三角形分割予想とManolescuの定理

同義語:三角形分割予想triangulation conjectureManolescuの定理Manolescu's theoremホモロジー同境群ホモロジー同境homology cobordism groupGalewski–Sternの定理三角形分割できない多様体

概要

三角形分割予想とManolescuの定理(triangulation conjecture and Manolescu's theorem)とは、位相多様体はすべて三角形分割できるという予想と、それを $5$ 次元以上で否定した定理である。$3$ 次元以下では正しく、$4$ 次元では $E_8$ 多様体が反例である。$5$ 次元以上では Galewski–Stern と Matumoto により、ホモロジー $3$ 球面のホモロジー同境群から $\mathbb{Z}/2$ への Rokhlin 準同型の核による拡大の非分裂と、三角形分割できない多様体の存在が同値である。Manolescu は $\mathrm{Pin}(2)$ 同変 Seiberg–Witten Floer ホモロジーでこの拡大が分裂しないことを示した。よって $5$ 以上の各次元に三角形分割できない閉多様体がある。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 三角形分割可能な多様体, Kirby–Siebenmann不変量, Rokhlinの定理, ホモロジー球面

三角形分割予想(triangulation conjecture)は、「どの位相多様体も三角形分割できる(単体複体と同相である)」という予想である。$3$ 次元以下では正しいが、$4$ 次元では Casson が $E_8$ 多様体が反例であることを示し、$5$ 次元以上では Manolescu が 2013 年に否定した。Manolescu の定理は、$5$ 以上のすべての次元 $n$ に、三角形分割できない閉 $n$ 次元位相多様体があるという定理である。
$5$ 次元以上の問題は、Galewski–Stern と Matumoto によって $3$ 次元の問題に帰着されていた。ホモロジー $3$ 球面をホモロジー同境で割った群 $\Theta^3_{\mathbb{Z}}$ と、そこから $\mathbb{Z}/2$ への Rokhlin 準同型 $\mu$ を考える。完全列
$$ 0\to\ker\mu\to\Theta^3_{\mathbb{Z}}\xrightarrow{\ \mu\ }\mathbb{Z}/2\to0 $$
が分裂しないことと、三角形分割できない $5$ 次元以上の多様体があることが同値になる。Manolescu は、Pin(2) 同変 Seiberg–Witten Floer ホモロジーから整数値のホモロジー同境不変量 $\beta$ を作り、この完全列が分裂しないことを示した。
この記事では、Galewski–Stern・Matumoto の障害理論と、Manolescu の不変量 $\beta$ の存在は所在を示して引用する。そのうえで、Rokhlin 準同型が well-defined な全射準同型であること、$\beta$ の性質から完全列が分裂しないこと、分裂しないことと三角形分割できない多様体の存在が同値であることを完全に証明する。

定義と規約

多様体は Hausdorff かつ第 2 可算とし、断らない限り境界をもたない。閉多様体はコンパクトで境界のない多様体をいう。$4$ 次元の多様体の交叉形式・符号数 $\sigma$・spin の意味は Rokhlinの定理 の節「交叉形式と spin」のとおりとし、$4$ 次元多様体の符号数は交叉形式の符号数である。

三角形分割

位相空間 $X$ の三角形分割とは、局所有限な単体複体 $K$ の多面体 $\lvert K\rvert$ から $X$ への同相写像のことである。各単体のリンクが球面と PL 同相な三角形分割を組合せ的という(三角形分割可能な多様体 の定義「三角形分割可能な多様体と組合せ的な三角形分割」)。多様体が組合せ的な三角形分割をもつことは PL 構造をもつことと同じで、三角形分割をもつことはそれより弱い(Man16 §2.2、p. 3)。

三角形分割予想

$n$ を自然数とする。$n$ 次元の三角形分割予想とは、「すべての $n$ 次元位相多様体は三角形分割をもつ」という主張である。

組合せ的な三角形分割を求める「組合せ的三角形分割予想」(すべての位相多様体は PL 構造をもつか)は別の問題で、$4$ 次元では Freedman の $E_8$ 多様体、$5$ 次元以上では Kirby–Siebenmann 不変量によって否定されている(Man16 §2.2、pp. 3–4、Kirby–Siebenmann不変量)。

ホモロジー同境群

ホモロジー $3$ 球面(ホモロジー球面)は滑らかな多様体とし、向きを固定して考える。$3$ 次元では位相多様体は滑らかな構造を一意にもつ(Moiseの定理 と 平滑化理論)ので、これは制限にならない。$-Y$ は $Y$ の向きを反転したものを表す。

ホモロジー同境と $\Theta^3_{\mathbb{Z}}$

向き付けられたホモロジー $3$ 球面 $Y_0$、$Y_1$ がホモロジー同境であるとは、滑らかでコンパクトな向き付けられた $4$ 次元多様体 $W$ で、$\partial W=(-Y_0)\sqcup Y_1$(向きも込めて)かつ
$$ H_*(W,Y_0;\mathbb{Z})=H_*(W,Y_1;\mathbb{Z})=0 $$
となるものがあることをいう。$W$ を $Y_0$ から $Y_1$ へのホモロジー同境という。ホモロジー同境の類の全体 $\Theta^3_{\mathbb{Z}}$ は、連結和 $\#$ を和としてアーベル群になり、$[S^3]$ が単位元である。これを ホモロジー同境群という。

この定義と群の構造は Man16 §2.3(p. 5)、Man13 §1(p. 1)による。文献によっては $\Theta^H_3$ とも書く。条件 $H_*(W,Y_0;\mathbb{Z})=0$ は、包含 $Y_0\to W$ がホモロジーの同型を引き起こすことと同じである(対の完全列)。逆元は向きの反転で与えられる。

逆元

向き付けられたホモロジー $3$ 球面 $Y$ について、$Y\#(-Y)$ は $S^3$ とホモロジー同境である。したがって $\Theta^3_{\mathbb{Z}}$ の中で $[-Y]=-[Y]$ である。

逆元の補題

要点:$Y\#(-Y)$ は、$Y$ から開円板を除いた $Y_\circ$ を変形レトラクトにもつ $4$ 次元多様体 $B$ の境界になり、$Y_\circ$ はホモロジーが点と同じなので $B$ はホモロジー $4$ 球体である。$B$ から小さな開円板を除けば $S^3$ からのホモロジー同境になる。

詳しい証明を開く

$D\subset Y$ を滑らかに埋め込まれた閉 $3$ 次元円板とし、$Y_\circ:=Y\setminus\operatorname{int}D$ とおく。$Y\#(-Y)$ は、$Y_\circ$ を $Y\times[-1,1]$ の中で折り返した位置に埋め込むことで、$Y_\circ$ を変形レトラクトにもつ滑らかでコンパクトな $4$ 次元多様体 $B$ の境界になる(Kos93 Ch. VI §1、p. 93)。

$Y_\circ$ のホモロジーを求める。Mayer–Vietoris 完全列 $H_3(Y)\to H_2(\partial D)\to H_2(Y_\circ)\oplus H_2(D)\to H_2(Y)$ で、$H_2(Y)=0$ であり、$H_3(Y)\cong\mathbb{Z}\to H_2(\partial D)\cong\mathbb{Z}$ は基本類を境界球面の基本類に移す同型なので、$H_2(Y_\circ)=0$ である。$H_1(Y_\circ)\cong H_1(Y)=0$($\partial D$ は連結で $D$ は可縮)で、$Y_\circ$ は境界が空でないコンパクトな連結 $3$ 次元多様体なので $H_3(Y_\circ)=0$ である。よって $\tilde H_*(B)\cong\tilde H_*(Y_\circ)=0$ である。

$B$ の内部から小さな開 $4$ 次元円板を除いたものを $W$ とすると、$\partial W=(-S^3)\sqcup\bigl(Y\#(-Y)\bigr)$ である。切除により $H_*(W,S^3)\cong H_*(B,D^4)\cong\tilde H_*(B)=0$ である。Lefschetz 双対により $H_k(W,Y\#(-Y))\cong H^{4-k}(W,S^3)$ で、普遍係数定理により右辺は $0$ である。よって $W$ は $S^3$ から $Y\#(-Y)$ へのホモロジー同境で、$[Y]+[-Y]=[Y\#(-Y)]=[S^3]=0$ である。$\square$

Rokhlin 準同型

ホモロジー $3$ 球面 $Y$ の Rokhlin 不変量 $\mu(Y)\in\mathbb{Z}/2$ は、$\partial W=Y$ となる滑らかでコンパクトな spin $4$ 次元多様体 $W$ をとって $\mu(Y)=\sigma(W)/8\bmod2$ と定めたものである。$\sigma(W)$ は $8$ の倍数で、$\mu(Y)$ は $W$ のとり方によらない(Rokhlinの定理 の命題「Rokhlin 不変量は定まる」)。$W$ は連結にとってよい(境界を含まない閉な成分を捨てても spin のままで、Rokhlinの定理 によりその成分の符号数は $16$ の倍数だから $\mu$ は変わらない)。

Rokhlin 準同型

$[Y]\mapsto\mu(Y)$ は well-defined な写像 $\mu\colon\Theta^3_{\mathbb{Z}}\to\mathbb{Z}/2$ を定め、これは全射準同型である。

Rokhlin 準同型

ホモロジー同境で不変であること。 $W$ を $Y_0$ から $Y_1$ へのホモロジー同境とし、$W_0$ を $\partial W_0=Y_0$ となる滑らかでコンパクトな spin $4$ 次元多様体とする。$W_0$ と $W$ を $Y_0$ に沿って貼り合わせた $V:=W_0\cup_{Y_0}W$ は、$\partial V=Y_1$ となる滑らかでコンパクトな向き付けられた $4$ 次元多様体である(境界に沿った貼り合わせと連結和)。
切除により $H_*(V,W_0;\mathbb{Z})\cong H_*(W,Y_0;\mathbb{Z})=0$ なので、包含 $W_0\to V$ は整数係数のホモロジーの同型を引き起こす。普遍係数定理により $\mathbb{Z}/2$ 係数のコホモロジーでも同型で、とくに制限 $H^2(V;\mathbb{Z}/2)\to H^2(W_0;\mathbb{Z}/2)$ は同型である。$w_2(V)$ の $W_0$ への制限は $w_2(W_0)=0$ なので $w_2(V)=0$ で、$V$ は spin である。
符号数を比べる。$\partial W_0$ と $\partial V$ はホモロジー球面なので、$H_2(W_0)\to H_2(W_0,\partial W_0)$、$H_2(V)\to H_2(V,\partial V)$ は同型で(対の完全列)、交叉形式は $H_2$ の上のユニモジュラ形式として、横断的に交わる曲面の交点の符号付き個数で与えられる(Kir89 Ch. II §5、p. 28)。包含 $H_2(W_0)\to H_2(V)$ は同型なので、$H_2(V)$ の元は $W_0$ の中の曲面で表され、その交点の個数は $W_0$ の中で数えても $V$ の中で数えても同じである。よって交叉形式は同型で、$\sigma(V)=\sigma(W_0)$ である。したがって $\mu(Y_1)=\sigma(V)/8=\sigma(W_0)/8=\mu(Y_0)\pmod2$ である。
準同型であること。 $W_0$、$W_1$ を $\partial W_i=Y_i$ となる連結で滑らかでコンパクトな spin $4$ 次元多様体とし、境界の $3$ 次元円板に沿って貼った境界連結和 $W_0\natural W_1$ をとる。これは滑らかでコンパクトな向き付けられた連結多様体で、$\partial(W_0\natural W_1)=Y_0\#Y_1$ である(Kos93 Ch. VI Theorem 3.1、p. 97)。$W_0\natural W_1$ は $W_0$ と $W_1$ を可縮な集合(円板)で貼ったものなので、$\mathbb{Z}/2$ 係数の Mayer–Vietoris 完全列から制限の組 $H^2(W_0\natural W_1;\mathbb{Z}/2)\to H^2(W_0;\mathbb{Z}/2)\oplus H^2(W_1;\mathbb{Z}/2)$ は同型である。$w_2$ の各成分への制限は $0$ なので $W_0\natural W_1$ は spin である。境界連結和の符号数は和である(Kir89 Ch. II §5、p. 28)。よって
$$ \mu(Y_0\#Y_1)=\frac{\sigma(W_0)+\sigma(W_1)}{8}=\mu(Y_0)+\mu(Y_1)\pmod2 $$
である。$\Theta^3_{\mathbb{Z}}$ の和は連結和なので、$\mu$ は準同型である。
全射であること。 Poincaré ホモロジー球面 $P$ について $\mu(P)=1$ である(Rokhlinの定理 の例「Rokhlin 不変量の値」)。$\square$

この準同型を Rokhlin 準同型という(Man16 §2.3、p. 6、Man13 §1、pp. 1–2)。$\mu(P)=1$ なので $\Theta^3_{\mathbb{Z}}\ne0$ であり、とくに Poincaré ホモロジー球面は $S^3$ とホモロジー同境でない。
核を $K:=\ker\mu$ とおくと、アーベル群の短完全列
$$ 0\to K\to\Theta^3_{\mathbb{Z}}\xrightarrow{\ \mu\ }\mathbb{Z}/2\to0\qquad(1) $$
を得る。空間 $X$ について、係数の短完全列 (1) からコホモロジーの長完全列
$$ \cdots\to H^4(X;\Theta^3_{\mathbb{Z}})\xrightarrow{\ \mu_*\ }H^4(X;\mathbb{Z}/2)\xrightarrow{\ \delta\ }H^5(X;K)\to\cdots $$
が得られる(Hat02 §3.E、p. 303)。連結準同型 $\delta$ を (1) の Bockstein 準同型という。$\delta$ は $X$ について自然である。

主定理

引用する定理

次の 2 つの定理は、この記事では証明しない。$\kappa(M)\in H^4(M;\mathbb{Z}/2)$ は Kirby–Siebenmann不変量 である。

Galewski–Stern・Matumoto の定理

$M$ を $n\ge5$ 次元の位相多様体とする。

  1. $M$ が三角形分割をもてば、$\delta\kappa(M)=0\in H^5(M;K)$ である。
  2. $\delta\kappa(M)=0$ なら、$M$ は三角形分割をもつ。
Galewski–Stern・Matumoto の定理の所在

これは Galewski–Stern(1980)と Matumoto(1978)の定理で、Man16 §2.4(p. 6)、Rud01 Theorem 21.7(p. 86)、Man13 §1(p. 1)による。1 は次のように説明される:三角形分割 $K$ の余次元 $4$ の単体のリンクはホモロジー $3$ 球面で、それらの類を並べると $c(K)\in H^4(M;\Theta^3_{\mathbb{Z}})$ が定まり、$\mu_*c(K)=\kappa(M)$ となる(Man16 §2.3、pp. 5–6)。すると長完全列で $\delta\circ\mu_*=0$ なので $\delta\kappa(M)=0$ である。$K$ が組合せ的ならリンクは球面なので $c(K)=0$ で、$\kappa(M)=0$ となる。

Manolescu の不変量 $\beta$

向き付けられたホモロジー $3$ 球面 $Y$ に整数 $\beta(Y)$ を対応させる写像 $\beta$ で、次をみたすものがある。

  1. $\beta(-Y)=-\beta(Y)$ である。
  2. $\beta(Y)\equiv\mu(Y)\pmod2$ である。
  3. $Y_0$ と $Y_1$ がホモロジー同境なら $\beta(Y_0)=\beta(Y_1)$ である。
Manolescu の不変量の所在

これは Manolescu(2013)の定理で、Man13 Theorem 1.1 とその後の段落(p. 2)、Man16 §3.1(p. 8)による。$\beta$ は Pin(2) 同変 Seiberg–Witten Floer ホモロジーの次数から作られる。Man13 Theorem 1.1 の性質 (3) は、spin 構造をもつ負定値の滑らかな同境 $W$ について $\beta(Y_1)\ge\beta(Y_0)+b_2(W)/8$ という不等式で、ホモロジー同境は $b_2=0$ で両向きに当てはまるので 3 が従う。$\beta$ は準同型ではない:Brieskorn 球面 $Y=\Sigma(2,3,11)$ では $\beta(Y)=0$ だが $\beta(Y\#Y)=2$ である(Man16 §3.1、p. 8)。

主定理

Manolescu の定理
  1. 完全列 (1) は分裂しない。すなわち、$\mu(Y)=1$ かつ $Y\#Y$ が $S^3$ とホモロジー同境であるようなホモロジー $3$ 球面 $Y$ は存在しない。
  2. $5$ 以上のすべての $n$ について、三角形分割をもたない閉 $n$ 次元位相多様体がある。とくに $n\ge5$ で $n$ 次元の三角形分割予想は成り立たない。
主定理の所在

1 は Man13 Corollary 1.2(p. 2)、Man16 Theorem 2.3(p. 6)で、2 は Man13 Corollary 1.3(p. 2)、Man16 Theorem 1.1(p. 1)である。1 は下の prf-tc-nonsplit で thm-tc-beta から導く。2 のうち、$5$ 次元の閉多様体と、$5$ 以上の各次元のコンパクトでない多様体については、thm-tc-gs と 1 から cor-tc-nontri で導く。$6$ 次元以上の閉多様体は、$5$ 次元の例とトーラスの積 $M\times T^{n-5}$ で与えられる(Man13 p. 2。この記事では証明しない)。

分裂しないことの証明

まず、分裂を元の言葉で言い換える。

分裂の判定

アーベル群の短完全列 $0\to A\to G\xrightarrow{\ p\ }\mathbb{Z}/2\to0$ について、次は同値である。

  1. 列は分裂する。すなわち $p\circ s=\mathrm{id}$ となる準同型 $s\colon\mathbb{Z}/2\to G$ がある。
  2. $p(g)=1$ かつ $2g=0$ となる $g\in G$ がある。
  3. $p(g)=1$ となる $g\in G$ で、$2g\in2A$ となるものがある。
分裂の判定

要点:分裂は $\mathbb{Z}/2$ の生成元の、位数 $2$ の持ち上げの存在と同じで、持ち上げ $g$ は $A$ の元だけずらせる。

詳しい証明を開く

1 ⇒ 2:$g:=s(1)$ とおくと、$p(g)=1$ で $2g=s(2\cdot1)=s(0)=0$ である。

2 ⇒ 1:$s(0)=0$、$s(1)=g$ と定めると、$2g=0$ なので $s$ は準同型で、$p\circ s=\mathrm{id}$ である。

2 ⇒ 3:$2g=0=2\cdot0\in2A$ である。

3 ⇒ 2:$2g=2a$($a\in A$)とする。$g':=g-a$ とおくと、$p(g')=p(g)-p(a)=1-0=1$ で、$2g'=2g-2a=0$ である。$\square$

完全列 (1) が分裂しないこと
  1. が分裂すると仮定する。lem-tc-split の 2 により、$\mu([Y])=1$ かつ $2[Y]=0$ となるホモロジー $3$ 球面 $Y$ がある。lem-tc-inverse により $-[Y]=[-Y]$ なので、$2[Y]=0$ は $[Y]=[-Y]$、すなわち $Y$ と $-Y$ がホモロジー同境であることを意味する。
    thm-tc-beta の 3 により $\beta(Y)=\beta(-Y)$ で、1 により $\beta(-Y)=-\beta(Y)$ なので、$\beta(Y)=-\beta(Y)$、すなわち $\beta(Y)=0$ である。2 により $\mu(Y)\equiv\beta(Y)=0\pmod2$ となり、$\mu(Y)=1$ に矛盾する。
    $2[Y]=[Y\#Y]$ なので、「$\mu(Y)=1$ かつ $Y\#Y$ が $S^3$ とホモロジー同境」という $Y$ がないことも示された。$\square$

この議論では、$\beta$ が準同型であることは使わず、ホモロジー同境の類の上で定まることと、向きの反転で符号が変わることと、$\mu$ を持ち上げることだけを使う。Casson 不変量 $\lambda$ は 1 と 2 をみたすがホモロジー同境で不変でなく、Frøyshov 不変量は 1 と 3 をみたすが 2 をみたさない(Man16 §3.1、p. 8、Man13 pp. 2–3)。3 つの性質をすべてもつ不変量が必要だった。

向きを逆にする微分同相写像をもつホモロジー球面

ホモロジー $3$ 球面 $Y$ が向きを逆にする微分同相写像 $f\colon Y\to Y$ をもつなら、$\mu(Y)=0$ である。
実際、$f$ は $Y$ から $-Y$ への向きを保つ微分同相写像なので、積 $Y\times[0,1]$ の $1$ の側を $f$ で $-Y$ と同一視したものは $Y$ から $-Y$ へのホモロジー同境であり、$[Y]=[-Y]=-[Y]$、すなわち $2[Y]=0$ である。$\mu(Y)=1$ なら lem-tc-split により (1) が分裂し、thm-tc-main の 1 に矛盾する。
この結論は、Casson 不変量を使ってすでに知られていた(Man13 p. 3)。

分裂と三角形分割

thm-tc-gs により、$5$ 次元以上の多様体が三角形分割をもつかどうかは $\delta\kappa(M)$ で決まる。この節では、(1) が分裂するかどうかが、この障害がいつも消えるかどうかと一致することを示す。

分裂と障害
    1. が分裂するなら、すべての空間 $X$ で $\delta\colon H^4(X;\mathbb{Z}/2)\to H^5(X;K)$ は零写像である。
    1. が分裂しないとする。$M$ が向き付け不可能な連結な閉 $5$ 次元位相多様体で、$\mathrm{Sq}^1\kappa(M)\ne0\in H^5(M;\mathbb{Z}/2)$ なら、$\delta\kappa(M)\ne0$ である。
分裂と障害

1. 準同型 $s\colon\mathbb{Z}/2\to\Theta^3_{\mathbb{Z}}$ で $\mu\circ s=\mathrm{id}$ となるものをとる。$x\in H^4(X;\mathbb{Z}/2)$ について $x=(\mu\circ s)_*x=\mu_*(s_*x)$ は $\mu_*$ の像に入る。長完全列の完全性により $\delta\circ\mu_*=0$ なので、$\delta x=0$ である。
2. $\mu(Y)=1$ となるホモロジー $3$ 球面 $Y$ をとり(prop-tc-rokhlin)、$g:=[Y]$ とおく。次の可換図式を考える。上の行は $\mathbb{Z}$ の $2$ 倍写像による短完全列、縦の写像は $f'(n):=2ng$、$f(n):=ng$ と恒等写像である。
$$ \xymatrix{ 0 \ar[r] & \mathbb{Z} \ar[r]^{2} \ar[d]_{f'} & \mathbb{Z} \ar[r] \ar[d]^{f} & \mathbb{Z}/2 \ar[r] \ar@{=}[d] & 0\\ 0 \ar[r] & K \ar[r] & \Theta^3_{\mathbb{Z}} \ar[r]_{\mu} & \mathbb{Z}/2 \ar[r] & 0 } $$
$\mu(2g)=0$ なので $f'$ の値は $K$ に入り、$f(2n)=2ng=f'(n)$、$\mu(f(n))=n\,\mu(g)=n\bmod2$ なので図式は可換である。連結準同型の自然性により、上の行の Bockstein 準同型を $\tilde\beta\colon H^4(M;\mathbb{Z}/2)\to H^5(M;\mathbb{Z})$ とすると
$$ \delta\kappa(M)=f'_*\bigl(\tilde\beta\kappa(M)\bigr)\qquad(2) $$
である。
$H^5(M;-)$ の計算。 アーベル群 $A$ について、係数 $A$ について自然な同型 $H^5(M;A)\cong A/2A$ がある。とくに $H^5(M;\mathbb{Z})\cong\mathbb{Z}/2$、$H^5(M;K)\cong K/2K$ で、$f'_*$ は $\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}\to K/2K$、$1\mapsto[f'(1)]=[2g]$ に対応する。

詳細

$M$ は向き付け不可能な連結閉 $5$ 次元多様体なので、$H_5(M;\mathbb{Z})=0$(Hat02 Theorem 3.26、p. 236)で、$H_4(M;\mathbb{Z})$ は有限生成で(Hat02 Corollaries A.8・A.9、p. 527)、ねじれ部分が $\mathbb{Z}/2$ である(Hat02 Corollary 3.28、p. 238)。普遍係数定理(Hat02 Theorem 3.2、p. 195)により $H^5(M;A)\cong\operatorname{Ext}(H_4(M;\mathbb{Z}),A)\cong\operatorname{Ext}(\mathbb{Z}/2,A)\cong A/2A$ で(自由部分の Ext は $0$、$\operatorname{Ext}(\mathbb{Z}/2,A)\cong A/2A$。Hat02 p. 195)、普遍係数定理の完全列と Ext の計算に使う分解 $0\to\mathbb{Z}\xrightarrow{2}\mathbb{Z}\to\mathbb{Z}/2\to0$ はどちらも $A$ について自然である。


$\tilde\beta\kappa(M)\ne0$。 $\rho$ を $2$ を法とする還元とすると $\rho\circ\tilde\beta=\mathrm{Sq}^1$ なので、$\rho(\tilde\beta\kappa(M))=\mathrm{Sq}^1\kappa(M)\ne0$ で、$\tilde\beta\kappa(M)$ は $H^5(M;\mathbb{Z})\cong\mathbb{Z}/2$ の生成元である。
詳細

上の行から、各項を $2$ または $4$ を法として還元する写像で短完全列 $0\to\mathbb{Z}/2\to\mathbb{Z}/4\to\mathbb{Z}/2\to0$ への準同型が得られる(左は $\bmod2$、中央は $\bmod4$、右は恒等写像)。連結準同型の自然性により、この列の Bockstein 準同型は $\rho\circ\tilde\beta$ に等しい。$0\to\mathbb{Z}/2\to\mathbb{Z}/4\to\mathbb{Z}/2\to0$ の Bockstein 準同型は $\mathrm{Sq}^1$ である(Hat02 §4.L の性質 (7)、p. 489)。


結論。 (2) と上の計算により、$\delta\kappa(M)$ は $K/2K$ の中の $[2g]$ に対応する。$\delta\kappa(M)=0$ なら $2g\in2K$ で、lem-tc-split の 3 により (1) は分裂し、仮定に反する。よって $\delta\kappa(M)\ne0$ である。$\square$

2 の仮定をみたす多様体は、Freedman の理論から作られる。

Kronheimer の $5$ 次元多様体

交叉形式が $\langle1\rangle\oplus\langle-1\rangle$ で Kirby–Siebenmann 不変量が $1$ の単連結な閉 $4$ 次元位相多様体 $X$ をとる(Freedmanの定理 の系「$b_2\le2$ の単連結な閉 4 次元多様体」の表の $*\mathbb{C}P^2\#\overline{\mathbb{C}P^2}$)。$X$ は向きを逆にする自己同相写像 $f$ をもち、その写像トーラス $M^5:=X\times[0,1]/(x,1)\sim(f(x),0)$ は向き付け不可能な連結閉 $5$ 次元多様体で、$\mathrm{Sq}^1\kappa(M)=\kappa(M)\smile w_1(M)\ne0$ である(Man16 Example 2.5、p. 7、Man13 p. 2。この記事では証明しない)。

三角形分割できない多様体

$M$ を ex-tc-kronheimer の $5$ 次元多様体とする。

  1. $M$ は三角形分割をもたない。
  2. すべての $k\ge0$ について、$M\times\mathbb{R}^k$($5+k$ 次元のコンパクトでない多様体)は三角形分割をもたない。
三角形分割できない多様体

1. thm-tc-main の 1 により (1) は分裂しないので、prop-tc-split-delta の 2 により $\delta\kappa(M)\ne0$ である。thm-tc-gs の 1 の対偶により $M$ は三角形分割をもたない。
2. $\mathrm{pr}\colon M\times\mathbb{R}^k\to M$ を射影とする。$\kappa(M\times\mathbb{R}^k)=\mathrm{pr}^*\kappa(M)$ である(Kirby–Siebenmann不変量 の命題「κ の基本性質」の 3)。Bockstein 準同型の自然性により $\delta\kappa(M\times\mathbb{R}^k)=\mathrm{pr}^*\delta\kappa(M)$ である。零切断 $s(x)=(x,0)$ について $\mathrm{pr}\circ s=\mathrm{id}_M$ なので $s^*\circ\mathrm{pr}^*$ は恒等写像で、$\mathrm{pr}^*$ は単射である。1 の証明より $\delta\kappa(M)\ne0$ なので $\delta\kappa(M\times\mathbb{R}^k)\ne0$ で、$\dim(M\times\mathbb{R}^k)\ge5$ だから thm-tc-gs の 1 により三角形分割をもたない。$\square$

以上をまとめると、Galewski–Stern・Matumoto の帰着が得られる。

Galewski–Stern・Matumoto の帰着

次は同値である。

  1. 完全列 (1) は分裂する。
  2. $5$ 以上のすべての $n$ について、$n$ 次元の三角形分割予想が成り立つ。
  3. ある $n\ge5$ について、$n$ 次元の三角形分割予想が成り立つ。
帰着

1 ⇒ 2:(1) が分裂すれば、prop-tc-split-delta の 1 により、どの $n\ge5$ 次元多様体 $M$ でも $\delta\kappa(M)=0$ で、thm-tc-gs の 2 により $M$ は三角形分割をもつ。
2 ⇒ 3 は明らかである。
3 ⇒ 1:対偶を示す。(1) が分裂しないとすると、ex-tc-kronheimer の $M$ について prop-tc-split-delta の 2 により $\delta\kappa(M)\ne0$ である。すると cor-tc-nontri の証明と同じく、すべての $k\ge0$ で $M\times\mathbb{R}^k$ は三角形分割をもたない。$n=5+k$ はすべての $n\ge5$ を動くので、どの $n\ge5$ でも $n$ 次元の三角形分割予想は成り立たない。$\square$

この同値は Man16 §2.4(p. 6)で「完全列 (1) が分裂しない ⇔ すべての $n\ge5$ に $\delta\kappa(M)\ne0$ の $M^n$ がある」の形で述べられ、Man16 の演習 2.4(p. 7)が prop-tc-split-delta の 2 にあたる。3 ⇒ 1 では ex-tc-kronheimer の存在(Freedman の理論)を使っている。Man13 §1(p. 1)は、予想が成り立つことと「Rokhlin 不変量が $1$ で $\Theta^3_{\mathbb{Z}}$ の位数 $2$ の元になるホモロジー $3$ 球面がある」ことの同値として述べており、これは lem-tc-split の 1 ⇔ 2 による言い換えである。

次元ごとの答え

三角形分割予想と、組合せ的三角形分割予想(PL 構造の存在)の答えを次元ごとに並べる(Man16 §2.2、pp. 3–4、Rud01 §21 の Summary、pp. 86–87)。

次元 $n$三角形分割をもつかPL 構造をもつか反例・根拠
$0,1$もつもつ分類から明らか
$2$もつもつRadóの定理
$3$もつもつMoiseの定理
$4$もたないものがあるもたないものがあるE8多様体(Freedman の構成、三角形分割できないことは Casson)
$\ge5$もたないものがあるもたないものがある三角形分割:cor-tc-nontri。PL:$\kappa(M)\ne0$ の多様体(Kirby–Siebenmann不変量)

$4$ 次元では、三角形分割をもつ位相多様体は PL 構造をもつ(Rud01 Examples 21.6、p. 85)。したがって $4$ 次元の「三角形分割をもつ」と「PL 構造をもつ」は一致し、E8多様体 はその両方をもたない(E8多様体 の定理「Casson の定理」)。一方 $5$ 次元以上では両者は異なり、三角形分割をもつが PL 構造をもたない多様体がある(下の ex-tc-examples)。

例

例
  1. Poincaré ホモロジー球面:$\mu(P)=1$ なので、thm-tc-main の 1 により $2[P]\ne0$ である。すなわち $P\#P$ は $S^3$ とホモロジー同境でない。$P\#P$ は滑らかなホモロジー $4$ 球体の境界にならない(境界になれば、そのホモロジー球体から小さな開円板を除いたものが $S^3$ から $P\#P$ へのホモロジー同境になる。証明は lem-tc-inverse の後半と同じ)。
  2. 三角形分割をもつが PL 構造をもたない多様体:$E_8$ 多様体 $V$ と円周の積 $V\times S^1$ は三角形分割をもつが、$\kappa(V\times S^1)\ne0$ で PL 構造をもたない(Rud01 Theorem 21.5 とその後の注意、pp. 84–85、Kirby–Siebenmann不変量 の反例「三角形分割可能でも κ は消えない」)。thm-tc-gs の 1 により $\delta\kappa(V\times S^1)=0$ である。$\kappa$ は $\mu_*$ の像に入っているが $0$ でない。
  3. $5$ 次元の向き付け可能な多様体:向き付け可能な閉 $5$ 次元位相多様体はすべて三角形分割をもつ(Rud01 Theorem 21.5、p. 84。Siebenmann と Cannon による)。したがって $5$ 次元で三角形分割できない閉多様体は向き付け不可能であり、ex-tc-kronheimer の $M$ もそうである。$6$ 次元以上では向き付け可能な例もある(Man13 p. 2、Man16 p. 7)。
  4. $\Theta^3_{\mathbb{Z}}$ の大きさ:$\Theta^3_{\mathbb{Z}}$ は無限生成で、$\mathbb{Z}$ を直和因子にもつ(Fintushel–Stern、Furuta、Frøyshov。Man16 §2.3、p. 6)。ねじれ元をもつかは知られていない(同所)。thm-tc-main の 1 は、$\mu(Y)=1$ の元がどれも位数 $2$ でないことを述べている。

2 の $V\times S^1$ と cor-tc-nontri の $M$ はともに $\kappa\ne0$ の $5$ 次元多様体だが、障害 $\delta\kappa$ は前者で消え、後者で消えない。違いは $\mathrm{Sq}^1\kappa$ にあり、prop-tc-split-delta の 2 の証明が示すとおり、$\delta\kappa$ は $\mathrm{Sq}^1\kappa$ の「整数への持ち上げ」を (1) の係数で見たものである。

反例

外す条件反例成り立たなくなること
次元が $5$ 以上(thm-tc-gs の 2)$E_8$ 多様体 $V$$\delta\kappa(M)=0$ なら三角形分割をもつ
$\mathrm{Sq}^1\kappa(M)\ne0$(prop-tc-split-delta の 2)$V\times S^1$$\kappa(M)\ne0$ なら $\delta\kappa(M)\ne0$
組合せ的(リンクが球面)$V\times S^1$ の三角形分割三角形分割をもてば $\kappa(M)=0$
反例の確認

1 行目は $H^5$ が消える次元で障害が何も検出しないこと、2・3 行目は三角形分割をもつが $\kappa\ne0$ の多様体があることによる。

各行の確認を開く

1 行目:$V$ は $4$ 次元の閉多様体なので $H^5(V;K)=0$ で、$\delta\kappa(V)=0$ である。しかし $V$ は三角形分割をもたない(E8多様体 の定理「Casson の定理」)。thm-tc-gs の 2 は $n\ge5$ の仮定の下の主張である。

2 行目:ex-tc-examples の 2 のとおり、$\kappa(V\times S^1)\ne0$ だが $V\times S^1$ は三角形分割をもつので、thm-tc-gs の 1 により $\delta\kappa(V\times S^1)=0$ である。prop-tc-split-delta の 2 の仮定 $\mathrm{Sq}^1\kappa\ne0$ が破れている:$N:=V\times S^1$ は向き付け可能な連結閉 $5$ 次元多様体なので $H^5(N;\mathbb{Z})\cong\mathbb{Z}$ で、prf-tc-split-delta の $\tilde\beta$ の像は $2$ 倍で消える元(長完全列で $\tilde\beta$ の次が $2$ 倍写像)だから $\tilde\beta=0$ であり、$\mathrm{Sq}^1=\rho\circ\tilde\beta=0$ である。

3 行目:同じ $V\times S^1$ は三角形分割をもつが $\kappa\ne0$ である。thm-tc-gs の説明のとおり、$K$ が組合せ的なら $c(K)=0$ で $\kappa=0$ となるが、組合せ的でない三角形分割では余次元 $4$ の単体のリンクが $S^3$ でないホモロジー $3$ 球面になりうる。破れる条件は「組合せ的」である。

補足

  • 証明の手段:$\beta$ は、ホモロジー $3$ 球面の Seiberg–Witten 方程式の Pin(2) 対称性を使い、有限次元近似と Conley 指数で作った Seiberg–Witten Floer 安定ホモトピー型の、Pin(2) 同変ホモロジーの次数から定義される(Man16 §3–§5、Man13 §1)。Lin による別の構成もあり、主定理の別証明を与える(Man16 §3.1、pp. 8–9)。
  • $4$ 次元の問題:$4$ 次元の位相多様体がすべて CW 複体と同相かどうかは知られていない(Man16 §2.2、p. 4)。$n$ 次元の位相多様体は $n$ 次元の単体複体とホモトピー同値である(同所)。
  • 構造の階層:多様体の構造の階層 の段「三角形分割可能と TOP」はこの記事の主定理を指す。三角形分割できない多様体も、$4$ 次元以外では Lipschitz 構造をもつ(Lipschitz多様体とSullivanの定理)。

関連項目

参考文献

[1]
Ciprian Manolescu, Lectures on the triangulation conjecture, arXiv:1607.08163, Proceedings of the Gökova Geometry-Topology Conference 2015(22nd GGT), Gökova Geometry-Topology Conferences, 2016, pp. 1–38。頁は arXiv:1607.08163v3(2024。p. 4 の 2 つの記述を刊行版から訂正した版)の頁:Theorem 1.1(p. 1);§2.2 次元ごとの三角形分割と PL 構造、組合せ的な三角形分割(pp. 3–4)、CW 複体とホモトピー同値の注意(p. 4);§2.3 c(K) と Kirby–Siebenmann 類、ホモロジー同境群の定義(p. 5)、Θ の構造・Rokhlin 準同型・完全列 (2)(3)(p. 6);§2.4 Galewski–Stern・Matumoto の同値と Theorem 2.3(p. 6)、演習 2.4・Example 2.5・向き付け可能な例(p. 7);§3.1 証明の方針、β の性質、Σ(2,3,11)、Casson 不変量と Frøyshov 不変量、Lin の構成(pp. 8–9)
[2]
Ciprian Manolescu, Pin(2)-equivariant Seiberg-Witten Floer homology and the Triangulation Conjecture, Journal of the American Mathematical Society, arXiv:1303.2354v4(2015)。Journal of the American Mathematical Society 29 (2016), no. 1, 147–176(doi:10.1090/jams829)に掲載。頁は arXiv 版の頁:§1 三角形分割予想・Galewski–Stern と Matumoto の帰着・ホモロジー同境群と Rokhlin 準同型(p. 1);Theorem 1.1・Corollary 1.2・1.3 と Sq^1 κ による障害・5 次元の例と積(p. 2);Casson 不変量と向きを逆にする同相写像をもつホモロジー球面(pp. 2–3)
[3]
Yuli B. Rudyak, Piecewise Linear Structures on Topological Manifolds, arXiv:math/0105047, arXiv:math/0105047v2(2014-12-24。のち World Scientific 2016 から同名の本として刊行)。Theorem 21.5 とその後の注意(pp. 84–85);Examples 21.6(p. 85);Theorem 21.7 とその後の段落(p. 86);§21 の Summary(pp. 86–87)
[4]
Antoni A. Kosinski, Differential Manifolds, Pure and Applied Mathematics 138, Academic Press, 1993, Ch. VI §1(M#(−M) は M から円板を除いたものを変形レトラクトにもつ多様体の境界になる、p. 93);Ch. VI §3 Theorem 3.1(境界連結和と ∂(M1#_b M2)=∂M1#∂M2、p. 97)
[5]
Robion C. Kirby, The Topology of 4-Manifolds, Lecture Notes in Mathematics 1374, Springer-Verlag, 1989, Ch. II §5(交叉数と Lemma 5.1、境界連結和の符号数は和、p. 28)

Mathpediaは寄付と、参考文献の書籍リンク(Amazonアソシエイト)の紹介料で運営されています。 支援について / 寄付する