Vizingの定理(Vizing's theorem)とは、単純グラフ $G$ の辺彩色数 $\chi'(G)$ が最大次数 $\Delta(G)$ 以上 $\Delta(G)+1$ 以下であるという定理であり、単純グラフは $\chi'=\Delta$ の第 1 類と $\chi'=\Delta+1$ の第 2 類に分かれる。証明では、1 本の辺だけが塗られていない状態から、端点の周りの辺の色を順にずらす操作と、2 色が交互に並ぶ道の上で色を入れ替える操作を組み合わせて、最後の辺に塗れる色を作る。同じ議論から、最大次数の頂点どうしが隣り合わないグラフは $\Delta$ 色で塗れることも従う。平行な辺を許すと上界は $\Delta+\mu$ に変わり、太い三角形で等号が成り立つ。
前提知識: 辺彩色, マッチング(グラフ理論), 次数(グラフ)
Vizing の定理 は、単純グラフの辺を塗り分けるのに必要な色の数が、最大次数 $\Delta$ か $\Delta+1$ のどちらかであることを述べる定理である。1 つの頂点に集まる $\Delta$ 本の辺はすべて異なる色を要するので、$\Delta$ 色未満では足りない。一方、辺を 1 本ずつ順に塗るだけでは $2\Delta-1$ 色まで必要になりうる(辺彩色 の記事の命題「辺彩色数の基本評価」)。Vizing の定理は、塗り方をうまく直せば、最小の可能性より 1 色多いだけで必ず足りることを保証する。
証明では、1 本の辺だけが塗られていない状態から出発し、色を少しずつ付け替えて最後の辺に塗れる色を作る。付け替えには 2 種類の操作を使う。1 つは、塗っていない辺の端点 $x$ の周りの辺の色を順にずらす操作(扇のずらし)、もう 1 つは、2 色が交互に現れる道の上で 2 色を入れ替える操作である。この記事では、この 2 つの操作をまとめた補題(lem-vz-fan)を証明し、そこから Vizing の定理(thm-vz-main)と、最大次数の頂点どうしが隣り合わないグラフは $\Delta$ 色で塗れること(cor-vz-independent)を導く。
この記事のグラフは有限の単純グラフとする。グラフ $G=(V,E)$ の頂点 $v$ の次数を $\deg(v)$、最大次数を $\Delta(G)$ と書く。辺 $e$ について $G-e$ は $G$ から $e$ だけを除いたグラフである。$k$-辺彩色と辺彩色数 $\chi'(G)$ は 辺彩色 の記事の定義「辺彩色と辺彩色数」のとおりで、$k$-辺彩色は写像 $c\colon E\to\{1,\dots,k\}$ で端点を共有する 2 辺にいつも異なる値を与えるものである。
$c$ をグラフ $H$ の $k$-辺彩色とし、$v$ を $H$ の頂点とする。色 $i\in\{1,\dots,k\}$ が $v$ に 欠けている とは、$v$ を端点とする $H$ の辺に色 $i$ のものがないことをいう。$v$ に欠けている色の集合を $M_c(v)$ と書く。
$v$ に集まる辺の色は相異なるので、$|M_c(v)|=k-\deg_H(v)$ である。とくに $\deg_H(v)< k$ なら $v$ には欠けている色がある。
グラフ $G$ の辺 $xy_0$ をとり、$c$ を $G-xy_0$ の $k$-辺彩色とする。$x$ の相異なる隣接頂点の列 $y_0,y_1,\dots,y_\ell$($\ell\ge0$)で、$t=1,\dots,\ell$ について
$$
c(xy_t)\in M_c(y_{t-1})
$$
となるものを、$c$ についての $x$ の 扇 という。項を付け加えて長くできない扇を 極大な扇 という。
$x$ の隣接頂点は有限個なので、$y_0$ だけの扇から始めて付け加えられる限り付け加えれば、極大な扇が得られる。
単純グラフ $G$ について
$$
\Delta(G)\le\chi'(G)\le\Delta(G)+1
$$
が成り立つ。
辺彩色 の記事の定義「第 1 類と第 2 類」により、辺をもつ単純グラフは $\chi'=\Delta$ の第 1 類と $\chi'=\Delta+1$ の第 2 類のちょうど一方に属する。証明は prf-vz-main にあり、lem-vz-fan に帰着させる。
辺を 1 本ずつ塗っていき、ある辺 $xy_0$ で行き詰まったとする。$\Delta+1$ 色を使えば、$x$ にも $y_0$ にも欠けている色が必ずあるが、それが共通でないために塗れない。そこで、$y_0$ に欠けている色で塗られた $x$ の辺 $xy_1$ を探し、その色を $xy_0$ に移す。こうすると今度は $xy_1$ が塗られていない辺になり、$y_1$ に欠けている色が使えるかどうかが問題になる。これを繰り返すのが扇のずらしである。
ずらしだけでは行き詰まることがある。そのときは、$x$ に欠けている色 $\alpha$ と、扇の端に欠けている色 $\beta$ の 2 色だけに注目する。この 2 色の辺は、$\alpha$ と $\beta$ が交互に並ぶ道や閉路に分かれるので、$x$ から出る道の上で $\alpha$ と $\beta$ を入れ替えても、塗り分けは崩れない。この入れ替えで $x$ にも $\beta$ が欠けるようにしてから、扇をずらして $\beta$ を塗る。
$\Delta=3$ のグラフで、色 $1,2,3,4$ を使う。頂点 $x$ の隣接頂点を $y_0,y_1,y_2$ とし、辺 $xy_0$ だけを塗らずに、他の辺が次のように塗られているとする(この塗り方を $c$ とし、$M_c$ を $M$ と略す)。
この節では、グラフ $G$、正の整数 $k$、辺 $xy_0$ を固定し、$c$ を $G':=G-xy_0$ の $k$-辺彩色とする。
$y_0,\dots,y_\ell$ を $c$ についての $x$ の扇とし、$0\le i\le\ell$ とする。$G-xy_i$ の辺 $e$ に対して
$$
c_i(e):=\begin{cases}c(xy_{t})&(e=xy_{t-1},\ 1\le t\le i)\\ c(e)&(\text{それ以外})\end{cases}
$$
と定めると、$c_i$ は $G-xy_i$ の $k$-辺彩色であり、$M_{c_i}(x)=M_c(x)$ である。さらに、$x$ と $y_i$ 以外の頂点 $v$ を端点とする $G-xy_i$ の辺のうち、色が $c$ と異なるのは $v\in\{y_0,\dots,y_{i-1}\}$ のときの辺 $xv$ だけである。
$G-xy_i$ の辺は、$G'$ の辺から $xy_i$ を除き $xy_0$ を加えたものなので、$c_i$ はすべての辺に色を与える。色が変わる辺はすべて $x$ を端点とし、$y_t$ は相異なるので、$x$ 以外の頂点 $v$ では、色が変わりうる辺は $xv$ の 1 本だけである。これで最後の主張が分かる。
$x$ では、$G'$ で辺 $xy_1,\dots,xy_i$ に塗られていた色 $c(xy_1),\dots,c(xy_i)$ が辺 $xy_0,\dots,xy_{i-1}$ に移り、他の辺の色は変わらない。よって $x$ に集まる辺の色の集合は $c$ のときと同じで、色は相異なり、$M_{c_i}(x)=M_c(x)$ である。$1\le t\le i$ のとき、$y_{t-1}$ では辺 $xy_{t-1}$ の色が $c(xy_t)$ になり、扇の条件によりこの色は $c$ で $y_{t-1}$ に欠けていたので、$y_{t-1}$ に集まる他の辺の色と異なる。それ以外の頂点では、集まる辺の色は $c$ と同じである($y_i$ では辺 $xy_i$ が除かれるだけである)。よって $c_i$ は $k$-辺彩色である。$\square$
相異なる色 $\alpha,\beta$ をとり、$\alpha\in M_c(x)$、$\beta\notin M_c(x)$ とする。$x$ から出る色 $\beta$ の辺から始めて、辺の色が $\beta,\alpha,\beta,\alpha,\dots$ と交互になるように $G'$ の辺をたどる歩道を、延ばせなくなるまで延ばしたものを $P$ とする。
1:$x$ から色 $\beta$ の辺で始まり辺の色が交互になる歩道 $w_0w_1w_2\cdots$($w_0=x$)は、同じ頂点を 2 度通らないことを示す。初めて同じ頂点に戻ったのが $w_j=w_i$($i< j$)であるとする。続く 2 辺は色が異なるので異なる辺であり、$j\ge2$ である。$i\ge1$ なら、$w_i$ には辺 $w_{i-1}w_i$、$w_iw_{i+1}$、$w_{j-1}w_j$ が集まる。これらは相異なる辺である($w_{j-1}w_j$ が前の 2 辺のどちらかと一致すれば、$w_{j-1}\in\{w_{i-1},w_{i+1}\}$ となり、$j$ より前に同じ頂点に戻っていたことになる。ここで $j-1=i+1$ の場合は、$w_iw_{i+1}$ と $w_{i+1}w_{i+2}$ が同じ辺になり、続く 2 辺の色が異なることに反する)。3 本の辺の色はどれも $\alpha$ か $\beta$ なので、2 本が同じ色になり、$c$ が辺彩色であることに反する。$i=0$ なら、$x$ には 2 辺 $w_0w_1$、$w_{j-1}w_j$ が集まる。これらは異なる辺であり(同じ辺なら $w_{j-1}=w_1$ から $j=2$ となり、続く 2 辺が同じ辺になる)、色はともに $\alpha$ か $\beta$ である。$\alpha$ は $x$ に欠けているので両方とも $\beta$ となり、やはり矛盾する。よって $P$ は道であり、$G'$ は有限なので $P$ は有限で終わる。
2:内部の頂点 $w_i$ は、$P$ の辺 $w_{i-1}w_i$ と $w_iw_{i+1}$ を色 $\alpha,\beta$ で 1 本ずつもち、各色の辺は頂点ごとに高々 1 本なので、これがすべてである。$x$ は $\alpha$ の辺をもたず、$\beta$ の辺は $P$ の最初の辺である。$w$ では、$P$ の最後の辺の色と異なる色($\alpha$ か $\beta$)の辺 $ww'$ があれば、1 の議論により $w'$ は $P$ の頂点でなく($P$ を $w'$ まで延ばした歩道は、いま示したことにより同じ頂点を 2 度通らない)、$P$ を延ばせることになって矛盾する。
3:2 により、$\alpha$ と $\beta$ の辺の色を入れ替えても、各頂点に集まる色 $\alpha,\beta$ の辺の本数は変わらず、その他の色の辺は変わらない。内部の頂点では $\alpha$ と $\beta$ の辺が 1 本ずつのまま、$x$ と $w$ では色 $\alpha$ または $\beta$ の辺が 1 本だけのままなので、$c'$ は辺彩色である。内部の頂点と $P$ に触れない頂点では、集まる色の集合は変わらない。$x$ では $P$ の最初の辺が $\beta$ から $\alpha$ に変わるので、$\beta\in M_{c'}(x)$ となる。$\square$
グラフ $G$、正の整数 $k$、辺 $xy_0$ をとり、$G':=G-xy_0$ が $k$-辺彩色 $c$ をもつとする。$x$ と、$G$ における $x$ のすべての隣接頂点に、$c$ について欠けている色があるとする。このとき $G$ は $k$-辺彩色をもつ。
$c$ についての $x$ の極大な扇 $y_0,\dots,y_\ell$ をとる(def-vz-fan の後の段落)。仮定により $\alpha\in M_c(x)$ と $\beta\in M_c(y_\ell)$ がとれる。
場合 1:$\beta\in M_c(x)$ のとき. lem-vz-shift の $c_\ell$ をとる。$\beta$ は $M_{c_\ell}(x)=M_c(x)$ に属し、$y_\ell$ に集まる $G-xy_\ell$ の辺の色は $c$ と同じなので $y_\ell$ にも欠けている。よって $c_\ell$ に $xy_\ell\mapsto\beta$ を加えれば $G$ の $k$-辺彩色になる。
場合 2:$\beta\notin M_c(x)$ のとき. $x$ には色 $\beta$ の辺 $xz$ がある。$xy_0$ は $G'$ の辺でないので $z\ne y_0$ である。$z$ が $y_1,\dots,y_\ell$ のどれでもなければ、$c(xz)=\beta\in M_c(y_\ell)$ なので $y_0,\dots,y_\ell,z$ が扇となり、極大性に反する。よって $z=y_j$($1\le j\le\ell$)である。$y_\ell$ には $\beta$ が欠けているので $j\ne\ell$、すなわち $1\le j\le\ell-1$ である。扇の条件から
$$
\beta=c(xy_j)\in M_c(y_{j-1})
$$
でもある。$\alpha\in M_c(x)$、$\beta\notin M_c(x)$ なので $\alpha\ne\beta$ であり、lem-vz-swap の道 $P$ とその端点 $w$、入れ替えた辺彩色 $c'$ が定まる。$P$ の $x$ での辺は色 $\beta$ の辺 $xy_j$ である。
$y_{j-1}$ と $y_\ell$ にはどちらも $\beta$ が欠けているので、色 $\alpha$ または $\beta$ の辺を高々 1 本しかもたない。lem-vz-swap の 2 により、これらが $P$ の頂点なら $P$ の内部の頂点ではありえず、$x$ とも異なるので、端点 $w$ である。$j-1\ne\ell$ なので、$y_{j-1}$ と $y_\ell$ のうち $P$ の頂点になるのは高々一方である。
$c$ と $c'$ で色が異なるのは $P$ の辺だけで、$x$ を端点とする $P$ の辺は $xy_j$ だけである。$t\ne j$ のとき、$c(xy_t)$ は $\beta$ でなく($\beta$ の辺は $xy_j$ だけ)、$\alpha$ でもない($\alpha$ は $x$ に欠けている)。lem-vz-swap の 3 により $M_{c'}$ と $M_c$ の違いは $\alpha,\beta$ の出入りだけなので、$t\ne j$ について $c'(xy_t)=c(xy_t)\in M_{c'}(y_{t-1})$ がなお成り立つ。また $\beta\in M_{c'}(x)$ である。
場合 2a:$y_{j-1}$ が $P$ の頂点でないとき. $y_{j-1}$ に集まる辺の色は変わらないので $\beta\in M_{c'}(y_{j-1})$ である。上のことから $y_0,\dots,y_{j-1}$ は $c'$ についての扇である。lem-vz-shift を $c'$ とこの扇に使って $c'_{j-1}$ をとると、$\beta$ は $M_{c'_{j-1}}(x)=M_{c'}(x)$ に属し、$y_{j-1}$ にも欠けている。$c'_{j-1}$ に $xy_{j-1}\mapsto\beta$ を加えれば $G$ の $k$-辺彩色になる。
場合 2b:$y_{j-1}$ が $P$ の頂点のとき. このとき $y_{j-1}=w$ で、$y_\ell$ は $P$ の頂点でないので $\beta\in M_{c'}(y_\ell)$ である。$w=y_{j-1}$ には $\beta$ が欠けているので、$P$ の最後の辺の色は $\alpha$ であり、入れ替えで $\beta$ になる。$y_{j-1}$ の色 $\alpha$ の辺はこの 1 本だけだったので、$\alpha\in M_{c'}(y_{j-1})$ となる。一方 $c'(xy_j)=\alpha$ なので、扇の条件は $t=j$ でも成り立ち、$y_0,\dots,y_\ell$ は $c'$ についての扇である。lem-vz-shift で $c'_\ell$ をとると、$\beta$ は $x$ にも $y_\ell$ にも欠けているので、$c'_\ell$ に $xy_\ell\mapsto\beta$ を加えれば $G$ の $k$-辺彩色になる。$\square$
下界 $\Delta(G)\le\chi'(G)$ は、最大次数の頂点に集まる $\Delta(G)$ 本の辺が互いに異なる色を要することによる(辺彩色 の記事の命題「辺彩色数の基本評価」)。上界 $\chi'(G)\le\Delta(G)+1$ を辺の本数についての帰納法で示す。辺がなければ $\chi'(G)=0$ である。辺 $xy_0$ をとり、$G':=G-xy_0$ とする。$\Delta(G')\le\Delta(G)$ なので、帰納法の仮定により $G'$ は $(\Delta(G')+1)$-辺彩色をもち、色の集合を広げれば $k:=\Delta(G)+1$ について $k$-辺彩色 $c$ をもつ。$G'$ のどの頂点 $v$ でも $\deg_{G'}(v)\le\Delta(G)< k$ なので、$v$ には欠けている色がある。とくに $x$ と $x$ のすべての隣接頂点に欠けている色があり、lem-vz-fan により $G$ は $k$-辺彩色をもつ。$\square$
証明は、辺を 1 本ずつ加えながら塗り方を直す手順にもなっている。1 本の辺を加えるたびに、扇の構成、交互の道の入れ替え、扇のずらしを 1 回ずつ行えばよいので、$(\Delta+1)$-辺彩色を求める手間は、頂点の個数と辺の本数の多項式で抑えられる(BM76 Exercise 6.2.7、p. 96 は、そのような手順を問うている)。
lem-vz-fan は $k=\Delta+1$ 以外でも使える。$k=\Delta$ とすると、どの頂点が第 1 類を妨げるかについて次のことが分かる。
辺をもつ単純グラフ $G$ で、次数が $\Delta(G)$ の頂点どうしがどれも隣り合わないものは、$\chi'(G)=\Delta(G)$ を満たす。
$k:=\Delta(G)\ge1$ を固定し、「$\Delta(H)\le k$ で、次数が $k$ の頂点どうしが隣り合わないグラフ $H$ は $k$-辺彩色をもつ」ことを $H$ の辺の本数についての帰納法で示す。辺がなければ明らかである。$H$ に次数 $k$ の頂点がなければ $\Delta(H)\le k-1$ であり、thm-vz-main により $\chi'(H)\le k$ である。
次数 $k$ の頂点 $x$ があるとき、$x$ の辺 $xy_0$ をとり $H':=H-xy_0$ とする。$H'$ の各頂点の次数は $H$ での次数以下で、$H'$ で次数 $k$ の頂点は $H$ でも次数 $k$ であり、$H'$ の辺は $H$ の辺なので、$H'$ も仮定を満たす。帰納法の仮定により $H'$ は $k$-辺彩色 $c$ をもつ。$\deg_{H'}(x)=k-1$ なので $x$ には欠けている色がある。$x$ の隣接頂点 $z$ は、$x$ と隣り合うので次数 $k$ でなく、$\deg_{H'}(z)\le\deg_H(z)\le k-1$ なので、欠けている色をもつ。lem-vz-fan により $H$ は $k$-辺彩色をもつ。
$H=G$ とすれば $\chi'(G)\le\Delta(G)$ であり、逆の不等式は thm-vz-main の下界である。$\square$
cor-vz-independent の対偶により、第 2 類のグラフには、隣り合う 2 つの最大次数の頂点が必ずある。どの単純グラフが第 1 類かを簡単に判定する一般的な方法は知られておらず、第 2 類であることを確かめやすい形で示す手段も知られていない(Die25 §5.3、p. 133)。
平行な辺を許すと、thm-vz-main の上界は成り立たない。ループのない多重グラフの多重度(2 頂点を結ぶ辺の本数の最大値)を $\mu$ とすると、次のことが知られている。この記事ではこれらは証明しない。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 単純グラフ(thm-vz-main) | 各対を $2$ 本の辺で結んだ太い三角形 | $\Delta=4$ だが $\chi'=6>\Delta+1$ |
| $x$ の隣接頂点に欠けている色がある(lem-vz-fan) | 三角形 $xy_0z$ で $k=2$、$c(y_0z)=1$、$c(zx)=2$ | $G'$ は $2$-辺彩色をもつが、$K_3$ は $2$-辺彩色をもたない |
| 最大次数の頂点どうしが隣り合わない(cor-vz-independent) | 閉路 $C_5$ | $\chi'=3=\Delta+1$ |
| 上界の $+1$(thm-vz-main の上界を $\Delta$ に下げる) | Petersen グラフ | $\Delta=3$ だが $3$ 色では塗れず、$\chi'=4$ |
2 行目では、$x$ と $y_0$ には欠けている色($x$ に $1$、$y_0$ に $2$)があるが、$z$ には 2 色とも集まっていて欠けている色がない。
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