Cousin問題(Cousin problems)とは、複素多様体上で局所的に指定した有理型関数の主要部、または正則関数の零点と重複度を、一つの大域関数で実現できるかを問う二つの貼り合わせ問題である。第1問題は局所式の差が正則なときに大域有理型関数を求め、障害は $H^1(X,\mathcal{O}_X)$ に入る。第2問題は局所式の比が正則な単元であるときに大域正則関数を求め、障害は線束の類 $H^1(X,\mathcal{O}_X^*)$ に入る。Stein 多様体では第1問題は常に解け、第2問題は対応する線束の第1 Chern 類が $H^2(X,\mathbb{Z})$ で消えるときに解ける。
平面を二つの領域で覆い、それぞれに関数の式を書いたとする。重なる場所で二つの式が完全に一致すれば、そのまま貼り合わせて一つの関数にできる。一致しなくても、その差が正則関数なら「極の情報」は一致している。局所的な式を正則関数だけ直し、一つの有理型関数にできるだろうか。これが第1 Cousin 問題である。
もう一つの問いは零点に関する。各領域で正則関数を選び、重なる場所では二つの関数の比が零点をもたない正則関数だとする。すると局所的な零点とその重複度は矛盾しない。この零点をちょうどもつ大域正則関数を作れるだろうか。これが第2 Cousin 問題である。
複素平面では Mittag-Leffler の定理と Weierstrass の積の定理がこれらの問いに答える。複素多様体や複素解析空間では大域的な障害が生じる。第1問題の障害は $H^1(X,\mathcal{O}_X)$、第2問題の障害は $H^1(X,\mathcal{O}_X^*)$ に入る。この二つを区別することが本記事の中心である。
| 局所的に指定するもの | 重なりでの条件 | 大域解に許されるもの | 障害 |
|---|---|---|---|
| 有理型関数の極の情報 | 差が正則 | 有理型関数 | $H^1(X,\mathcal{O}_X)$ |
| 正則関数の零点と重複度 | 比が正則な単元 | 正則関数 | $H^1(X,\mathcal{O}_X^*)$ |
以下、$X$ は複素多様体、$\mathcal{O}_X$ は正則関数の層、$\mathcal{M}_X$ は有理型関数の層とする。$\mathcal{O}_X^*$ は零点をもたない正則関数の乗法群の層である。開被覆 $\mathcal{U}=\{U_i\}$ の空でない交わりを $U_{ij}=U_i\cap U_j$ と書く。交わりが連結であるとは仮定しない。各条件は交わりのすべての連結成分で成り立つものとする。
各 $U_i$ に有理型関数 $f_i\in\mathcal{M}_X(U_i)$ が与えられ、$f_i-f_j\in\mathcal{O}_X(U_{ij})$ がすべての $i,j$ について成り立つとする。この局所データに対する第1 Cousin 問題は、$f\in\mathcal{M}_X(X)$ で $f-f_i\in\mathcal{O}_X(U_i)$ をすべての $i$ について満たすものを求める問題である。
$f_i$ は大域解の「主要部」を指定する。$f_i$ に $U_i$ 上の正則関数を足しても、指定される主要部は変わらない。したがって一つの大域解 $f$ があれば、別の大域解との差は $X$ 上で正則である。局所的な式そのものを一致させる問題ではなく、極を消さずに貼り合わせる問題である。
たとえば二つの局所式が重なりで $z^{-1}$ と $z^{-1}+e^z$ なら、差は正則なので同じ主要部を指定している。これに対し $z^{-1}$ と $2z^{-1}$ の差は $0$ で極をもつので、同じ第1 Cousin データの二つの表示にはならない。「差を正則とする」条件は、貼り合わせたい極の情報が局所的に矛盾しないという条件である。
各 $U_i$ に、各連結成分上で恒等的には $0$ でない正則関数 $g_i\in\mathcal{O}_X(U_i)$ が与えられ、$g_i/g_j\in\mathcal{O}_X^*(U_{ij})$ がすべての $i,j$ について成り立つとする。この局所データに対する第2 Cousin 問題は、$g\in\mathcal{O}_X(X)$ で $g/g_i\in\mathcal{O}_X^*(U_i)$ をすべての $i$ について満たすものを求める問題である。
比が単元である条件は、$g_i$ と $g_j$ が同じ零点と重複度をもつことを意味する。したがってデータは有効な解析的 Cartier因子 $D$ を定め、第2問題は $D$ が一つの大域正則関数の零因子になるかを問う。大域解が二つあれば、その比は $X$ 上の零点をもたない正則関数である。局所的な有理型関数を比が単元となるように選べば、同じ考え方で一般の Cartier 因子の主因子性を問える。ただし、この一般化では大域解も有理型関数とする。
ここでいう Cousin 問題は、スキーム上で余次元ごとの局所コホモロジーを並べる Cousin複体 とは別の対象である。両者は主要部と貼り合わせという動機を共有するが、定義するデータも使う層も異なる。
重なり $U_{ij}$ 上で $a_{ij}:=f_i-f_j$ とおく。これは正則関数であり、三重の交わりで $a_{ij}+a_{jk}+a_{ki}=0$ が成り立つ。ゆえに $(a_{ij})$ は $\mathcal{O}_X$ に値をとる Čech 1 余輪体である(Čechコホモロジー)。そのコホモロジー類を第1問題の障害と呼ぶ。
第1 Cousin データ $(f_i)$ に大域解が存在することと、$[a_{ij}]=0$ が $H^1(X,\mathcal{O}_X)$ で成り立つことは同値である。
大域解 $f$ があれば $h_i:=f_i-f$ は $U_i$ 上で正則で、$a_{ij}=h_i-h_j$ である。したがって $a$ は余境界で、類は $0$ となる。
逆に類が $0$ なら、必要なら被覆を細分して、$a_{ij}=h_i-h_j$ となる正則関数 $h_i$ を選べる。すると重なりで $(f_i-h_i)-(f_j-h_j)=a_{ij}-(h_i-h_j)=0$ である。層の貼り合わせにより $f_i-h_i$ は一つの大域有理型関数 $f$ になり、$f-f_i=-h_i$ は正則である。元の $U_i$ 上でもこの差は局所的に正則だから正則であり、大域解の条件を満たす。$\square$
同じ構成は層の完全列 $0\to\mathcal{O}_X\to\mathcal{M}_X\to\mathcal{M}_X/\mathcal{O}_X\to0$ の連結準同型としても読める。局所データ $(f_i)$ は商層の大域切断を定め、その $H^1(X,\mathcal{O}_X)$ への像が上の $[a_{ij}]$ である。零になることは、商層の切断が大域有理型関数から持ち上がることと同じである。
今度は $t_{ij}:=g_i/g_j\in\mathcal{O}_X^*(U_{ij})$ とおく。三重の交わりで $t_{ij}t_{jk}t_{ki}=1$ なので、$(t_{ij})$ は乗法的な Čech 1 余輪体である。これは正則線束 $L(D)$ の遷移関数となる。線束と $H^1(X,\mathcal{O}_X^*)$ の対応は Picard群 の記事で扱う。
第2 Cousin データ $(g_i)$ に大域解が存在することと、$[t_{ij}]=0$ が $H^1(X,\mathcal{O}_X^*)$ で成り立つことは同値である。言い換えると、対応する正則線束が自明であることと同値である。
大域解 $g$ があれば $u_i:=g_i/g$ は $U_i$ 上の正則な単元であり、$t_{ij}=u_i/u_j$ となる。よって $t$ は乗法的な余境界である。
逆に $[t]=0$ なら、被覆を細分して正則な単元 $u_i$ を $t_{ij}=u_i/u_j$ となるように選べる。$g_i/u_i=g_j/u_j$ なので、これらは大域正則関数 $g$ に貼り合う。各 $U_i$ 上で $g/g_i=1/u_i$ は単元である。細分から元の被覆へ戻しても単元であることは局所的に判定できる。$\square$
第1問題では正則関数を足すことで局所式を直し、第2問題では正則な単元を掛けることで直す。この違いが二つの障害群の違いになる。零点の集合が局所的に矛盾しないことだけでは、第2問題の大域解は保証されない。
$n$ 次元の複素多様体 $X$ で、無限遠で可算であり、正則凸で、正則関数が点を分離し、各点で局所座標系となる $n$ 個の大域正則関数をもつものを Stein 多様体という(Hor90 Definition 5.1.3, p. 116)。特異点をもたない Stein空間 がこれに当たる。$\mathbb{C}^n$ の擬凸領域は正則領域であり(Hor90 Theorem 4.2.8, p. 88)、正則領域は Stein 多様体である(Hor90 p. 116)。この記事で扱う Cousin 問題は複素多様体上のものなので、以下では Stein 多様体に限って述べる。
Stein 多様体 $X$ では、次の二つが成り立つ。この記事では Cartan の定理 A・B を証明しない。
$X$ が Stein 多様体ならば、$X$ 上の任意の第1 Cousin データは解をもつ。
$\mathcal{O}_X$ は連接層であり、Cartan の定理 B から $H^1(X,\mathcal{O}_X)=0$ である。したがって prop-cousin-first-obstruction の障害類は必ず消える。$\square$
$H^1(X,\mathcal{O}_X)=0$ そのものは定理 B の一般形を使わなくても、Stein 多様体上の $\bar\partial$ 方程式の可解性から直接示せる。第1 Cousin 問題を Čech 1 余輪体の形で解く定理は Hor90 Theorem 5.5.1(p. 143)、完全列 $0\to\mathcal{O}_X\to\mathcal{M}_X\to\mathcal{M}_X/\mathcal{O}_X\to0$ による言い換えは Hor90 §7.1 Example 1(p. 181)と §7.4(p. 201)にある。
第2問題では定理 B だけでは足りない。複素多様体上の指数完全列
$$
0\longrightarrow\underline{\mathbb{Z}}\longrightarrow\mathcal{O}_X
\xrightarrow{\ \exp(2\pi i\,\cdot)\ }\mathcal{O}_X^*
\longrightarrow1
$$
を使う。指数写像が局所的に全射なのは、零点をもたない正則関数に小さな近傍で正則対数をとれるからである。核は局所定数の整数値関数である。これが誘導する写像 $c_1\colon H^1(X,\mathcal{O}_X^*)\to H^2(X,\underline{\mathbb{Z}})$ は線束の第1 Chern 類である。
$X$ を Stein 多様体とする。第2 Cousin データ $(g_i)$ が解をもつことと、その線束 $L(D)$ の第1 Chern 類 $c_1(L(D))\in H^2(X,\mathbb{Z})$ が $0$ であることは同値である。とくに $H^2(X,\mathbb{Z})=0$ ならば、すべての第2 Cousin データが解をもつ。
指数完全列の長完全列の該当部分は
$$
H^1(X,\mathcal{O}_X)\longrightarrow H^1(X,\mathcal{O}_X^*)
\xrightarrow{c_1}H^2(X,\underline{\mathbb{Z}})
\longrightarrow H^2(X,\mathcal{O}_X)
$$
である。Stein 性と Cartan の定理 B により両端は $0$ なので、$c_1$ は同型である。ゆえに $c_1(L(D))=0$ と $[t_{ij}]=0$ は同値であり、後者は prop-cousin-second-obstruction により解の存在と同値である。$\square$
同じ議論は Hor90 §7.4(pp. 201–202)にあり、その Theorem 7.4.4 は、Stein 多様体上で任意の因子の第2 Cousin 問題が解けることと $H^2(X,\mathbb{Z})=0$ が同値であることを述べる。第2 Cousin 問題を連続関数による解の存在に帰着する形(Oka の原理の一例)は Hor90 Theorem 5.5.2(p. 144)にある。
$\mathbb{C}^n$ は Stein で可縮だから $H^2(\mathbb{C}^n,\mathbb{Z})=0$ であり、二つの Cousin 問題はいずれも解ける。一方、一般の Stein 多様体では $H^2(X,\mathbb{Z})$ が消えるとは限らず、第1問題が常に解けても第2問題には位相的障害が残り得る。たとえば $(\mathbb{C}^*)^2$ は Stein で、二次元トーラスに変形収縮するから $H^2((\mathbb{C}^*)^2,\mathbb{Z})\cong\mathbb{Z}$ である。したがってそこには自明でない正則線束がある。線束の正則切断の層は連接解析層なので、Cartan の定理 A によりその線束には零でない大域切断が存在し、その零因子の第2 Cousin データは解をもたない。この議論では零因子が局所的に一つの正則関数で定まることが、空間が多様体であることから従う。
相異なる点 $a_1,\dots,a_m\in\mathbb{C}$ と、各 $a_j$ で指定した有限の主要部 $P_j(z)=\sum_{k=1}^{N_j}c_{jk}(z-a_j)^{-k}$ を考える。$f(z):=\sum_{j=1}^mP_j(z)$ は $\mathbb{C}$ 上の有理型関数で、各 $a_j$ で指定どおりの主要部をもち、他に極をもたない。したがってこの第1 Cousin データは解ける。無限個の離散点に対する類似の主張が Mittag-Leffler の定理である。
$X=\mathbb{P}^1(\mathbb{C})$ を $U_0=\mathbb{C}_z$ と $U_\infty=\mathbb{C}_w$、$w=1/z$ で覆う。$g_0=1$、$g_\infty=w$ とすると、$U_0\cap U_\infty=\mathbb{C}^*$ 上で $g_0/g_\infty=z$ は正則な単元である。指定された零因子は無限遠点 $\infty$ の 1 点である。
もし大域解 $g$ が存在すれば、$g$ はコンパクトで連結なリーマン面上の正則関数だから最大値原理により定数である。しかし定数関数は $\infty$ だけで単純零点をもてない。したがって解はない。対応する線束は $\mathcal{O}_{\mathbb{P}^1}(1)$ で、$H^1(X,\mathcal{O}_X^*)$ の非零元を表す。
同じ被覆で $f_0=0$、$f_\infty=1/w$ とする。重なりで $f_0-f_\infty=-z$ は正則である。大域有理型関数 $f=z$ は $U_0$ 上で $f-f_0=z$ が正則、$U_\infty$ 上で $f-f_\infty=0$ だから、第1問題の解である。ex-cousin-projective-line と比べると、同じ射影直線でも加法的な主要部の貼り合わせと、乗法的な零点の貼り合わせの結果が異なることが分かる。
$H^1(\mathbb{P}^1(\mathbb{C}),\mathcal{O})=0$ である。したがって射影直線では、どの第1 Cousin データにも解がある。
上の二つの開集合 $U_0$、$U_\infty$ とその交わり $\mathbb{C}^*$ は Stein であるから、Cartan の定理 B と Čech コホモロジーの Leray の定理(Dem12 Chapter IV, (5.17) Theorem, p. 209:被覆のすべての有限個の交わりで正次数のコホモロジーが消えれば、Čech コホモロジーは層コホモロジーに一致する)により、この被覆の 1 余輪体を調べれば $H^1$ が求まる。交わり上の任意の正則関数 $a(z)$ は、$0<|z|<\infty$ で収束する Laurent 級数 $\sum_{n\in\mathbb{Z}}a_nz^n$ をもつ。非負の冪の和 $a_+(z):=\sum_{n\ge0}a_nz^n$ は $U_0$ 上で正則であり、負の冪の和 $a_-(1/w):=\sum_{n<0}a_nw^{-n}$ は $U_\infty$ 上で正則である。したがって $a=a_+-(-a_-)$ は $U_0$ と $U_\infty$ 上の正則関数の差、すなわち Čech 余境界である。よって $H^1=0$ となり、後半は prop-cousin-first-obstruction に従う。$\square$
大域有理型関数を許しても、この因子 $\infty$ は主因子にならない。射影直線上の有理型関数の零点の重複度の和と極の重複度の和は等しく、$\infty$ だけを零点とする関数はない。たとえば $1/z$ は $\infty$ で単純零点をもつが、同時に $0$ で単純極をもつ。第2問題の条件では、この余分な極は許されない。
次の例は、Stein でない空間では第1問題さえ解けないことを示す。証明は一変数の Cauchy の積分定理だけを使う。
$X=\mathbb{C}^2\setminus\{0\}$ を $U_1=\{(z,w)\mid z\ne0\}$ と $U_2=\{(z,w)\mid w\ne0\}$ で覆い、$f_1=1/(zw)\in\mathcal{M}_X(U_1)$、$f_2=0\in\mathcal{M}_X(U_2)$ とする。$f_1-f_2=1/(zw)$ は $U_1\cap U_2$ で正則なので、これは第1 Cousin データである。このデータには大域解がない。
$U_1\cap U_2=\mathbb{C}^*\times\mathbb{C}^*$ 上の正則関数 $h$ に対し、トーラス $\lvert z\rvert=\lvert w\rvert=1$ 上の積分
$$
c(h):=\frac{1}{(2\pi i)^2}\oint_{\lvert z\rvert=1}\oint_{\lvert w\rvert=1}h(z,w)\,dw\,dz
$$
を考える。被積分関数はトーラス上で連続なので積分の順序は交換できる。$h=1/(zw)$ なら $c(h)=\frac{1}{2\pi i}\oint dz/z\cdot\frac{1}{2\pi i}\oint dw/w=1$ である。
$a\in\mathcal{O}(U_1)$ とする。$\lvert z\rvert=1$ を固定すると $w\mapsto a(z,w)$ は $\mathbb{C}$ 全体で正則なので、Cauchy の積分定理により内側の $w$ の積分は $0$ で、$c(a|_{U_1\cap U_2})=0$ である。同様に $b\in\mathcal{O}(U_2)$ なら、$\lvert w\rvert=1$ を固定すると $z\mapsto b(z,w)$ は $\mathbb{C}$ 全体で正則なので、積分の順序を入れ替えて $z$ で先に積分すれば $c(b|_{U_1\cap U_2})=0$ である。
大域解 $f$ があったとすると、$a:=f-f_1$ は $U_1$ 上、$b:=f-f_2=f$ は $U_2$ 上で正則であり、$U_1\cap U_2$ で $b-a=f_1-f_2=1/(zw)$ となる。両辺に $c$ を施すと $0-0=1$ となり矛盾する。$\square$
同じ例は Leb26 Example 4.6.3(p. 153)にもあり、そこでは Hartogs の拡張定理を使って矛盾を導いている。thm-cousin-stein-first の対偶により、$\mathbb{C}^2\setminus\{0\}$ は Stein でない。Stein の仮定が外せないことがこの例から分かる。prop-cousin-first-obstruction に照らすと、類 $[1/(zw)]$ は $H^1(X,\mathcal{O}_X)$ の零でない元である。
この記事の結果から条件を一つ外したときに成り立たなくなる主張を表にまとめる。各行の反例は右の列の主張を破る。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| Stein 性 | $\mathbb{C}^2\setminus\{0\}$ と $1/(zw)$ | 第1 Cousin データは解をもつ |
| 加法的なデータであること | $\mathbb{P}^1(\mathbb{C})$ の零因子 $\infty$ | 第1問題が常に解ける空間では第2問題も解ける |
| 大域関数に極がないこと | $\mathbb{P}^1(\mathbb{C})$ の $1/z$ | $\infty$ で単純零点をもつ大域関数は、零因子 $\infty$ の第2問題の解 |
| $H^2(X,\mathbb{Z})=0$ | $(\mathbb{C}^*)^2$ | Stein 多様体では第2問題は常に解ける |
第2 Cousin データから作る線束は、局所零点の情報を保ちながら貼り合わせに必要な倍率を記録する。代数幾何では同じ構成を Cartier 因子、可逆層、Picard群 で表す。射影直線の $\infty$ に対応する $\mathcal{O}(1)$ は、正の次数をもつため自明ではない。複素代数多様体の解析化との関係は GAGA で扱う。
第1問題の「極の主要部」は $\mathcal{M}_X/\mathcal{O}_X$ の切断として、第2問題の「零点と重複度」は正則な単元による遷移関数として整理できる。この区別によって、Stein 多様体の定理 B が第1問題を直接解く一方、第2問題に $H^2(X,\mathbb{Z})$ が残る理由が見える。二つの問題の層による定式化は Hor90 §7.1 Example 1・2(p. 181)、Stein 多様体上の結果は Hor90 §5.5(pp. 143–146)と §7.4(pp. 201–202)に従う。
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