位相空間の点 $x$ が閉点であるとは、$\{x\}$ が閉集合であることをいう。
位相空間 $X$ が $T_1$-空間であることは、$X$ の任意の点が閉点であることと同値である。よって、空間のHausdorff性などが基本的に仮定されるような文脈においては「閉点」という概念は自明化される。
一般の位相空間は必ずしも $T_1$-空間ではない。このようなものの例として、環 $R$ についてのZariski位相空間 $\mathrm{Spec}(R)$ などがある。このとき $\mathrm{Spec}(R)$ の閉点は、極大イデアルに対応する点に限られる。
選択公理の仮定のもとでは、任意の非零な環には極大イデアルが存在する。よって、非空なアフィンスキームは必ず閉点を持つ。しかし、一般のスキームについては、必ずしも閉点を持つとは限らない。