/\mathbb Z)$ に $(r\varphi)(s):=\varphi(sr)$ で左 $R$ 加群の構造を入れる。$R^\vee$ は左 $R$ 加群の圏 $R\text{-}\mathbf{Mod}$ の入射的余生成子である。

1:$\mathbb Q/\mathbb Z$ は可除群なので入射的である(可除群 の定理「可除群と入射性」)。prop-cogenerator-abelian の 4 を示す。$X\ne0$ と $0\ne x\in X$ をとる。巡回群 $\langle x\rangle$ は $\mathbb Z/d$($d=0$ または $d\ge2$)と同型である。$d\ge2$ なら $x\mapsto\frac1d+\mathbb Z$、$d=0$ なら $x\mapsto\frac12+\mathbb Z$ で準同型 $\langle x\rangle\to\mathbb Q/\mathbb Z$ が定まり、$x$ の行き先は $0$ でない。$\mathbb Q/\mathbb Z$ の入射性により、これは $X$ 全体からの準同型 $\varphi$ に延び、$\varphi(x)\ne0$ である。
2:$R^\vee$ が入射的であることは 入射対象 の補題「係数の取り替えによる入射加群の構成」による。$M\ne0$ を左 $R$ 加群とする。1 により、アーベル群の準同型 $\varphi\colon M\to\mathbb Q/\mathbb Z$ と $m\in M$ で $\varphi(m)\ne0$ となるものがある。$\psi(m')(r):=\varphi(rm')$ で $\psi\colon M\to R^\vee$ を定めると、$(r'\psi(m'))(r)=\psi(m')(rr')=\varphi(rr'm')=\psi(r'm')(r)$ なので $\psi$ は $R$ 線形であり、$\psi(m)(1)=\varphi(m)\ne0$ なので $\psi\ne0$ である。よって 4 が成り立つ。$\square$

ほかの例を挙げる。

  • 体 $k$ 上のベクトル空間の圏では、$k$ が入射的余生成子である。零でない空間は零でない線形形式をもち、部分空間はいつも直和因子なので $k$ は入射的である。
  • 集合の圏では 2 元集合 $\{0,1\}$ が余生成子である。$u\ne v\colon X\to Y$ なら $u(x)\ne v(x)$ となる $x$ があり、$u(x)$ で $1$、それ以外で $0$ をとる写像 $\psi$ が $\psi u\ne\psi v$ を満たす。位相空間の圏では、2 点からなる密着位相の空間が同じ理由で余生成子である(密着位相の空間への写像はすべて連続)。
  • $\mathbf{Ab}$ で、$\mathbb Z$ は生成子だが余生成子でない($\operatorname{Hom}(\mathbb Q,\mathbb Z)=0$)。$\mathbb Q$ は入射的だが余生成子でない($\operatorname{Hom}(\mathbb Z/2,\mathbb Q)=0$)。素数 $p$ の Prüfer群 $\mathbb Z/p^\infty$ も、$p$ と異なる素数 $\ell$ について $\operatorname{Hom}(\mathbb Z/\ell,\mathbb Z/p^\infty)=0$ なので余生成子でない。
反例:余生成子をもたない圏

有限生成アーベル群の圏 $\mathcal F$ には余生成子がない。$Q\in\mathcal F$ とすると、$Q$ の捩れ部分群(捩れ(加群))は有限なので、ある素数 $p$ と $k\ge0$ について、$Q$ の位数が $p$ の冪である元はすべて位数が $p^k$ 以下である。$X=\mathbb Z/p^{k+1}$ と、零でない自己準同型 $f\colon X\to X$($1\mapsto p^k$)をとる。任意の $\psi\colon X\to Q$ について、$\psi(1)$ の位数は $p^{k+1}$ の約数なので $p^k\psi(1)=0$、すなわち $\psi f=0$ である。よって prop-cogenerator-abelian の 2 が成り立たない。一方 $\mathbb Z$ は $\mathcal F$ の生成子なので、生成子と余生成子の存在は別の条件である。

入射的余生成子と完全性

入射的余生成子は完全性を判定する

$\mathcal A$ をアーベル圏、$Q$ を入射的余生成子とし、$D:=\operatorname{Hom}(-,Q)\colon\mathcal A^{\mathrm{op}}\to\mathbf{Ab}$ とおく。

  1. $D$ は完全かつ忠実である。
  2. 射の列 $X\xrightarrow{f}Y\xrightarrow{g}Z$ が $Y$ で完全であることと、$D(Z)\xrightarrow{D(g)}D(Y)\xrightarrow{D(f)}D(X)$ が $D(Y)$ で完全であることは同値である。
  3. とくに、$f$ がモノ射であることと $D(f)$ が全射であることは同値であり、$f$ がエピ射であることと $D(f)$ が単射であることは同値である。

1:$Q$ が入射的なので $D$ は完全である(入射対象 の命題「入射性と $\operatorname{Hom}$ 関手の完全性」)。$Q$ が余生成子なので $D$ は忠実である。
2:$D$ は完全なので、元の列が完全なら $D$ を当てた列も完全である。逆を示す。$D$ を当てた列が完全だとすると、$D(gf)=D(f)D(g)=0$ であり、$D$ は忠実なので $gf=0$ である。よって $\operatorname{Im}f\subset\ker g$ であり、ホモロジー対象 $E:=\ker g/\operatorname{Im}f$ が定まる。完全な関手は核・像・余核を保つので、$D(E)$ は $D$ を当てた列の $D(Y)$ でのホモロジー対象と同型であり、仮定から $D(E)=0$ である。prop-cogenerator-abelian の 4 により $E=0$ となり、元の列は $Y$ で完全である。
3:$f$ がモノ射であることは $0\to X\xrightarrow{f}Y$ が $X$ で完全であることなので、2 により $D(Y)\xrightarrow{D(f)}D(X)\to0$ の完全性、すなわち $D(f)$ の全射性と同値である。エピ射についても $X\xrightarrow{f}Y\to0$ に 2 を当てればよい。$\square$

十分な入射対象

アーベル圏 $\mathcal A$ が小さい直積と入射的余生成子 $Q$ をもてば、各対象 $X$ は標準射 $c_X$ によって入射対象 $Q^{\operatorname{Hom}(X,Q)}$ に埋め込まれる。とくに $\mathcal A$ は十分な入射対象をもつ。

prop-cogenerator-abelian の 3 により $c_X$ はモノ射である。入射対象の直積は入射対象である(入射対象 の命題「入射対象の直積」)。$\square$

thm-cogenerator-qz の 2 とこの系を合わせると、$R\text{-}\mathbf{Mod}$ が十分な入射対象をもつことの別証明になる(Wei94 Exercise 2.3.5, p. 42 はこの形の証明を演習にしている)。より一般に、Grothendieck圏 は入射的余生成子をもつ(KS06 Theorem 9.6.3, p. 236。この記事では証明しない)。Mitchellの埋め込み定理 の証明は、このような入射的余生成子 $I$ について $\operatorname{Hom}(-,I)$ が完全かつ忠実であること(上の定理の 1)を使う。

平坦性の判定

$R$ を環とし、左 $R$ 加群 $M$ が平坦であるとは、右 $R$ 加群の圏上の関手 $-\otimes_RM$ が完全であることをいう(平坦加群)。$-\otimes_RM$ はいつも右完全なので(テンソル積)、平坦性は「右 $R$ 加群の単射 $\iota\colon N'\to N$ について $\iota\otimes M$ が単射であること」と同じである。$M$ の指標加群を $M^+:=\operatorname{Hom}_{\mathbb Z}(M,\mathbb Q/\mathbb Z)$ とし、$(\varphi r)(m):=\varphi(rm)$ で右 $R$ 加群とみる。

Lambek の判定法

左 $R$ 加群 $M$ が平坦であることと、$M^+$ が入射的な右 $R$ 加群であることは同値である。

右 $R$ 加群 $N$ に対し、写像
$$ \Phi_N\colon\operatorname{Hom}_{\mathbb Z}(N\otimes_RM,\mathbb Q/\mathbb Z)\to\operatorname{Hom}_R(N,M^+),\qquad\Phi_N(h)(n)(m):=h(n\otimes m) $$
は $N$ について自然な同型である。実際、$\Phi_N(h)(nr)(m)=h(nr\otimes m)=h(n\otimes rm)=(\Phi_N(h)(n)\,r)(m)$ なので $\Phi_N(h)$ は $R$ 線形であり、逆写像は $k\mapsto(n\otimes m\mapsto k(n)(m))$ で与えられる($n\otimes m$ について双加法的で $nr\otimes m$ と $n\otimes rm$ に同じ値を与えるので、テンソル積 の普遍性により定まる)。
右 $R$ 加群の単射 $\iota\colon N'\to N$ をとる。$D=\operatorname{Hom}_{\mathbb Z}(-,\mathbb Q/\mathbb Z)$ とすると、thm-cogenerator-qz の 1 と thm-cogenerator-reflects の 3 により、$\iota\otimes M$ が単射であることは $D(\iota\otimes M)$ が全射であることと同値である。$\Phi$ の自然性から、これは制限写像 $\iota^*\colon\operatorname{Hom}_R(N,M^+)\to\operatorname{Hom}_R(N',M^+)$ が全射であることと同値である。
したがって、$M$ が平坦であることは、すべての単射 $\iota$ について $\iota^*$ が全射であること、すなわち $M^+$ が入射的であること(入射対象 の命題「入射性と $\operatorname{Hom}$ 関手の完全性」)と同値である。$\square$

たとえば $\mathbb Q^+=\operatorname{Hom}(\mathbb Q,\mathbb Q/\mathbb Z)$ は可除群なので入射的で、$\mathbb Q$ は平坦な $\mathbb Z$ 加群である。一方 $(\mathbb Z/2)^+\cong\mathbb Z/2$ は可除でないので入射的でなく、$\mathbb Z/2$ は平坦でない。この判定法は Wei94 Proposition 3.2.4(pp. 69–70)の 1 と 2 の同値にあたる。

反例の表

thm-cogenerator-reflects と cor-cogenerator-enough-injectives の仮定を 1 つずつ外した例である。いずれも $\mathcal A=\mathbf{Ab}$ とする。

外す条件反例成り立たなくなること
$Q$ の入射性(定理の 1)$Q=\mathbb Q/\mathbb Z\oplus\mathbb Z$$D$ の完全性
$Q$ の余生成性(定理の 2)$Q=\mathbb Q$完全性の判定
$Q$ の入射性(系)$Q=\mathbb Q/\mathbb Z\oplus\mathbb Z$$Q^{\operatorname{Hom}(X,Q)}$ が入射対象であること

1 行目:$\mathbb Q/\mathbb Z$ を直和因子にもつので、thm-cogenerator-qz の 1 から $Q$ は余生成子である。単射 $2\colon\mathbb Z\to\mathbb Z$ に $D$ を当てると、$D(\mathbb Z)\cong Q$ 上の 2 倍写像になり、$(0,1)$ は像に入らないので全射でない。2 行目:$\mathbb Q$ は可除群なので入射的である。列 $0\to\mathbb Z/2\to0$ は $\mathbb Z/2$ で完全でないが、$\operatorname{Hom}(\mathbb Z/2,\mathbb Q)=0$ なので $D$ を当てた列 $0\to0\to0$ は完全である。3 行目:$X=\mathbb Z$ とすると、添字集合 $\operatorname{Hom}(\mathbb Z,Q)$ は空でないので、$Q^{\operatorname{Hom}(\mathbb Z,Q)}$ は $\mathbb Z^{\operatorname{Hom}(\mathbb Z,Q)}$ を直和因子にもつ。この直積の元 $(1,1,\dots)$ は 2 で割れないので直積は可除でなく、$Q^{\operatorname{Hom}(\mathbb Z,Q)}$ も可除でない(可除群の直和因子は可除)。よって入射的でない。

補足

生成子との双対性。 加群の圏 $R\text{-}\mathbf{Mod}$ では $R$ が生成子であり、任意の加群は $R$ の直和の商になる。余生成子の側では、cor-cogenerator-enough-injectives のとおり任意の加群が $R^\vee$ の直積の部分加群になる。直和と商が直積と部分対象に入れ替わる点が双対性の現れである。射影的な生成子で加群の圏を特徴づける理論は 森田同値 の記事にある。
$\mathbb Q/\mathbb Z$ はどの入射的余生成子にも含まれる。 $Q$ を $\mathbf{Ab}$ の入射的余生成子、$p$ を素数とする。$\operatorname{Hom}(\mathbb Z/p,Q)\ne0$ なので $Q$ は位数 $p$ の部分群をもち、その包含を $Q$ の入射性で $\mathbb Z/p^\infty\supset\mathbb Z/p$ 全体へ延ばせる。$\mathbb Z/p^\infty$ の零でない部分群はどれも $\mathbb Z/p$ を含むので、延ばした準同型の核は $0$ であり、$Q$ は $\mathbb Z/p^\infty$ と同型な部分群 $D_p$ をもつ。$D_p$ たちは位数が互いに素な元からなるので和は直和 $\bigoplus_pD_p\cong\mathbb Q/\mathbb Z$ になり、これは可除なので $Q$ の直和因子である(可除群 の命題「可除な部分群は直和因子」)。

関連項目

参考文献

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