留数(residue)とは、曲線上の有理微分形式 $\omega$ が点 $P$ でもつ極のうち「原始関数をもたない部分」を測る数で、$P$ の局所パラメータ $t$ による Laurent 展開 $\omega=(\sum_n a_nt^n)\,dt$ の係数 $a_{-1}$ である。複素解析では $P$ を囲む小さい閉曲線に沿う積分の $1/(2\pi i)$ 倍に等しいが、係数による定義は任意の標数の体上の代数曲線で意味をもち、局所パラメータの取り方によらない。滑らかな完備曲線上ではすべての閉点での留数(のトレース)の和が $0$ になり(留数定理)、この和が Serre 双対性のトレース写像 $H^1(X,\Omega^1_X)\to k$ を与える。代表例は $\mathbb{P}^1$ 上の $dt/t$($0$ で $1$、$\infty$ で $-1$)である。
前提知識: リーマン面, Laurent展開, 離散付値環, 完備化, Kähler微分, 微分形式
留数は、曲線上の微分形式が 1 点でもつ極のうち「原始関数をもたない部分」を測る数である。複素解析では小さい閉曲線に沿う積分として現れるが、その値は Laurent 展開の 1 つの係数で読め、この係数による定義は任意の標数の体上の代数曲線で意味をもつ。まず複素解析の留数を復習し、次に代数的な定義を与える。
$X$ をリーマン面、$p\in X$、$\omega$ を $p$ の近傍で定義された有理型 1 形式(リーマン面上の微分形式)とする。$p$ を中心とする局所座標 $z$($z(p)=0$)で $\omega=f(z)\,dz$ と書き、$f$ を $0<|z|<\varepsilon$ で Laurent 展開して
$$
\omega=\Bigl(\sum_{n\ge n_0}a_nz^n\Bigr)dz\qquad(a_n\in\mathbb{C})
$$
とするとき、係数 $a_{-1}$ を $\omega$ の $p$ における留数(residue)といい、$\operatorname{res}_p\omega$ と書く。$p$ を正の向きに 1 周する十分小さい円周 $\gamma$ について
$$
\operatorname{res}_p\omega=\frac{1}{2\pi i}\oint_\gamma\omega
$$
が成り立つ(Laurent展開 の記事の系「留数の積分表示」、Cauchyの積分定理)。
積分表示は座標 $z$ を含まないので、複素解析の留数が座標によらないことはこの表示から従う(リーマン面上の微分形式 の記事の命題「位数と留数の座標不変性」)。積分を使えない体の上では、座標不変性を形式的な計算だけで示す必要がある。それが本記事の最初の主結果である。
以下、$k$ を体、$X$ を $k$ 上の滑らかな曲線、すなわち $k$ 上分離的(分離射)で有限型(有限型射)の整スキーム(整スキーム)で、次元が 1 で、構造射 $X\to\operatorname{Spec}k$ が滑らか(滑らかな射)なものとする。$K=k(X)$ を $X$ の関数体とし、$\Omega_{K/k}$ を $K$ の $k$ 上の Kähler微分の加群とする。$\Omega_{K/k}$ の元を $X$ 上の有理微分形式という。$P\in X$ を閉点とすると、局所環 $\mathcal{O}_{X,P}$ は離散付値環であり、その極大イデアル $\mathfrak{m}_P$ の生成元 $t$ を $P$ における局所パラメータ(一意化元)という。$k(P)=\mathcal{O}_{X,P}/\mathfrak{m}_P$ を $P$ の剰余体とすると、$k(P)$ は $k$ の有限次拡大である。
本記事では次を仮定する。
分離性の仮定のもとで、完備局所環 $\widehat{\mathcal{O}}_{X,P}$ は $k$ を含む係数体、すなわち標準射影 $\widehat{\mathcal{O}}_{X,P}\to k(P)$ の切断となる部分体 $k(P)\subset\widehat{\mathcal{O}}_{X,P}$ をただ 1 つもつ(Hensel局所環の記事の Hensel の補題により、$k(P)=k(\alpha)$ の生成元 $\alpha$ の最小多項式の根の持ち上げが一意に定まる)。したがって局所パラメータ $t$ を 1 つ固定すると、$k$ 代数の同型
$$
k(P)[\![t]\!]\xrightarrow{\ \sim\ }\widehat{\mathcal{O}}_{X,P},\qquad \sum_{n\ge0}a_nt^n\mapsto\sum_{n\ge0}a_nt^n
$$
がただ 1 つ定まる(Cohen の構造定理、Mat89 §28–§29)。左辺は形式的冪級数環である。その分数体を $\widehat{K}_P:=k(P)((t))$ と書く。これは形式的 Laurent 級数 $\sum_{n\ge n_0}a_nt^n$($n_0\in\mathbb{Z}$、$a_n\in k(P)$)の体で、$K\subset\widehat{K}_P$ である。
$X$ が $k$ 上滑らかで $k(P)/k$ が分離的なとき、$P$ における Kähler 微分の茎 $\Omega_{X/k,P}$ は $dt$ を基底とする階数 1 の自由 $\mathcal{O}_{X,P}$ 加群(自由加群)であり(Har77 II §8 の余法束の完全列と Nakayama の補題(Nakayamaの補題)による)、したがって $\Omega_{K/k}=K\,dt$ は $dt$ を基底とする 1 次元 $K$ ベクトル空間である。有理微分形式 $\omega$ は $\omega=f\,dt$($f\in K$)とただ 1 通りに書ける。
$X$ を体 $k$ 上の滑らかな曲線、$P$ を分離性の仮定をみたす閉点、$t$ を $P$ における局所パラメータとする。有理微分形式 $\omega\in\Omega_{K/k}$ を $\omega=f\,dt$($f\in K$)と書き、$f$ を $\widehat{K}_P=k(P)((t))$ の元として
$$
f=\sum_{n\ge n_0}a_nt^n\qquad(a_n\in k(P))
$$
と展開する($f$ の $t$ による Laurent 展開)。このとき
$$
\operatorname{res}_P\omega:=a_{-1}\in k(P)
$$
を $\omega$ の $P$ における留数という。すなわち留数は、$\omega$ を $t$ で展開したときの $t^{-1}dt$ の係数である。また $f\ne0$ のとき $\operatorname{ord}_P\omega:=\min\{n\mid a_n\ne0\}$ を $\omega$ の $P$ における位数といい、$\operatorname{ord}_P\omega\ge0$ のとき $\omega$ は $P$ で正則、$\operatorname{ord}_P\omega=-m<0$ のとき $P$ で位数 $m$ の極をもつという(零点の位数)。$k$ 上の値が必要なときはトレースをとった
$$
\operatorname{Res}_P\omega:=\operatorname{Tr}_{k(P)/k}(\operatorname{res}_P\omega)\in k
$$
を用いる。$P$ が $k$ 有理点($k(P)=k$)なら $\operatorname{Res}_P\omega=\operatorname{res}_P\omega$ である。
位数 $\operatorname{ord}_P\omega$ は $f$ の $P$ における付値(付値)に等しく、$dt$ が $\Omega_{X/k,P}$ の基底であることから局所パラメータの取り方によらない。留数が局所パラメータによらないことは自明でなく、prop-residue-of-differential-invariance で証明する。この命題が確かめられてはじめて、$\operatorname{res}_P\omega$ は $\omega$ と $P$ だけで決まる量になる。
複素解析の入門では「関数 $f$ の $a$ における留数」という言い方をするが、それは 1 形式 $f(z)\,dz$ の留数のことである。関数 $f$ 自身の Laurent 展開の $t^{-1}$ の係数は局所パラメータに依存する。たとえば $\mathbb{A}^1_k$ の原点で $f=1/t$ の係数は $1$ だが、$c\in k$、$c\ne0,1$ をとると($k\ne\mathbb{F}_2$ ならそのような $c$ がある)$t'=ct$ も局所パラメータで $f=c/t'$ の係数は $c\ne1$ である。一方、1 形式 $dt/t=dt'/t'$ の留数はどちらで計算しても $1$ である(ex-residue-of-differential-basic)。留数を微分形式に付随させる理由はここにある。
$t^ndt$ は $n\ne-1$ なら $t^{n+1}/(n+1)$ の微分であり、$n=-1$ のときだけ原始関数をもたない(標数 $0$ の場合)。1 形式 $\omega$ の $P$ での留数は、$\omega$ を「原始関数をもつ部分」と「$t^{-1}dt$ の定数倍」に分けたときの後者の係数であり、複素解析ではこれが $P$ を囲む閉曲線に沿う積分 $\oint\omega$ を $2\pi i$ で割った値になる。座標変換 $t'=ut$($u$ は単元)で $dt'/t'=dt/t+du/u$ となり、$du/u$ は正則なので、$t^{-1}dt$ の係数は座標を変えても保たれる。これが留数の座標不変性の核心であり、代数的な証明もこの計算を形式的に整えたものである。完備な曲線では、すべての点の留数の和が $0$ になる(留数定理)。複素解析ではこれは「閉曲線を曲面全体に広げると縮んで消える」ことの表現であり、代数的には「有理微分形式の主要部の族のうち大域的な形式から来るものは留数の和が $0$ をみたす」という、Serre 双対性(Serre双対性)の核になる制約である。
以下の例では、留数の座標不変性(prop-residue-of-differential-invariance)と基本性質(prop-residue-of-differential-basic)を自由に使う。
$k$ を体、$X=\mathbb{P}^1_k$(射影直線)、$t$ をアフィン座標とする。有限側の $k$ 有理点 $a\in k$ では $t-a$ が局所パラメータ、無限遠点 $\infty$ では $s=1/t$ が局所パラメータで、$dt=-s^{-2}ds$ である。
$k$ を標数 $2,3$ でない完全体、$E\colon y^2=x^3+ax+b$($4a^3+27b^2\ne0$)を楕円曲線、$O$ を無限遠点、$\omega=dx/y$ とする。$\omega$ は $E$ 全体で正則であり、したがってすべての閉点で留数 $0$ である。
証明.アフィン部分 $E_0=E\setminus\{O\}$ で $F=y^2-x^3-ax-b$ とおくと、$2y\,dy=(3x^2+a)\,dx$ である。$y(P)\ne0$ なる点 $P$ では $\partial F/\partial y=2y$ が $P$ で消えないので $dx$ が $\Omega_{E/k,P}$ の基底であり、$\omega=dx/y$ は $P$ で正則である。$y(P)=0$ なる点では $x(P)$ は $x^3+ax+b$ の根であり、判別式の条件により単根なので $3x(P)^2+a\ne0$、よって $dy$ が基底で $\omega=2\,dy/(3x^2+a)$ は正則である。$O$ では、$x,y$ の極は $O$ にしかなく、$y^2=x^3+ax+b$ から $2\operatorname{ord}_O(y)=3\operatorname{ord}_O(x)$、したがって $\operatorname{ord}_O(x)=-2m$、$\operatorname{ord}_O(y)=-3m$($m\ge1$)である。$x\colon E\to\mathbb{P}^1$ は次数 $[K:k(x)]=2$ の射で、$x$ の極の因子の次数は $2$ だから $m=1$ である。よって $t:=x/y$ は $\operatorname{ord}_O(t)=1$、すなわち $O$ の局所パラメータで、$x=t^{-2}u$($u$ は $\mathcal{O}_{E,O}$ の単元)と書ける。$dx=(-2t^{-3}u+t^{-2}u')\,dt$($u'=du/dt$ は $O$ で正則)で、標数が $2$ でないので $\operatorname{ord}_O(dx)=-3$、$\operatorname{ord}_O(\omega)=-3-(-3)=0$ である。ゆえに $\omega$ は $O$ でも正則である。$\square$
一方 $\eta=x\,dx/y$ は $O$ に位数 $2$ の極をもつが留数は $0$ である。$\iota\colon(x,y)\mapsto(x,-y)$ は $O$ を固定し $\iota^*t=-t$、$\iota^*\eta=-\eta$ をみたすので、$\eta=\sum_ma_mt^mdt$ と展開すると $\iota^*\eta=\sum_m(-1)^{m+1}a_mt^mdt=-\eta$ から奇数次の係数 $a_m$ はすべて $0$、とくに $a_{-1}=0$ である。極をもつが留数がすべて $0$ である $\eta$ は「第 2 種(second kind)の微分」の典型で、標数 $0$ では $[\omega],[\eta]$ が de Rhamコホモロジー $H^1_{dR}(E/k)$ の基底をなす(rem-residue-of-differential-de-rham)。
$k$ を標数 $p>0$ の体、$X=\mathbb{P}^1_k$ とする。$\omega=t^{p-1}dt$ は有限側で正則、$\infty$ では $-s^{-p-1}ds$ で $-p-1\ne-1$ だから留数 $0$ である。すなわち $\omega$ はすべての点で留数 $0$ をもつ。しかし $\omega$ は $\mathbb{A}^1_k$ 上で完全微分ではない。$d(t^p)=pt^{p-1}dt=0$ だからであり、実際 $g\in k[t]$ に対し $dg$ の $t^{p-1}dt$ の係数は $p\cdot(\text{$g$ の $t^p$ の係数})=0$ である。標数 $0$ なら $t^{p-1}dt=d(t^p/p)$ であり、一般に $n\ne-1$ のとき $t^ndt=d(t^{n+1}/(n+1))$ だから、留数 $0$ の形式は局所的に($\widehat{K}_P$ の元の微分として)完全微分になる。同様に $t^{-p-1}dt$ は $0$ で位数 $p+1$ の極をもち留数 $0$ だが、$d(t^{-p})=0$ なので局所的にも完全微分ではない。標数 $p$ では「留数 $0$ ⟺ 局所的に完全」が破れる。
$X=\mathbb{A}^1_k$(アフィン直線)、$\omega=dt/t$ とすると、$\omega$ の極は $0$ だけで $\operatorname{res}_0\omega=1$ だから、$X$ の閉点にわたる留数の和は $1\ne0$ である。満たす条件:$X$ は滑らかな連結曲線。満たさない条件:$X$ は完備(固有)でない。破れる含意:thm-residue-of-differential-p1 の「留数の総和が $0$」。$\mathbb{P}^1$ で見れば、欠けている $\infty$ での留数 $-1$ が和を $0$ にしている。$\mathbb{G}_m=\mathbb{A}^1\setminus\{0\}$ 上では $dt/t$ は正則で極をもたないが完全微分でない。これは $\mathbb{P}^1$ 上の留数が $0,\infty$ で $0$ でないことの反映である(rem-residue-of-differential-de-rham)。
留数の定義には局所パラメータ $t$ と、$t$ が定める同型 $\widehat{\mathcal{O}}_{X,P}\cong k(P)[\![t]\!]$ が使われている。別の局所パラメータ $t'$ で計算しても同じ値になることを、積分を使わずに示す。準備として形式的 Laurent 級数の計算規則をまとめる。
$R$ を体、$A=R[\![t]\!]$、$F=R((t))$ とし、$F$ 上の形式的微分を $\dfrac{d}{dt}\Bigl(\sum_na_nt^n\Bigr):=\sum_nna_nt^{n-1}$ で定める。これは $R$ 線形写像で Leibniz 則(Leibniz則)$(fg)'=f'g+fg'$ をみたし、$t^nA$ を $t^{n-1}A$ に写すので $t$ 進位相で連続である。$t'=\sum_{i\ge1}c_it^i\in A$($c_i\in R$、$c_1\ne0$)とする。
Leibniz 則は、$f,g$ が Laurent 多項式のときは係数比較で確かめられ、両辺が $(f,g)$ について連続な $R$ 双線形写像なので一般の $f,g$ でも成り立つ。
1.$u:=c_1+c_2t+\cdots$ は定数項 $c_1\ne0$ をもつので $A$ の単元で、$t'=tu$、したがって $t'A=tA$ である。存在:まず $h\in A$ とし、$b_0:=h(0)$(定数項)とおくと $h-b_0\in tA=t'A$ なので $h_1:=(h-b_0)/t'\in A$ が定まる。$b_1:=h_1(0)$、$h_2:=(h_1-b_1)/t'$ と続けると $h-\sum_{n< N}b_nt'^n=t'^Nh_N\in t^NA$ となり、$\sum_nb_nt'^n$ は $t$ 進位相で $h$ に収束する。一般の $h\in F$ は $h=t^{-m}h_0$($h_0\in A$)$=t'^{-m}(u^mh_0)$ と書けるので $u^mh_0\in A$ に上を適用すればよい。一意性:$\sum_{n\ge n_0}b_nt'^n=0$ で $b_{n_1}\ne0$ なる最小の $n_1$ があれば、$t'^{n_1}\bigl(b_{n_1}+t'(\cdots)\bigr)=0$ で括弧内は定数項 $b_{n_1}\ne0$ をもつ $A$ の単元、$t'\ne0$ であり、$F$ は整域だから矛盾する。代入写像が $R$ 代数の準同型であることは、定数項のない冪級数の代入が環準同型であることによる。
2.$dt'/dt$ の定数項は $c_1\ne0$ だから単元である。$D:=(dt'/dt)^{-1}\dfrac{d}{dt}$ とおくと、$D$ は $F$ の連続な $R$ 線形微分(導分。Leibniz 則をみたす写像)で $D(t')=1$ である。一方、1 の同型 $R((t'))\cong F$ により、$\partial:=d/dt'$ は変数 $t'$ の Laurent 級数体の形式的微分にほかならないので、やはり連続な $R$ 線形微分で $\partial(t')=1$ である。2 つの微分 $D,\partial$ は $t'^n$($n\ge0$)で Leibniz 則により一致し、$0=D(t'\cdot t'^{-1})=t'^{-1}+t'D(t'^{-1})$ から $D(t'^{-1})=-t'^{-2}=\partial(t'^{-1})$ なので $t'^{-n}$ でも一致する。よって $R[t',t'^{-1}]$ 上で一致し、これは 1 により $F$ で稠密だから、連続性により $D=\partial$ である。
3.$dh/dt=\sum_nna_nt^{n-1}$ の $t^{-1}$ の係数は $0\cdot a_0=0$ である。$\square$
$X$ を体 $k$ 上の滑らかな曲線、$P$ を分離性の仮定をみたす閉点、$t,t'$ を $P$ における 2 つの局所パラメータとする。任意の $\omega\in\Omega_{K/k}$ について、$t$ による Laurent 展開で定めた留数と $t'$ による Laurent 展開で定めた留数は一致する。この主張は $k$ の標数によらず成り立つ。
$R:=k(P)$、$A:=\widehat{\mathcal{O}}_{X,P}=R[\![t]\!]$、$F:=\widehat{K}_P=R((t))$ とし、$\iota\colon K\hookrightarrow F$ を包含とする。$t'\in\mathfrak{m}_P\setminus\mathfrak{m}_P^2$ だから $A$ の中で $t'=\sum_{i\ge1}c_it^i$($c_1\ne0$)と書ける。係数体 $R\subset A$ は rem-residue-of-differential-cohen により $t,t'$ の選び方によらず 1 つに決まっているので、$t'$ が定める同型 $R[\![t']\!]\cong A$ は lem-residue-of-differential-formal の 1 の同型にほかならない。したがって「$t'$ による展開」とは、$F$ の元を補題の 1 の意味で $t'$ の Laurent 級数に書き直すことである。
段 1($K$ の微分と形式的微分の両立).$\Omega_{K/k}=K\,dt$ なので、$h\in K$ に対し $dh=(dh/dt)_K\,dt$ をみたす $(dh/dt)_K\in K$ がただ 1 つ定まる。$D_1:=\dfrac{d}{dt}\circ\iota$ と $D_2:=\iota\circ(d/dt)_K$ はともに $K$ から $F$($\iota$ により $K$ 加群)への $k$ 線形な微分である。$K$ から $F$ への $k$ 微分は $K$ 線形写像 $\Omega_{K/k}\to F$ と 1 対 1 に対応し(Kähler 微分の普遍性)、$\Omega_{K/k}=K\,dt$ だから、微分は $t$ での値で決まる。$D_1(t)=1=D_2(t)$ なので $D_1=D_2$、すなわちすべての $h\in K$ について
$$
\iota\bigl((dh/dt)_K\bigr)=\frac{d}{dt}\iota(h)
$$
が成り立つ。とくに $\iota((dt'/dt)_K)$ は形式的微分 $dt'/dt=c_1+2c_2t+\cdots$ に等しい。
段 2(帰着).$\omega=f\,dt=g\,dt'$($f,g\in K$)と書くと、$dt'=(dt'/dt)_K\,dt$ より $f=g\,(dt'/dt)_K$ である。$\iota(g)=\sum_{n\ge n_0}b_nt'^n$ と $t'$ で展開すると、$t'$ による留数は $b_{-1}$ である。段 1 により $\iota(f)=\sum_nb_nt'^n\,\dfrac{dt'}{dt}$ で、$t'^n(dt'/dt)\in t^nA$ だからこの級数は $t$ 進位相で収束する。$t^{-1}$ の係数をとる写像 $[t^{-1}]\colon F\to R$ は $R$ 線形で、$A$ の元を $0$ に写すので連続である。よって
$$
\operatorname{res}_{P,t}\omega=[t^{-1}]\iota(f)=\sum_{n\le-1}b_n\,[t^{-1}]\Bigl(t'^n\frac{dt'}{dt}\Bigr)
$$
であり、証明は次の主張に帰着する:すべての $n\in\mathbb{Z}$ について $[t^{-1}]\bigl(t'^n\,dt'/dt\bigr)$ は $n=-1$ なら $1$、それ以外なら $0$ である。
段 3($n\ge0$ と $n=-1$).$n\ge0$ なら $t'^n(dt'/dt)\in A$ で係数は $0$ である。$n=-1$ のとき、$t'=c_1t(1+v)$、$dt'/dt=c_1(1+w)$($v,w\in tA$)と書けるので $t'^{-1}(dt'/dt)=t^{-1}(1+w)(1+v)^{-1}=t^{-1}(1+(tA\text{ の元}))$ となり、係数は $1$ である。
段 4($n\le-2$、標数 $0$ の場合).$R$ の標数が $0$ なら、Leibniz 則により $\dfrac{d}{dt}(t'^{n+1})=(n+1)t'^n\dfrac{dt'}{dt}$(負の冪についても補題の 2 の議論と同じく成り立つ)で $n+1\ne0$ だから、$t'^n(dt'/dt)=\dfrac{1}{n+1}\dfrac{d}{dt}(t'^{n+1})$ であり、補題の 3 により $t^{-1}$ の係数は $0$ である。
段 5($n\le-2$、一般の場合).標数 $p>0$ では $p\mid n+1$ のとき段 4 の割り算ができない。そこで係数を不定元にとる。$S:=\mathbb{Z}[C_1,C_1^{-1},C_2,C_3,\dots]$(可算個の不定元の多項式環で $C_1$ を可逆にしたもの)、$T:=\sum_{i\ge1}C_it^i\in S[\![t]\!]$ とおく。$T=C_1t(1+\cdots)$ で $C_1$ は $S$ の単元だから $T$ は $S((t))$ で可逆で、$P_n:=[t^{-1}]\bigl(T^n\,dT/dt\bigr)\in S$ が定まる。環準同型 $\varphi\colon S\to R$、$C_i\mapsto c_i$ は係数ごとに作用して環準同型 $S((t))\to R((t))$ を定め、これは $d/dt$ および $[t^{-1}]$ と可換で、$T$ を $t'$ に写す。よって $\varphi(P_n)=[t^{-1}](t'^n\,dt'/dt)$ である。他方 $S$ は標数 $0$ の体 $L:=\mathbb{Q}(C_1,C_2,\dots)$ の部分環で、包含 $S((t))\subset L((t))$ も $d/dt$、$[t^{-1}]$ と可換だから、体 $L$ と $t'=T$ に段 4 を適用して $P_n=0$ が $L$ の中で、したがって $S$ の中で成り立つ。ゆえに $[t^{-1}](t'^n\,dt'/dt)=\varphi(0)=0$ である。$\square$
以後、留数 $\operatorname{res}_P\omega$ は局所パラメータの選び方によらず $\omega$ と $P$ だけで決まる。同じ式で $\widehat{\Omega}_P:=\widehat{K}_P\,dt$ の元にも留数が定まり、これも局所パラメータによらない(証明は同じ)。
$X$、$P$、$t$ を上のとおりとし、$\widehat{\Omega}_P=\widehat{K}_P\,dt$ とおく。
1.$\omega\mapsto\iota(f)$($\omega=f\,dt$)は $k$ 線形で、$t^{-1}$ の係数をとる写像は $k(P)$ 線形だから従う。
2.正則なら $\iota(f)\in k(P)[\![t]\!]$ で負冪の項がない。
3.$g\in\widehat{K}_P$ については lem-residue-of-differential-formal の 3 そのものである。$g\in K$ のとき、prop-residue-of-differential-invariance の証明の段 1 により $\iota((dg/dt)_K)=\dfrac{d}{dt}\iota(g)$ なので、$dg=(dg/dt)_K\,dt$ の留数は $\dfrac{d}{dt}\iota(g)$ の $t^{-1}$ の係数、すなわち $0$ である。
4.$n:=\operatorname{ord}_P(f)$ とおくと $f=t^nu$($u$ は $\mathcal{O}_{X,P}$ の単元)と書け、Leibniz 則から $df/f=n\,dt/t+du/u$ である。$du/u=(u^{-1}(du/dt)_K)\,dt$ は $P$ で正則である。$g\in\mathcal{O}_{X,P}\subset k(P)[\![t]\!]$ の展開の定数項は $g(P)$ だから $g=g(P)+t\,g_1$($g_1\in k(P)[\![t]\!]$)であり、
$$
g\,\frac{df}{f}=n\,g(P)\,\frac{dt}{t}+\bigl(n\,g_1+g\,u^{-1}(du/dt)_K\bigr)dt
$$
の第 2 項は正則である。よって 1、2 により留数は $n\,g(P)$ である。$\square$
完備な滑らかな曲線上では、有理微分形式の留数の(トレースをとった)総和は $0$ になる。まず射影直線の場合を証明する。
$k$ を代数閉体、$X=\mathbb{P}^1_k$ とする。任意の有理微分形式 $\omega\in\Omega_{k(t)/k}$ について
$$
\sum_{P\in X\text{ 閉点}}\operatorname{res}_P\omega=0
$$
が成り立つ($\omega$ の極は有限個なので和は有限和である)。
$k$ は代数閉だから $\mathbb{A}^1_k=\operatorname{Spec}k[t]$ の閉点は極大イデアル $(t-a)$($a\in k$)であり、$X$ の閉点は $a\in k$ と $\infty$ で尽くされ、すべて $k$ 有理点である。$\omega=f\,dt$($f\in k(t)$)と書き、$f$ を部分分数分解して
$$
f=g(t)+\sum_{a\in k}\sum_{m=1}^{m_a}\frac{c_{a,m}}{(t-a)^m}\qquad(g\in k[t],\ c_{a,m}\in k,\ \text{有限和})
$$
とする($k$ が代数閉なので分母は 1 次式の冪にとれる)。留数は $k$ 線形(prop-residue-of-differential-basic の 1)だから、$\omega=t^n\,dt$($n\ge0$)と $\omega=(t-a)^{-m}dt$($m\ge1$)について主張を示せばよい。これは ex-residue-of-differential-basic の計算そのものである。$t^ndt$ は有限側で正則で、$\infty$ では $-s^{-n-2}ds$ なので留数 $0$、総和は $0$ である。$(t-a)^{-m}dt$ は $a$ 以外の有限点で正則、$a$ で留数 $\delta_{m,1}$、$\infty$ では $-s^{m-2}(1-as)^{-m}ds$ なので留数は $m\ge2$ なら $0$、$m=1$ なら $-1$ であり、総和はどちらの場合も $0$ である。$\square$
一般の完備曲線に対する留数定理は次の形で成り立つ。
$k$ を完全体、$X$ を $k$ 上の滑らかな射影曲線(射影曲線)とする。任意の $\omega\in\Omega_{K/k}$ について
$$
\sum_{P\in X\text{ 閉点}}\operatorname{Res}_P\omega=\sum_P\operatorname{Tr}_{k(P)/k}(\operatorname{res}_P\omega)=0
$$
が成り立つ。
証明は Ser88 第 II 章(原著は 1959 年の Groupes algébriques et corps de classes)、Har77 III §7 の末尾の注意(III.7.14)、および任意の体上で通用する Tat68 にある。筋は次のとおりである。(i) $\mathbb{P}^1_k$ の場合:$k$ が代数閉なら thm-residue-of-differential-p1。一般の完全体 $k$ では、代数閉包 $\bar k$ に底変換すると閉点 $P$ は $[k(P):k]$ 個の $\bar k$ 有理点に分かれ、それらの留数は $\operatorname{res}_P\omega$ の共役で、その和が $\operatorname{Tr}_{k(P)/k}(\operatorname{res}_P\omega)$ になるので、$\bar k$ 上の結果から従う。(ii) 有限射への帰着:$k$ が完全体なので $K/k$ は分離生成であり、分離超越元 $x\in K$ をとると $K/k(x)$ は有限次分離拡大で、$x$ は有限射 $\pi\colon X\to\mathbb{P}^1_k$ を定める(Har77 II.6.8)。微分形式のトレース $\operatorname{Tr}_{K/k(x)}\colon\Omega_{K/k}\to\Omega_{k(x)/k}$、$f\,dx\mapsto\operatorname{Tr}_{K/k(x)}(f)\,dx$ について、留数のトレース公式
$$
\sum_{P\mapsto Q}\operatorname{Res}_P\omega=\operatorname{Res}_Q\bigl(\operatorname{Tr}_{K/k(x)}\omega\bigr)\qquad(Q\in\mathbb{P}^1_k\text{ 閉点})
$$
が成り立つ(Tat68 の主定理の一部、Ser88 第 II 章)。(iii) $Q$ について和をとれば、(ii) と (i) により $\sum_P\operatorname{Res}_P\omega=\sum_Q\operatorname{Res}_Q(\operatorname{Tr}\,\omega)=0$ である。Serre の原証明は Riemann–Roch の定理(Riemann–Rochの定理)を経由し、Tate の証明は rem-residue-of-differential-tate の作用素論的な留数の定義を用いてトレース公式を直接示す。剰余体が分離的でない閉点を含む一般の体 $k$ の場合も Tate の定義で定理が成り立つ。
留数定理は、Serre 双対性のトレース写像を具体的に与える。
$k$ を完全体、$X$ を $k$ 上の滑らかな射影曲線で $H^0(X,\mathcal{O}_X)=k$ をみたすもの($k$ が代数閉体なら自動的に成り立つ)、$\Omega=\Omega_{X/k}$ とする。
証明は Ser88 第 II 章(répartitions による証明)と Har77 III §7(一般の射影スキームの双対定理の系として。III.7.14 の注意が留数との関係を述べる)、Tat68 にある。1 の同型を Čechコホモロジーで書くと、閉点 $P$ をとり $U_0=X\setminus\{P\}$、$U_1$ を $P$ を含むアフィン開集合とすれば、$X=U_0\cup U_1$ で、Čech 1 余輪体 $\omega\in\Omega(U_0\cap U_1)$ の類の像は(符号の規約を除いて)$\operatorname{Res}_P\omega$ である。$\omega$ が $U_1$ 上正則なら明らかに、$U_0$ 上正則なら留数定理により、この値は類にしか依らない。$k$ が代数閉で $X=\mathbb{P}^1$ の場合の 1 は Cousin複体 の記事の命題「射影直線の構造層と微分形式の層」で完全に証明されている。仮定 $H^0(X,\mathcal{O}_X)=k$ を外すと、$k':=H^0(X,\mathcal{O}_X)$ は $k$ の有限次分離拡大で $H^1(X,\Omega)\cong k'$ となり、$\operatorname{Res}$ は $\operatorname{Tr}_{k'/k}$ を経由する全射になるが $[k':k]>1$ なら同型でない(2 の完全対はトレース形式の非退化性により保たれる)。定理の仮定 $H^0(X,\mathcal{O}_X)=k$ のもとでは、系として、種数 $g=\dim_kH^0(X,\Omega)$ について $\dim_kH^1(X,\mathcal{O}_X)=g$、$\dim_kH^1(X,\Omega)=1$ が得られ、Riemann–Roch の定理(Riemann–Rochの定理)$\dim H^0(\mathcal{L})-\dim H^0(\Omega\otimes\mathcal{L}^{-1})=\deg\mathcal{L}+1-g$ の右辺の意味づけになる。
Tate Tat68 は留数を Laurent 展開を使わずに定義した。$V:=\widehat{K}_P$ を $k$ ベクトル空間とみなし、$A:=\widehat{\mathcal{O}}_{X,P}\subset V$ とする。$f,g\in\widehat{K}_P$ を $V$ 上の掛け算作用素とみなし、$\pi\colon V\to V$ を像が $A$ の射影($\pi^2=\pi$、$\pi V=A$)とすると、交換子 $\theta=[\pi f,\pi g]=\pi f\pi g-\pi g\pi f$ は有限冪(finitepotent。ある $n$ について $\theta^nV$ が有限次元)であり、有限冪作用素には、$\theta$ が安定させる $\theta^nV$ を含む有限次元部分空間 $W$ 上のトレースとして $\operatorname{Tr}_V\theta$ が定まり、$W$ と $\pi$ の選び方によらない。Tate はこれを $\operatorname{res}^A(f\,dg)$ と定め、$A=k(P)[\![t]\!]$ のとき $\operatorname{res}^A(f\,dg)=\operatorname{Tr}_{k(P)/k}\bigl(\operatorname{res}_P(f\,dg)\bigr)=\operatorname{Res}_P(f\,dg)$ となることを示した。この定義は局所パラメータを使わないので座標不変性は自明であり、剰余体が $k$ 上分離的でない閉点でも $k$ 値の留数を与える。留数定理は $V$ を $X$ のアデール環にとった同種のトレースの計算から得られる。
$n$ 次元では、$0\in\mathbb{C}^n$ の近傍の正則関数 $f_1,\dots,f_n$ が $0$ だけを共通零点にもつとき、正則 $n$ 形式 $\omega=g\,dz_1\wedge\cdots\wedge dz_n$ に対して
$$
\operatorname{Res}_0\Bigl[\frac{\omega}{f_1\cdots f_n}\Bigr]:=\frac{1}{(2\pi i)^n}\int_{\Gamma}\frac{g\,dz_1\wedge\cdots\wedge dz_n}{f_1\cdots f_n},\qquad\Gamma=\{|f_1|=\cdots=|f_n|=\varepsilon\}
$$
を Grothendieck 留数(Grothendieck留数)という。$n=1$ では通常の留数である。$g$ の類 $\bar g\in\mathcal{O}_0/(f_1,\dots,f_n)$ だけで決まり、対 $(\bar g,\bar h)\mapsto\operatorname{Res}_0[gh\,dz/(f_1\cdots f_n)]$ は有限次元代数 $\mathcal{O}_0/(f_1,\dots,f_n)$ 上の非退化な対称双線形形式である(局所双対性)。これらは GH78 第 5 章にある。代数的には、$n$ 次元正則局所環 $(A,\mathfrak{m})$ の局所コホモロジー $H^n_{\mathfrak{m}}(\Omega^n_{A/k})\to k$ として定式化され、Har66 III §9 の residue symbol と、Cousin複体による Grothendieck 双対性(Grothendieck双対性)のトレース写像の局所表示になる。
$k$ を標数 $0$ の体、$X$ を $k$ 上の滑らかな射影曲線で $H^0(X,\mathcal{O}_X)=k$ をみたすもの、$S$ を有限個の閉点の集合、$U=X\setminus S$ とすると、de Rhamコホモロジーについて完全列
$$
0\to H^1_{dR}(X/k)\to H^1_{dR}(U/k)\xrightarrow{\ \operatorname{res}\ }\bigoplus_{s\in S}k(s)\xrightarrow{\ \sum\operatorname{Tr}\ }H^2_{dR}(X/k)\cong k\to0
$$
がある($S\ne\emptyset$ のとき)。ここで $\operatorname{res}$ は $U$ 上の正則 1 形式を有理微分形式とみなして各 $s\in S$ で留数をとる写像である。この完全列から、有理 1 形式 $\varphi$ が第 2 種(second kind。極をもってもよいが $H^1_{dR}(X/k)$ の類から来る)であることと、すべての閉点で $\operatorname{res}_s\varphi=0$ であることが同値になり、$H^1_{dR}(X/k)$ は第 2 種の有理 1 形式を完全微分で割った空間に同型になる。ex-residue-of-differential-elliptic の $\eta=x\,dx/y$ はその例で、$\omega=dx/y$ とともに $H^1_{dR}(E/k)$ の基底をなす。標数 $p$ ではこの判定は破れる(ex-residue-of-differential-char-p の $t^{p-1}dt$ は留数がすべて $0$ だが完全微分でなく、$\mathbb{A}^1_k$ の $H^1_{dR}$ に $0$ でない類を与える)。これらの完全列と判定の証明、および Grothendieck Gro66 の原注に沿った解説は、本サイトの参考書『代数的 de Rham コホモロジー』の第 3 章第 1 節(第 2 種の微分形式と Leray スペクトル系列)の頁にある。ex-residue-of-differential-noncomplete の $dt/t$ が $\mathbb{G}_m$ 上で完全微分でないことも、上の完全列で $H^1_{dR}(\mathbb{G}_m/k)\to k(0)\oplus k(\infty)$ の像が $(1,-1)$ の張る直線であることの表れである。
$k=\mathbb{C}$ のとき、滑らかな曲線 $X$ の閉点 $P$ の局所パラメータ $t$ は対応する複素多様体 $X^{\mathrm{an}}$(GAGA)の $P$ における正則座標であり、収束冪級数環 $\mathbb{C}\{t\}$ は $\mathbb{C}[\![t]\!]$ の部分環だから、有理微分形式の解析的な Laurent 展開と形式的な Laurent 展開は同じ係数をもつ。したがって def-residue-of-differential-algebraic の留数は def-residue-of-differential-analytic の留数に一致し、thm-residue-of-differential-general はコンパクト Riemann 面上の留数定理(For81 §10。Stokes の定理(Stokesの定理)による)の代数的な対応物である。
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