射影空間上の直線束のコホモロジー(cohomology of line bundles on projective space)とは、可換環 $A$ 上の射影空間 $\mathbb{P}^n_A$($n\ge1$)の上のひねり層 $\mathcal{O}(d)$ の層コホモロジーを決定する定理である。$H^0$ は次数 $d$ の斉次多項式の全体、$H^n$ は指数がすべて $-1$ 以下の次数 $d$ の Laurent 単項式で張られる自由加群であり、ほかの次数はすべて $0$ である。$H^0(\mathcal{O}(d))$ と $H^n(\mathcal{O}(-d-n-1))$ は積によって互いに双対になる。証明はアフィン開被覆の Čech 複体を単項式ごとに分けて行い、この計算は超曲面の算術種数の計算や Serre 双対性・Serre の消滅定理の出発点になる。
前提知識: 層コホモロジー, Serreのひねり層, Lerayの定理(非輪状被覆), Proj(次数付き環の射影スキーム)
射影空間上の直線束のコホモロジー(cohomology of line bundles on projective space)とは、環 $A$ 上の射影空間 $\mathbb{P}^n_A$ の上のSerreのひねり層 $\mathcal{O}(d)$($d\in\mathbb{Z}$)の層コホモロジー $H^i(\mathbb{P}^n_A,\mathcal{O}(d))$ を、すべての $i$ と $d$ について決定する定理である。答えは単項式で書ける。$H^0$ は次数 $d$ の斉次多項式の全体であり、$H^n$ は指数がすべて負の Laurent 単項式で張られる自由加群であり、それ以外の次数はすべて $0$ である。
この計算は、射影多様体の上の連接層のコホモロジーを調べるときの出発点になる。超曲面や完全交叉のコホモロジーは完全列を通じてこの計算に帰着し、Serreの消滅定理 や Serre双対性 の証明もここから始まる。この記事では、アフィン開被覆 $\{D_+(x_i)\}$ に関する Čech 複体を単項式ごとに分解し、各単項式の部分が単体の上の簡単な複体になることを使って、定理を完全に証明する。
以下、$A$ を可換環、$n\ge1$、$S=A[x_0,\dots,x_n]$ を標準的な次数付けをもつ多項式環、$X=\mathbb{P}^n_A=\operatorname{Proj}S$ とし、$\mathcal{O}(d)=\mathcal{O}_X(d)$ と書く。添字の集合を $[n]:=\{0,1,\dots,n\}$ とおく。
空でない部分集合 $I\subset[n]$ について $x_I:=\prod_{i\in I}x_i$、$U_I:=D_+(x_I)=\bigcap_{i\in I}D_+(x_i)$ とおく。$U_I$ はアフィン開集合であり、
$$
\Gamma(U_I,\mathcal{O}(d))=(S_{x_I})_d
$$
は局所化 $S_{x_I}$ の次数 $d$ の部分である(Serreのひねり層 の命題「付随する層の茎と座標近傍」の 2)。$J\supset I$ への制限写像は包含 $S_{x_I}\subset S_{x_J}$ である($x_j$ は $S$ の非零因子なので局所化の写像は単射)。
指数の組 $a=(a_0,\dots,a_n)\in\mathbb{Z}^{n+1}$ について Laurent 単項式 $x^a:=x_0^{a_0}\cdots x_n^{a_n}$、次数 $|a|:=\sum_ia_i$、負の台 $N(a):=\{i\in[n]\mid a_i<0\}$ を定める。$S_{x_I}$ は、$N(a)\subset I$ をみたす $x^a$ 全体を基底とする自由 $A$ 加群である。したがって
$$
(S_{x_I})_d=\bigoplus_{|a|=d,\ N(a)\subset I}A\,x^a\qquad(\ast)
$$
である。
$A$ を可換環、$n\ge1$、$X=\mathbb{P}^n_A$、$d\in\mathbb{Z}$ とする。
証明は節「証明」の prf-pnc-main で与える。5 の積は次のように定める。
被覆 $\mathfrak{U}=\{U_0,\dots,U_n\}$($U_i:=D_+(x_i)$)の交代 Čech 複体(Lerayの定理(非輪状被覆) の定義「Čech複体と交代Čech複体」)の最高次の項は $\check{C}^n_a(\mathfrak{U},\mathcal{O}(e))=(S_{x_0\cdots x_n})_e$ である。$s\in S_d$ を掛ける写像 $(S_{x_0\cdots x_n})_e\to(S_{x_0\cdots x_n})_{d+e}$ は Čech 複体の微分と可換なので、$H^n$ の写像 $H^n(X,\mathcal{O}(e))\to H^n(X,\mathcal{O}(d+e))$ を誘導する。これを $s\cdot\xi$ と書き、$(s,\xi)\mapsto s\cdot\xi$ を 5 の積とする。
$k$ が体なら、定理から次元が数えられる。$\binom{m}{n}$ は $m\ge n$ のとき二項係数、それ以外は $0$ とする。
$k$ を体とすると、すべての $d\in\mathbb{Z}$ について
$$
\dim_kH^0(\mathbb{P}^n_k,\mathcal{O}(d))=\binom{n+d}{n},\qquad\dim_kH^n(\mathbb{P}^n_k,\mathcal{O}(d))=\binom{-d-1}{n}
$$
であり、Euler標数 は
$$
\chi(\mathcal{O}(d)):=\sum_i(-1)^i\dim_kH^i(\mathbb{P}^n_k,\mathcal{O}(d))=\frac{(d+1)(d+2)\cdots(d+n)}{n!}
$$
である。
次数 $d$ の $n+1$ 変数の単項式は $\binom{n+d}{n}$ 個ある。指数がすべて $-1$ 以下で次数 $d$ の $x^a$ は、$b_i:=-a_i-1\ge0$ と置くと次数 $-d-n-1$ の単項式 $x^b$ と 1 対 1 に対応するので、$\binom{-d-1}{n}$ 個ある。$P(d):=(d+1)\cdots(d+n)/n!$ とおく。$d\ge0$ なら $\chi=\binom{n+d}{n}=P(d)$ である。$-n\le d\le-1$ なら両方の次元が $0$ で、$P(d)$ も $0$ である(因子 $d+j$ が $j=-d$ で $0$ になる)。$d\le-n-1$ なら $\chi=(-1)^n\binom{-d-1}{n}=(-1)^n(-d-1)(-d-2)\cdots(-d-n)/n!=P(d)$ である。
$X$ は $A$ 上射影的なので分離的であり(固有射 の定理「射影射の固有性」)、$\mathcal{O}(d)$ は準連接層、$U_i=D_+(x_i)$ はアフィン開集合で $X$ を覆う。よって被覆 $\mathfrak{U}=\{U_0,\dots,U_n\}$ の交代 Čech 複体が層コホモロジーを計算する(Lerayの定理(非輪状被覆) の例「分離的スキームのアフィン開被覆」)。
$$
H^p(X,\mathcal{O}(d))\cong\check{H}^p_a(\mathfrak{U},\mathcal{O}(d))\qquad(p\ge0)
$$
交代的なコチェイン $c$ は増加列 $i_0< \cdots< i_p$ の成分 $c_{i_0\cdots i_p}\in(S_{x_I})_d$($I=\{i_0,\dots,i_p\}$)で決まり、$\check{C}^p_a=0$($p>n$)である。
$(\ast)$ により、各成分を単項式 $x^a$ の係数に分ければ、Čech 複体は $|a|=d$ をみたす $a$ ごとの部分複体の直和に分かれる。制限写像は単項式を単項式に送り、微分は単項式を保つからである。$a$ の部分を $K_a^\bullet$ と書く。$K_a^p$ は、$[n]^{p+1}$ 上の交代的な関数 $c\colon(i_0,\dots,i_p)\mapsto c_{i_0\cdots i_p}\in A$ で、$\{i_0,\dots,i_p\}\supset N(a)$ でない添字では $0$ になるもの全体であり、微分は
$$
(dc)_{i_0\cdots i_{p+1}}=\sum_{k=0}^{p+1}(-1)^k\,c_{i_0\cdots\widehat{i_k}\cdots i_{p+1}}
$$
である。$c_{i_0\cdots i_p}$ は $x^a$ の係数を表す。したがって
$$
\check{H}^p_a(\mathfrak{U},\mathcal{O}(d))=\bigoplus_{|a|=d}H^p(K_a^\bullet)
$$
である。
$a\in\mathbb{Z}^{n+1}$ とする。
3 から示す。$N(a)=[n]$ なら、$\{i_0,\dots,i_p\}\supset[n]$ となるのは $p\ge n$ のときで、交代性から $p=n$ の 1 成分 $c_{01\cdots n}$ だけが残る。よって $K_a^\bullet$ は次数 $n$ に $A$ を置いた複体である。
1・2 では $N(a)\ne[n]$ なので、$v\notin N(a)$ をみたす $v\in[n]$ を 1 つ固定する。$p\ge1$ について $h\colon K_a^p\to K_a^{p-1}$ を
$$
(hc)_{i_0\cdots i_{p-1}}:=c_{v\,i_0\cdots i_{p-1}}
$$
で定める。右辺は $i_0,\dots,i_{p-1}$ について交代的で、添字に $v$ が重複すれば $0$ である。また $v\notin N(a)$ なので、$\{v,i_0,\dots,i_{p-1}\}\supset N(a)$ と $\{i_0,\dots,i_{p-1}\}\supset N(a)$ は同値である。よって $hc\in K_a^{p-1}$ である。$p\ge1$ と $c\in K_a^p$ について
$$
(dhc)_{i_0\cdots i_p}=\sum_{k=0}^{p}(-1)^kc_{v\,i_0\cdots\widehat{i_k}\cdots i_p},\qquad(hdc)_{i_0\cdots i_p}=(dc)_{v\,i_0\cdots i_p}=c_{i_0\cdots i_p}+\sum_{k=0}^{p}(-1)^{k+1}c_{v\,i_0\cdots\widehat{i_k}\cdots i_p}
$$
なので $dh+hd=\mathrm{id}$ である。したがって $p\ge1$ で $dc=0$ なら $c=d(hc)$ であり、$H^p(K_a^\bullet)=0$ である。
$p=0$ では、$c\in K_a^0$ について $(dc)_{v\,i}=c_i-c_v$ である。$dc=0$ ならすべての $i$ で $c_i=c_v$ となる。$c_v$ は $\{v\}\supset N(a)$ のときだけ $0$ でありうる。$v\notin N(a)$ なので、これは $N(a)=\emptyset$ のときに限る。よって 2 の場合は $H^0(K_a^\bullet)=0$ である。1 の場合は $K_a^0=A^{n+1}$ で、$\ker d$ は定数関数 $(c,\dots,c)$ の全体なので $A$ と同型である。
$K_a^\bullet$ は、頂点の集合が $[n]$ の単体の、$N(a)$ を含む面だけをとった複体である。1 は単体の(増大していない)コチェイン複体が 1 点と同じコホモロジーをもつこと、2 は「$N(a)$ を含む面」の複体が可縮であることの言い換えである。
Čech 複体への帰着により $H^p(X,\mathcal{O}(d))\cong\bigoplus_{|a|=d}H^p(K_a^\bullet)$ であり、lem-pnc-simplex を当てはめる。
1:$p=0$ で寄与するのは $N(a)=\emptyset$ の $a$、すなわち $x^a$ が通常の単項式のときだけで、各 $a$ が $A$ を 1 つ与える。定数関数 $c_i=1$ は大域切断 $x^a$ に対応するので、$H^0(X,\mathcal{O}(d))=\bigoplus_{a\ge0,|a|=d}A\,x^a=S_d$ である。
2・4:$0< p< n$ では 1・2・3 のどの場合も $H^p(K_a^\bullet)=0$ である。$p>n$ では $\check{C}^p_a=0$ である。
3:$p=n$ で寄与するのは $N(a)=[n]$、すなわちすべての $a_i\le-1$ の $a$ だけで、各 $a$ について $H^n(K_a^\bullet)\cong A$ は $K_a^n$ の生成元、すなわち $(S_{x_0\cdots x_n})_d$ の元 $x^a$ の類で生成される。$a_i\le-1$ なら $|a|\le-n-1$ なので、$d\ge-n$ では $H^n=0$ であり、$d=-n-1$ では $a=(-1,\dots,-1)$ だけが寄与する。
5:$d<0$ なら 1 と 3 から両辺とも $0$ である。$d\ge0$ とし、$x^m$($m_i\ge0$、$|m|=d$)と $x^b$($b_i\le-1$、$|b|=-d-n-1$)をとる。積は $x^{m+b}$ で、$|m+b|=-n-1$ である。$m+b=-\mathbf{1}:=(-1,\dots,-1)$ なら、積の類は $H^n(X,\mathcal{O}(-n-1))$ の生成元である。$m+b\ne-\mathbf{1}$ なら、和が $-n-1$ なので $m_i+b_i\ge0$ となる $i$ があり、$N(m+b)\ne[n]$ である。このとき $x^{m+b}$ の類は $H^n(K^\bullet_{m+b})=0$ に属するので $0$ である。よって $x^m$ と $x^b$ の積は $b=-m-\mathbf{1}$ のときだけ生成元になり、それ以外は $0$ である。1 と 3 の基底がこれで互いに双対になり、対は完全である。
$k$ を体、$n=2$ とする。cor-pnc-dimension により、$h^i(d):=\dim_kH^i(\mathbb{P}^2_k,\mathcal{O}(d))$ は次の表のとおりである($h^1$ はつねに $0$)。
| $d$ | $-5$ | $-4$ | $-3$ | $-2$ | $-1$ | $0$ | $1$ | $2$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $h^0(d)$ | $0$ | $0$ | $0$ | $0$ | $0$ | $1$ | $3$ | $6$ |
| $h^2(d)$ | $6$ | $3$ | $1$ | $0$ | $0$ | $0$ | $0$ | $0$ |
| $\chi(\mathcal{O}(d))$ | $6$ | $3$ | $1$ | $0$ | $0$ | $1$ | $3$ | $6$ |
$h^2(d)=h^0(-d-3)$ という対称性は、主定理の 5 の完全な対の現れである。$H^2(\mathbb{P}^2_k,\mathcal{O}(-3))$ の基底は $x_0^{-1}x_1^{-1}x_2^{-1}$ の類である。$n=1$ の場合は 層コホモロジー の例「射影直線上の $\mathcal{O}(d)$」で直接計算されている。
$A$ を環、$n\ge1$ とし、$U:=\mathbb{A}^{n+1}_A\setminus V(x_0,\dots,x_n)=\bigcup_iD(x_i)$ とおく。$\Gamma(D(x_I),\mathcal{O})=S_{x_I}$(すべての次数を含む)なので、被覆 $\{D(x_i)\}$ の交代 Čech 複体は、主定理の証明の複体をすべての $d$ について直和したものである。$U$ はアフィンスキームの開部分スキームなので分離的であり、Čech 複体は層コホモロジーを計算する。よって
$$
H^p(U,\mathcal{O}_U)\cong\bigoplus_{d\in\mathbb{Z}}H^p(\mathbb{P}^n_A,\mathcal{O}(d))
$$
であり、$H^0(U,\mathcal{O}_U)=S$、$H^n(U,\mathcal{O}_U)=\bigoplus_{a_i\le-1}A\,x^a\ne0$、ほかの次数は $0$ である。$H^0$ の式は、$U$ 上の関数が原点まで延びることを表す。アフィンスキーム上の準連接層の正の次数のコホモロジーは消える(連接層 の定理「アフィンスキーム上の消滅」)ので、$U$ はアフィンでない。$n=1$ では $H^1(U,\mathcal{O}_U)=\bigoplus_{i,j\ge1}A\,x_0^{-i}x_1^{-j}$ である。
$k$ を体、$n\ge2$、$F\in S_e$($e\ge1$)を $0$ でない斉次多項式とし、$Y:=V_+(F)\subset X=\mathbb{P}^n_k$ を $F$ が定める閉部分スキームとする。$F$ を掛ける射 $\mathcal{O}(d-e)\to\mathcal{O}(d)$ は各 $U_I$ 上で整域 $S_{x_I}$ の $0$ でない元を掛ける写像なので単射であり、その余核は $Y$ の上の層 $\mathcal{O}_Y(d)$ を $X$ に押し出したものである($d=0$ では $Y$ の構造層。$Y$ のイデアル層は $F\cdot\mathcal{O}(-e)$ である)。閉部分空間への押し出しはコホモロジーを変えない(Godementの標準分解 の命題「有限なファイバーをもつ閉写像による順像」の 4)ので、短完全列 $0\to\mathcal{O}(d-e)\to\mathcal{O}(d)\to\mathcal{O}_Y(d)\to0$ の長完全列
$$
\cdots\to H^i(X,\mathcal{O}(d-e))\to H^i(X,\mathcal{O}(d))\to H^i(Y,\mathcal{O}_Y(d))\to H^{i+1}(X,\mathcal{O}(d-e))\to\cdots
$$
に主定理を当てはめると次がわかる。
主定理の仮定を 1 つずつ外すと、次のように結論が崩れる(確かめは表の下)。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 空間が射影空間 | 平面 3 次曲線 $C=V_+(F)\subset\mathbb{P}^2_k$($\deg F=3$)と $\mathcal{O}_C$ | 3 の消滅(最高次 $H^1$ は $d\ge-1$ で $0$):$H^1(C,\mathcal{O}_C)\cong k$ |
| 層が $\mathcal{O}(d)$ | 2 つの $k$ 有理点 $P\ne Q$ のイデアル層 $\mathcal{I}\subset\mathcal{O}_{\mathbb{P}^2_k}$ | 2 の中間次数の消滅:$H^1(\mathbb{P}^2_k,\mathcal{I})\cong k$ |
| 空間が射影的(固有) | 原点を除いたアフィン空間 $U\subset\mathbb{A}^{n+1}_k$ と $\mathcal{O}_U$ | 1 の有限性($H^0$ は有限生成):$H^0(U,\mathcal{O}_U)=S$ は $k$ 上無限次元 |
1 行目:$C$ は 1 次元なので、$\mathbb{P}^1$ の場合の主定理と比べる。$\mathbb{P}^1_k$ では $H^1(\mathcal{O})=0$ だが、ex-pnc-hypersurface の 3 により $\dim_kH^1(C,\mathcal{O}_C)=\binom{2}{2}=1$ である。
2 行目:$Z=\{P,Q\}$(被約な 2 点)とし、短完全列 $0\to\mathcal{I}\to\mathcal{O}\to\mathcal{O}_Z\to0$ をとる。$\mathcal{O}_Z$ は 2 点の摩天楼層の直和なので $H^0(\mathcal{O}_Z)=k^2$ である。長完全列 $0\to H^0(\mathcal{I})\to H^0(\mathcal{O})=k\to k^2\to H^1(\mathcal{I})\to H^1(\mathcal{O})=0$ で、$k\to k^2$ は定数 $c$ を $(c,c)$ に送るので、$H^1(\mathbb{P}^2_k,\mathcal{I})\cong k^2/k\cong k$ である。
3 行目:ex-pnc-punctured による。$U$ は分離的で、準連接層 $\mathcal{O}_U$ を考えているが、固有でない。
定理は Hartshorne Har77 III.5.1(pp. 225–228)にある。そこでは $A$ を Noether 環とし、1・3・5 を同じ Čech 複体で示したあと、2 を $n$ についての帰納法で示す($x_n$ で局所化すると Čech 複体がアフィン空間のものになり、超平面 $x_n=0$ との完全列で $x_n$ 倍が同型になることを使う)。この記事の証明は帰納法を使わず、Čech 複体を単項式ごとに分けて単体の上の複体に帰着させた(lem-pnc-simplex)。Noether 性は使っていない。
体 $k$ の上では、$\mathbb{P}^n_k$ の上の可逆層はすべてある $\mathcal{O}(d)$ と同型である(Har77 II.6.17、p. 145)。したがって主定理は $\mathbb{P}^n_k$ 上のすべての直線束のコホモロジーを与える。標準層は $\omega_{\mathbb{P}^n}\cong\mathcal{O}(-n-1)$ であり(Euler列)、主定理の 3・5 は、体上の $\mathbb{P}^n$ での Serre双対性 $H^i(\mathcal{O}(d))\cong H^{n-i}(\mathcal{O}(-d-n-1))^\vee$ の原型である。また、射影スキーム上の連接層のコホモロジーの有限性と Serreの消滅定理 は、連接層を $\mathcal{O}(d)$ の有限直和の商で表し、この計算に帰着させて証明される(Har77 III.5.2、p. 228)。
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