台(関数)(support of a function)とは、位相空間上の関数 $f$ が $0$ でない点の集合の閉包 $\operatorname{supp}f$ のことで、その補集合は $f$ が恒等的に $0$ になる最大の開集合である。台が開集合 $U$ に含まれる関数を $U$ 上の関数に掛けると $0$ で全体へ延長でき、台の族が局所有限なら和が連続になるので、1 の分割による貼り合わせの基礎になる。コンパクト台の $C^1$ 級関数では導関数の積分が $0$ になり、畳み込みの台は台の和に含まれる。可測関数にはほとんど至る所 $0$ になる最大の開集合を使う本質的な台があり、連続関数では両者は一致する。
関数 $f$ の台とは、$f$ が $0$ でない点の集合の閉包のことである。台の外の点では、$f$ はその点の近くで恒等的に $0$ になる。したがって「$f$ が開集合 $U$ に台をもつ」という条件は、$U$ の外で $f$ が消えるだけでなく、$U$ の境界の各点の近くでも $f$ が恒等的に $0$ であることを意味する。この閉包をとった条件のおかげで、$U$ の上の関数に台が $U$ に含まれる関数を掛けたものは $0$ で全体へ延長でき、1の分割で局所的な関数を貼り合わせることができる。
台がコンパクトな関数(コンパクト台の関数)は、積分・畳み込み・超関数の理論の基本的な道具であり、境界項の出ない部分積分を可能にする。この記事では関数とベクトル束の切断の台を定義し、基本性質、微分・積・和・畳み込みとの関係、測度論での本質的な台を証明とともに述べる。層の切断や層そのものの台は 台(層) が扱う。
$X$ を位相空間、$V$ を $\mathbb{R}$ または $\mathbb{C}$ 上の有限次元ベクトル空間($\mathbb{R}$、$\mathbb{C}$、$\mathbb{R}^m$ など。連続性はノルムの定める位相で考える)とする。写像 $f\colon X\to V$ の台(support)を
$$
\operatorname{supp}f:=\overline{\{x\in X\mid f(x)\ne0\}}
$$
と定める。閉包は $X$ の中でとる。
この定義は Lee12 p. 43 による。コンパクトな空間の上の関数はすべてコンパクト台をもつ。
切断の台も Lee12 p. 256 で同じ形に定義されている。以下で関数について述べる性質は、値の和・スカラー倍が点ごとに定まることしか使わないので、切断についても同じように成り立つ。
$X$ を位相空間、$f,g\colon X\to V$ とする。
$A:=\{x\in X\mid f(x)\ne0\}$ とおく。
2 と 4 の包含は等号にならないことがある。$f(x)=\max(x,0)$、$g(x)=\max(-x,0)$ とすると $fg=0$ なので $\operatorname{supp}(fg)=\emptyset$ だが、$\operatorname{supp}f\cap\operatorname{supp}g=\{0\}$ である。また $f(x)=x$ と定数写像 $\varphi\equiv0$ では $f\circ\varphi=0$ だが $\varphi^{-1}(\operatorname{supp}f)=\mathbb{R}$ である。
この性質は「微分作用素は局所的である」ということの言い換えであり、外微分 で外微分が局所的な作用素であることを示す証明も、この形の議論を切り落とし関数と組み合わせて使う。逆向きの包含は成り立たない。定数関数 $f\equiv1$ では $\operatorname{supp}f'=\emptyset$ である。
台を閉包で定める理由が最もはっきり現れるのが、次の零延長である。
$M$ を位相空間、$U\subset M$ を開集合、$\rho\colon M\to\mathbb{R}$ を連続関数で $\operatorname{supp}\rho\subset U$ を満たすもの、$f\colon U\to V$ を連続写像とする。$M$ 上の写像 $h$ を
$$
h(x):=\begin{cases}\rho(x)f(x) & (x\in U)\\ 0 & (x\in M\setminus U)\end{cases}
$$
で定めると、$h$ は連続で $\operatorname{supp}h\subset\operatorname{supp}\rho$ である。$M$ が可微分多様体で $\rho$ と $f$ が $C^\infty$ 級なら、$h$ も $C^\infty$ 級である。
$W_1:=U$、$W_2:=M\setminus\operatorname{supp}\rho$ とおく。どちらも開集合であり、$\operatorname{supp}\rho\subset U$ なので $W_1\cup W_2=M$ である。$W_1$ の上では $h=\rho f$ であり、これは連続($C^\infty$ 級の場合は $C^\infty$ 級)である。$W_2$ の点 $x$ については、$x\in U$ なら $\rho(x)=0$ なので $h(x)=0$、$x\notin U$ なら定義により $h(x)=0$ である。したがって $W_2$ の上で $h\equiv0$ である。連続性も $C^\infty$ 級であることも各点の開近傍で判定できる性質であり、$M$ は二つの開集合 $W_1,W_2$ で覆われ、それぞれの上で $h$ は連続($C^\infty$ 級)なので、$h$ は $M$ 全体で連続($C^\infty$ 級)である(連続写像 の命題「開被覆の貼り合わせ補題」)。最後に $\{h\ne0\}\subset\{\rho\ne0\}$ なので、閉包をとって $\operatorname{supp}h\subset\operatorname{supp}\rho$ を得る。$\square$
条件を $\{\rho\ne0\}\subset U$ に弱めると結論は成り立たない(ex-supf-counterexamples の 1)。ベクトル場 で $U$ の上のベクトル場や関数を多様体全体へ延ばすとき、Ehresmannの補題 で 1 の分割を使うとき、Dolbeaultコホモロジー で切り落とし関数を掛けて平面全体の関数にするときに使われているのは、この定理である。
$(f_i\colon X\to V)_{i\in I}$ を連続写像の族とし、台の族 $(\operatorname{supp}f_i)_{i\in I}$ が局所有限であるとする。このとき和 $s:=\sum_{i\in I}f_i$ は各点で有限和として定まる連続写像であり、
$$
\operatorname{supp}s\subset\bigcup_{i\in I}\operatorname{supp}f_i
$$
が成り立つ。右辺は閉集合である。
1の分割 の条件「$\operatorname{supp}\rho_\alpha\subset U_\alpha$ で台の族が局所有限」は、この命題と零延長を組み合わせて使うための条件である。たとえば各 $U_\alpha$ の上の関数 $g_\alpha$ について、$\rho_\alpha g_\alpha$ を thm-supf-extension-by-zero で全体へ延ばし、この命題で足し合わせると全体の関数ができる(Lee12 Lemma 2.26、p. 45 の証明はこの形である)。台の族の局所有限性を外すと和は連続とは限らない(ex-supf-counterexamples の 2)。
$X$ を位相空間とする。
要点:コンパクト集合に含まれる閉集合はコンパクトであることと、prop-supf-basic の 2 を使う。
コンパクト集合 $K$ に含まれる閉集合 $F$ はコンパクトである($F=F\cap K$ は $K$ の閉集合なので)。
1. prop-supf-basic の 2 により $\operatorname{supp}(f+g)$ は二つのコンパクト集合の和 $\operatorname{supp}f\cup\operatorname{supp}g$ に含まれる閉集合なのでコンパクトである。スカラー倍は台を変えないか空にする。$\operatorname{supp}(fg)\subset\operatorname{supp}f$ も閉集合なのでコンパクトである。
2. $K:=\operatorname{supp}f$ が空なら $f=0$ である。空でなければ、連続関数 $|f|$ のコンパクト集合 $K$ 上の最大値 $m$ が存在し、$K$ の外では $|f|=0\le m$ なので、$m$ が $X$ 全体での最大値である。
3. コンパクト台なら $\operatorname{supp}f$ は有界で、その外で $f=0$ である。逆にある有界集合 $B$ の外で $f=0$ なら $\{f\ne0\}\subset B\subset\overline{B}$ なので $\operatorname{supp}f\subset\overline{B}$ であり、$\operatorname{supp}f$ は有界閉集合、したがってコンパクトである(Heine–Borel の定理)。$\square$
局所コンパクト Hausdorff 空間の上では、$C_c(X)$ の上の正値線型汎関数が測度で表される(Riesz–Markov–角谷の表現定理)。コンパクト台の関数の最も基本的な効用は、積分で境界項が出ないことである。
$f\colon\mathbb{R}^n\to\mathbb{C}$ を $C^1$ 級でコンパクト台をもつ関数とすると、各 $i=1,\dots,n$ について
$$
\int_{\mathbb{R}^n}\frac{\partial f}{\partial x_i}\,dx=0
$$
である。したがって $g\in C^1(\mathbb{R}^n)$ について
$$
\int_{\mathbb{R}^n}\frac{\partial f}{\partial x_i}\,g\,dx=-\int_{\mathbb{R}^n}f\,\frac{\partial g}{\partial x_i}\,dx
$$
が成り立つ。
$\operatorname{supp}f$ は有界なので、$R>0$ を十分大きくとると $\operatorname{supp}f$ は開立方体 $(-R,R)^n$ に含まれる。prop-supf-derivative により $\partial f/\partial x_i$ の台も $\operatorname{supp}f$ に含まれるので、被積分関数は閉立方体 $Q:=[-R,R]^n$ の外で $0$ であり、$Q$ の上で連続なので積分可能である。Fubiniの定理 により、$x_i$ についての積分を先に行う。他の座標を固定し、第 $i$ 座標を $t$ とした点を $x(t)$ と書くと
$$
\int_{-R}^{R}\frac{\partial f}{\partial x_i}(x(t))\,dt=f(x(R))-f(x(-R))
$$
である(微分積分学の基本定理)。点 $x(\pm R)$ は $(-R,R)^n$ に属さないので $\operatorname{supp}f$ の外にあり、右辺は $0$ である。これを残りの変数で積分して前半を得る。後半は、$fg$ が $C^1$ 級で $\operatorname{supp}(fg)\subset\operatorname{supp}f$(prop-supf-basic の 2)によりコンパクト台をもつので、前半を $fg$ に当てはめ、積の微分 $\partial_i(fg)=(\partial_if)g+f\,\partial_ig$ を使えばよい。$\square$
後半の式は、超関数 の微分の定義(超関数 の定義「超関数微分」)で、テスト関数に微分を移すときの根拠になる。台のコンパクト性を外すと前半は成り立たない(ex-supf-counterexamples の 3)。
$A,B\subset\mathbb{R}^n$ について $A+B:=\{a+b\mid a\in A,\ b\in B\}$ と書く。
$f\in C_c(\mathbb{R}^n)$、$g\in C(\mathbb{R}^n)$ とする。畳み込み $(f*g)(x):=\int_{\mathbb{R}^n}f(x-y)g(y)\,dy$ はすべての $x$ で定まり、
$$
\operatorname{supp}(f*g)\subset\operatorname{supp}f+\operatorname{supp}g
$$
が成り立つ。右辺は閉集合である。
$x$ を固定すると、$y\mapsto f(x-y)g(y)$ は連続で、コンパクト集合 $x-\operatorname{supp}f$ の外で $0$ なので積分可能である。
$x\notin\operatorname{supp}f+\operatorname{supp}g$ とする。各 $y$ について、$y\in\operatorname{supp}g$ かつ $x-y\in\operatorname{supp}f$ なら $x=(x-y)+y\in\operatorname{supp}f+\operatorname{supp}g$ となって仮定に反するので、$g(y)=0$ または $f(x-y)=0$ である。被積分関数は恒等的に $0$ であり、$(f*g)(x)=0$ である。よって $\{f*g\ne0\}\subset\operatorname{supp}f+\operatorname{supp}g$ である。
右辺が閉集合であることを示す。$K:=\operatorname{supp}f$ はコンパクト、$F:=\operatorname{supp}g$ は閉集合である。$a_m\in K$、$b_m\in F$ で $a_m+b_m\to z$ とする。$K$ はコンパクトなので部分列をとって $a_m\to a\in K$ としてよい。すると $b_m=(a_m+b_m)-a_m\to z-a$ であり、$F$ は閉集合なので $z-a\in F$、したがって $z=a+(z-a)\in K+F$ である。$K+F$ は点列について閉じているので閉集合であり、$\{f*g\ne0\}$ の閉包も $K+F$ に含まれる。$\square$
たとえば $\varphi\in C^\infty_c(\mathbb{R}^n)$ の台が閉球 $\overline{B}(0,\varepsilon)$ に含まれるなら、$\operatorname{supp}(\varphi*g)$ は $\operatorname{supp}g$ の $\varepsilon$ 近傍の閉包 $\operatorname{supp}g+\overline{B}(0,\varepsilon)$ に含まれる。関数を軟化するとき台が少しだけ広がることを、この包含が定量的に表している。$f\in L^1(\mathbb{R}^n)$、$g\in L^p(\mathbb{R}^n)$($1\le p\le\infty$)についても、後で述べる本質的な台について $\operatorname{supp}(f*g)\subset\overline{\operatorname{supp}f+\operatorname{supp}g}$ が成り立つ(Bre11 Proposition 4.18、p. 106)。
二つの閉集合の和は、どちらもコンパクトでなければ閉集合とは限らない。$A:=\{n\in\mathbb{Z}\mid n\ge2\}$、$B:=\{-n+\tfrac1n\mid n\in\mathbb{Z},\ n\ge2\}$ はどちらも閉集合で、$A+B$ は $n+(-n+\tfrac1n)=\tfrac1n$ を含むが $0$ を含まない($m-n+\tfrac1n=0$ なら $\tfrac1n$ が整数になる)。よって $0\in\overline{A+B}\setminus(A+B)$ である。
可測関数は測度 $0$ の集合で値を変えても同じものとみなすことが多い。そのときの台は次のように定める。
$f\colon\mathbb{R}^n\to\mathbb{C}$ を関数とし、$f=0$ が(Lebesgue測度について)ほとんど至る所で成り立つ開集合 $W$ 全体の和を $\omega$ とする。
要点:可算個の開球で $\omega$ を書き直して 1 を示し、4 では空でない開集合が正の測度をもつことを使う。
1. 有理数の中心と有理数の半径をもつ開球の全体 $(O_m)_{m\ge1}$ は可算個で、どの開集合も、それに含まれる $O_m$ の和である。$B$ を、$f=0$ がほとんど至る所で成り立つある開集合 $W$ に含まれる $O_m$ の添字 $m$ の全体とする。各 $W$ はそれに含まれる $O_m$ の和なので $\omega=\bigcup_{m\in B}O_m$ である。$m\in B$ なら $O_m$ の上で $f=0$ がほとんど至る所で成り立ち、測度 $0$ の集合の可算和は測度 $0$ なので、$\omega$ の上でも $f=0$ がほとんど至る所で成り立つ。
2. $\omega$ は開集合の和なので開集合であり、$\operatorname{ess\,supp}f$ は閉集合である。1 によりその外で $f=0$ がほとんど至る所で成り立つ。$F$ が同じ性質の閉集合なら、$\mathbb{R}^n\setminus F$ は $\omega$ を作る開集合の一つなので $\mathbb{R}^n\setminus F\subset\omega$、すなわち $\operatorname{ess\,supp}f\subset F$ である。
3. 開集合 $W$ の上で $f_1=0$ がほとんど至る所で成り立つことと、$f_2=0$ がほとんど至る所で成り立つことは同値なので、$\omega$ は $f_1$ と $f_2$ で同じである。
4. $\mathbb{R}^n\setminus\operatorname{supp}f$ の上では $f\equiv0$ なので、2 により $\operatorname{ess\,supp}f\subset\operatorname{supp}f$ である。逆に、$f$ が連続なら $\{f\ne0\}\cap\omega$ は開集合で、1 により測度 $0$ である。空でない開集合は正の測度をもつので $\{f\ne0\}\cap\omega=\emptyset$、すなわち $\omega$ の上で $f\equiv0$ である。prop-supf-basic の 1 により $\omega\subset\mathbb{R}^n\setminus\operatorname{supp}f$ であり、$\operatorname{supp}f\subset\operatorname{ess\,supp}f$ を得る。$\square$
この定義と 1 の証明は Bre11 Proposition 4.17(pp. 105–106)による。局所可積分関数 $f$ の定める超関数の台は $\operatorname{ess\,supp}f$ に等しい(超関数 の節「制限・台・変数変換」)。連続性を外すと 4 は成り立たない(ex-supf-counterexamples の 4)。
$f(x)=x$($x\in\mathbb{R}$)は $f(0)=0$ だが、$0$ は $\{f\ne0\}=\mathbb{R}\setminus\{0\}$ の閉包に属するので $\operatorname{supp}f=\mathbb{R}$ である。$\sin x$ の台も $\mathbb{R}$ である。連続関数の台は $\{f\ne0\}$ に、$0$ でない点の極限になっている零点を付け加えたものであり、零点の集合の補集合とは一致しない。
$h(t):=e^{-1/t}$($t>0$)、$h(t):=0$($t\le0$)とおくと、$h$ は $\mathbb{R}$ 上 $C^\infty$ 級であり(隆起関数 の例「平らに立ち上がる関数」)、$\{h\ne0\}=(0,\infty)$ なので $\operatorname{supp}h=[0,\infty)$ である。$\psi(x):=h(1-|x|^2)$($x\in\mathbb{R}^n$)は $C^\infty$ 級で、$\{\psi\ne0\}$ は開球 $\{|x|<1\}$、その閉包である $\operatorname{supp}\psi$ は閉球 $\{|x|\le1\}$ である。したがって $\psi\in C^\infty_c(\mathbb{R}^n)$ であり、コンパクト台をもつ $0$ でない滑らかな関数が存在する。
$\Omega\subset\mathbb{R}^n$ を連結な開集合、$f$ を $\Omega$ 上の実解析的な関数で恒等的に $0$ ではないものとする。$\Omega\setminus\operatorname{supp}f$ は $f\equiv0$ となる開集合であり(prop-supf-basic の 1)、空でなければ一致の定理により $f\equiv0$ となって仮定に反する。よって $\operatorname{supp}f=\Omega$ である。とくに $\mathbb{R}^n$ 上の実解析的な関数で $0$ でないものはコンパクト台をもたず、ex-supf-bump の $\psi$ のような関数は実解析的になりえない。正則関数についても同じである。
$X$ 上の連続関数の層を考え、$f\in C(U)$ の点 $x\in U$ での芽を $f_x$ とする。$f_x=0$ は $x$ のある開近傍で $f\equiv0$ となることなので、prop-supf-basic の 1 により $f_x\ne0$ と $x\in\operatorname{supp}f$($U$ の中での台)は同値である。したがって、層の切断としての台(台(層) の定義「切断の台と層の台」)と関数の台は一致する。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 台(閉包)が $U$ に含まれること($\{\rho\ne0\}\subset U$ だけを課す) | $M=\mathbb{R}$、$U=(0,\infty)$、$0< x< 1$ で $\rho(x)=e^{-1/x-1/(1-x)}$、他で $\rho=0$、$f(x)=e^{1/x^2}$ | 零延長 $\rho f$ の連続性(thm-supf-extension-by-zero) |
| 台の族の局所有限性 | $[\tfrac1{n+1},\tfrac1n]$ に台をもち最大値 $1$ の隆起関数 $f_n$ の和 | 和の連続性(prop-supf-locally-finite) |
| 台のコンパクト性 | $f=\arctan$ | $\int f'\,dx=0$(thm-supf-integral-derivative) |
| 関数の連続性 | 有理数の指示関数 $\chi_{\mathbb{Q}}$ | 本質的な台と台の一致(prop-supf-essential の 4) |
各行を確かめる。
1:$\rho$ は ex-supf-bump の $h$ を使って $\rho(x)=h(x)h(1-x)$ と書けるので $C^\infty$ 級であり、$\{\rho\ne0\}=(0,1)\subset U$ だが $\operatorname{supp}\rho=[0,1]\not\subset U$ である。$0< x< 1$ で $\rho(x)f(x)=\exp\bigl(\tfrac{1-x}{x^2}-\tfrac1{1-x}\bigr)$ であり、$x\to+0$ で指数は $+\infty$ に発散する。よって $\rho f$ は $0$ の近くで有界でなく、$0$ で延長した関数は $0$ で連続でない。
2:$c_n,r_n$ を区間 $[\tfrac1{n+1},\tfrac1n]$ の中点と半径とし、$f_n(x):=e\,h\bigl(1-((x-c_n)/r_n)^2\bigr)$ とおく。$f_n$ は $C^\infty$ 級で、$\operatorname{supp}f_n=[\tfrac1{n+1},\tfrac1n]$、$f_n(c_n)=1$ である。各点で $0$ でない項は高々 1 個なので和 $s=\sum_nf_n$ は定まるが、$s(0)=0$、$s(c_n)=1$、$c_n\to0$ なので $s$ は $0$ で連続でない。$0$ のどの近傍も無限個の $\operatorname{supp}f_n$ と交わるので、台の族は $0$ で局所有限でない。
3:$\arctan$ の台は $\mathbb{R}$ でコンパクトでなく、$\int_{\mathbb{R}}(\arctan)'\,dx=\int_{\mathbb{R}}\frac{dx}{1+x^2}=\pi\ne0$ である。
4:$\{\chi_{\mathbb{Q}}\ne0\}=\mathbb{Q}$ は稠密なので $\operatorname{supp}\chi_{\mathbb{Q}}=\mathbb{R}$ だが、$\mathbb{Q}$ は可算集合で測度 $0$ なので $\mathbb{R}$ 全体でほとんど至る所 $\chi_{\mathbb{Q}}=0$ であり、$\operatorname{ess\,supp}\chi_{\mathbb{Q}}=\emptyset$ である。
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