積分記号下の微分(differentiation under the integral sign)とは、パラメータ $t$ を含む積分 $F(t)=\int_a^bf(x,t)\,dx$ の導関数を、被積分関数を $t$ で偏微分してから積分して $F'(t)=\int_a^b\partial_tf(x,t)\,dx$ と求めることであり、Leibniz の積分法則ともいう。$f$ と $\partial_tf$ が $[a,b]\times J$ 上で連続ならこの等式が成り立ち、積分の端が $t$ とともに動くときは端の動きの項が加わる。Lebesgue 積分では、$\partial_tf$ を $t$ によらない可積分関数で局所的に押さえられれば成り立つ。偏導関数の存在と連続性の仮定を外した場合や、積分区間が有界でない場合には成り立たないことがある。
積分記号下の微分 とは、パラメータ $t$ を含む積分 $F(t)=\int_a^bf(x,t)\,dx$ を $t$ で微分するとき、積分の中の関数を $t$ で偏微分してから積分してよい、すなわち
$$\frac{d}{dt}\int_a^bf(x,t)\,dx=\int_a^b\frac{\partial f}{\partial t}(x,t)\,dx$$
が成り立つための条件と、その使い方のことである。Leibniz の積分法則ともいう。微分も積分も極限なので、これは 2 つの極限の順序を入れ替えてよいかという問いであり、無条件には成り立たない。
この記事では、Riemann 積分について「$f$ と $\partial f/\partial t$ が連続なら交換できる」という基本の形を一様連続性から証明し、積分の端も $t$ とともに動く場合の公式を導く。Lebesgue 積分については、導関数を $t$ によらない可積分関数で押さえる形を述べる。$f$ が連続でも、偏導関数の存在と連続性の仮定を外すと交換できない反例と、積分区間が有界でないと崩れる反例を挙げ、最後に、原始関数が求められない積分の値をこの方法で求める例を示す。
以下、$a< b$ とし、$J\subset\mathbb{R}$ を 1 点より多くの点を含む区間とする。$J$ が端点を含むときは、その端点での微分は片側微分の意味にとる。関数 $f\colon[a,b]\times J\to\mathbb{R}$ について、$x$ を固定して $t$ で微分したものを $\partial_tf(x,t)$ と書く(偏微分)。
$f\colon[a,b]\times J\to\mathbb{R}$ が、各 $t\in J$ について $x\mapsto f(x,t)$ を $[a,b]$ 上で Riemann 積分可能にするとき、
$$F(t):=\int_a^bf(x,t)\,dx\qquad(t\in J)$$
を パラメータ $t$ を含む積分 という。
証明では、$J$ の各点 $t_0$ のまわりで、$J$ に含まれる有界閉区間 $K$ で $t_0$ の $J$ における近傍になっているもの($t_0$ が $J$ の内点なら $K$ の内部に $t_0$ がある)をとる。$J$ は 1 点より多くの点を含む区間なので、このような $K$ は必ずとれる。$[a,b]\times K$ はコンパクトなので、その上の連続関数は一様連続である(一様連続 の定理「Heine–Cantorの定理」)。
$f$ が $[a,b]\times J$ 上で連続なら、$F$ は $J$ 上で連続である。
$t_0\in J$ と上の $K$ をとる。$\varepsilon>0$ に対し、$f$ の $[a,b]\times K$ 上の一様連続性から $\delta>0$ があって、$t\in K$、$|t-t_0|<\delta$ ならすべての $x\in[a,b]$ で $|f(x,t)-f(x,t_0)|<\varepsilon$ である。このとき
$$|F(t)-F(t_0)|\le\int_a^b|f(x,t)-f(x,t_0)|\,dx\le(b-a)\varepsilon$$
である。$K$ は $t_0$ の $J$ における近傍なので、$F$ は $t_0$ で連続である。$\square$
$f\colon[a,b]\times J\to\mathbb{R}$ は連続で、偏導関数 $\partial_tf$ が $[a,b]\times J$ の各点で存在し、$[a,b]\times J$ 上で連続であるとする。このとき $F(t)=\int_a^bf(x,t)\,dx$ は $J$ 上で微分可能で、導関数は連続であり、
$$F'(t)=\int_a^b\partial_tf(x,t)\,dx\qquad(t\in J)$$
である。
$t_0\in J$ を固定し、上の $K$ をとる。$\varepsilon>0$ とする。$\partial_tf$ は $[a,b]\times K$ 上で一様連続なので、$\delta>0$ があって、$s\in K$、$|s-t_0|<\delta$ ならすべての $x\in[a,b]$ で
$$|\partial_tf(x,s)-\partial_tf(x,t_0)|<\varepsilon$$
である。$t\in K$、$0<|t-t_0|<\delta$ とする。$x\in[a,b]$ を固定すると、$s\mapsto f(x,s)$ は $t_0$ と $t$ を結ぶ閉区間で微分可能なので、平均値の定理 により、$t_0$ と $t$ の間の $s_x$ があって
$$\frac{f(x,t)-f(x,t_0)}{t-t_0}=\partial_tf(x,s_x)$$
となる($s_x$ は $x$ によって変わってよい)。$|s_x-t_0|\le|t-t_0|<\delta$ だから、すべての $x$ で
$$\Bigl|\frac{f(x,t)-f(x,t_0)}{t-t_0}-\partial_tf(x,t_0)\Bigr|<\varepsilon$$
である。左辺の差の中の 2 つの関数はどちらも $x$ について連続で積分可能なので、積分の線形性と単調性から
$$\Bigl|\frac{F(t)-F(t_0)}{t-t_0}-\int_a^b\partial_tf(x,t_0)\,dx\Bigr|\le\int_a^b\Bigl|\frac{f(x,t)-f(x,t_0)}{t-t_0}-\partial_tf(x,t_0)\Bigr|\,dx\le(b-a)\varepsilon$$
である。$K$ は $t_0$ の $J$ における近傍なので、$F$ は $t_0$ で(端点なら片側の意味で)微分可能で、$F'(t_0)=\int_a^b\partial_tf(x,t_0)\,dx$ である。$F'$ の連続性は、lem-dui-continuity を連続関数 $\partial_tf$ に当てはめれば分かる。$\square$
証明が使ったのは、差分商 $(f(x,t)-f(x,t_0))/(t-t_0)$ が $t\to t_0$ のとき $x$ について 一様に $\partial_tf(x,t_0)$ へ収束することだけである。一様収束なら積分と極限が交換できる。この形のまま、$\partial_tf(\cdot,t)\to\partial_tf(\cdot,t_0)$ の一様収束を仮定に置いた定理が Rud76 Theorem 9.42(pp. 236–237)にあり、上の定理と同じ連続性の仮定の形は Leb26b Theorem 9.1.1(pp. 65–66)にある。
積分の端が $t$ の関数のときは、端の動きによる項が加わる。
$I,J\subset\mathbb{R}$ を開区間とし、$f\colon I\times J\to\mathbb{R}$ は連続で、$\partial_tf$ が $I\times J$ 上で存在して連続であるとする。$\alpha,\beta\colon J\to I$ を微分可能な関数とする。このとき
$$G(t):=\int_{\alpha(t)}^{\beta(t)}f(x,t)\,dx$$
は $J$ 上で微分可能で、
$$G'(t)=f\bigl(\beta(t),t\bigr)\beta'(t)-f\bigl(\alpha(t),t\bigr)\alpha'(t)+\int_{\alpha(t)}^{\beta(t)}\partial_tf(x,t)\,dx$$
である。
開集合 $W:=I\times I\times J\subset\mathbb{R}^3$ の上の関数 $H(u,v,t):=\int_u^vf(x,t)\,dx$ を考えると、$G(t)=H(\alpha(t),\beta(t),t)$ である($\int_u^v$ は $u>v$ なら $-\int_v^u$ と約束する)。
偏導関数。 微分積分学の基本定理(微分積分学の基本定理 の定理「積分の上端についての微分」)により $\partial_vH(u,v,t)=f(v,t)$、$\partial_uH(u,v,t)=-f(u,t)$ である。$u,v$ を固定すると、$u,v$ を端点とする有界閉区間の上で thm-dui-main が使えるので、$\partial_tH(u,v,t)=\int_u^v\partial_tf(x,t)\,dx$ である。
偏導関数の連続性。 $\partial_uH,\partial_vH$ は $f$ が連続なので連続である。$g:=\partial_tf$ とおき、$\partial_tH(u,v,t)=\int_u^vg(x,t)\,dx$ が点 $(u_0,v_0,t_0)\in W$ で連続であることを示す。$I$ に含まれる有界閉区間 $L$ と $J$ に含まれる有界閉区間 $K$ を、内部にそれぞれ $u_0,v_0$ と $t_0$ を含むようにとり、$M:=\max_{L\times K}|g|$ とおく。$u,v\in L$、$t\in K$ なら
$$\Bigl|\int_u^vg(x,t)\,dx-\int_{u_0}^{v_0}g(x,t_0)\,dx\Bigr|\le\Bigl|\int_u^v\bigl(g(x,t)-g(x,t_0)\bigr)dx\Bigr|+\Bigl|\int_{v_0}^{v}g(x,t_0)\,dx\Bigr|+\Bigl|\int_{u_0}^{u}g(x,t_0)\,dx\Bigr|$$
であり、右辺は $|L|\sup_{x\in L}|g(x,t)-g(x,t_0)|+M|v-v_0|+M|u-u_0|$ 以下である($|L|$ は $L$ の長さ)。第 1 項は $g$ の $L\times K$ 上の一様連続性により $t\to t_0$ で $0$ に近づくので、$\partial_tH$ は $(u_0,v_0,t_0)$ で連続である。
結論。 偏導関数がすべて連続なので、$H$ は $W$ の各点で全微分可能である(偏微分 の定理「偏導関数が連続なら全微分可能」)。$t\mapsto(\alpha(t),\beta(t),t)$ は微分可能なので、多変数の連鎖律(連鎖律 の定理「多変数の連鎖律」)により
$$G'(t)=\partial_uH\cdot\alpha'(t)+\partial_vH\cdot\beta'(t)+\partial_tH=-f(\alpha(t),t)\alpha'(t)+f(\beta(t),t)\beta'(t)+\int_{\alpha(t)}^{\beta(t)}\partial_tf(x,t)\,dx$$
である(偏導関数は点 $(\alpha(t),\beta(t),t)$ での値)。$\square$
連続関数 $h\colon\mathbb{R}\to\mathbb{R}$ について $y(t):=\int_0^t(t-x)h(x)\,dx$ とおく。$f(x,t):=(t-x)h(x)$ は連続で $\partial_tf(x,t)=h(x)$ も連続なので、thm-dui-variable-limits($\alpha=0$、$\beta(t)=t$)により
$$y'(t)=f(t,t)\cdot1+\int_0^th(x)\,dx=\int_0^th(x)\,dx$$
である。第 1 項は $(t-t)h(t)=0$ で消える。もう一度微分すると $y''=h$ となり、$y$ は $y''=h$、$y(0)=y'(0)=0$ の解である(定積分で表された関数 では同じ式を、積分を展開して積の微分を使う方法で求めている)。
積分区間が有界でない場合や、被積分関数が連続でない場合には、Lebesgue 積分の形が使いやすい。以下、$(X,\mu)$ を測度空間とし、可積分性などは Lebesgue積分 の約束に従う。
$J\subset\mathbb{R}$ を開区間とし、$f\colon X\times J\to\mathbb{C}$ は各 $t\in J$ について $f(\cdot,t)$ が可積分であるとする。零集合 $N$ があって、$x\notin N$ なら $t\mapsto f(x,t)$ は $J$ 上で微分可能であり、さらに各 $t_0\in J$ に対し、$\delta>0$ と可積分な関数 $g\colon X\to[0,\infty]$ があって、$(t_0-\delta,t_0+\delta)\subset J$ かつ
$$|\partial_tf(x,t)|\le g(x)\qquad(x\notin N,\ |t-t_0|<\delta)$$
とする。このとき $F(t):=\int_Xf(x,t)\,d\mu(x)$ は $J$ 上で微分可能で
$$F'(t)=\int_X\partial_tf(x,t)\,d\mu(x)$$
である(右辺の被積分関数は $N$ の上で $0$ とおく)。さらに $x\notin N$ で $t\mapsto\partial_tf(x,t)$ が連続なら、$F'$ は連続である。
$t_0\in J$ をとり、$\delta,g$ を仮定のとおりにとる。開区間 $J_0:=(t_0-\delta,t_0+\delta)$ の上では、$f$ は 優収束定理 の定理「積分記号の下での微分」($t$ によらない零集合 $N$ と可積分な優関数 $g$ をもつ形)の仮定をすべて満たす。したがって $F$ は $J_0$ 上で微分可能で、$F'(t)=\int_X\partial_tf(x,t)\,d\mu(x)$($t\in J_0$)である。特に $t_0$ で微分可能で公式が成り立つ。$t_0$ は任意だった。
連続性:$x\notin N$ で $t\mapsto\partial_tf(x,t)$ が連続なら、$J_0$ 上の関数 $(t,x)\mapsto\partial_tf(x,t)$($N$ の上で $0$)は $|\cdot|\le g$ を満たし、各 $t$ で可測である(差分商の極限なので)。優収束定理 の定理「パラメータを含む積分の連続性」により $F'$ は $J_0$ 上で連続である。$\square$
仮定の「$g$ が $t$ によらない」ことが要点である。各 $t$ ごとに $\partial_tf(\cdot,t)$ が可積分であるだけでは足りない(反例の表の 2 行目)。
Riemann 積分の場合の thm-dui-main は、$J$ が開区間のとき、この形の特別な場合でもある。$[a,b]\times K$ 上で $|\partial_tf|\le M$ なので定数 $M$ が $[a,b]$ 上の可積分な優関数になり、連続関数の Riemann 積分と Lebesgue 積分は一致する(Lebesgue積分 の定理「Riemann積分との一致」)。ただし thm-dui-main の証明は、Lebesgue 積分の理論を使わず一様連続性だけで済む。
$t>-1$ について
$$F(t):=\int_0^1\frac{x^t-1}{\log x}\,dx=\log(1+t)$$
である。$X:=(0,1)$ に Lebesgue 測度を入れ、$f(x,t):=(x^t-1)/\log x$ とおく。$0< x<1$ を固定すると $\partial_tf(x,t)=x^t\log x/\log x=x^t$ である。$t\mapsto x^t$ に平均値の定理を使うと、$0$ と $t$ の間の $\xi$ で $x^t-1=t\,x^\xi\log x$ となるので $|f(x,t)|=|t|x^\xi\le|t|\max\{1,x^t\}$ であり、$t>-1$ なら $f(\cdot,t)$ は可積分である。$t_0>-1$ に対し $\delta:=(t_0+1)/2$ とおくと、$|t-t_0|<\delta$ で $|\partial_tf(x,t)|=x^t\le x^{t_0-\delta}$ であり、$t_0-\delta>-1$ だから右辺は $(0,1)$ 上で可積分である。thm-dui-lebesgue により
$$F'(t)=\int_0^1x^t\,dx=\frac1{1+t}\qquad(t>-1)$$
である。$f(x,0)=0$ より $F(0)=0$ なので、$F(t)=\log(1+t)$ を得る。たとえば $\int_0^1\frac{x-1}{\log x}\,dx=\log2$ である(Leb26b Example 9.1.3(p. 67)は $t\in[0,1]$ について thm-dui-main の形で同じ計算をしている)。
被積分関数の原始関数は初等関数で書けないが、パラメータ $t$ を入れて $t$ で微分すると、$\log x$ が打ち消されて積分できる形になる。
$t\in\mathbb{R}$ について
$$F(t):=\int_{-\infty}^{\infty}e^{-x^2}\cos(tx)\,dx=\sqrt\pi\,e^{-t^2/4}$$
である。$f(x,t):=e^{-x^2}\cos(tx)$ は $|f|\le e^{-x^2}$ で可積分、$\partial_tf(x,t)=-xe^{-x^2}\sin(tx)$ は $|\partial_tf|\le|x|e^{-x^2}$ を満たし、右辺は $t$ によらず $\mathbb{R}$ 上で可積分である。thm-dui-lebesgue により $F'(t)=-\int_{-\infty}^{\infty}xe^{-x^2}\sin(tx)\,dx$ である。$[-R,R]$ 上で部分積分すると
$$-\int_{-R}^{R}xe^{-x^2}\sin(tx)\,dx=\Bigl[\tfrac12e^{-x^2}\sin(tx)\Bigr]_{-R}^{R}-\frac t2\int_{-R}^{R}e^{-x^2}\cos(tx)\,dx$$
であり、$R\to\infty$ で境界の項は $0$ に、積分は(優関数があるので)$F(t)$ に収束する。よって $F'(t)=-\frac t2F(t)$ であり、$\bigl(e^{t^2/4}F(t)\bigr)'=0$ から $F(t)=F(0)e^{-t^2/4}$ である。$F(0)=\sqrt\pi$(Gauss積分 の定理「Gauss積分の値」)より主張を得る。同じ計算は Rud76 Example 9.43(pp. 237–238)にあり、結果は Gauss積分 の系「Gauss関数のFourier変換」の実部と一致する。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| $\partial_tf$ が $[a,b]\times J$ の各点で存在して連続 | $[0,1]\times\mathbb{R}$ 上の下の $\varphi$($\varphi$ は連続) | $F'(0)=1$ だが $\int_0^1\partial_t\varphi(x,0)\,dx=0$ |
| 積分区間が有界閉区間 | $[0,\infty)\times\mathbb{R}$ 上の $f(x,t)=t^3e^{-t^2x}$($f,\partial_tf$ は連続) | $F'(0)=1$ だが $\int_0^\infty\partial_tf(x,0)\,dx=0$ |
1 行目の $\varphi$ は、$t>0$ について
$$\varphi(x,t):=\begin{cases}x&(0\le x\le\sqrt t)\\2\sqrt t-x&(\sqrt t\le x\le2\sqrt t)\\0&(x\ge2\sqrt t)\end{cases}$$
とし、$\varphi(x,0):=0$、$t<0$ では $\varphi(x,t):=-\varphi(x,-t)$ とおいたものである(Rud76 第 9 章の演習 28(pp. 242–243)の例を $[0,1]$ に制限した)。$x\mapsto\varphi(x,t)$ のグラフは、高さ $\sqrt t$、底辺 $[0,2\sqrt t]$ の三角形である。
1 行目。 $|\varphi(x,t)|\le\sqrt{|t|}$ なので $\varphi$ は $t=0$ の点で連続であり、$t\ne0$ では区分ごとの式が $x=\sqrt{|t|}$、$x=2\sqrt{|t|}$ で値が一致する連続な式なので連続である。$0< t\le\frac14$ なら $2\sqrt t\le1$ なので $F(t)=\int_0^1\varphi(x,t)\,dx$ は三角形の面積 $\frac12\cdot2\sqrt t\cdot\sqrt t=t$ であり、奇関数性から $|t|\le\frac14$ で $F(t)=t$、$F'(0)=1$ である。一方、$x=0$ では $\varphi(0,t)=0$、$x>0$ では $|t|< x^2/4$ のとき $2\sqrt{|t|}< x$ なので $\varphi(x,t)=0$ であり、どちらも $t=0$ の近くで $t$ について恒等的に $0$ だから $\partial_t\varphi(x,0)=0$ である。$\partial_t\varphi(x,0)$ はすべての $x$ で存在するが、$x>0$ を固定すると $t=x^2/4$ で $t$ についての左微分は $0$、右微分は $1/\sqrt t=2/x$ で一致せず、$\partial_t\varphi$ は存在しない点をもつ。$\sqrt t< x<2\sqrt t$ では $\partial_t\varphi=1/\sqrt t$ なので、原点の近くで有界でもない。
2 行目。 $t\ne0$ なら $\int_0^\infty t^3e^{-t^2x}\,dx=t^3\cdot\frac1{t^2}=t$、$t=0$ なら $0$ なので、$F(t)=t$、$F'(0)=1$ である。$\partial_tf(x,0)=\lim_{h\to0}h^2e^{-h^2x}=0$ だから右辺は $0$ である。有界閉区間 $[0,b]$ の上なら thm-dui-main が使えるので、崩れる原因は積分区間が有界でないことにある。Lebesgue 積分の形で見ると、局所的な優関数がない:$\partial_tf(x,t)=(3t^2-2t^4x)e^{-t^2x}$ に $t=1/\sqrt x$ を代入すると $1/(ex)$ になるので、どの $\delta>0$ についても $x>1/\delta^2$ で $\sup_{|t|<\delta}|\partial_tf(x,t)|\ge1/(ex)$ であり、これは $[1/\delta^2,\infty)$ 上で可積分でない。$\square$
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