Apolloniusの問題(problem of Apollonius)とは、3 つの円(または点・直線)のすべてに接する円を求める問題である。3 つの円の中心が一直線上にないとき、接する円は高々 8 個である。求める円の中心を $(x,y)$、半径を $\rho$ とすると、接し方に応じて $(x-a_i)^2+(y-b_i)^2=(\rho\pm r_i)^2$ が成り立ち、2 式ずつ引くと 1 次式になって中心が $\rho$ の 1 次式で表せる。残りの式は $\rho$ の 2 次以下の方程式で、恒等的に $0$ にはならないので、符号の組ごとに解は高々 2 個である。符号をすべて反対にした組は同じ方程式を与えるので、4 通り × 2 個で高々 8 個となる。8 個ある例があり、一直線上にない 3 点では 1 個、三角形の 3 辺を含む 3 本の直線では 4 個である。
前提知識: 2円の位置関係と共通接線, 円と直線の位置関係, 三角形の内心と傍心, 判別式(高校数学)
3 つの円すべてに接する円を探す問題を、Apollonius の問題 という。名前が似ている Apolloniusの円(2 点からの距離の比が一定の点の集まり)とは別の主題である。まず、具体的な 3 つの円で、3 つすべてに外から接する円を座標で求めてみる。
中心 $O_1(0,0)$・半径 $1$ の円 $C_1$、中心 $O_2(4,0)$・半径 $1$ の円 $C_2$、中心 $O_3(2,6)$・半径 $3$ の円 $C_3$ を考える。中心の間の距離は $O_1O_2=4$、$O_1O_3=O_2O_3=\sqrt{4+36}=\sqrt{40}$ で、どれも半径の和($2$、$4$、$4$)より大きいので、3 つの円は互いに外側にあって共有点をもたない。
(1) 式を立てる。3 つの円すべてに外接する円の中心を $(x,y)$、半径を $\rho$ とする。外接する 2 つの円の中心の間の距離は半径の和なので(2円の位置関係と共通接線)
$$
x^2+y^2=(\rho+1)^2\quad\text{(a)},\qquad (x-4)^2+y^2=(\rho+1)^2\quad\text{(b)},\qquad (x-2)^2+(y-6)^2=(\rho+3)^2\quad\text{(c)}
$$
である。
(2) 引き算で 1 次式にする。(b) から (a) を引くと、$x^2$、$y^2$、$\rho^2$ が消えて $-8x+16=0$、つまり $x=2$ である。(c) から (a) を引くと
$$
-4x-12y+40=(\rho+3)^2-(\rho+1)^2=4\rho+8
$$
で、$x=2$ を代入すると $-12y+32=4\rho+8$、つまり $y=2-\dfrac\rho3$ である。
(3) $\rho$ の 2 次方程式。(a) に代入すると
$$
4+\left(2-\frac\rho3\right)^2=(\rho+1)^2
$$
である。両辺を $9$ 倍して展開すると $36+36-12\rho+\rho^2=9\rho^2+18\rho+9$ で、整理すると
$$
8\rho^2+30\rho-63=0
$$
となる。解の公式から $\rho=\dfrac{-30\pm\sqrt{900+2016}}{16}=\dfrac{-30\pm54}{16}$ で
$$
\rho=\frac32\quad\text{または}\quad\rho=-\frac{21}4
$$
である。
(4) 2 つの解の意味。$\rho=\dfrac32$ のとき中心は $\left(2,\dfrac32\right)$ で、$O_1$ までの距離は $\sqrt{4+\dfrac94}=\dfrac52=\dfrac32+1$ である。これは 3 つの円に外接する円である。$\rho=-\dfrac{21}4$ のとき中心は $\left(2,\dfrac{15}4\right)$ で、(a)(b)(c) は「中心の間の距離が $\left\lvert\rho+r_i\right\rvert=\dfrac{21}4-r_i$」を表す。これは、半径 $\dfrac{21}4$ の円が 3 つの円を内側に含んで接している(内接している)ことを表す。実際、$\left(2,\dfrac{15}4\right)$ から $O_1$ までの距離は $\sqrt{4+\dfrac{225}{16}}=\dfrac{17}4=\dfrac{21}4-1$、$O_3$ までの距離は $\dfrac94=\dfrac{21}4-3$ である。
1 つの 2 次方程式から、外接する円と、3 つを含む円の 2 つが出てきた。(c) の右辺を $(\rho-3)^2$ に変えると、$C_3$ には内接する円($C_3$ を含んで接するか、$C_3$ の内側で接する円)を探すことになり、また 2 つの円が出てくる。右辺の符号の付け方を変えるたびに円が見つかっていく。
この記事で答える問いは次の 3 つである。
| 高校の計算 | この記事の言葉 | 大学の言葉 |
|---|---|---|
| 右辺を $(\rho+r)^2$ か $(\rho-r)^2$ にする | 接し方の符号 $\varepsilon_i=\pm1$ | 向きのついた円 |
| 2 式を引いて 1 次式にする | 中心を $\rho$ の 1 次式で表す | 3 つの円錐の交わりを平面で切る |
| $\rho$ の 2 次方程式の解 | 符号の組 1 つにつき高々 2 個 | 直線と円錐の交点 |
| 負の解 $\rho$ | 符号をすべて反対にした円 | 向きを逆にした円 |
以下、円の半径はいつも正の数とする。中心 $O_1$、$O_2$ の間の距離を $d$ とする。
2 つの円がただ 1 つの共有点をもつとき、2 つの円は 接する という。2円の位置関係と共通接線 の定理「2 円の位置関係」により、半径 $\rho$ と $r$ の 2 つの円が接するのは、次のどちらかのときである。
(R1) $d=\rho+r$(外接。互いに相手の外側にあって 1 点で触れる)。
(R1) $d=\lvert\rho-r\rvert$ かつ $d>0$(内接。一方が他方を含んで 1 点で触れる)。
3 つの円(または点・直線)が与えられたとき、そのすべてに接する円を求める問題を Apollonius の問題 という(Wei26)。
条件 (ii) の $d>0$ は、中心も半径も同じ 2 つの円(同じ円)を除くためである。同じ円は共有点が無数にあり、接してはいない。
2 つの場合を 1 つの式にまとめる。$d=\rho+r$ は $d^2=(\rho+r)^2$ と同じであり(両辺が正だから)、$d=\lvert\rho-r\rvert$ は $d^2=(\rho-r)^2$ と同じである。
半径 $\rho$ の円と、中心 $(a,b)$・半径 $r$ の円が接するための条件は、ある $\varepsilon\in\{1,-1\}$ について
$$
(x-a)^2+(y-b)^2=(\rho+\varepsilon r)^2
$$
が成り立ち、しかも 2 つの円が同じ円でないことである。ここで $(x,y)$ は半径 $\rho$ の円の中心である。外接なら $\varepsilon=1$、内接なら $\varepsilon=-1$ で、$\varepsilon$ は接する 2 つの円からただ 1 つに決まる。
要点:$\varepsilon=1$ の式は $d=\rho+r$(外接)と、$\varepsilon=-1$ の式は $d=\lvert\rho-r\rvert$ と同じで、「同じ円でない」は後者のもとで $d>0$(内接)と同じである。$\lvert\rho-r\rvert<\rho+r$ なので、2 つが同時に成り立つことはない。
段 1(式との対応)。$d^2=(x-a)^2+(y-b)^2$ である。$\varepsilon=1$ の式は $d^2=(\rho+r)^2$ で、$d\ge0$、$\rho+r>0$ なので $d=\rho+r$ と同じである。このとき $d>0$ で、def-apo-tangent の条件 (i) である。$\varepsilon=-1$ の式は $d^2=(\rho-r)^2$ で、$d=\lvert\rho-r\rvert$ と同じである。同じ円でないという条件は、$d=\lvert\rho-r\rvert$ のもとでは $d>0$ と同じである($d=0$ なら $\rho=r$ で中心も一致し、同じ円になる。逆に同じ円なら $d=0$)。これは条件 (ii) である。
段 2($\varepsilon$ はただ 1 つ)。$\rho>0$、$r>0$ なので $\lvert\rho-r\rvert<\rho+r$ である。$d$ が $\rho+r$ と $\lvert\rho-r\rvert$ の両方に等しくなることはないので、$\varepsilon$ はただ 1 つに決まる。$\square$
ex-apo-start の円で確かめる。
(1) 中心 $\left(2,\dfrac32\right)$・半径 $\dfrac32$ の円と $C_1$:$d=\dfrac52=\dfrac32+1$ なので外接で、$\varepsilon=1$ である。
(2) 中心 $\left(2,\dfrac{15}4\right)$・半径 $\dfrac{21}4$ の円と $C_1$:$d=\dfrac{17}4=\dfrac{21}4-1$ なので内接で、$\varepsilon=-1$ である。$C_2$、$C_3$ とも内接する。
(2) の円は、ex-apo-start では $\rho=-\dfrac{21}4$、符号 $(1,1,1)$ の解として出てきた。半径を正の $\dfrac{21}4$ に直すと、符号はすべて反対の $(-1,-1,-1)$ になる。$\left(-\dfrac{21}4+r\right)^2=\left(\dfrac{21}4-r\right)^2$ だからである。
円の代わりに点や直線が与えられた場合から見る。点は「半径 $0$ の円」と考え、点に接する円は「その点を通る円」とする。
3 点 $(0,0)$、$(4,0)$、$(2,6)$ を通る円を求める。ex-apo-start の (a)(b)(c) で半径をすべて $0$ にすると
$$
x^2+y^2=\rho^2,\qquad (x-4)^2+y^2=\rho^2,\qquad (x-2)^2+(y-6)^2=\rho^2
$$
である。2 式目から 1 式目を引くと $x=2$、3 式目から 1 式目を引くと $-4x-12y+40=0$ で $y=\dfrac83$ である。1 式目に代入すると $\rho^2=4+\dfrac{64}9=\dfrac{100}9$、$\rho=\pm\dfrac{10}3$ である。$\rho$ と $-\rho$ は同じ円を表すので、求める円は中心 $\left(2,\dfrac83\right)$・半径 $\dfrac{10}3$ の 1 個(外接円)だけである。一直線上にない 3 点を通る円はただ 1 つである(三角形の外心)。
3 本の直線 $x=0$、$y=0$、$3x+4y=12$ は、3 辺が $3,4,5$ の直角三角形 $(0,0)$、$(4,0)$、$(0,3)$ をつくる。円が直線に接するのは、中心から直線までの距離が半径に等しいときである(円と直線の位置関係)。したがって 3 本の直線に接する円の中心は、3 本の直線から等しい距離にある点で、三角形の内心と傍心 の定理「3 辺の直線から等距離の 4 点」により、内心と 3 つの傍心の 4 点だけである。
| 円 | 中心 | 半径 | $x=0$ までの距離 | $y=0$ までの距離 | $3x+4y=12$ までの距離 |
|---|---|---|---|---|---|
| 内接円 | $(1,1)$ | $1$ | $1$ | $1$ | $\dfrac{\lvert 3+4-12\rvert}5=1$ |
| 傍接円 | $(6,6)$ | $6$ | $6$ | $6$ | $\dfrac{\lvert 18+24-12\rvert}5=6$ |
| 傍接円 | $(3,-3)$ | $3$ | $3$ | $3$ | $\dfrac{\lvert 9-12-12\rvert}5=3$ |
| 傍接円 | $(-2,2)$ | $2$ | $2$ | $2$ | $\dfrac{\lvert -6+8-12\rvert}5=2$ |
3 本の直線に接する円はちょうど 4 個である。
一直線上にない 3 点を通る円はただ 1 つ
三角形の 3 辺を含む 3 本の直線に接する円は、内接円と 3 つの傍接円の 4 個
点が 3 つなら 1 個、直線が 3 本なら 4 個だった。円が 3 つになると、接し方の符号が 3 つの円それぞれに付くので、候補が増える。
3 つの円を $C_i$(中心 $(a_i,b_i)$、半径 $r_i>0$、$i=1,2,3$)とする。符号の組 $\varepsilon=(\varepsilon_1,\varepsilon_2,\varepsilon_3)$(各 $\varepsilon_i$ は $1$ か $-1$)に対して、$x,y,\rho$ の連立方程式
$$
(x-a_i)^2+(y-b_i)^2=(\rho+\varepsilon_ir_i)^2\qquad(i=1,2,3)\qquad\text{(E}_\varepsilon\text{)}
$$
を考える。lem-apo-sign により、3 つの円すべてに接する半径 $\rho$ の円は、ある $\varepsilon$ について (E$_\varepsilon$) の解 $(x,y,\rho)$ で $\rho>0$ のものになる。この $\varepsilon$ を、その円の 接し方の型 とよぶ。
中心が一直線上にない 3 つの円に接する円は、高々 8 個である。
方針:ex-apo-start と同じ計算を一般の符号の組で行い、各組で $\rho$ の方程式が 2 次以下の方程式(しかも恒等的に $0$ ではない)になることを示す。最後に、符号をすべて反対にした 2 つの組が同じ方程式を共有することを使って数える。
段 1(引き算で 1 次式にする)。符号の組 $\varepsilon$ を 1 つ固定する。(E$_\varepsilon$) の $i=2$ の式から $i=1$ の式を引くと、$x^2$、$y^2$、$\rho^2$ が消えて
$$
-2(a_2-a_1)x-2(b_2-b_1)y+(a_2^2+b_2^2-a_1^2-b_1^2)=2(\varepsilon_2r_2-\varepsilon_1r_1)\rho+(r_2^2-r_1^2)
$$
となる。$i=3$ の式から $i=1$ の式を引いても、同じ形の式になる(添字の $2$ を $3$ に替える)。どちらも $x,y,\rho$ の 1 次式である。
段 2(中心を $\rho$ で表す)。段 1 の 2 式を、$x,y$ の連立 1 次方程式とみる。係数の行列式は
$$
D=4\bigl\{(a_2-a_1)(b_3-b_1)-(b_2-b_1)(a_3-a_1)\bigr\}
$$
である。中括弧の中は、ベクトル $\overrightarrow{O_1O_2}=(a_2-a_1,b_2-b_1)$ と $\overrightarrow{O_1O_3}=(a_3-a_1,b_3-b_1)$ が平行でないとき、そのときに限り $0$ でない。中心は一直線上にないので $D\ne0$ で、連立方程式はただ 1 組の解をもつ(連立1次方程式)。右辺が $\rho$ の 1 次式なので、解も $\rho$ の 1 次式で
$$
x=p+q\rho,\qquad y=s+t\rho
$$
と書ける($p,q,s,t$ は $\varepsilon$ と 3 つの円で決まる定数)。
段 3($\rho$ の方程式)。これを $i=1$ の式に代入して、すべて左辺に移した式を
$$
F_\varepsilon(\rho)=(p+q\rho-a_1)^2+(s+t\rho-b_1)^2-(\rho+\varepsilon_1r_1)^2
$$
とおく。$F_\varepsilon(\rho)$ は $\rho$ の 2 次以下の多項式である。逆に、$F_\varepsilon(\rho)=0$ の実数解 $\rho$ から $x=p+q\rho$、$y=s+t\rho$ と定めると、$i=1$ の式と段 1 の 2 式が成り立つ。段 1 の 2 式は「$i=2$ の式 $-$ $i=1$ の式」「$i=3$ の式 $-$ $i=1$ の式」なので、$i=2,3$ の式も成り立つ。つまり (E$_\varepsilon$) の解は、$F_\varepsilon(\rho)=0$ の実数解と 1 対 1 に対応する。
段 4($F_\varepsilon$ は恒等的に $0$ ではない)。仮に、すべての実数 $\rho$ で $F_\varepsilon(\rho)=0$ だったとする。段 3 により、すべての $\rho$ で点 $P(\rho)=(p+q\rho,\ s+t\rho)$ が (E$_\varepsilon$) の 3 つの式をみたす。$\rho=-\varepsilon_1r_1$ とすると、$i=1$ の式の右辺は $0$ になり、$(p+q\rho-a_1)^2+(s+t\rho-b_1)^2=0$ から $P(-\varepsilon_1r_1)=O_1$ である。同じく $P(-\varepsilon_2r_2)=O_2$、$P(-\varepsilon_3r_3)=O_3$ である。ところが点 $P(\rho)$ は、$\rho$ を動かすと 1 本の直線の上を動く($q=t=0$ なら 1 点にとどまる)。すると 3 つの中心 $O_1,O_2,O_3$ が 1 本の直線の上にあることになり、仮定に反する。よって $F_\varepsilon$ は恒等的に $0$ ではなく、$F_\varepsilon(\rho)=0$ の実数解は高々 2 個である(2 次以下で $0$ でない多項式の根の個数)。
段 5(符号を反対にした組)。$-\varepsilon=(-\varepsilon_1,-\varepsilon_2,-\varepsilon_3)$ とする。$(-\rho-\varepsilon_ir_i)^2=(\rho+\varepsilon_ir_i)^2$ なので、$(x,y,\rho)$ が (E$_\varepsilon$) の解であることと、$(x,y,-\rho)$ が (E$_{-\varepsilon}$) の解であることは同じである。したがって
$F_\varepsilon(\rho)=0$ の解のうち、$\rho=0$ は円ではなく「3 つの円すべての上にある点」を表し、接する円には数えない。また $\rho>0$ の解でも、与えられた円と同じ円になるもの(lem-apo-sign の「同じ円でない」をみたさないもの)は数えない。どちらも個数を減らすだけなので、上限 8 は変わらない。
ex-apo-start は、符号の組 $(1,1,1)$ で段 1〜段 3 を実行したものである。$F(\rho)=0$ は $8\rho^2+30\rho-63=0$ と同じで、正の解 $\dfrac32$ が型 $(1,1,1)$ の円、負の解 $-\dfrac{21}4$ が型 $(-1,-1,-1)$ の円を与えた。
ex-apo-start の 3 つの円 $C_1$、$C_2$、$C_3$ で、残りの 3 つの対も計算する。
(1) 対 $\{(1,1,-1),(-1,-1,1)\}$。(c) の右辺を $(\rho-3)^2$ に替えると、$x=2$、$y=2+\dfrac23\rho$、$5\rho^2-6\rho-63=0$ となり、$\rho=\dfrac{21}5$ または $\rho=-3$ である。$\rho=\dfrac{21}5$ は中心 $\left(2,\dfrac{24}5\right)$ の型 $(1,1,-1)$ の円、$\rho=-3$ は中心 $(2,0)$・半径 $3$ の型 $(-1,-1,1)$ の円である。
(b) から (a) を引いて $x=2$ は同じである。(c) から (a) を引くと
$$-4x-12y+40=(\rho-3)^2-(\rho+1)^2=-8\rho+8$$
で、$x=2$ を代入すると $-12y+32=-8\rho+8$、$y=2+\dfrac23\rho$ である。(a) に代入して $9$ 倍すると $72+24\rho+4\rho^2=9\rho^2+18\rho+9$、整理して $5\rho^2-6\rho-63=0$ で、$\rho=\dfrac{6\pm\sqrt{36+1260}}{10}=\dfrac{6\pm36}{10}$ である。
(b) から (a) を引くと $-8x+16=(\rho-1)^2-(\rho+1)^2=-4\rho$ で、$x=2+\dfrac\rho2$ である。(c) から (a) を引くと $-4x-12y+40=4\rho+8$ で、$x$ を代入すると $-8-2\rho-12y+40=4\rho+8$、$y=2-\dfrac\rho2$ である。(a) に代入すると
$$\left(2+\frac\rho2\right)^2+\left(2-\frac\rho2\right)^2=(\rho+1)^2,\qquad 8+\frac{\rho^2}2=\rho^2+2\rho+1$$
で、$2$ 倍して整理すると $\rho^2+4\rho-14=0$、$\rho=-2\pm\sqrt{4+14}=-2\pm3\sqrt2$ である。
| 対 | 正の解の円(型) | 負の解から得る円(型) |
|---|---|---|
| $(1,1,1)$ | 中心 $\left(2,\dfrac32\right)$、半径 $\dfrac32$($1,1,1$) | 中心 $\left(2,\dfrac{15}4\right)$、半径 $\dfrac{21}4$($-1,-1,-1$) |
| $(1,1,-1)$ | 中心 $\left(2,\dfrac{24}5\right)$、半径 $\dfrac{21}5$($1,1,-1$) | 中心 $(2,0)$、半径 $3$($-1,-1,1$) |
| $(1,-1,1)$ | 中心 $(3.121,\ 0.879)$、半径 $2.243$($1,-1,1$) | 中心 $(-1.121,\ 5.121)$、半径 $6.243$($-1,1,-1$) |
| $(-1,1,1)$ | 中心 $(0.879,\ 0.879)$、半径 $2.243$($-1,1,1$) | 中心 $(5.121,\ 5.121)$、半径 $6.243$($1,-1,-1$) |
(3 行目・4 行目は小数第 3 位までの値。正確には半径 $3\sqrt2-2$ と $3\sqrt2+2$、中心は $\left(1+\dfrac{3\sqrt2}2,\ 3-\dfrac{3\sqrt2}2\right)$ などである。)
型 (1,1,1) の円(赤)と型 (−1,−1,−1) の円(青)。灰色が与えられた 3 つの円
型 (1,1,−1) の円(赤)と型 (−1,−1,1) の円(青)
型 (1,−1,1) の円(赤)と型 (−1,1,−1) の円(青)
型 (−1,1,1) の円(赤)と型 (1,−1,−1) の円(青)
型の読み方は、図 3〜6 のそれぞれで「$+$ の円には外から触れ、$-$ の円は内側に含んで触れる」である。たとえば図 4 の赤い円(型 $(1,1,-1)$)は $C_1$、$C_2$ に外から触れ、$C_3$ を含んでいる。
互いに外側にある 3 つの円の別の例として、中心 $(0,0)$・$(5,0)$・$(2,4)$、半径 $1$・$\dfrac32$・$\dfrac45$ の 3 つの円と、中心 $(0,0)$・$(7,1)$・$(3,6)$、半径 $2$・$1$・$\dfrac32$ の 3 つの円でも、同じ計算で 8 個の接する円が得られる(係数に大きな数が出るので数値だけ確かめた)。ただし、互いに外側にある 3 つの円でいつも 8 個あることは、この記事では証明しない。
点を半径 $0$ の円とみると、thm-apo-main の証明はほとんどそのまま使える。
3 つのうち $k$ 個が点で、残りが円であるとし、点と円の中心の 3 つは一直線上にないとする。これらすべてに接する円(点については、その点を通る円)の個数は、$k=1$ なら高々 $4$ 個、$k=2$ なら高々 $2$ 個、$k=3$ ならちょうど $1$ 個である。
要点:点を通る条件は (E$_\varepsilon$) で $r_i=0$ とした式で、$\varepsilon_i$ によらない。prf-apo-main の段 1〜段 4 はそのまま使えるので、符号の組ごとに解は高々 2 個である。型は円の数 $3-k$ 個の符号の組で、反対どうしの対は $2^{2-k}$ 個あり、各対に高々 2 個なので、全部で高々 $2^{3-k}$ 個である。
円が点 $(a_i,b_i)$ を通るための条件は、中心 $(x,y)$ と半径 $\rho$ について $(x-a_i)^2+(y-b_i)^2=\rho^2$ である。これは (E$_\varepsilon$) の $i$ 番目の式で $r_i=0$ としたもので、$\varepsilon_i$ によらない。prf-apo-main の段 1〜段 4 は $r_i=0$ でもそのまま成り立つ(段 4 では $P(0)=O_i$ となる)。したがって符号の組ごとに解は高々 2 個である。
符号が意味をもつのは円についてだけなので、接し方の型は円の数 $3-k$ 個の符号の組で、$2^{3-k}$ 通りある。$k\le2$ のとき、段 5 と同じく型 $\varepsilon$ と $-\varepsilon$ の円は 1 つの方程式の正の解と負の解に対応するので、$2^{3-k}$ 通りの型は $2^{2-k}$ 個の対に分かれ、各対に高々 2 個の円がある。全部で高々 $2^{2-k}\times2=2^{3-k}$ 個、つまり $k=1$ なら $4$ 個、$k=2$ なら $2$ 個である。$k=3$ は ex-apo-points と同じく、一直線上にない 3 点を通る円(外接円)がただ 1 つある。$\square$
(b) から (a) を引いて $x=2$、(c) から (a) を引いて $-4x-12y+40=6\rho+9$ から $y=\dfrac{23}{12}-\dfrac\rho2$ となる。(a) に代入して $144$ 倍すると $576+529-276\rho+36\rho^2=144\rho^2$、整理して $108\rho^2+276\rho-1105=0$ である。解の公式から $\rho=\dfrac{-276\pm\sqrt{276^2+4\cdot108\cdot1105}}{216}=\dfrac{-276\pm744}{216}$ である。
与えられる 3 つが、それぞれ点・直線・円のどれかである組合せは 10 通りある。この記事で確かめた個数を表にまとめる。
| 与えられたもの | 接する円の個数 | 根拠 |
|---|---|---|
| 点 3 つ(一直線上にない) | ちょうど 1 | ex-apo-points |
| 点 2 つ・円 1 つ(2 点と中心が一直線上にない) | 高々 2(例で 2) | cor-apo-points、ex-apo-points-circles |
| 点 1 つ・円 2 つ(点と 2 つの中心が一直線上にない) | 高々 4(例で 4) | cor-apo-points、ex-apo-points-circles |
| 円 3 つ(中心が一直線上にない) | 高々 8(例で 8) | thm-apo-main、ex-apo-eight |
| 直線 3 本(三角形をつくる) | ちょうど 4 | ex-apo-lines |
| 点 2 つ・直線 1 本 | この記事では扱わない | |
| 点 1 つ・直線 2 本 | この記事では扱わない | |
| 直線 2 本・円 1 つ | この記事では扱わない | |
| 直線 1 本・円 2 つ | この記事では扱わない | |
| 点・直線・円 1 つずつ | この記事では扱わない |
直線を含む場合も、直線に接する条件は「中心から直線までの符号つきの距離が $\pm\rho$」という 1 次式になるので、同じ引き算の方法で調べられる。
prf-apo-main の計算には、空間の図形としての意味がある。
中心 $(x,y)$・半径 $\rho$ の円を、空間の点 $(x,y,\rho)$ で表す。$\rho$ の符号も許し、$\rho<0$ の点は「向きを逆にした円」を表すと考える。与えられた円 $C_i$ と符号 $\varepsilon_i$ について、方程式
$$
(x-a_i)^2+(y-b_i)^2=(\rho+\varepsilon_ir_i)^2
$$
をみたす点 $(x,y,\rho)$ の集まりは、頂点 $(a_i,b_i,-\varepsilon_ir_i)$ をもち、軸が $\rho$ 軸に平行で、軸と母線のなす角が $45^\circ$ の円錐(2 つの円錐を頂点でつないだ形)である。
符号の組 $\varepsilon$ を 1 つ固定し、$\sigma=\rho+\varepsilon_3r_3$ とおくと、(E$_\varepsilon$) の 3 番目の式は $(x-a_3)^2+(y-b_3)^2=\sigma^2$ になる。これは「半径 $\sigma$ の円が点 $O_3$ を通る」ことを表す。1 番目・2 番目の式も、半径を $\varepsilon_ir_i-\varepsilon_3r_3$ に変えた円に接する式になる。つまり、半径をそろえてずらすことで、$C_3$ を点 $O_3$ に縮めた問題に直せる。3 つの円に接する円が定規とコンパスだけで作図できることが知られている(Wei26)。
点 $O_3$ を中心とする反転(円に関する反転)を使うと、$O_3$ を通る円は直線に移り、接する関係は保たれる。そこで問題は「2 つの円の共通接線を求める」ことになり、共通接線は高々 4 本である(2円の位置関係と共通接線)。共通接線は定規とコンパスで引けるので、ここから作図の手順が得られる。反転と接する円の対応の細部は、この記事では証明しない。
thm-apo-main の仮定を外したり、3 つの円の位置を変えたりすると、個数が変わる。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 中心が一直線上にない | 1 点で接し合う 3 つの円 $(0,0;1)$、$(1,0;2)$、$(2,0;3)$ | 接する円は高々 8 個(無数にある) |
| 互いに外側にある(ex-apo-eight の配置) | 円 $(0,0;1)$ が円 $(1,0;4)$ の内側、円 $(8,5;1)$ が外側 | 接する円が 8 個ある(1 個もない) |
| 互いに外側にある | 円 $(0,0;2)$ と $(3,0;2)$ が交わる | 接する円が 8 個ある(4 個だけ) |
表の $(a,b;r)$ は、中心 $(a,b)$・半径 $r$ の円を表す。
中心 $(0,0)$、$(1,0)$、$(2,0)$、半径 $1$、$2$、$3$ の 3 つの円は、どれも点 $(-1,0)$ を通り、そこで互いに接している(中心の間の距離 $1=2-1$、$2=3-1$、$1=3-2$ が半径の差に等しい)。
正の数 $t$ を 1 つとり、中心 $(-1-t,0)$・半径 $t$ の円を考える。この円の中心から 3 つの中心までの距離は
$$
1+t=t+1,\qquad 2+t=t+2,\qquad 3+t=t+3
$$
で、どれも「半径の和」に等しい。よってこの円は 3 つの円すべてに外接する。$t$ は任意の正の数なので、接する円は無数にある。
prf-apo-main の段 2 で使った行列式は、中心が一直線上にあるので $D=0$ になり、$x$、$y$ を $\rho$ で表す段が進まない。
円 $C_1=(0,0;1)$、$C_2=(1,0;4)$、$C_3=(8,5;1)$ を考える。中心は一直線上にない。$C_1$ と $C_2$ の中心の距離は $1<4-1$ なので $C_1$ は $C_2$ の内部にあり、$C_2$ と $C_3$ の中心の距離は $\sqrt{74}>4+1$ なので $C_3$ は $C_2$ の外部にある(2円の位置関係と共通接線 の定理「2 円の位置関係」)。
3 つすべてに接する円 $\Gamma$ はない。$\Gamma$ が $C_2$ に接するなら、$\Gamma$ は(接点を除いて)$C_2$ の外側にあるか内側にあるか、$C_2$ を含むかのどれかで、どの場合も $C_1$ か $C_3$ に届かないからである。
$100F_\varepsilon(\rho)$ は、対 $(1,1,1)$ で $3104\rho^2+23296\rho+45201$、$(1,1,-1)$ で $3504\rho^2+24904\rho+45201$、$(1,-1,1)$ で $8800\rho^2-39360\rho+45201$、$(-1,1,1)$ で $8176\rho^2+37752\rho+45201$ である。判別式 $b^2-4ac$ はそれぞれ $-18512000$、$-13328000$、$-41865600$、$-53040000$ で、どれも負である。
1 点で接し合う 3 つの円(灰色)には、その点で外から接する円(赤)が無数にある
C1 が C2 の内側に、C3 が C2 の外側にあると、3 つすべてに接する円はない
$C_1=(0,0;2)$、$C_2=(3,0;2)$、$C_3=(1,5;1)$ では、$C_1$ と $C_2$ が 2 点で交わる(中心の距離 $3$ が $0$ と $4$ の間)。対 $(1,1,1)$ と $(1,1,-1)$ からは 2 個ずつ、合わせて 4 個の接する円が得られるが、対 $(1,-1,1)$ と $(-1,1,1)$ の 2 次方程式
$$
704\rho^2-312\rho+4509=0,\qquad 800\rho^2-1560\rho+4509=0
$$
は判別式がそれぞれ $312^2-4\cdot704\cdot4509=-12600000$、$1560^2-4\cdot800\cdot4509=-11995200$ で負になり、実数解をもたない。接する円は 4 個だけである。
3 つの円が互いに外接している場合は、8 個の解が 2 個に減り、その 2 個を Soddy の円 という(Wei26)。Descartesの円定理 の最初の例は、この場合を同じ引き算の方法で解いたものである。2 個の円の半径の関係は、その記事の Descartes の円定理で与えられる。
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