位相体(topological field)とは、加法・乗法・符号の反転と、0 でない元の逆元をとる操作がすべて連続になる位相をもつ体である。絶対値や付値の定める位相は体位相であり、実数体・複素数体・$p$ 進数体・形式的 Laurent 級数体が典型例である。体のイデアルは $0$ と全体しかないことから、位相体は Hausdorff であるか密着位相であるかのどちらかになる。一方、有理数体に 2 つの素数の $p$ 進位相を同時に入れた位相は、どの絶対値・付値からも来ず、完備化が体にならない体位相の例である。
前提知識: 位相群, 付値, Hausdorff空間
実数体 $\mathbb{R}$ や $p$ 進数体 $\mathbb{Q}_p$ では、四則演算が「近いものどうしを計算すると答も近い」という意味で位相と両立している。位相体(topological field)は、この両立を体の公理に付け加えた概念である。体の位相は、加法群について 位相群 であり、さらに乗法と逆元をとる操作まで連続であることを要求されるので、強い制約を受ける。
この記事では、まず位相体の定義と、絶対値・付値から位相体が得られることを述べる。次に、位相体は Hausdorff であるか、開集合が空集合と全体だけの密着位相であるかのどちらかしかないことを証明する。最後に、有理数体 $\mathbb{Q}$ に 2 つの素数の $p$ 進位相を同時に入れた位相体を調べ、それがどの絶対値・付値からも得られず、完備化すると体でなくなることを示す。局所コンパクトな位相体の分類は 局所体 の記事で扱う。
体 $K$ に位相が与えられ、次の写像がすべて連続写像であるとき、$K$ を位相体(topological field)といい、この位相を $K$ の体位相(field topology)という。
この記事では、位相群 の記事と同じく、位相に分離公理を課さない。位相体の定義に Hausdorff 性を含める流儀もあるが、後の thm-tf-dichotomy により、それは密着位相を除くことと同じである。
$K$ を位相体とする。
要点:定義の写像の制限と合成である。
1 は定義の 1 の加法と 2 からただちに従う。2:乗法 $K\times K\to K$ の $K^\times\times K^\times$ への制限は連続で値が $K^\times$ に入るので、$K^\times$ に値をとる写像として連続である(相対位相の性質)。逆元は定義の 3 である。3:$x\mapsto ax$ は連続写像 $x\mapsto(a,x)$ と乗法の合成なので連続であり、$a\ne0$ なら逆写像 $x\mapsto a^{-1}x$ も連続である。平行移動は 位相群 の命題「平行移動と逆元の同相性」による。$\square$
1 の位相を $|\cdot|$ の定める位相、2 の位相を $v$ の定める位相という。たとえば $\mathbb{R}$・$\mathbb{C}$ の通常の位相、$\mathbb{Q}$ と $\mathbb{Q}_p$ の $p$ 進位相、形式的 Laurent 級数体 $k(\!(t)\!)$ の $t$ 進位相はどれも体位相である。自明な絶対値と自明な付値は離散位相を定める。
要点:差 $xy-ab$ と $x^{-1}-a^{-1}$ を、$x-a$、$y-b$ で評価する。
1:距離空間なので点列で連続性を確かめればよい。$x_n\to a$、$y_n\to b$ とすると $|(x_n+y_n)-(a+b)|\le|x_n-a|+|y_n-b|\to0$、$|(-x_n)-(-a)|=|x_n-a|\to0$ であり、$x_ny_n-ab=x_n(y_n-b)+(x_n-a)b$ と $|x_n|\le|a|+|x_n-a|$ から $|x_ny_n-ab|\to0$ である。$a\ne0$ のとき、十分大きい $n$ で $|x_n-a|<|a|/2$ となり、$|x_n|\ge|a|/2>0$ なので $\displaystyle |x_n^{-1}-a^{-1}|=\frac{|a-x_n|}{|x_n|\,|a|}\le\frac{2|x_n-a|}{|a|^2}\to0$ である。
2:$v$ は $v(x+y)\ge\min\{v(x),v(y)\}$ を満たす(付値 の記事の命題「和の付値」)。$c\in U_\gamma(a)\cap U_\delta(b)$ なら、$\varepsilon=\max\{\gamma,\delta\}$ について $U_\varepsilon(c)\subset U_\gamma(a)\cap U_\delta(b)$ である($v(x-a)\ge\min\{v(x-c),v(c-a)\}>\gamma$ など)。また $a\in U_\gamma(a)$ なので、$U_\gamma(a)$ の全体は開基をなす。連続性を示す。$\gamma\in\Gamma$ を与え、必要なら大きく取り替えて $\gamma\ge0$ とする。$\delta=\max\{\gamma,\gamma-v(a),\gamma-v(b)\}$($a=0$ や $b=0$ の項は除く)とおき、$v(x-a)>\delta$、$v(y-b)>\delta$ とする。$x+y-(a+b)$ と $-x-(-a)$ の付値は $\delta\ge\gamma$ より大きい。 $\displaystyle xy-ab=(x-a)(y-b)+a(y-b)+(x-a)b$ の 3 項の付値は、それぞれ $>\delta+\delta\ge\gamma$、$>v(a)+\gamma-v(a)=\gamma$、$>\gamma$ なので、$v(xy-ab)>\gamma$ である。逆元:$a\ne0$ とし、$v(x-a)>\max\{v(a),\gamma+2v(a)\}$ とする。$v(x-a)>v(a)$ から $v(x)=v(a)$ であり($v(x)\ge\min\{v(x-a),v(a)\}=v(a)$ と $v(a)\ge\min\{v(a-x),v(x)\}$ から)、 $\displaystyle v(x^{-1}-a^{-1})=v(a-x)-v(x)-v(a)>\gamma$ である。$\square$
2 つの絶対値が同じ位相を定めるのは、一方が他方の正の冪のときに限る(付値 の記事の定理「絶対値が同値であるための条件」)。$\mathbb{Q}$ の自明でない絶対値の定める位相は、Ostrowski の定理(Ostrowskiの定理)により、通常の位相と各素数 $p$ の $p$ 進位相で尽きる。
位相群 の記事の定理「位相群の分離公理」により、位相群では $T_0$・$T_1$・Hausdorff が同値であり、それは $\{e\}$ が閉集合であることと同値である。位相体では、さらに次が成り立つ。
$K$ を体とし、$K$ に環位相が与えられているとする(とくに $K$ が位相体であるとき)。このとき $\{0\}$ の閉包 $\overline{\{0\}}$ は $\{0\}$ か $K$ のどちらかである。前者のとき $K$ は Hausdorff 空間であり、後者のとき $K$ の位相は密着位相である。
$N=\overline{\{0\}}$ とおく。$(K,+)$ は位相群なので、位相群 の命題「部分群の位相」の 2 により、部分群 $\{0\}$ の閉包 $N$ は加法部分群である。$a\in K$ について $m_a(x)=ax$ は連続なので(prop-tf-groups の 3 の前半。その証明は乗法の連続性だけを使う)、連続写像が閉包を像の閉包の中に写すことから
$$
aN=m_a\bigl(\overline{\{0\}}\bigr)\subset\overline{m_a(\{0\})}=\overline{\{0\}}=N
$$
である。よって $N$ は $K$ のイデアルであり、$K$ は体なので $N=\{0\}$ か $N=K$ である。
$N=\{0\}$ なら $\{0\}$ は閉集合なので、位相群の分離公理の定理により $(K,+)$ は Hausdorff である。
$N=K$ とする。これは、どの点 $z$ のどの開近傍も $0$ を含むということである。$U$ を空でない開集合、$u\in U$ とし、$U=K$ を示す。$V=U-u$ は $0$ を含む開集合である(平行移動は同相写像)。任意の $y\in K$ について、$W=(y-u)-V$ は $y-u$ を含む開集合なので $0$ を含み、$0=y-u-v$ となる $v\in V$ がある。よって $y=u+v\in U$ である。したがって空でない開集合は $K$ だけである。$\square$
この定理により、Hausdorff でない位相体は密着位相のものしかない。とくに、$T_0$ な位相体はすべて Hausdorff であり、正則空間でもある(位相群の分離公理の定理の後半)。証明が体であることを使うのは「イデアルは $0$ と $K$ だけ」の 1 点で、一般の環では成り立たない(後の反例の表)。
$K$ を Hausdorff な位相体、$F\subset K$ を部分体とすると、閉包 $\overline F$ は $K$ の部分体である。
要点:和・積・逆元が連続なので、閉包の元どうしの演算は $F$ の元の演算の極限になる。
$\overline F$ は加法部分群の閉包なので加法部分群である(位相群 の命題「部分群の位相」の 2)。乗法 $\mu$ は連続なので $\mu(\overline F\times\overline F)=\mu(\overline{F\times F})\subset\overline{\mu(F\times F)}=\overline F$ である。逆元:$x\in\overline F$、$x\ne0$ とする。$K$ は Hausdorff なので $\{0\}$ は閉集合で、$K^\times$ は開集合である。$x$ の $K^\times$ の中の近傍は $K$ の中の近傍でもあるので $F$ と交わり、その交わりの点は $F\cap K^\times=F^\times$ に入る。よって $x$ は $K^\times$ の中で $F^\times$ の閉包に属し、$\iota(x)=x^{-1}$ は $K^\times$ の中で $\iota(F^\times)=F^\times$ の閉包に属する。とくに $x^{-1}\in\overline F$ である。$\square$
たとえば $\mathbb{Q}_p$ の中の $\mathbb{Q}$ の閉包は $\mathbb{Q}_p$ 全体であり、標数 $0$ の Hausdorff な位相体 $K$ では、素体 $\mathbb{Q}$ の閉包が $K$ の閉部分体になる。完備なアルキメデス的体は $\mathbb{R}$ か $\mathbb{C}$ に限るという Ostrowski の定理(Ostrowskiの定理 の記事の定理「完備なアルキメデス的体」)の Neu99 の証明(Chapter II, (4.2), p. 124)は、この閉包を調べることから始まる。
絶対値や付値から来る体位相は、次の性質をもつ。「積が $0$ に近ければ、どちらかの因子が $0$ に近い」という性質である。
$K$ の位相が、絶対値か付値の定める位相(prop-tf-absolute-value)であるとする。このとき、$0$ の任意の近傍 $U$ について、$0$ の近傍 $W$ であって次を満たすものがある:$x,y\in K$ が $xy\in W$ を満たすなら、$x\in U$ または $y\in U$ である。
絶対値 $|\cdot|$ の場合:$U$ はある $\varepsilon>0$ について球 $\{x\mid|x|<\varepsilon\}$ を含む。$W=\{x\mid|x|<\varepsilon^2\}$ とおく。$x\notin U$ かつ $y\notin U$ なら $|x|\ge\varepsilon$、$|y|\ge\varepsilon$ なので $|xy|\ge\varepsilon^2$ となり、$xy\notin W$ である。
付値 $v$ の場合:$U$ は $\gamma\in\Gamma$ について $U_\gamma(0)=\{x\mid v(x)>\gamma\}$ を含み、$\gamma$ を大きく取り替えて $\gamma\ge0$ としてよい。$W=U_{2\gamma}(0)$ とおく($2\gamma=\gamma+\gamma$)。$x\notin U$ かつ $y\notin U$ なら $v(x)\le\gamma$、$v(y)\le\gamma$ なので $v(xy)=v(x)+v(y)\le2\gamma$ となり、$xy\notin W$ である。$\square$
$p\ne q$ を素数とする。$\mathbb{Q}$ 上の距離
$$
d(x,y)=\max\{|x-y|_p,\ |x-y|_q\}
$$
を考える($|\cdot|_p$ は $p$ 進絶対値。p進付値 の記事の定義「有理数の $p$ 進付値と $p$ 進絶対値」)。$d$ で点列 $x_n$ が $x$ に収束することは、$p$ 進位相と $q$ 進位相の両方で $x_n\to x$ となることと同じである。$d$ の定める位相を $\tau_{p,q}$ と書く。対角写像 $\iota\colon\mathbb{Q}\to\mathbb{Q}_p\times\mathbb{Q}_q$、$x\mapsto(x,x)$ は、$\mathbb{Q}_p\times\mathbb{Q}_q$ に距離 $\max\{|\alpha-\alpha'|_p,|\beta-\beta'|_q\}$ を入れると等長写像である。
1:$d$ は距離なので $\tau_{p,q}$ は Hausdorff である。演算の連続性は点列で確かめればよい。$x_n\to x$、$y_n\to y$($d$ について)なら、$p$ 進位相と $q$ 進位相のそれぞれで $x_n+y_n\to x+y$、$-x_n\to-x$、$x_ny_n\to xy$ であり、$x\ne0$ なら $x_n^{-1}\to x^{-1}$ である(どちらの位相も prop-tf-absolute-value の 1 により体位相)。したがって $d$ についても収束する。$(pq)^n\ne0$ は $d((pq)^n,0)=\max\{p^{-n},q^{-n}\}\to0$ を満たすので、$\{0\}$ は開集合でなく、$\tau_{p,q}$ は離散位相でない。
2:$(\alpha,\beta)\in\mathbb{Q}_p\times\mathbb{Q}_q$ と整数 $n\ge1$ を与える。$m=(pq)^k$ とおくと $|m|_p=p^{-k}$、$|m|_q=q^{-k}$ なので、$k$ を大きくとれば $m\alpha\in\mathbb{Z}_p$、$m\beta\in\mathbb{Z}_q$ となる。$\mathbb{Z}$ は $\mathbb{Z}_p$ の中で稠密なので(p進整数 の $p$ 進展開を途中で切る)、整数 $a,b$ で $|m\alpha-a|_p\le p^{-n}$、$|m\beta-b|_q\le q^{-n}$ となるものがある。中国剰余定理 により $c\equiv a\pmod{p^n}$、$c\equiv b\pmod{q^n}$ となる整数 $c$ をとると、$|c-a|_p\le p^{-n}$、$|c-b|_q\le q^{-n}$ なので、強三角不等式から $|m\alpha-c|_p\le p^{-n}$、$|m\beta-c|_q\le q^{-n}$ である。$x=c/m$ とおくと
$$
|\alpha-x|_p=|m|_p^{-1}|m\alpha-c|_p\le p^{k-n},\qquad|\beta-x|_q\le q^{k-n}
$$
であり、$k$ を固定して $n\to\infty$ とすれば $\iota(x)$ は $(\alpha,\beta)$ に近づく。$\mathbb{Q}_p$ と $\mathbb{Q}_q$ は完備なので、最大値の距離について $\mathbb{Q}_p\times\mathbb{Q}_q$ も完備である(Cauchy 列の各成分が Cauchy 列になる)。完備距離空間(完備距離空間)の稠密な部分集合に等長に埋め込まれた距離空間の完備化は、その完備距離空間である。また $(1,0)\cdot(0,1)=(0,0)$ なので、$\mathbb{Q}_p\times\mathbb{Q}_q$ は体でない。
3:$U=\{x\in\mathbb{Q}\mid|x|_p<1,\ |x|_q<1\}$ は $0$ の近傍である。$0$ の任意の近傍 $W$ は、ある $\delta>0$ について $\{x\mid d(x,0)<\delta\}$ を含む。$p^{-n}<\delta$ かつ $q^{-n}<\delta$ となる $n$ をとり、
$$
x=\frac{p^{2n}}{q^n},\qquad y=\frac{q^{2n}}{p^n}
$$
とおく。$|x|_q=q^n\ge1$、$|y|_p=p^n\ge1$ なので $x\notin U$、$y\notin U$ である。一方 $xy=p^nq^n$ は $|xy|_p=p^{-n}<\delta$、$|xy|_q=q^{-n}<\delta$ を満たすので $xy\in W$ である。よって thm-tf-product-condition の条件は成り立たず、同定理により $\tau_{p,q}$ は絶対値からも付値からも来ない。$\square$
対照的に、絶対値 $|\cdot|$ をもつ体 $K$ の完備化 $\widehat K$ は、$K$ の Cauchy 列の環を $0$ に収束する列のなす極大イデアルで割った体であり、$|\cdot|$ は $\widehat K$ に延びる(Neu99 Chapter II, (4.1) の後の構成, pp. 123–124)。2 は、体位相が絶対値から来ないと、この構成が体を与えるとは限らないことを示している。
局所コンパクト空間 である Hausdorff な位相体で離散位相でないものは、局所体 の記事で広義の局所体とよばれ、その記事の定理「局所コンパクト体の分類」により、連結なら $\mathbb{R}$ か $\mathbb{C}$、連結でないなら非アルキメデス的な局所体($\mathbb{Q}_p$ の有限次拡大か $\mathbb{F}_q(\!(t)\!)$)である(この記事では証明しない。Neu99 Chapter II, (5.2) の後の注意, p. 136)。とくに広義の局所体の位相は絶対値から来るので、thm-tf-product-condition の条件を満たす。この分類を認めれば、thm-tf-two-primes の $\tau_{p,q}$ は Hausdorff で離散でないのに積の条件を満たさないので、局所コンパクトでもない。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| thm-tf-dichotomy の「$K$ が体」(環に弱める) | 整数環 $\mathbb{Z}$ に、$2\mathbb{Z}$ の剰余類の和集合を開集合とする位相を入れたもの | 環位相だが、$\{0\}$ の閉包は $2\mathbb{Z}$ で、Hausdorff でも密着位相でもない |
| thm-tf-product-condition の「位相が絶対値か付値から来る」 | thm-tf-two-primes の $(\mathbb{Q},\tau_{p,q})$ | Hausdorff で離散でない体位相だが、積の条件が成り立たない |
| 局所コンパクト体の分類の「Hausdorff」 | 密着位相の $\mathbb{Q}$(ex-tf-discrete-indiscrete) | コンパクトで連結な位相体で離散位相でないが、$\mathbb{R}$ にも $\mathbb{C}$ にも同型でない |
| 局所コンパクト体の分類の「離散位相でない」 | 離散位相の有限体 $\mathbb{F}_q$ | 局所コンパクトな Hausdorff 位相体だが、$\mathbb{R}$・$\mathbb{C}$・非アルキメデス的局所体のどれでもない |
| 局所コンパクト体の分類の「局所コンパクト」 | $p$ 進位相の $\mathbb{Q}$ | Hausdorff で離散でない位相体だが、完備でなく、局所体でない |
1 行目の位相が環位相であることは、開集合が $2\mathbb{Z}$ の剰余類の和集合であることから、和・積・符号の逆が剰余類を剰余類の中へ写すことによる($x\equiv a$、$y\equiv b\pmod 2$ なら $x+y\equiv a+b$、$xy\equiv ab\pmod 2$)。5 行目で $\mathbb{Q}$ が局所コンパクトでないのは次による。$0$ のコンパクトな近傍 $C$ があったとすると、$C$ はある閉球 $B_k=\{x\in\mathbb{Q}\mid|x|_p\le p^{-k}\}$ を含み、$B_k$ は $C$ の閉部分集合なのでコンパクト、とくに完備である。しかし $\mathbb{Q}$ は $\mathbb{Q}_p$ の中で稠密なので、$p^k\mathbb{Z}_p$ の有理数でない元に $p$ 進的に収束する $B_k$ の点列があり、それは $B_k$ の中で収束しない Cauchy 列である。
位相環と位相線形空間。 定義の 3 を除いた位相環は、$p$ 進整数環 $\mathbb{Z}_p$ や、イデアル進位相の完備化の舞台である。位相体 $K$ 上の線形空間で和とスカラー倍が連続なものが 位相線形空間 である(実数体・複素数体の上の場合が関数解析の舞台になる)。位相群との関係。 位相体の加法群と乗法群はどちらも位相群(prop-tf-groups)なので、局所コンパクトな位相体では加法群の Haar 測度(位相群 の定理「Haar 測度の存在と一意性」)が使える。局所体 の記事に要点を挙げた局所コンパクト体の分類の証明は、この Haar 測度を使う。
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