ℓp空間($\ell^p$ space)とは、$p$ 乗の和 $\sum_k|x_k|^p$ が収束する数列($p=\infty$ では有界な数列)全体にノルム $\|x\|_p$ を入れた Banach 空間であり、自然数の上の数え上げ測度についての $L^p$ 空間である。$1\le p<\infty$ では有限列が稠密で、標準基底 $(e_k)$ が Schauder 基底になり、双対空間は $\ell^{p'}$ と等長に同一視される。$0$ に収束する数列の空間 $c_0$ の双対は $\ell^1$、$\ell^1$ の双対は $\ell^\infty$ であり、$1< p<\infty$ の $\ell^p$ は反射的、$c_0$・$\ell^1$・$\ell^\infty$ は反射的でない。$\ell^1$ では弱収束する点列がノルムでも収束する(Schur の性質)。
前提知識: Lp空間, Banach空間, 連続双対空間, Hölderの不等式
$\ell^p$ 空間は、自然数の上の数え上げ測度についての Lp空間 である。定義、Hölder の不等式と Minkowski の不等式、完備性、$p$ による包含は Lp空間 の記事で一般の測度空間について扱われている。数列の空間には、一般の $L^p$ にない道具がある。各座標を取り出す汎関数と、第 $k$ 座標だけが $1$ の数列 $e_k$ である。この記事では、この道具から直接わかる性質を扱う。
スカラー体を $\mathbb{K}=\mathbb{R}$ または $\mathbb{C}$ とし、数列 $x=(x_k)_{k\ge1}$($x_k\in\mathbb{K}$)を考える。$1\le p\le\infty$ の双対指数を $p'$ と書く($\frac1p+\frac1{p'}=1$、$1'=\infty$、$\infty'=1$)。
$\ell^p$ は Lp空間 の記事の定義「$L^p$ 空間」の数え上げ測度の場合であり、$1\le p\le\infty$ で Banach 空間である(同記事の定理「$L^p$ 空間の完備性(Riesz–Fischer)」)。$c_0$ は $\ell^\infty$ の閉部分空間で、Banach 空間である(Banach空間 の記事の命題「数列の空間の完備性」)。$1\le p< q<\infty$ なら
$$
c_{00}\subset\ell^p\subset\ell^q\subset c_0\subset\ell^\infty,\qquad\|x\|_\infty\le\|x\|_q\le\|x\|_p
$$
である。中央の包含とノルムの不等式は Lp空間 の記事の命題「数列の空間での包含」による。$\ell^q\subset c_0$ は、級数 $\sum_k|x_k|^q$ が収束すれば $|x_k|^q\to0$ となることによる。どの包含も真の包含である。たとえば $x_k=k^{-1/p}$ は $\ell^q$ に入るが $\ell^p$ に入らず、$x_k=1$ は $\ell^\infty$ に入るが $c_0$ に入らない。
数列 $u$ と $x$ について、$\sum_ku_kx_k$ が収束するときの値を $\langle u,x\rangle$ と書く。複素数 $z$ に対して $\operatorname{sgn}z:=z/|z|$($z\ne0$)、$\operatorname{sgn}0:=0$ とおく。$\overline{\operatorname{sgn}z}\,z=|z|$ である。
$x$ の最初の $N$ 項だけを残した数列を $P_Nx:=\sum_{k\le N}x_ke_k\in c_{00}$ とおく。1:$\|x-P_Nx\|_p^p=\sum_{k>N}|x_k|^p$ は収束する級数の残りなので $0$ に収束する。2:$x\in c_0$ なら $\|x-P_Nx\|_\infty=\sup_{k>N}|x_k|\to0$ である。$c_{00}\subset c_0$ で $c_0$ は $\ell^\infty$ の閉部分空間なので、$c_{00}$ の閉包は $c_0$ に含まれ、いま示したことから $c_0$ に一致する。$\square$
$\ell^p$($1\le p<\infty$)が可分であることは 可分空間 の記事の例「有限個の成分を除いて $0$ である有理数列」で示されている(複素数列の場合も含む)。そこで使う可算集合(座標が有理数、$\mathbb{K}=\mathbb{C}$ なら実部と虚部が有理数の $c_{00}$ の元)は各 $c_{00}$ の元を上限ノルムでもいくらでも近似するので、prop-lps-dense の 2 により $c_0$ でも稠密であり、$c_0$ も可分である。$\ell^\infty$ は可分でない(可分空間 の記事の注意「反例:有界数列の空間」。そこで使う $0$ と $1$ だけからなる数列どうしの距離 $1$ は、複素数列の空間でも同じである)。
Banach 空間 $X$ の点列 $(b_k)$ が Schauder 基底であるとは、各 $x\in X$ に対し $x=\sum_{k=1}^\infty a_kb_k$(部分和がノルムで収束する)となるスカラー列 $(a_k)$ がただ 1 つ存在することをいう。
$(e_k)$ は $\ell^p$($1\le p<\infty$)と $c_0$ の Schauder 基底であり、$x=\sum_kx_ke_k$ である。$\ell^\infty$ は Schauder 基底をもたない。
部分和 $P_Nx$ が $x$ に収束することは prf-lps-dense で示した。$x=\sum_ka_ke_k$ なら、第 $j$ 座標をとる写像 $x\mapsto x_j$ は $|x_j|\le\|x\|$ を満たす連続線形汎関数なので、極限と交換して $x_j=a_j$ となり、係数は一意である。Schauder 基底 $(b_k)$ をもつ空間では、係数が有理数(複素なら実部と虚部が有理数)の有限和全体が可算な稠密集合になるので、空間は可分である。$\ell^\infty$ は可分でないので Schauder 基底をもたない。$\square$
Schauder 基底は 基底 の記事の線形代数の基底(Hamel 基底)とは別の概念である。無限次元の Banach 空間の Hamel 基底は非可算であり(Banach空間 の記事の命題「無限次元の Banach 空間の基底は非可算」)、$(e_k)$ は $\ell^p$ の Hamel 基底ではない。$(e_k)$ の有限一次結合で表せるのは $c_{00}$ の元だけだからである。
$u$ を数列とし、$\varphi_u(x):=\sum_ku_kx_k$ とおく。
1 を示す。2 は同じ議論で $p=\infty$、$p'=1$ とし、$\ell^p$ を $c_0$ に替えたものである(下の (b) で使う数列は $c_0$ に入る)。
(a) $u\in\ell^{p'}$ なら、Hölderの不等式 の記事の定理「Hölderの不等式(数の組)」を $N$ 項に使って $N\to\infty$ とすると、$\sum_k|u_kx_k|\le\|u\|_{p'}\|x\|_p$ である。級数は絶対収束し、$\varphi_u$ は線形で $\|\varphi_u\|\le\|u\|_{p'}$ である。
(b) 逆に $\varphi\in(\ell^p)^*$ をとり、$u_k:=\varphi(e_k)$ とおく。$u\in\ell^{p'}$ かつ $\|u\|_{p'}\le\|\varphi\|$ を示す。$p=1$ なら $|u_k|\le\|\varphi\|\,\|e_k\|_1=\|\varphi\|$ である。$1< p<\infty$ なら、$N$ を固定して
$$
x^{(N)}:=\sum_{k\le N}|u_k|^{p'-1}\,\overline{\operatorname{sgn}u_k}\,e_k
$$
とおく。$(p'-1)p=p'$ なので、$S_N:=\sum_{k\le N}|u_k|^{p'}$ とおくと $\|x^{(N)}\|_p=S_N^{1/p}$ であり、$\varphi(x^{(N)})=\sum_{k\le N}|u_k|^{p'-1}\overline{\operatorname{sgn}u_k}\,u_k=S_N$ である。よって $S_N\le\|\varphi\|S_N^{1/p}$ となり、$S_N>0$ なら両辺を $S_N^{1/p}$ で割って $S_N^{1/p'}\le\|\varphi\|$ を得る($S_N=0$ なら明らか)。$N\to\infty$ として $\|u\|_{p'}\le\|\varphi\|$ である。$c_0$ の場合は $x^{(N)}:=\sum_{k\le N}\overline{\operatorname{sgn}u_k}\,e_k$ が $\|x^{(N)}\|_\infty\le1$ を満たすので、$\sum_{k\le N}|u_k|=\varphi(x^{(N)})\le\|\varphi\|$ となる。
(c) $\varphi$ と $\varphi_u$ はどちらも連続線形で、各 $e_k$ で同じ値 $u_k$ をとるので $c_{00}$ の上で一致する。prop-lps-dense により $c_{00}$ は稠密なので $\varphi=\varphi_u$ である。したがって $u\mapsto\varphi_u$ は全射であり、(a)(b) から $\|\varphi_u\|=\|u\|_{p'}$ である。等長な線形写像は単射である。$\square$
一般の測度空間の $L^p$ の双対(Lp空間 の記事の注意「双対空間」)は Radon–Nikodym の定理を使って示される。数列の空間では、汎関数が標準基底での値 $\varphi(e_k)$ で決まるので、表す数列 $u$ を直接書ける。証明で $p<\infty$ を使ったのは (c) の稠密性だけである。$p=\infty$ では $c_{00}$ が稠密でなく、実際に結論が成り立たなくなる(prop-lps-linfty-dual)。
thm-lps-dual を 2 回使うと、二重双対がわかる。$x\in\ell^p$ に対する標準的な埋め込み $J(x)\in(\ell^p)^{**}$ は $J(x)(\varphi_u)=\varphi_u(x)=\sum_ku_kx_k$ で与えられる。右辺を $u$ の関数とみると、これは $\ell^{p'}$ 上の汎関数 $\varphi_x$ である。
1:$\Xi\in(\ell^p)^{**}$ をとる。$u\mapsto\Xi(\varphi_u)$ は $\ell^{p'}$ 上の連続線形汎関数で、$1< p'<\infty$ なので thm-lps-dual を $p'$ について使うと、ある $x\in\ell^p$ で $\Xi(\varphi_u)=\sum_kx_ku_k=J(x)(\varphi_u)$ と書ける。$u\mapsto\varphi_u$ は全射なので $\Xi=J(x)$ である。
2:$c_0$ について、$\Xi\in(c_0)^{**}$ は同様に $\ell^1$ 上の汎関数 $u\mapsto\Xi(\varphi_u)$ を与え、thm-lps-dual の 1($p=1$)によりある $\xi\in\ell^\infty$ で $\Xi(\varphi_u)=\sum_ku_k\xi_k$ と書ける。$\Xi=J(x)$ となる $x\in c_0$ があるのは $\xi\in c_0$ のときだけなので、$\xi=(1,1,\ldots)$ に対応する $\Xi$ は $J(c_0)$ に入らない。$\ell^1$ が反射的なら、その双対 $\ell^\infty$ も反射的になり(反射的Banach空間 の記事の定理「双対空間の反射性」)、さらにその閉部分空間 $c_0$ も反射的になる(同記事の定理「閉部分空間の反射性」)。これは矛盾なので $\ell^1$ は反射的でない。$\ell^\infty$ が反射的なら閉部分空間 $c_0$ が反射的になるので、$\ell^\infty$ も反射的でない。$\square$
$c_0$ と $\ell^1$ が反射的でないことは、ノルムを達成しない汎関数からもわかる(反射的Banach空間 の記事の例「$c_0$・$\ell^1$・$L^1[0,1]$ は反射的でない」)。二重双対 $(c_0)^{**}$ が $\ell^\infty$ と同一視され、$J$ が包含 $c_0\subset\ell^\infty$ にあたることは、Goldstineの定理 の記事の例「$c_0$ の二重双対の元の近似」でも使われている。
$u\in\ell^1$ に $\varphi_u\in(\ell^\infty)^*$ を対応させる写像は線形等長であるが、全射でない。
$|\varphi_u(x)|\le\|u\|_1\|x\|_\infty$ であり、$x_k:=\overline{\operatorname{sgn}u_k}$ とおくと $\|x\|_\infty\le1$、$\varphi_u(x)=\|u\|_1$ なので等長である。$\mathbf 1:=(1,1,\ldots)$ と $c_0$ の距離は $1$ である。実際 $x\in c_0$ なら $\|\mathbf 1-x\|_\infty\ge\lim_k|1-x_k|=1$ であり、$x=0$ で等号となる。Hahn–Banachの定理 の記事の系「閉部分空間の外の点を検出する汎関数」により、$c_0$ の上で $0$、$\Lambda(\mathbf 1)=1$ となる $\Lambda\in(\ell^\infty)^*$ がある。$\Lambda=\varphi_u$ となる $u\in\ell^1$ があれば $u_k=\Lambda(e_k)=0$ がすべての $k$ で成り立ち、$\Lambda=0$ となって矛盾する。$\square$
実数値の数列の場合、このような $\Lambda$ の例として Hahn–Banachの定理 の記事の例「Banach 極限」がある。Banach 極限は収束する数列にはその極限を与えるので、$c_0$ の上で $0$、$\mathbf 1$ で $1$ になる。どちらの構成も Hahn–Banach の定理を使い、$\Lambda$ の値を数列の項の式で与えるものではない。
ノルム空間 $X$ の点列 $(x_n)$ が $x$ に弱収束するとは、すべての $f\in X^*$ について $f(x_n)\to f(x)$ となることをいう(弱位相(関数解析))。ノルムで収束すれば弱収束するが、逆は一般に成り立たない。$1< p<\infty$ の $\ell^p$ と $c_0$ では、$\|e_k\|=1$ なのに $e_k$ は $0$ に弱収束する。実際、$X$ をこれらの空間の 1 つとすると、thm-lps-dual により $f\in X^*$ は $u\in\ell^{p'}$($c_0$ では $u\in\ell^1$)で $f=\varphi_u$ と書け、$p'<\infty$ なので $f(e_k)=u_k\to0$ である(実数列の場合は 弱位相(関数解析) の記事の例「$\ell^p$ と $c_0$ の標準基底」)。
Banach 空間 $X$ が Schur の性質をもつとは、$X$ で弱収束する点列がすべてノルムでも収束することをいう。
$\ell^1$ は Schur の性質をもつ。すなわち $\ell^1$ の点列 $x^{(n)}$ が $x$ に弱収束すれば、$\|x^{(n)}-x\|_1\to0$ である。
$y^{(n)}:=x^{(n)}-x$ は $0$ に弱収束する。thm-lps-dual により、$f\in\ell^\infty$ ごとに $\varphi_f(y)=\sum_kf_ky_k$ は $\ell^1$ 上の連続線形汎関数なので、$\varphi_f(y^{(n)})\to0$ である。とくに $f=e_k$ として、各座標について $y^{(n)}_k\to0$ である。
$\|y^{(n)}\|_1\to0$ でないと仮定すると、$\varepsilon>0$ と部分列があって、その部分列の上で $\|y^{(n)}\|_1\ge\varepsilon$ である。添字を付け替えて、すべての $n$ で $\|y^{(n)}\|_1\ge\varepsilon$ としてよい。
番号 $n_1< n_2<\cdots$ と $0=N_0< N_1< N_2<\cdots$ を次のように選ぶ。$N_{j-1}$ まで決まったら、最初の $N_{j-1}$ 個の座標はそれぞれ $0$ に収束するので、$n_j>n_{j-1}$ を $\sum_{k\le N_{j-1}}|y^{(n_j)}_k|<\varepsilon/5$ となるようにとる。次に $y^{(n_j)}\in\ell^1$ の級数の残りは $0$ に収束するので、$N_j>N_{j-1}$ を $\sum_{k>N_j}|y^{(n_j)}_k|<\varepsilon/5$ となるようにとる。区間 $B_j:=\{k\mid N_{j-1}< k\le N_j\}$ の上では
$$
\sum_{k\in B_j}|y^{(n_j)}_k|>\varepsilon-\frac{\varepsilon}5-\frac{\varepsilon}5=\frac{3\varepsilon}5
$$
である。$B_1,B_2,\ldots$ は互いに交わらず、合わせると正の整数全体になる。$k\in B_j$ について $f_k:=\overline{\operatorname{sgn}y^{(n_j)}_k}$ とおくと $f\in\ell^\infty$、$\|f\|_\infty\le1$ であり、
$$
\operatorname{Re}\varphi_f(y^{(n_j)})\ge\sum_{k\in B_j}|y^{(n_j)}_k|-\sum_{k\notin B_j}|y^{(n_j)}_k|>\frac{3\varepsilon}5-\frac{2\varepsilon}5=\frac{\varepsilon}5
$$
がすべての $j$ で成り立つ。これは $\varphi_f(y^{(n_j)})\to0$ に反する。$\square$
証明の要は、点列の各項の重さの大部分が、互いに重ならない区間 $B_j$ に順に移っていくように部分列を選ぶことである。区間ごとに符号を合わせた 1 つの有界数列 $f$ が、すべての項の重さを同時に拾う。$\ell^p$($1< p<\infty$)や $c_0$ では、連続線形汎関数を表す数列は $\ell^{p'}$ や $\ell^1$ に入るので $f_k\to0$ となり、$|f_k|=1$ を無限に多くの区間で保つこの構成はできない。
Schur の性質は、弱位相とノルム位相が $\ell^1$ で一致することを意味しない。$\ell^1$ は無限次元なので、単位球面 $\{\|x\|_1=1\}$ の弱位相での閉包は閉単位球であり、$0$ を含む(弱位相(関数解析) の記事の系「単位球面の弱閉包」)。一方、thm-lps-schur により、単位球面の点列が $0$ に弱収束することはない。$0$ に弱位相で近づくのは点列ではなくネットである。
thm-lps-schur からも $\ell^1$ が反射的でないことがわかる。反射的な空間では有界列は弱収束する部分列をもつ(反射的Banach空間 の記事の定理「有界列の弱収束部分列」)。$\ell^1$ の有界列 $(e_k)$ の部分列が弱収束すれば、Schur の性質によりノルムで収束するはずだが、$\|e_j-e_k\|_1=2$($j\ne k$)なので Cauchy 列ですらない。
| 空間 | 双対 | 反射的 | 可分 | $(e_k)$ が Schauder 基底 | Schur の性質 |
|---|---|---|---|---|---|
| $\ell^p$($1< p<\infty$) | $\ell^{p'}$ | はい | はい | はい | いいえ |
| $\ell^1$ | $\ell^\infty$ | いいえ | はい | はい | はい |
| $c_0$ | $\ell^1$ | いいえ | はい | はい | いいえ |
| $\ell^\infty$ | $\ell^1$ を真に含む | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ |
最後の列で $\ell^\infty$ が Schur の性質をもたないのは、閉部分空間 $c_0$ の点列 $e_k$ が $\ell^\infty$ でも $0$ に弱収束するからである($f\in(\ell^\infty)^*$ の $c_0$ への制限は $(c_0)^*$ の元である)。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| $p<\infty$(prop-lps-dense) | $\ell^\infty$ の $\mathbf 1=(1,1,\ldots)$ | $c_{00}$ の稠密性($\mathbf 1$ と $c_{00}$ の距離は $1$) |
| $p<\infty$(thm-lps-dual) | $\ell^\infty$ と prop-lps-linfty-dual の $\Lambda$ | 双対が $\ell^{p'}$ と一致すること |
| $p=1$(thm-lps-schur) | $\ell^2$ の $e_k$ | 弱収束する点列のノルム収束 |
| 点列であること(thm-lps-schur) | $\ell^1$ の単位球面の点からなるネット | 弱収束からノルム収束を導くこと |
1 行目:$x\in c_{00}$ なら十分大きい $k$ で $x_k=0$ なので $\|\mathbf 1-x\|_\infty\ge1$ である。2 行目は prop-lps-linfty-dual、3 行目は節「$\ell^1$ の Schur の性質」の冒頭で示した。4 行目:弱位相(関数解析) の記事の系「単位球面の弱閉包」により、単位球面の点からなるネットで $0$ に弱収束するものがあるが、ノルムはすべて $1$ である。
数列の空間 $\ell^p$・$c_0$ の可分性、$\ell^\infty$ の非可分性、$\ell^p$ と $c_0$ の双対、反射性の表は Bre11 §11.3(Propositions 11.15–11.21、pp. 357–361)にある。同書は実数のスカラーで述べており、$c_0$ の双対(Proposition 11.19)は $\ell^p$ の場合の証明の変更として述べている。この記事では複素数のスカラーも含めて証明する。$\ell^1$ の Schur の性質は Bre11 Remark 4(p. 60)に述べられ、証明は Problem 8(pp. 446–447)で Baire のカテゴリー定理を使う誘導問題になっている。この記事の証明は Baire の定理を使わず、区間ごとに符号を合わせる議論による。
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