Mongeの定理(Monge's theorem)とは、中心が一直線上になく半径がどの 2 つも異なる 3 つの円について、2 円ずつの外相似の中心(中心を結ぶ線分を半径の比に外分する点で、互いの外部にある 2 円では共通外接線の交点)3 つが一直線上にあるという定理である。外相似の中心 1 つと残りの組の内相似の中心 2 つも一直線上にあるが、内相似の中心 3 つは決して一直線上に並ばず、中心と結ぶ 3 本が Ceva の定理で 1 点に交わる。高校では Menelaus の定理の逆で示せる。円を空間の点(中心, 半径)に持ち上げると、3 点を通る平面と元の平面の交線として直線が現れる。
前提知識: Menelausの定理(高校数学), 内分点・外分点の座標, 2円の位置関係と共通接線
大きさの違う 2 つの円には、2 つの円を同じ側に見る接線(共通外接線)が 2 本引ける。2 本の共通外接線は、中心を結ぶ直線の上の 1 点で交わる。円が 3 つあると、2 つずつの組は 3 組あるので、共通外接線の交点が 3 つできる。この 3 点はいつも一直線上に並ぶ。これが Mongeの定理 である。まず座標で確かめる。
円 $C_1$:中心 $O_1(0,0)$、半径 $r_1=1$、円 $C_2$:中心 $O_2(6,0)$、半径 $r_2=2$、円 $C_3$:中心 $O_3(2,5)$、半径 $r_3=3$ をとる。中心間の距離は $O_1O_2=6$、$O_2O_3=\sqrt{41}$、$O_3O_1=\sqrt{29}$ で、どれも半径の和($3$、$5$、$4$)より大きいので、3 つの円はどの 2 つも互いの外部にある。
(1) $C_1$ と $C_2$ の共通外接線。対称性から、2 本の共通外接線は $x$ 軸上の点 $(p,0)$ で交わる(後の prop-monge-tangent で一般に示す)。点 $(-6,0)$ を通る直線 $y=m(x+6)$、つまり $mx-y+6m=0$ を考える。$O_1$ からの距離は $\dfrac{\lvert6m\rvert}{\sqrt{m^2+1}}$ で、これが $1$ になるのは $36m^2=m^2+1$、つまり $m=\pm\dfrac1{\sqrt{35}}$ のときである(直線の方程式と点と直線の距離)。このとき $O_2$ からの距離は $\dfrac{\lvert6m+6m\rvert}{\sqrt{m^2+1}}=2\cdot\dfrac{\lvert6m\rvert}{\sqrt{m^2+1}}=2=r_2$ なので、この 2 本は $C_2$ にも接する。$O_1$、$O_2$ を代入した $mx-y+6m$ の値は $6m$、$12m$ で同じ符号なので、2 つの円は直線の同じ側にある。よって共通外接線の交点は $X_{12}(-6,0)$ である。
(2) 同じように計算すると、$C_2$ と $C_3$ の共通外接線の交点は $X_{23}(14,-10)$、$C_3$ と $C_1$ の共通外接線の交点は $X_{31}\left(-1,-\dfrac52\right)$ である(下の ex-monge-centers で公式から求める)。
(3) 3 点を直線 $x+2y+6=0$ に代入すると、$-6+0+6=0$、$14-20+6=0$、$-1-5+6=0$ で、3 点はこの直線の上にある。
3 つの円と、2 円ずつの共通外接線(灰色)。交点 X₁₂、X₂₃、X₃₁ は直線 x + 2y + 6 = 0(破線)の上に並ぶ
(1) の $X_{12}(-6,0)$ は、$O_1O_2$ を $1:2$ に外分する点である。$O_1X_{12}:X_{12}O_2=6:12=1:2=r_1:r_2$ になっている。共通外接線の交点は、中心を結ぶ線分を 半径の比に外分する点 である。この点を使えば、接線を求めなくても交点の位置が分かり、定理は「外分点が一直線上に並ぶ」という比の問題になる。そこで Menelausの定理(高校数学) が使える。
この記事で答える問いは次の 4 つである。
| 高校の計算 | この記事の言葉 | 大学の言葉 |
|---|---|---|
| 半径の比に外分する点 | 外相似の中心 | 2 円を移し合う相似拡大の中心 |
| Menelaus の定理(積が $-1$) | Mongeの定理 | 3 点の共線条件 |
| 空間の 2 平面の交線 | 円を点 $(x,y,r)$ に持ち上げる | 円の空間を 3 次元の空間とみる |
| 半径の符号を $\pm$ で選ぶ | 外 3 つ、外 1 つ内 2 つ | 符号の偶奇 |
以下、円 $C_i$ の中心を $O_i$、半径を $r_i>0$ とし、点とその位置ベクトルを同じ文字で表す。
中心の異なる 2 つの円 $C_i$、$C_j$ について、線分 $O_iO_j$ を $r_i:r_j$ に内分する点
$$
Y_{ij}=\frac{r_jO_i+r_iO_j}{r_i+r_j}
$$
を $C_i$ と $C_j$ の 内相似の中心 という。$r_i\ne r_j$ のとき、線分 $O_iO_j$ を $r_i:r_j$ に外分する点
$$
X_{ij}=\frac{r_iO_j-r_jO_i}{r_i-r_j}
$$
を 外相似の中心 という(内分点・外分点の座標)。$X_{ij}=X_{ji}$、$Y_{ij}=Y_{ji}$ である(分母と分子の符号を同時に変えればよい)。$r_i=r_j$ のときは外分点がないので、外相似の中心は定めない。
ex-monge-start の 3 つの円で計算する。
(1) 外相似の中心。
$$
X_{12}=\frac{1\cdot(6,0)-2\cdot(0,0)}{1-2}=(-6,0),\qquad X_{23}=\frac{2\cdot(2,5)-3\cdot(6,0)}{2-3}=\frac{(-14,10)}{-1}=(14,-10),
$$
$$
X_{31}=\frac{3\cdot(0,0)-1\cdot(2,5)}{3-1}=\left(-1,-\frac52\right)
$$
である。
(2) 内相似の中心。
$$
Y_{12}=\frac{2\cdot(0,0)+1\cdot(6,0)}{3}=(2,0),\qquad Y_{23}=\frac{3\cdot(6,0)+2\cdot(2,5)}{5}=\left(\frac{22}5,2\right),\qquad Y_{31}=\frac{1\cdot(2,5)+3\cdot(0,0)}{4}=\left(\frac12,\frac54\right)
$$
である($Y_{31}$ は $O_3O_1$ を $r_3:r_1=3:1$ に内分する点)。
名前の「相似」は、次の性質から来ている。Euler線 で扱ったとおり、点 $P$ と $0$ でない実数 $k$ に対し、点 $Z$ を $P+k(Z-P)$ に移す変換を、$P$ を中心とする比 $k$ の 相似拡大 といい、$\varphi_{P,k}$ と書く。相似拡大は、中心 $O$、半径 $r$ の円を、中心 $\varphi_{P,k}(O)$、半径 $\lvert k\rvert r$ の円に移す(Euler線 の相似拡大の性質 5)。
$r_i\ne r_j$ なら、$X_{ij}$ を中心とする比 $\dfrac{r_j}{r_i}$ の相似拡大は円 $C_i$ を円 $C_j$ に移す。また、$Y_{ij}$ を中心とする比 $-\dfrac{r_j}{r_i}$ の相似拡大も円 $C_i$ を円 $C_j$ に移す。
方針:中心 $O_i$ の像が $O_j$ であることを計算で確かめる。半径は $\lvert k\rvert r_i=r_j$ になる。
段 1(外相似の中心)。$k=\dfrac{r_j}{r_i}$、$X=X_{ij}$ とする。$O_i$ の像は
$$
X+k(O_i-X)=(1-k)X+kO_i=\frac{r_i-r_j}{r_i}\cdot\frac{r_iO_j-r_jO_i}{r_i-r_j}+\frac{r_j}{r_i}O_i=\frac{r_iO_j-r_jO_i+r_jO_i}{r_i}=O_j
$$
である。
段 2(内相似の中心)。$k=-\dfrac{r_j}{r_i}$、$Y=Y_{ij}$ とすると、$1-k=\dfrac{r_i+r_j}{r_i}$ なので
$$
(1-k)Y+kO_i=\frac{r_i+r_j}{r_i}\cdot\frac{r_jO_i+r_iO_j}{r_i+r_j}-\frac{r_j}{r_i}O_i=\frac{r_jO_i+r_iO_j-r_jO_i}{r_i}=O_j
$$
である。
段 3(半径)。どちらの相似拡大でも $\lvert k\rvert=\dfrac{r_j}{r_i}$ なので、$C_i$ の像は中心 $O_j$、半径 $\dfrac{r_j}{r_i}\cdot r_i=r_j$ の円、つまり $C_j$ である。$\square$
次の命題は、相似の中心が共通接線の交点であることを示す。
直線 $\ell$ が 2 つの円 $C_i$、$C_j$ の両方に接するとする。
方針:直線 $\ell$ から点までの符号つきの距離を 1 次式で表し、直線 $O_iO_j$ の上でそれが $0$ になる点を求める。
段 1(符号つきの距離)。$\ell$ の方程式を $ax+by+c=0$($a^2+b^2=1$ にそろえる)とし、$g(x,y)=ax+by+c$ とおく。点 $Z$ から $\ell$ までの距離は $\lvert g(Z)\rvert$ で、$g(Z)$ の符号は $Z$ が $\ell$ のどちら側にあるかを表す(直線の方程式と点と直線の距離)。円が $\ell$ に接することは、中心から $\ell$ までの距離が半径に等しいことなので、$\lvert g(O_i)\rvert=r_i$、$\lvert g(O_j)\rvert=r_j$ である。
段 2(1 次式の性質)。$s+t=1$ のとき、$g(sO_i+tO_j)=s\,g(O_i)+t\,g(O_j)$ である($c=(s+t)c$ と書いて並べかえる)。
段 3(同じ側)。2 つの円が同じ側にあるなら、$g$ の符号をそろえて $g(O_i)=r_i$、$g(O_j)=r_j$ としてよい($g$ を $-g$ に替えても $\ell$ は同じ)。$X_{ij}=\dfrac{r_i}{r_i-r_j}O_j+\dfrac{-r_j}{r_i-r_j}O_i$ で係数の和は $1$ なので、段 2 により
$$
g(X_{ij})=\frac{r_i\cdot r_j-r_j\cdot r_i}{r_i-r_j}=0
$$
である。よって $X_{ij}$ は $\ell$ の上にある。
段 4(反対側)。反対側なら $g(O_i)=r_i$、$g(O_j)=-r_j$ としてよい。$Y_{ij}=\dfrac{r_j}{r_i+r_j}O_i+\dfrac{r_i}{r_i+r_j}O_j$ なので $g(Y_{ij})=\dfrac{r_jr_i-r_ir_j}{r_i+r_j}=0$ で、$Y_{ij}$ は $\ell$ の上にある。$\square$
共通外接線が 2 本あれば、どちらも $X_{ij}$ を通るので、その交点が $X_{ij}$ である。$r_i=r_j$ なら共通外接線は 2 本とも $O_iO_j$ に平行で、交わらない(ex-monge-cx-equal)。共通接線の本数や、2 つの円の位置関係による場合分けは 2円の位置関係と共通接線 で扱う。
3 つの円 $C_1$、$C_2$、$C_3$ の中心 $O_1$、$O_2$、$O_3$ は一直線上になく、半径 $r_1$、$r_2$、$r_3$ はどの 2 つも異なるとする。
2 の主張で内相似の中心 $Y_{ij}$ は $r_i=r_j$ でも定まるが、組み合わせる外相似の中心のために、半径はどの 2 つも異なるとしておく。中心が一直線上にあるときは、6 つの相似の中心がすべてその直線の上にあるので、主張はそのまま成り立つ。
方針:3 つの中心を頂点とする三角形 $O_1O_2O_3$ を考え、相似の中心が 3 辺を分ける比を掛ける。比は半径の比なので、掛けると約分される。
段 1(1 の比)。Menelausの定理(高校数学) の符号つきの比($\overrightarrow{PZ}=k\,\overrightarrow{ZQ}$ となる $k$ を $\dfrac{\overline{PZ}}{\overline{ZQ}}$ と書く)を計算する。def-monge-centers の式から
$$
X_{12}-O_1=\frac{r_1O_2-r_2O_1-(r_1-r_2)O_1}{r_1-r_2}=\frac{r_1(O_2-O_1)}{r_1-r_2},\qquad O_2-X_{12}=\frac{(r_1-r_2)O_2-r_1O_2+r_2O_1}{r_1-r_2}=\frac{-r_2(O_2-O_1)}{r_1-r_2}
$$
なので、$\overrightarrow{O_1X_{12}}=-\dfrac{r_1}{r_2}\overrightarrow{X_{12}O_2}$、つまり $\dfrac{\overline{O_1X_{12}}}{\overline{X_{12}O_2}}=-\dfrac{r_1}{r_2}$ である。添字を回して $\dfrac{\overline{O_2X_{23}}}{\overline{X_{23}O_3}}=-\dfrac{r_2}{r_3}$、$\dfrac{\overline{O_3X_{31}}}{\overline{X_{31}O_1}}=-\dfrac{r_3}{r_1}$ である。
段 2(1 の結論)。3 つの点はどれも三角形の頂点と異なる($r_i>0$ なので比は $0$ でない)。3 つの符号つきの比の積は
$$
\left(-\frac{r_2}{r_3}\right)\left(-\frac{r_3}{r_1}\right)\left(-\frac{r_1}{r_2}\right)=-1
$$
なので、符号つきの比による Menelaus の定理の逆(Menelausの定理(高校数学))により、$X_{23}$、$X_{31}$、$X_{12}$ は一直線上にある。
段 3(2 の比)。$X_{12}$、$Y_{23}$、$Y_{31}$ を調べる。三角形の頂点を $A=O_3$、$B=O_1$、$C=O_2$ と名づけると、$X_{12}$ は辺 $BC$ の延長の上の点(外分点なので $B$、$C$ と異なる)、$Y_{23}$ は辺 $CA$ の内部の点、$Y_{31}$ は辺 $AB$ の内部の点である。長さの比は、外分・内分の比がどれも半径の比なので
$$
\frac{BX_{12}}{X_{12}C}=\frac{O_1X_{12}}{X_{12}O_2}=\frac{r_1}{r_2},\qquad \frac{CY_{23}}{Y_{23}A}=\frac{O_2Y_{23}}{Y_{23}O_3}=\frac{r_2}{r_3},\qquad \frac{AY_{31}}{Y_{31}B}=\frac{O_3Y_{31}}{Y_{31}O_1}=\frac{r_3}{r_1}
$$
である。
段 4(2 の結論)。段 3 の 3 つの比の積は $\dfrac{r_1}{r_2}\cdot\dfrac{r_2}{r_3}\cdot\dfrac{r_3}{r_1}=1$ である。延長の上の点が 1 つ、辺の内部の点が 2 つなので、Menelausの定理(高校数学) の定理の逆(長さの比の形)により、$X_{12}$、$Y_{23}$、$Y_{31}$ は一直線上にある。添字を回すと、残りの 2 組も同じである。$\square$
ex-monge-centers の点で確かめる。
(1) $\overrightarrow{O_1X_{12}}=(-6,0)$、$\overrightarrow{X_{12}O_2}=(12,0)$ なので比は $-\dfrac12=-\dfrac{r_1}{r_2}$ である。$\overrightarrow{O_2X_{23}}=(8,-10)$、$\overrightarrow{X_{23}O_3}=(-12,15)$ なので比は $-\dfrac23=-\dfrac{r_2}{r_3}$ である。$\overrightarrow{O_3X_{31}}=\left(-3,-\dfrac{15}2\right)$、$\overrightarrow{X_{31}O_1}=\left(1,\dfrac52\right)$ なので比は $-3=-\dfrac{r_3}{r_1}$ である。積は $\left(-\dfrac23\right)(-3)\left(-\dfrac12\right)=-1$ である。
(2) $X_{12}(-6,0)$、$Y_{23}\left(\dfrac{22}5,2\right)$、$Y_{31}\left(\dfrac12,\dfrac54\right)$ は、どれも直線 $5x-26y+30=0$ の上にある:$-30+0+30=0$、$22-52+30=0$、$\dfrac52-\dfrac{65}2+30=0$。同じように、$X_{23}$、$Y_{31}$、$Y_{12}$ は直線 $5x+6y-10=0$ の上に、$X_{31}$、$Y_{12}$、$Y_{23}$ は直線 $5x-6y-10=0$ の上にある。
平面の円 $C$(中心 $(p,q)$、半径 $r$)に、空間の点 $L=(p,q,r)$ を対応させる。$L$ は、底面が $C$ で、母線が底面と $45^\circ$ をなす直円錐の頂点である。2 つの円の相似の中心は、持ち上げた 2 点を結ぶ直線が平面 $z=0$ と交わる点として現れる。
$L_i=(O_i,r_i)$、$L_j=(O_j,r_j)$ とする($(O,r)$ は、平面の点 $O$ の座標に第 3 成分 $r$ を付けた空間の点)。
方針:直線を媒介変数で表し、第 3 成分が $0$ になる媒介変数を求める。
段 1(1)。直線 $L_iL_j$ の点は $L_i+t(L_j-L_i)$ で、第 3 成分は $r_i+t(r_j-r_i)$ である。これが $0$ になるのは $t=\dfrac{r_i}{r_i-r_j}$ のときだけである。このとき最初の 2 成分は
$$
O_i+\frac{r_i}{r_i-r_j}(O_j-O_i)=\frac{(r_i-r_j)O_i+r_iO_j-r_iO_i}{r_i-r_j}=\frac{r_iO_j-r_jO_i}{r_i-r_j}=X_{ij}
$$
である。
段 2(2)。第 3 成分は $r_i+t(-r_j-r_i)$ で、$t=\dfrac{r_i}{r_i+r_j}$ のとき $0$ になる。最初の 2 成分は $O_i+\dfrac{r_i}{r_i+r_j}(O_j-O_i)=\dfrac{r_jO_i+r_iO_j}{r_i+r_j}=Y_{ij}$ である。$\square$
方針:持ち上げた 3 点を通る平面と、平面 $z=0$ の交線の上に、3 つの相似の中心が乗ることを示す。Desarguesの定理 の空間の証明と同じ「2 平面の交線」の議論である。
段 1(平面 $\Pi$)。$L_1$、$L_2$、$L_3$ は一直線上にない(一直線上にあれば、第 3 成分を落とした $O_1$、$O_2$、$O_3$ も一直線上にある)。よって 3 点を通る平面 $\Pi$ がただ 1 つある(空間の平面と法線ベクトル)。
段 2(交線)。$\Pi$ は平面 $z=0$ と異なる($L_1$ の第 3 成分 $r_1$ は $0$ でない)。$\Pi$ が平面 $z=0$ と平行なら、$\Pi$ の点の第 3 成分はすべて等しく、$r_1=r_2=r_3$ となって仮定に反する。よって $\Pi$ と平面 $z=0$ は 1 本の直線 $m$ で交わる。
段 3(1 の結論)。直線 $L_iL_j$ は $\Pi$ の 2 点を通るので $\Pi$ に含まれる。lem-monge-lift の 1 により、その上の点 $(X_{ij},0)$ は平面 $z=0$ の上にもあるので、$m$ の上にある。3 組とも同じなので、$X_{12}$、$X_{23}$、$X_{31}$ は直線 $m$ の上にある。
段 4(2 の結論)。$L_3$ の代わりに $L_3^-=(O_3,-r_3)$ を使い、$L_1$、$L_2$、$L_3^-$ を通る平面 $\Pi'$ を考える。段 1・段 2 と同じ議論が使える(第 3 成分 $r_1$、$r_2$、$-r_3$ はすべて等しくはない)。直線 $L_1L_2$ は $X_{12}$ を、直線 $L_2L_3^-$ は $Y_{23}$ を、直線 $L_3^-L_1$ は $Y_{31}$ を通る(lem-monge-lift の 2。$L_3^-L_1$ は $L_1L_3^-$ と同じ直線で、$Y_{31}=Y_{13}$)。よって 3 点は $\Pi'$ と平面 $z=0$ の交線の上にある。$L_3$ の代わりに $L_1$ を $L_1^-=(O_1,-r_1)$ に替えると $X_{23}$、$Y_{31}$、$Y_{12}$ が、$L_2$ を $L_2^-=(O_2,-r_2)$ に替えると $X_{31}$、$Y_{12}$、$Y_{23}$ が、同じように一直線上にあることが分かる。$\square$
ex-monge-start では $L_1=(0,0,1)$、$L_2=(6,0,2)$、$L_3=(2,5,3)$ である。$\overrightarrow{L_1L_2}=(6,0,1)$、$\overrightarrow{L_1L_3}=(2,5,2)$ の両方に垂直なベクトルとして $(1,2,-6)$ がとれる($6-6=0$、$2+10-12=0$)。平面 $\Pi$ は $x+2y-6z=d$ で、$L_1$ を代入して $d=-6$ である。$L_2$:$6-12=-6$、$L_3$:$2+10-18=-6$ で、3 点とも乗る。$z=0$ とすると $x+2y+6=0$ で、ex-monge-start の直線と一致する。
たとえば直線 $L_1L_2$ の点 $(0,0,1)+t(6,0,1)$ は、$t=-1$ で $(-6,0,0)$ となり、$X_{12}$ を通る。
3 つの円を、中心の真上の高さ r の点(円錐の頂点)L₁、L₂、L₃ に持ち上げる。2 点ずつを結ぶ直線は平面 z = 0 と外相似の中心で交わり、3 点を通る平面(橙)と z = 0 の交線(破線)がMongeの直線になる
prf-monge-lift の段 4 のように、持ち上げる高さを $\varepsilon_ir_i$($\varepsilon_i=\pm1$)と符号つきで選ぶ。lem-monge-lift により、組 $\{i,j\}$ の直線が通るのは、$\varepsilon_i\varepsilon_j=1$ なら外相似の中心、$\varepsilon_i\varepsilon_j=-1$ なら内相似の中心である。3 組の積は
$$
(\varepsilon_1\varepsilon_2)(\varepsilon_2\varepsilon_3)(\varepsilon_3\varepsilon_1)=(\varepsilon_1\varepsilon_2\varepsilon_3)^2=1
$$
なので、内相似の中心を選ぶ組(積が $-1$ の組)は偶数個、つまり $0$ 個か $2$ 個である。符号の選び方は $2^3=8$ 通りで、全体の符号を反転しても同じ組み合わせになるので、得られる直線は $4$ 本である(外 3 つの直線 1 本と、外 1 つ内 2 つの直線 3 本)。内相似の中心 3 つの組は、この方法では得られない。実際、中心 $O_1$、$O_2$、$O_3$ が一直線上にない限り、内相似の中心 3 つは決して一直線上にない(理由は ex-monge-cx-internal)。
よく知られた「1 次元上げる」証明は、3 つの円を、同じ中心と半径をもつ空間の球に替えるものである。3 つの球を机の上に置いて板をかぶせると、板は 3 つの球に上から接する。この板の平面が、机の平面とどこで交わるかを考える。
3 つの円 $C_i$ を平面 $z=0$ の上に置き、中心 $(O_i,0)$、半径 $r_i$ の球 $S_i$ を考える(半径はどの 2 つも異なる)。ある平面 $\pi$ が 3 つの球すべてに接し、3 つの球がすべて $\pi$ の同じ側にあるとする。このとき $X_{12}$、$X_{23}$、$X_{31}$ は、$\pi$ と平面 $z=0$ の交線の上にある。
方針:prf-monge-tangent と同じく、平面 $\pi$ からの符号つきの距離が 1 次式であることを使う。
段 1(符号つきの距離)。$\pi$ の方程式を $ax+by+cz+d=0$($a^2+b^2+c^2=1$)とし、$h(x,y,z)=ax+by+cz+d$ とおく。点から $\pi$ までの距離は $\lvert h\rvert$ で、球が $\pi$ に接することは中心から $\pi$ までの距離が半径に等しいことである。3 つの球は同じ側にあるので、$h$ の符号をそろえて $h(O_i,0)=r_i$($i=1,2,3$)としてよい。
段 2($X_{ij}$ は $\pi$ の上)。$(X_{ij},0)=\dfrac{r_i}{r_i-r_j}(O_j,0)-\dfrac{r_j}{r_i-r_j}(O_i,0)$ で係数の和は $1$ なので、$h$ が 1 次式であることから
$$
h(X_{ij},0)=\frac{r_i\,r_j-r_j\,r_i}{r_i-r_j}=0
$$
である。よって $(X_{ij},0)$ は $\pi$ の上にあり、平面 $z=0$ の上にもある。
段 3(交線)。$\pi$ は平面 $z=0$ と異なる($(O_1,0)$ から $\pi$ までの距離は $r_1>0$ だが、$z=0$ からの距離は $0$)。$\pi$ と平面 $z=0$ は共有点 $(X_{12},0)$ をもつので平行でなく、共有点の全体は 1 本の直線である(空間の平面と法線ベクトル)。段 2 により 3 点はこの直線の上にある。$\square$
ex-monge-start の 3 つの円で、球の上側から接する平面を $z=\alpha x+\beta y+\gamma$ の形で探す。点 $(p,q,0)$ からこの平面までの距離は $\dfrac{\lvert\alpha p+\beta q+\gamma\rvert}{\sqrt{\alpha^2+\beta^2+1}}$ なので、$s=\sqrt{\alpha^2+\beta^2+1}$ とおいて、条件は
$$
\gamma=s,\qquad 6\alpha+\gamma=2s,\qquad 2\alpha+5\beta+\gamma=3s
$$
である(3 つの中心がすべて平面の下にあるように符号を選んだ)。解くと $\gamma=s$、$\alpha=\dfrac s6$、$\beta=\dfrac s3$ で、$s^2=\alpha^2+\beta^2+1=\dfrac{5s^2}{36}+1$ から $s^2=\dfrac{36}{31}$、$s=\dfrac6{\sqrt{31}}$ である。平面は
$$
z=\frac{x+2y+6}{\sqrt{31}}
$$
で、$z=0$ との交線は $x+2y+6=0$ となり、ex-monge-start の直線と一致する。
この証明は分かりやすいが、3 つの球に同じ側から接する平面がいつもあるとは限らない。上の計算で、$s^2\left(1-\alpha_0^2-\beta_0^2\right)=1$($\alpha=s\alpha_0$、$\beta=s\beta_0$)が解をもつには $\alpha_0^2+\beta_0^2<1$ が必要である。これが崩れる例が ex-monge-cx-sphere である。prf-monge-lift は、球の代わりに円錐の頂点 $L_i$ を使うので、このような平面がなくても使える。ex-monge-sphere の平面 $z=\dfrac{x+2y+6}{\sqrt{31}}$ と ex-monge-lift の平面 $z=\dfrac{x+2y+6}6$ は、傾きが違うが、$z=0$ との交線は同じである。
要点:$C_1$ を $C_2$ に移す相似拡大と、$C_2$ を $C_3$ に移す相似拡大を続けて行うと、$C_1$ を $C_3$ に移す比 $\dfrac{r_3}{r_1}$ の相似拡大になり、その中心は直線 $X_{12}X_{23}$ の上にある。中心 $O_1$ が $O_3$ に移ることからその中心を求めると $X_{31}$ になる。内相似の中心 2 つをつないでも比の積は同じなので、中心はやはり外相似の中心になる。
段 1(合成)。prop-monge-homothety により、$\varphi_{X_{12},r_2/r_1}$ は $C_1$ を $C_2$ に、$\varphi_{X_{23},r_3/r_2}$ は $C_2$ を $C_3$ に移す。この順に続けて行う変換 $\psi$ は $C_1$ を $C_3$ に移す。比の積は $\dfrac{r_2}{r_1}\cdot\dfrac{r_3}{r_2}=\dfrac{r_3}{r_1}\ne1$ なので、Euler線 の相似拡大の合成の命題(「大学数学で見る」の節)により、$\psi$ は比 $\dfrac{r_3}{r_1}$ の相似拡大で、その中心 $Z$ は直線 $X_{12}X_{23}$ の上にある($X_{12}=X_{23}$ なら $Z$ はその点)。
段 2(中心は $X_{31}$)。$\psi$ は $C_1$ を $C_3$ に移すので、中心 $O_1$ を中心 $O_3$ に移す(相似拡大は円の中心を像の円の中心に移す)。$k=\dfrac{r_3}{r_1}$ として $Z+k(O_1-Z)=O_3$ を $Z$ について解くと
$$Z=\frac{O_3-kO_1}{1-k}=\frac{r_1O_3-r_3O_1}{r_1-r_3}=X_{13}=X_{31}$$
である。よって $X_{31}$ は直線 $X_{12}X_{23}$ の上にある。
段 3(外 1 つ内 2 つ)。$\varphi_{Y_{12},-r_2/r_1}$ と $\varphi_{Y_{23},-r_3/r_2}$ を続けて行っても、比の積は $\left(-\dfrac{r_2}{r_1}\right)\left(-\dfrac{r_3}{r_2}\right)=\dfrac{r_3}{r_1}$ で、段 2 と同じく中心は $X_{31}$ である。よって $X_{31}$ は直線 $Y_{12}Y_{23}$ の上にある。
添字を $1\to2\to3\to1$ と回して同じ議論をする。$\varphi_{Y_{23},-r_3/r_2}$ と $\varphi_{Y_{31},-r_1/r_3}$ を続けると $C_2$ を $C_1$ に移す比 $\dfrac{r_1}{r_2}\ne1$ の相似拡大になり、その中心は $X_{21}=X_{12}$ である。$\varphi_{Y_{31},-r_1/r_3}$ と $\varphi_{Y_{12},-r_2/r_1}$ を続けると $C_3$ を $C_2$ に移す比 $\dfrac{r_2}{r_3}\ne1$ の相似拡大になり、その中心は $X_{32}=X_{23}$ である。よって $X_{12}$ は直線 $Y_{23}Y_{31}$ の上に、$X_{23}$ は直線 $Y_{31}Y_{12}$ の上にあることも同じように分かる。$\square$
内相似の中心 2 つを続けると比の符号が 2 回反転して正に戻る。これが rem-monge-parity の偶奇の、相似拡大での言い換えである。
中心 $O_1$、$O_2$、$O_3$ が一直線上にない限り、内相似の中心 3 つは一直線上にない(ex-monge-cx-internal)。しかし、別の形でそろう。
3 つの円の中心 $O_1$、$O_2$、$O_3$ が一直線上にないとき、3 本の線分 $O_1Y_{23}$、$O_2Y_{31}$、$O_3Y_{12}$ は 1 点で交わる。その点は
$$
\frac{\frac1{r_1}O_1+\frac1{r_2}O_2+\frac1{r_3}O_3}{\frac1{r_1}+\frac1{r_2}+\frac1{r_3}}
$$
である。
方針:三角形 $O_1O_2O_3$ で、内相似の中心が 3 辺を分ける比を掛けると $1$ になる。
段 1(比)。$Y_{23}$ は辺 $O_2O_3$ を $r_2:r_3$ に、$Y_{31}$ は辺 $O_3O_1$ を $r_3:r_1$ に、$Y_{12}$ は辺 $O_1O_2$ を $r_1:r_2$ に内分する。どれも辺の内部の、頂点と異なる点である。
段 2(Ceva)。3 つの比の積は $\dfrac{r_2}{r_3}\cdot\dfrac{r_3}{r_1}\cdot\dfrac{r_1}{r_2}=1$ なので、Cevaの定理の逆(Cevaの定理(高校数学))により 3 本は 1 点で交わる。
段 3(交点)。右辺の点を $G$ とおき、$w_i=\dfrac1{r_i}$、$w=w_1+w_2+w_3$ とする。$Y_{23}=\dfrac{r_3O_2+r_2O_3}{r_2+r_3}$ の分母と分子を $r_2r_3$ で割ると $Y_{23}=\dfrac{w_2O_2+w_3O_3}{w_2+w_3}$ である。よって $G=\dfrac{w_1O_1+(w_2+w_3)Y_{23}}{w}$ で、係数の和が $1$ なので $G$ は直線 $O_1Y_{23}$ の上にある。添字を回すと、$G$ は $O_2Y_{31}$、$O_3Y_{12}$ の上にもある。$\square$
ex-monge-start では $\left(\dfrac1{r_1}:\dfrac1{r_2}:\dfrac1{r_3}\right)=(6:3:2)$ なので、交点は $\dfrac{6(0,0)+3(6,0)+2(2,5)}{11}=\left(2,\dfrac{10}{11}\right)$ である。直線 $O_3Y_{12}$ は $O_3(2,5)$ と $Y_{12}(2,0)$ を通る直線 $x=2$ で、この点を通る。直線 $O_1Y_{23}$ は $y=\dfrac{2}{22/5}x=\dfrac5{11}x$ で、$x=2$ のとき $y=\dfrac{10}{11}$ である。
内相似の中心 Y₁₂、Y₂₃、Y₃₁(紫の四角)は一直線上にない。灰色の 3 本は外 1 つ内 2 つの直線で、黒い点は外相似の中心 X₁₂、X₃₁(X₂₃ は図の外)。紫の破線 O₁Y₂₃、O₂Y₃₁、O₃Y₁₂ は点 (2, 10/11) で交わる
どの仮定を外すと何が崩れるかを一覧にする。
| 外した仮定 | 崩れる主張 | ボックス |
|---|---|---|
| 2 つの円の半径が異なる | 外相似の中心がある(共通外接線が交わる) | ex-monge-cx-equal |
| 選ぶ内相似の中心は 0 個か 2 個 | 3 つの相似の中心が一直線上にある | ex-monge-cx-internal |
| 2 つの円が互いの外部にある | 外相似の中心が共通外接線の交点として求まる | ex-monge-cx-nested |
| 3 つの球に同じ側から接する平面がある | 球を使う証明(prop-monge-sphere) | ex-monge-cx-sphere |
$C_1$:中心 $(0,0)$、半径 $1$、$C_2$:中心 $(4,0)$、半径 $1$ とする。共通外接線は $y=1$ と $y=-1$ で、平行なので交わらない。外分の比 $1:1$ の外分点もないので、$X_{12}$ はない。
ここに $C_3$:中心 $(0,4)$、半径 $2$ を加えると、$X_{23}=\dfrac{1\cdot(0,4)-2\cdot(4,0)}{1-2}=(8,-4)$、$X_{31}=\dfrac{2\cdot(0,0)-1\cdot(0,4)}{2-1}=(0,-4)$ で、2 点を通る直線は $y=-4$ である。これは $O_1O_2$ と、2 本の共通外接線 $y=\pm1$ に平行である。射影平面 では、平行な直線は「無限遠点」で交わると考える。そう考えると、$X_{12}$ は $x$ 軸の方向の無限遠点で、3 点は「直線 $y=-4$ とその無限遠点」として一直線上に並ぶ。
ex-monge-centers の $Y_{12}(2,0)$、$Y_{23}\left(\dfrac{22}5,2\right)$、$Y_{31}\left(\dfrac12,\dfrac54\right)$ で、直線 $Y_{12}Y_{23}$ の傾きは $\dfrac{2}{12/5}=\dfrac56$、直線 $Y_{12}Y_{31}$ の傾きは $\dfrac{5/4}{-3/2}=-\dfrac56$ で異なる。よって 3 点は一直線上にない。
これはこの数値の例に限らない。中心 $O_1$、$O_2$、$O_3$ が一直線上にない限り、内相似の中心 3 つは決して一直線上にない。理由を段に分けて述べる。
段 1(符号つきの比)。三角形 $O_1O_2O_3$ で、$Y_{12}$、$Y_{23}$、$Y_{31}$ はどれも辺の内部の点(内分点)である。内分点では $\overrightarrow{O_iY_{ij}}$ と $\overrightarrow{Y_{ij}O_j}$ が同じ向きなので、符号つきの比は正で、$\dfrac{\overline{O_1Y_{12}}}{\overline{Y_{12}O_2}}=\dfrac{r_1}{r_2}$、$\dfrac{\overline{O_2Y_{23}}}{\overline{Y_{23}O_3}}=\dfrac{r_2}{r_3}$、$\dfrac{\overline{O_3Y_{31}}}{\overline{Y_{31}O_1}}=\dfrac{r_3}{r_1}$ である。
段 2(積)。3 つの符号つきの比の積は $\dfrac{r_1}{r_2}\cdot\dfrac{r_2}{r_3}\cdot\dfrac{r_3}{r_1}=+1$ である。
段 3(結論)。もし 3 点が 1 本の直線 $\ell$ の上にあったとする。$\ell$ は三角形の頂点を通らない(たとえば $O_1$ を通るなら、$\ell$ は $O_1$ と $Y_{12}$ を通るので直線 $O_1O_2$ になり、$Y_{23}$ が直線 $O_1O_2$ の上にあることになるが、$Y_{23}$ は辺 $O_2O_3$ の内部の点なのでそうならない。$O_2$、$O_3$ も同じ)。また $\ell$ は 3 辺のどれとも平行でない(たとえば直線 $O_1O_2$ と平行なら、それと共有点 $Y_{12}$ をもつので直線 $O_1O_2$ そのものになり、同じ矛盾が起こる)。よって $\ell$ は三角形 $O_1O_2O_3$ の横断線で、符号つきの比による Menelaus の定理(Menelausの定理(高校数学))により、段 2 の積は $-1$ のはずである。$+1\ne-1$ なので矛盾し、3 点は一直線上にない。
積が $+1$ になることは、prop-monge-ceva のとおり、Ceva の定理の条件になっている。
$C_1$:中心 $(0,0)$、半径 $5$、$C_2$:中心 $(1,0)$、半径 $1$ とする。中心間の距離 $1$ は半径の差 $4$ より小さいので、$C_2$ は $C_1$ の内部にあり、共通接線は 1 本もない。それでも外相似の中心 $X_{12}=\dfrac{5\cdot(1,0)-1\cdot(0,0)}{5-1}=\left(\dfrac54,0\right)$ は定まり、この点を中心とする比 $\dfrac15$ の相似拡大は $O_1$ を $\dfrac54+\dfrac15\left(0-\dfrac54\right)=1$、つまり $O_2(1,0)$ に移し、$C_1$ を $C_2$ に移す。thm-monge-main は相似の中心を内分点・外分点で定めているので、このような円を含んでも成り立つ。共通接線の交点として述べた形(Wei26 の述べ方)では、どの円も他の円の内部にないことを仮定する必要がある。
中心 $(0,0)$、$(20,0)$、$(10,1)$、半径 $1$、$2$、$4$ の 3 つの円を考える。中心間の距離は $20$、$\sqrt{101}$、$\sqrt{101}$($\sqrt{101}\approx10.05$)で、どれも半径の和 $3$、$6$、$5$ より大きい。
(1) 平面 $z=\alpha x+\beta y+\gamma$ が 3 つの球に上から接する条件は、ex-monge-sphere と同じく $\gamma=s$、$20\alpha+\gamma=2s$、$10\alpha+\beta+\gamma=4s$($s=\sqrt{\alpha^2+\beta^2+1}$)である。解くと $\alpha=\dfrac s{20}$、$\beta=4s-\dfrac s2-s=\dfrac{5s}2$ で、$s^2=\dfrac{s^2}{400}+\dfrac{25s^2}4+1$、つまり $s^2\left(1-\dfrac1{400}-\dfrac{25}4\right)=1$ となる。左辺の括弧は負なので、解はない。下から接する平面も、$z$ を $-z$ に替えた同じ計算になり、ない。$z$ 軸に平行な平面($ax+by+c=0$ の形)が 3 つの球に同じ側から接するなら、中心までの符号つきの距離から同じように $(a,b)$ の長さが $\left(\dfrac1{20},\dfrac52\right)$ の長さ($1$ より大きい)の定数倍でかつ $1$ になる必要があり、やはりない。
(2) それでも Monge の定理は成り立つ。外相似の中心は $X_{12}=(-20,0)$、$X_{23}=\dfrac{2(10,1)-4(20,0)}{2-4}=(30,-1)$、$X_{31}=\dfrac{4(0,0)-1(10,1)}{4-1}=\left(-\dfrac{10}3,-\dfrac13\right)$ で、どれも直線 $x+50y+20=0$ の上にある($-20+20=0$、$30-50+20=0$、$-\dfrac{10}3-\dfrac{50}3+20=0$)。prf-monge-lift の平面 $\Pi$ は $z=1+\dfrac x{20}+\dfrac{5y}2$ で、傾きが大きすぎて球に接する平面にはならないが、$z=0$ との交線はこの直線である。
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