Lie括弧

同義語:リー括弧Lie bracket

概要

Lie括弧(Lie bracket)とは、多様体上の 2 つの滑らかなベクトル場 $X,Y$ から、関数 $f$ に $X(Yf)-Y(Xf)$ を対応させることで定まる新しいベクトル場 $[X,Y]$ である。ベクトル場を関数の導分とみたときの交換子であり、双線形・交代的で Jacobi 恒等式をみたすので、ベクトル場の全体は Lie 環になる。$[X,Y]$ は $Y$ の $X$ による Lie 微分に等しく、完備な場の流れが可換であることは $[X,Y]=0$ と同値であり、流れで $X,Y,-X,-Y$ の順に時間 $s$ ずつ進むと出発点から $s^3$ の程度の誤差を除いて $s^2[X,Y]$ だけずれる。行列 Lie 群の左不変なベクトル場では行列の交換子に一致する。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: ベクトル場, 導分, 接ベクトル, ベクトル場の流れ

平面で「東へ $s$ 進み、北へ $s$ 進み、西へ $s$ 戻り、南へ $s$ 戻る」と、出発点に帰ってくる。ところが、進む向きが場所によって変わる 2 つのベクトル場 $X,Y$ の流れで同じことをすると、一般には出発点に戻らず、$s^2$ 程度のずれが残る。このずれの向きと大きさを与えるベクトル場が $X$ と $Y$ の Lie 括弧(Lie bracket)$[X,Y]$ である。代数的には、ベクトル場を関数の微分作用素とみたときの交換子 $XY-YX$ であり、2 階の微分の部分が打ち消し合うので再びベクトル場になる。Lie 括弧によってベクトル場の全体は Lie環 になり、Lie 群の Lie 環、Lie 微分、外微分の座標によらない公式、曲率、分布の可積分性(Frobenius の定理)など、微分幾何学の多くの場面に現れる。

定義

以下、$M$ を $n$ 次元の滑らかな多様体(可微分多様体)、$C^\infty(M)$ を $M$ 上の滑らかな関数の全体、$\mathfrak{X}(M)$ を $M$ 上の滑らかなベクトル場の全体とする。ベクトル場 $X$ と関数 $f$ に対し、$Xf\in C^\infty(M)$ を $(Xf)(p):=X_p(f)$ で定める($X_p$ は点 $p$ での接ベクトル)。対応 $f\mapsto Xf$ は $C^\infty(M)$ の導分であり、逆に $C^\infty(M)$ の導分はただ 1 つのベクトル場から来る(ベクトル場の記事の定理「ベクトル場と導分の対応」)。

Lie 括弧

$X,Y\in\mathfrak{X}(M)$ の Lie 括弧 $[X,Y]\in\mathfrak{X}(M)$ とは、すべての $f\in C^\infty(M)$ について
$$ [X,Y]f=X(Yf)-Y(Xf) $$
をみたすベクトル場である。点 $p$ での値は $[X,Y]_p(f)=X_p(Yf)-Y_p(Xf)$ である。

このようなベクトル場がただ 1 つあることは次のように分かる。$D:=X\circ Y-Y\circ X\colon C^\infty(M)\to C^\infty(M)$ は $\mathbb{R}$ 線形で、Leibniz 則により
$$ X(Y(fg))=(Xf)(Yg)+f\,X(Yg)+(Xg)(Yf)+g\,X(Yf) $$
となり、$X$ と $Y$ を入れ替えた式を引くと 1 階どうしの積 $(Xf)(Yg)$、$(Xg)(Yf)$ が打ち消し合って $D(fg)=f\,Dg+g\,Df$ が残る。よって $D$ は導分であり、導分とベクトル場の対応により $D$ を与えるベクトル場がただ 1 つある。これはベクトル場の記事の命題「Lie括弧はベクトル場である」の証明と同じ議論である。合成 $X\circ Y$ 自身は導分でない(ex-lie-bracket-counterexamples の 1 行目)。

局所座標での成分

局所座標 $(U;x^1,\dots,x^n)$ で $X=\sum_iX^i\,\partial_i$、$Y=\sum_iY^i\,\partial_i$($\partial_i:=\partial/\partial x^i$)と書くと、$U$ の上で
$$ [X,Y]=\sum_{j=1}^n\Bigl(\sum_{i=1}^n\bigl(X^i\,\partial_iY^j-Y^i\,\partial_iX^j\bigr)\Bigr)\partial_j $$
である。とくに $\mathbb{R}^n$ の開集合でベクトル場を $\mathbb{R}^n$ 値関数とみると、$[X,Y]=DY\cdot X-DX\cdot Y$($DX$ は $X$ の Jacobi 行列)である。

$f$ を $U$ 上の関数とすると
$$ X(Yf)=\sum_{i,j}X^i\,\partial_i\bigl(Y^j\,\partial_jf\bigr)=\sum_{i,j}X^i\,(\partial_iY^j)\,\partial_jf+\sum_{i,j}X^iY^j\,\partial_i\partial_jf $$
である。$Y(Xf)$ も同様で、2 階の項 $\sum_{i,j}X^iY^j\,\partial_i\partial_jf$ と $\sum_{i,j}Y^iX^j\,\partial_i\partial_jf$ は偏微分の順序交換 $\partial_i\partial_jf=\partial_j\partial_if$ により等しいので、差をとると消える。残りが主張の式である。$[X,Y]$ の $U$ への制限が $U$ 上の Lie 括弧に等しいことは、接ベクトルの局所性(接ベクトルの記事の命題「点導分の基本性質」の (iii))による。$\square$

成分の式は Nic26 Lemma 3.1.10 の証明(式 (3.1.4)、p. 84–85)と同じであり、Lie微分の記事の系「Lie 括弧の成分表示と基本性質」にもある。

名前と記号について

「Lie 括弧」は、この記事のベクトル場の括弧のほか、一般の Lie環 の括弧積(行列の交換子 $XY-YX$、空間ベクトルの外積など)を指しても使われる。ベクトル場の全体 $\mathfrak{X}(M)$ は Lie 括弧について Lie 環になり(prop-lie-bracket-basic)、Lie環の記事の例「ベクトル場の Lie 括弧」がこの例を挙げている。符号の約束は $[X,Y]=XY-YX$ であり、ベクトル場・Lie微分・外微分の記事と同じである。この約束のもとでの行列の交換子との符号の対応は ex-lie-bracket-matrix で確かめる。

例

座標ベクトル場と Heisenberg 型の関係

座標ベクトル場どうしは可換である:prop-lie-bracket-coordinates で成分が定数なので $[\partial_i,\partial_j]=0$ である(偏微分の順序交換)。
$\mathbb{R}^3$(座標 $x,y,z$)の $X:=\partial_x$、$Y:=\partial_y+x\,\partial_z$、$Z:=\partial_z$ について、成分の式から
$$ [X,Y]=Z,\qquad[X,Z]=0,\qquad[Y,Z]=0 $$
である($Y$ の成分 $(0,1,x)$ のうち $x$ だけが変数に依存し、$X^1\partial_xY^3=1$ が $[X,Y]$ の $z$ 成分になる)。これは Lie環の記事の例「Heisenberg Lie 環」と同じ関係式である。平面の $\partial_x$ と $x\,\partial_y$ でも同様に $[\partial_x,x\,\partial_y]=\partial_y$ である。

極座標と正規直交枠

$\mathbb{R}^2\setminus\{0\}$ の極座標 $(r,\theta)$ の座標ベクトル場は、直交座標で
$$ \partial_r=\frac{x\,\partial_x+y\,\partial_y}{r},\qquad\partial_\theta=-y\,\partial_x+x\,\partial_y\qquad(r=\sqrt{x^2+y^2}) $$
である。これらは座標ベクトル場なので $[\partial_r,\partial_\theta]=0$ であり、直交座標の成分の式で計算しても $0$ になる。一方、長さを $1$ にそろえた正規直交枠 $e_r:=\partial_r$、$e_\theta:=\frac1r\partial_\theta$ では
$$ [e_r,e_\theta]=\Bigl(\partial_r\frac1r\Bigr)\partial_\theta+\frac1r[\partial_r,\partial_\theta]=-\frac1{r^2}\,\partial_\theta=-\frac1r\,e_\theta\neq0 $$
である(prop-lie-bracket-basic の (iii))。可換でない 2 つのベクトル場は、ある局所座標の座標ベクトル場にはなれないので、$(e_r,e_\theta)$ はどの局所座標の座標枠でもない。

回転の場と $\mathfrak{so}(3)$

$\mathbb{R}^3$ で、ベクトル $a$ を軸とする無限小回転の場を $V_a(x):=a\times x$ とする。$R_i:=V_{e_i}$ と書くと
$$ R_1=y\,\partial_z-z\,\partial_y,\qquad R_2=z\,\partial_x-x\,\partial_z,\qquad R_3=x\,\partial_y-y\,\partial_x $$
であり($R_3$ の流れは $z$ 軸のまわりの角度 $t$ の回転)、成分の式から
$$ [R_1,R_2]=-R_3,\qquad[R_2,R_3]=-R_1,\qquad[R_3,R_1]=-R_2 $$
である。一般に $[V_a,V_b]=-V_{a\times b}$ となる($V_a$ は行列 $L_a$ の定める線形な場なので、次の例の $[V_A,V_B]=-V_{[A,B]}$ と $[L_a,L_b]=L_{a\times b}$ による)。したがって $a\mapsto-V_a$ は外積の Lie 環 $(\mathbb{R}^3,\times)$ からベクトル場の Lie 環への準同型であり、Lie環の記事の命題「外積の Lie 環と $\mathfrak{so}(3)$」の同型 $a\mapsto L_a$($L_a$ は $x\mapsto a\times x$ の行列)と比べると、符号が 1 つ入れ替わる。

線形なベクトル場と左不変ベクトル場

$A,B$ を $n$ 次実正方行列とし、$\mathbb{R}^n$ 上の線形なベクトル場 $V_A(x):=Ax$、$V_B(x):=Bx$ を考える。$DV_A=A$ なので、prop-lie-bracket-coordinates により
$$ [V_A,V_B](x)=B\,Ax-A\,Bx=-(AB-BA)x,\qquad\text{すなわち}\qquad[V_A,V_B]=-V_{[A,B]} $$
である($[A,B]:=AB-BA$)。$V_A$ の流れは $x\mapsto e^{tA}x$(ベクトル場の流れの記事の定理「線形なベクトル場の流れ」)で、群 $GL_n(\mathbb{R})$ の左からの作用で動かす流れである。
これに対し、$GL_n(\mathbb{R})$($n^2$ 次元の開集合 $\subset M_n(\mathbb{R})$)上の左不変なベクトル場 $\tilde H(g):=gH$($H\in M_n(\mathbb{R})$)は、$M_n(\mathbb{R})$ の線形写像 $g\mapsto gH$ で与えられる線形なベクトル場なので、同じ計算で
$$ [\tilde H,\tilde K](g)=gHK-gKH=g[H,K],\qquad\text{すなわち}\qquad[\tilde H,\tilde K]=\widetilde{[H,K]} $$
となり、行列の交換子と符号まで一致する。流れが右からの積 $g\mapsto ge^{tH}$ である場(左不変)では交換子と一致し、流れが左からの積である場($g\mapsto Hg$ などの右不変な場や $\mathbb{R}^n$ 上の $V_A$)では符号が反転する。

ベクトル場流れ括弧と交換子の関係
$GL_n(\mathbb{R})$ 上の左不変な場 $g\mapsto gH$$g\mapsto ge^{tH}$$[\tilde H,\tilde K]=\widetilde{[H,K]}$
$GL_n(\mathbb{R})$ 上の右不変な場 $g\mapsto Hg$$g\mapsto e^{tH}g$符号が反転する
$\mathbb{R}^n$ 上の線形な場 $x\mapsto Ax$$x\mapsto e^{tA}x$$[V_A,V_B]=-V_{[A,B]}$

Lie群の記事は、行列 Lie 群の Lie 環を単位元での接空間とし、括弧を交換子 $XY-YX$ で定めている。上の計算により、これは左不変なベクトル場の Lie 括弧と一致する(Lie群の記事の注意「一般の Lie 群の Lie 環と指数写像」の定め方と同じ)。Nic26 Exercise 3.1.21(p. 90)も同じ一致を演習として挙げている。

代数的な性質

Lie 括弧の基本性質

$X,Y,Z\in\mathfrak{X}(M)$、$f\in C^\infty(M)$ とする。
(R1) $(X,Y)\mapsto[X,Y]$ は $\mathbb{R}$ 双線形で、$[X,X]=0$、$[X,Y]=-[Y,X]$ である。
(R2) Jacobi 恒等式 $[X,{[Y,Z]}]+[Y,{[Z,X]}]+[Z,{[X,Y]}]=0$ が成り立つ。
(R3) $[X,fY]=f[X,Y]+(Xf)\,Y$、$[fX,Y]=f[X,Y]-(Yf)\,X$ である。
(R4) したがって $\mathfrak{X}(M)$ は Lie 括弧について実 Lie 環であるが、Lie 括弧は $C^\infty(M)$ 双線形ではない。

(i):定義の式は $X$ についても $Y$ についても線形であり、$X=Y$ なら $X(Xf)-X(Xf)=0$ である。$0=[X+Y,X+Y]=[X,Y]+[Y,X]$ から反対称性が従う。
(ii):関数 $h$ に作用させると $[X,{[Y,Z]}]h=XYZh-XZYh-YZXh+ZYXh$($XYZh:=X(Y(Zh))$ などと略記)である。$X,Y,Z$ を巡回的に入れ替えた 3 つの式を足すと、6 通りの並べ方 $XYZ,XZY,\dots$ の各項がちょうど 1 回ずつ正と負の符号で現れ、和は $0$ になる。
(iii):$h\in C^\infty(M)$ について、Leibniz 則により
$$ [X,fY]h=X\bigl(f\,Yh\bigr)-f\,Y(Xh)=(Xf)(Yh)+f\,X(Yh)-f\,Y(Xh)=\bigl((Xf)\,Y+f[X,Y]\bigr)h $$
である。後半は反対称性と前半から $[fX,Y]=-[Y,fX]=-f[Y,X]-(Yf)\,X$ となる。
(iv):(i)(ii) が Lie 環の条件である。$C^\infty(M)$ 双線形でないことは、(iii) で $Xf\neq0$、$Y\neq0$ となる例($M=\mathbb{R}^2$、$X=\partial_x$、$Y=\partial_y$、$f=x$ では $[X,fY]=\partial_y\neq0=f[X,Y]$)から分かる。$\square$

(ii) は、導分の交換子が Lie 環をなすという一般論(導分の記事の命題「導分の交換子とLie環の構造」)の特別な場合でもある。(iii)(iv) により、$[X,Y]$ の点 $p$ での値は $X_p$ と $Y_p$ だけでは決まらず、$p$ の近くでの $X,Y$ の 1 階の変化に依存する。この点で Lie 括弧は、接続による共変微分 $\nabla_XY$($X$ について $C^\infty(M)$ 線形)とも、テンソル場とも異なる。

自然性

写像で移したベクトル場の括弧は、括弧を移したものに等しい。これを写像が微分同相でない場合も含めて述べるために、次の言葉を使う。

写像に関係するベクトル場

$F\colon M\to N$ を滑らかな写像、$X\in\mathfrak{X}(M)$、$X'\in\mathfrak{X}(N)$ とする。すべての $p\in M$ で
$$ dF_p(X_p)=X'_{F(p)} $$
が成り立つとき、$X$ と $X'$ は $F$ 関係にあるという($dF_p$ は接ベクトルの記事の定義「写像の微分と押し出し」)。$F$ が微分同相写像なら、$(F_*X)_{F(p)}:=dF_p(X_p)$ で定まる $F_*X\in\mathfrak{X}(N)$ は $X$ と $F$ 関係にあるただ 1 つのベクトル場である。

Lie 括弧の自然性

$F\colon M\to N$ を滑らかな写像とする。
(R1) $X$ と $X'$ が $F$ 関係にあることは、すべての $g\in C^\infty(N)$ について $X(g\circ F)=(X'g)\circ F$ となることと同値である。
(R2) $X$ と $X'$、$Y$ と $Y'$ がそれぞれ $F$ 関係にあるなら、$[X,Y]$ と $[X',Y']$ も $F$ 関係にある。
(R3) とくに $F$ が微分同相写像なら $F_*[X,Y]=[F_*X,F_*Y]$ である。

(i):$p\in M$、$g\in C^\infty(N)$ について $X_p(g\circ F)=dF_p(X_p)(g)$ であり、$\bigl((X'g)\circ F\bigr)(p)=X'_{F(p)}(g)$ である。接ベクトルは関数への作用で決まるので、両者がすべての $p,g$ で等しいことと $dF_p(X_p)=X'_{F(p)}$ がすべての $p$ で成り立つことは同値である。
(ii):(i) を $X$ と $Y$ について使うと、$g\in C^\infty(N)$ について
$$ [X,Y](g\circ F)=X\bigl((Y'g)\circ F\bigr)-Y\bigl((X'g)\circ F\bigr)=\bigl(X'(Y'g)\bigr)\circ F-\bigl(Y'(X'g)\bigr)\circ F=\bigl([X',Y']g\bigr)\circ F $$
である(2 つ目の等号では $Y'g$、$X'g$ に (i) を使った)。(i) により $[X,Y]$ と $[X',Y']$ は $F$ 関係にある。
(iii):$X$ と $F_*X$、$Y$ と $F_*Y$ は $F$ 関係にあるので、(ii) により $[X,Y]$ と $[F_*X,F_*Y]$ も $F$ 関係にあり、その唯一性から $F_*[X,Y]=[F_*X,F_*Y]$ である。$\square$

Nic26 Proposition 3.1.12(p. 86)は Lie 微分の自然性として (iii) を含む主張を述べ、Example 3.1.19(p. 89)はこれを使って Lie 群の左不変なベクトル場が Lie 括弧で閉じることを導いている。実際、左移動 $L_g$ で不変なベクトル場 $X,Y$($(L_g)_*X=X$)について、(iii) により $(L_g)_*[X,Y]=[X,Y]$ である。
prop-lie-bracket-natural の (ii) は $F$ が包含写像のときにも使える。$S\subset M$ を部分多様体、$\iota\colon S\hookrightarrow M$ を包含写像とし、$X,Y\in\mathfrak{X}(M)$ が $S$ の各点で $S$ に接しているとする($X_q\in d\iota_q(T_qS)$)。このとき $X,Y$ を $S$ に制限したベクトル場 $X_S,Y_S$ は $X,Y$ と $\iota$ 関係にある($X_S$ が滑らかであることは、$S$ を平らにする局所座標で成分を見れば分かる)ので、$[X,Y]$ は $[X_S,Y_S]$ と $\iota$ 関係にあり、とくに $S$ に接する。行列 Lie 群 $G\subset GL_n(\mathbb{R})$ に接する左不変な場 $g\mapsto gH$、$g\mapsto gK$($H,K\in\mathfrak{g}$)に当てはめると、ex-lie-bracket-matrix により $g\mapsto g[H,K]$ も $G$ に接し、$[H,K]\in\mathfrak{g}$ である。これはLie群の記事の命題「Lie 環は交換子で閉じている」の別の見方である。

流れとの関係

以下、$X,Y\in\mathfrak{X}(M)$ の流れ(ベクトル場の流れ)をそれぞれ $\Phi_t$、$\Psi_t$ と書く。

Lie 微分としての Lie 括弧

$Y$ を $X$ の流れで引き戻したベクトル場 $\bigl((\Phi_{-t})_*Y\bigr)_p:=d(\Phi_{-t})_{\Phi_t(p)}\bigl(Y_{\Phi_t(p)}\bigr)$($\Phi_t(p)$ での $Y$ の値を流れで $p$ まで運び戻したもの)の $t=0$ での変化率が、Lie 括弧である。

Lie 括弧は Lie 微分である

各点 $p\in M$ で
$$ [X,Y]_p=\frac{d}{dt}\Big|_{t=0}d(\Phi_{-t})_{\Phi_t(p)}\bigl(Y_{\Phi_t(p)}\bigr)=(\mathcal{L}_XY)_p $$
である(右辺の微分は、有限次元のベクトル空間 $T_pM$ の中の曲線の微分)。

証明の所在

右辺は $Y$ の $X$ による Lie微分 $\mathcal{L}_XY$ の定義であり、等式はLie微分の記事の命題「ベクトル場の Lie 微分は Lie 括弧」で証明されている(関数 $f$ に作用させて $Y_{\Phi_t(p)}(f\circ\Phi_{-t})$ を $t$ で微分し、$t$ の入る 2 か所の微分の和として $X_p(Yf)-Y_p(Xf)$ を得る)。Nic26 Lemma 3.1.10(p. 84)は局所座標で同じ等式を示している。同書は Lie 微分を $\Phi_t$ による押し出し $\Phi^t_*$ を使って $-\lim_{t\to0}\frac1t(\Phi^t_*S-S)$ と書いており、$t$ を $-t$ に替えれば上の式と同じものである。

この式により、$[X,Y]=0$ は「$Y$ を $X$ の流れで運んでも(1 次の範囲で)変わらない」ことを意味する。次の定理はこれを流れの言葉で完全に述べる。

可換な流れ

流れが可換であることの判定

$X,Y$ を完備なベクトル場(たとえばコンパクトな多様体上のベクトル場)とする。次は同値である。
(R1) $[X,Y]=0$。
(R2) すべての $t\in\mathbb{R}$ で $(\Phi_t)_*Y=Y$、すなわち $d(\Phi_t)_p(Y_p)=Y_{\Phi_t(p)}$(すべての $p$)。
(R3) すべての $s,t\in\mathbb{R}$ で $\Phi_s\circ\Psi_t=\Psi_t\circ\Phi_s$。

(i)⇔(ii):Lie微分の記事の命題「流れによる不変性と Lie 微分」をテンソル場 $Y$ に当てはめると、「すべての $t$ で $\bigl((\Phi_{-t})_*Y\bigr)_p=Y_p$」と $\mathcal{L}_XY=0$ は同値であり、prop-lie-bracket-lie-derivative により $\mathcal{L}_XY=[X,Y]$ である。$\bigl((\Phi_{-t})_*Y\bigr)_p=Y_p$ がすべての $t,p$ で成り立つことは、両辺に $d(\Phi_t)_p$ を施せば (ii) と同値である($\Phi_t\circ\Phi_{-t}=\mathrm{id}$ と連鎖律による)。
(ii)⇒(iii):$s$ と $q\in M$ を固定し、$c(t):=\Phi_s\bigl(\Psi_t(q)\bigr)$ とおく。接ベクトルの記事の定理「速度ベクトルの性質」の (iv)(押し出しと速度ベクトル)と条件 (ii) により
$$ c'(t)=d(\Phi_s)_{\Psi_t(q)}\bigl(Y_{\Psi_t(q)}\bigr)=Y_{\Phi_s(\Psi_t(q))}=Y_{c(t)} $$
なので、$c$ は始点 $\Phi_s(q)$ の $Y$ の積分曲線である。積分曲線は始点で決まる(ベクトル場の流れの記事の定理「流れの基本定理」の (i))ので、$c(t)=\Psi_t\bigl(\Phi_s(q)\bigr)$ である。
(iii)⇒(ii):$s$ と $p$ を固定し、$\Phi_s(\Psi_t(p))=\Psi_t(\Phi_s(p))$ の両辺を曲線とみて $t=0$ での速度をとると、左辺は $d(\Phi_s)_p(Y_p)$、右辺は $Y_{\Phi_s(p)}$ である。$\square$

完備でない場合は流れの定義域に注意が要るので、ここでは完備な場合に限って述べた。座標ベクトル場 $\partial_i,\partial_j$ の流れは平行移動で可換であり、ex-lie-bracket-heisenberg の $[\partial_i,\partial_j]=0$ と合っている。

流れの交換子

$[X,Y]\neq0$ のとき、流れの非可換性は 2 次の量として現れる。

流れに沿った Taylor 展開

$K\subset M$ をコンパクト集合、$\varepsilon>0$ を $[-\varepsilon,\varepsilon]\times K$ が $X$ の流れの定義域に含まれるようにとる。$f\in C^\infty(M)$ について、定数 $C$ があって、$\lvert s\rvert\le\varepsilon$、$q\in K$ のとき
$$ \Bigl\lvert f\bigl(\Phi_s(q)\bigr)-f(q)-s\,(Xf)(q)-\frac{s^2}{2}\,(X(Xf))(q)\Bigr\rvert\le C\lvert s\rvert^3 $$
が成り立つ。

$g(s,q):=f(\Phi_s(q))$ とおく。$s\mapsto\Phi_s(q)$ は $X$ の積分曲線なので、$\partial_sg(s,q)=(Xf)(\Phi_s(q))$ であり、同じ理由で $\partial_s^2g(s,q)=\bigl(X(Xf)\bigr)(\Phi_s(q))$、$\partial_s^3g(s,q)=\bigl(X(X(Xf))\bigr)(\Phi_s(q))$ である。最後の関数はコンパクト集合 $[-\varepsilon,\varepsilon]\times K$ 上で連続なので有界であり、その上限を $6C$ とする。$s$ についての Taylor の定理(Lagrange の剰余)から主張が従う。$\square$

流れの交換子と Lie 括弧

$p\in M$ とする。$\lvert s\rvert$ が十分小さいとき
$$ c(s):=\Psi_{-s}\Bigl(\Phi_{-s}\bigl(\Psi_s(\Phi_s(p))\bigr)\Bigr) $$
は定義され、任意の $f\in C^\infty(M)$ について
$$ f\bigl(c(s)\bigr)=f(p)+s^2\,\bigl([X,Y]f\bigr)(p)+O(s^3)\qquad(s\to0) $$
である。とくに $p$ のまわりの局所座標 $x=(x^1,\dots,x^n)$ では $x(c(s))=x(p)+s^2\,\bigl([X,Y]x^1(p),\dots,[X,Y]x^n(p)\bigr)+O(s^3)$、すなわち $c(s)$ は座標で $p+s^2[X,Y]_p+O(s^3)$ である。

要点:流れ 1 回分の効果は関数に対して $f\mapsto f+s\,Xf+\frac{s^2}2X(Xf)+O(s^3)$(lem-lie-bracket-taylor)である。これを $\Psi_{-s}$、$\Phi_{-s}$、$\Psi_s$、$\Phi_s$ の 4 回分、外側から順に展開して $s^2$ の項まで残すと、$s$ の 1 次の項 $\pm s\,Xf$、$\pm s\,Yf$ は打ち消し合い、$s^2$ の項でも $X(Xf)$ と $Y(Yf)$ の項が打ち消し合って、$X(Yf)-Y(Xf)$ だけが残る(詳しい計算は下。$X^2f:=X(Xf)$、$XYf:=X(Yf)$ などと略記する)。

詳しい計算を開く

定義域:流れの定義域は $\{0\}\times M$ を含む開集合で、各時刻の流れは連続なので、$p$ のコンパクトな近傍 $K$ と $\varepsilon>0$ を、$[-\varepsilon,\varepsilon]\times K$ が $X$ の流れと $Y$ の流れの両方の定義域に含まれるようにとれる。連続性から、$\lvert s\rvert$ を小さくとれば $p_1:=\Phi_s(p)$、$p_2:=\Psi_s(p_1)$、$p_3:=\Phi_{-s}(p_2)$ はすべて $K$ に入り、$c(s)=\Psi_{-s}(p_3)$ が定義される。

展開:以下 $O(s^3)$ は、有限個の滑らかな関数 $f,Xf,Yf,X^2f,\dots$ に lem-lie-bracket-taylor を $K$ の上で使って得られる一様な評価を表す。まず $f(c(s))=f(\Psi_{-s}(p_3))=\bigl(f-s\,Yf+\frac{s^2}2Y^2f\bigr)(p_3)+O(s^3)$。右辺の関数 $h_3:=f-s\,Yf+\frac{s^2}2Y^2f$ を $p_3=\Phi_{-s}(p_2)$ で展開して $s^2$ の項まで残すと $h_3(p_3)=h_2(p_2)+O(s^3)$、$h_2:=f-s(X+Y)f+s^2\bigl(\frac12X^2+XY+\frac12Y^2\bigr)f$ である。次に $h_2(p_2)=h_2(\Psi_s(p_1))=h_1(p_1)+O(s^3)$、$h_1:=h_2+s\,Yh_2+\frac{s^2}2Y^2h_2$ の $s^2$ までの部分 $=f-s\,Xf+s^2\bigl(\frac12X^2+XY-YX\bigr)f$ である。最後に $h_1(p_1)=h_1(\Phi_s(p))=\bigl(h_1+s\,Xh_1+\frac{s^2}2X^2h_1\bigr)(p)+O(s^3)=f(p)+s^2\bigl((XY-YX)f\bigr)(p)+O(s^3)$ である。各段の係数の計算は $s$ の多項式としての展開で、たとえば最後の段は $f-sXf+s^2(\frac12X^2+XY-YX)f+sXf-s^2X^2f+\frac{s^2}2X^2f=f+s^2(XY-YX)f$ である。

座標の主張は、$f$ として $p$ の近くで座標関数 $x^i$ に一致する $C^\infty(M)$ の元をとればよい。$\square$

X = ∂/∂x、Y = x∂/∂y の流れで、p から X, Y, −X, −Y の順に時間 s ずつ進んだ道筋。出発点に戻らず、y 方向に s² だけずれる。このずれは s² と Lie 括弧 ∂/∂y の積である X = ∂/∂x、Y = x∂/∂y の流れで、p から X, Y, −X, −Y の順に時間 s ずつ進んだ道筋。出発点に戻らず、y 方向に s² だけずれる。このずれは s² と Lie 括弧 ∂/∂y の積である
図の例 $X=\partial_x$、$Y=x\,\partial_y$ では、$p=(x,y)$ から順に $(x+s,y)$、$(x+s,y+s(x+s))$、$(x,y+sx+s^2)$、$(x,y+s^2)$ と進み、ずれはちょうど $s^2\,\partial_y=s^2[X,Y]_p$ である。この定理は、Lie 括弧を「流れで小さな四角形を回ったときの閉じなさ」として特徴づける。行列 Lie 群では、左不変なベクトル場の流れが $g\mapsto ge^{tH}$ なので、$c(s)=e^{sH}e^{sK}e^{-sH}e^{-sK}$($p=I$)となり、これが $I+s^2[H,K]+O(s^3)$ であることは Lie環の記事の命題「群の交換子と括弧積」にあたる。

分布の可積分性

2 つのベクトル場が張る平面の族が「曲面の接平面の族」になるためには、Lie 括弧がその平面に入っていなければならない。

積分曲面に接するベクトル場の括弧

$X,Y\in\mathfrak{X}(M)$ とし、$S\subset M$ を部分多様体で、$S$ の各点 $q$ で $X_q,Y_q$ が $S$ に接するとする。このとき $S$ の各点で $[X,Y]_q$ も $S$ に接する。とくに、$S$ の接空間がすべての点で $X_q,Y_q$ で張られるなら、$[X,Y]_q$ は $X_q,Y_q$ の 1 次結合である。

prop-lie-bracket-natural の後で述べたとおり、$X,Y$ の $S$ への制限 $X_S,Y_S$ は包含写像 $\iota$ について $X,Y$ と $\iota$ 関係にあるので、同命題の (ii) により $[X,Y]$ は $[X_S,Y_S]$ と $\iota$ 関係にある。すなわち $[X,Y]_q=d\iota_q\bigl([X_S,Y_S]_q\bigr)\in d\iota_q(T_qS)$ である。$\square$

この命題の逆、すなわち「$X,Y$ が各点で独立で、$[X,Y]$ がつねに $X,Y$ の 1 次結合なら、各点を通る曲面で接平面が $X,Y$ で張られるものがある」が Frobenius の定理である。この定理は微分形式の記事の定理「Frobenius の定理」に、Pfaff 系の形と「分布が包合的(Lie 括弧で閉じている)」という形の同値とともに述べられており、証明は同記事の注意「Frobenius の定理の出典と説明」が挙げる文献にある。ここでは言明を引くだけにとどめる。

反例:条件を外すと崩れること

外す条件反例成り立たなくなること
交換子をとる合成 $\partial_t\circ\partial_t$($\mathbb{R}$ 上)ベクトル場(導分)である
近くでの値を見る$Y=0$ と $\tilde Y=x\,\partial_y$(原点での値はどちらも $0$)括弧の値が $X_p,Y_p$ だけで決まる
括弧で閉じる$\partial_x$ と $\partial_y+x\,\partial_z$ が張る平面の族各点を通る積分曲面が存在する
$[X,Y]=0$$\partial_x$ と $x\,\partial_y$流れが可換である
反例の確かめ

1 行目:ベクトル場の記事の注意「反例:ベクトル場の合成はベクトル場でない」の例である。$D:=\partial_t\circ\partial_t$ は $\mathbb{R}$ 線形だが、$D(t\cdot t)=2\neq0=t\,Dt+t\,Dt$ なので Leibniz 則をみたさず、導分でない(満たさない性質)。定義の後で見たとおり、合成の 2 階の部分 $X^iY^j\partial_i\partial_j$ は交換子 $XY-YX$ で初めて打ち消し合う。破れる含意は「ベクトル場の合成はベクトル場である」である。
2 行目:$\mathbb{R}^2$ の原点 $0$ で、$Y:=0$ と $\tilde Y:=x\,\partial_y$ はどちらも値 $0$ をとる(満たす性質:$Y_0=\tilde Y_0$)。しかし $[\partial_x,Y]_0=0$、$[\partial_x,\tilde Y]_0=\partial_y|_0\neq0$ である(満たさない性質)。破れる含意は「$[X,Y]_p$ は $X_p$ と $Y_p$ だけで決まる」、すなわち「Lie 括弧はテンソル場である」であり、prop-lie-bracket-basic の (iii) の項 $(Xf)\,Y$ がその原因である。
3 行目:$\mathbb{R}^3$ の各点 $q=(x,y,z)$ で $D_q:=\operatorname{span}\{\partial_x,\ \partial_y+x\,\partial_z\}=\{(a,b,bx)\mid a,b\in\mathbb{R}\}$ は 2 次元である(満たす性質:滑らかな平面の族)。ex-lie-bracket-heisenberg により $[\partial_x,\partial_y+x\,\partial_z]=\partial_z$ であり、$(0,0,1)\in D_q$ となるのは $a=b=0$、$bx=1$ のときだが、これは不可能なので $\partial_z\notin D_q$ である。したがって prop-lie-bracket-integral-surface により、接平面がすべての点で $D_q$ に一致する曲面 $S$ は(どんなに小さくても)存在しない(満たさない性質)。破れる含意は「滑らかな平面の族には積分曲面がある」である。$D$ は 1-形式 $dz-x\,dy$ の核でもあり、$d(dz-x\,dy)=-dx\wedge dy$ と $(dz-x\,dy)\wedge(-dx\wedge dy)=-dx\wedge dy\wedge dz\neq0$ から、微分形式の記事の定理「Frobenius の定理」の条件も破れていることが確かめられる。
4 行目:$X=\partial_x$ と $Y=x\,\partial_y$ はともに完備で、$[X,Y]=\partial_y\neq0$ である。ベクトル場の流れの記事の「注意」の節の計算のとおり $\Phi^X_s\circ\Phi^Y_t$ と $\Phi^Y_t\circ\Phi^X_s$ は $y$ 成分が $st$ だけ違い、thm-lie-bracket-commuting-flows の (i) と (iii) がともに成り立たない例になっている。

注意

  • 微分形式の外微分は Lie 括弧を使って座標によらずに書ける。1-形式 $\omega$ では $d\omega(X,Y)=X(\omega(Y))-Y(\omega(X))-\omega([X,Y])$ である(外微分の記事の定理「座標によらない公式」)。右辺の最初の 2 項だけでは $X,Y$ について $C^\infty(M)$ 線形にならず、括弧の項がその不足を補っている。
  • 接続 $\nabla$ の捩れ $\nabla_XY-\nabla_YX-[X,Y]$ と、曲率 $\nabla_X\nabla_YZ-\nabla_Y\nabla_XZ-\nabla_{[X,Y]}Z$ にも Lie 括弧が現れる(リーマン曲率テンソル)。どちらも括弧の項があるので $X,Y$ について $C^\infty(M)$ 線形になる。
  • Lie 群 $G$ の Lie 環は、左不変なベクトル場の Lie 括弧で定める(Lie群の記事の注意「一般の Lie 群の Lie 環と指数写像」)。prop-lie-bracket-natural により左不変なベクトル場は括弧で閉じ、ex-lie-bracket-matrix により行列 Lie 群ではそれが交換子 $XY-YX$ と一致する。
  • 代数幾何学でも、スキームの接層(構造層の導分の層)の切断に同じ交換子で括弧が定まる。変形理論の記事は、1 次の変形を 2 次へ延ばすときの障害が接ベクトル場の Lie 括弧とカップ積で与えられることを述べている。

関連項目

参考文献

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