三角形の外心

同義語:外心circumcenter of a triangle

概要

三角形の外心(circumcenter of a triangle)とは、一直線上にない 3 点を頂点とする三角形の 3 辺の垂直二等分線が交わる 1 点であり、3 頂点を通るただ 1 つの円(外接円)の中心である。線分の垂直二等分線は 2 点から等距離にある点の集まりなので、2 本の交点は 3 頂点から等距離になり、3 本目にも乗る。外心は、鋭角三角形では内部、直角三角形では斜辺の中点、鈍角三角形では外部にある。3 点が一直線上にあると外心は存在しない。有限個の点で平面を「最も近い点」ごとに分けた Voronoi 図では、3 つの領域が出会う点がその 3 点の外心であり、外接円の内部にほかの点がないことが条件になる(Delaunay 三角形分割の空の円の性質)。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: ベクトルの内積(高校数学), 直線の方程式と点と直線の距離, 三平方の定理

高校での出発点:3 点を通る円を探す

一直線上にない 3 点を通る円は、いつでも描けるだろうか。描けるとしたら、中心はどこにあるだろうか。教科書では「三角形の 3 辺の垂直二等分線は 1 点で交わり、その点を 外心 という。外心は三角形の外接円の中心である」と習う。まず座標で、実際に中心を求めてみる。
この記事では、点 $A,B,C,\dots$ の位置ベクトルを $\vec a,\vec b,\vec c,\dots$ と書く。平面の点を座標 $(x,y)$ で表すときは、位置ベクトルも同じ成分で書く。2 つのベクトルが垂直であることは、内積が $0$ であることで判定する(ベクトルの内積(高校数学))。

3 点を通る円の中心を垂直二等分線で求める

$A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(2,4)$ とする。3 点から等しい距離にある点 $O(x,y)$ を探す。

  1. $OA=OB$ の条件:$x^2+y^2=(x-6)^2+y^2$。右辺を展開すると $x^2-12x+36+y^2$ なので、$0=-12x+36$、つまり $x=3$ である。これは線分 $AB$ の垂直二等分線である。
  2. $OA=OC$ の条件:$x^2+y^2=(x-2)^2+(y-4)^2$。右辺を展開すると $x^2-4x+4+y^2-8y+16$ なので、$0=-4x-8y+20$、つまり $x+2y=5$ である。これは線分 $AC$ の垂直二等分線である。
  3. 1 と 2 を連立すると、$x=3$ を $x+2y=5$ に代入して $y=1$。よって $O(3,1)$ である。
  4. 確かめ:$OA^2=3^2+1^2=10$、$OB^2=(3-6)^2+1^2=10$、$OC^2=(3-2)^2+(1-4)^2=1+9=10$。
    3 点を通る円は、中心 $(3,1)$、半径 $\sqrt{10}$ の円 $(x-3)^2+(y-1)^2=10$ である。
円の方程式に代入して求める

同じ 3 点 $A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(2,4)$ を通る円を $x^2+y^2+lx+my+n=0$ とおく。

  1. $A$ を代入:$0+0+0+0+n=0$ より $n=0$。
  2. $B$ を代入:$36+6l+n=0$ より $l=-6$。
  3. $C$ を代入:$4+16+2l+4m+n=0$。$l=-6$、$n=0$ を入れて $20-12+4m=0$、よって $m=-2$。
  4. 円は $x^2+y^2-6x-2y=0$。平方完成すると $(x-3)^2+(y-1)^2=10$ で、ex-cc-first と同じ円になる。
    この方法でも、中身は同じ計算をしている。$A$ と $B$ の式を引くと、$l$ だけを含む 1 次の式が残る。これは ex-cc-first の手順 1 の式と同じ役目をする。
直角三角形の外心

$A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(0,4)$ とする。$\angle A=90^\circ$ である。

  1. $AB$ の垂直二等分線:$AB$ の中点は $(3,0)$ で、$AB$ は $x$ 軸に沿うので、垂直二等分線は $x=3$。
  2. $AC$ の垂直二等分線:$AC$ の中点は $(0,2)$ で、$AC$ は $y$ 軸に沿うので、垂直二等分線は $y=2$。
  3. 交点は $O(3,2)$。これは斜辺 $BC$ の中点 $\bigl(\frac{6+0}2,\frac{0+4}2\bigr)=(3,2)$ と一致する。
  4. 半径:$OA^2=9+4=13$。斜辺の長さは $BC=\sqrt{36+16}=\sqrt{52}=2\sqrt{13}$ で、半径 $\sqrt{13}$ はその半分である。
鈍角三角形の外心

$A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(8,4)$ とする。$\overrightarrow{BA}\cdot\overrightarrow{BC}=(-6,0)\cdot(2,4)=-12<0$ なので、$\angle B$ は鈍角である。

  1. $AB$ の垂直二等分線は $x=3$。
  2. $AC$ の垂直二等分線:中点は $(4,2)$、$\overrightarrow{AC}=(8,4)$ なので、式は $8(x-4)+4(y-2)=0$、つまり $2x+y=10$。
  3. $x=3$ を代入して $y=4$。よって $O(3,4)$。
  4. 確かめ:$OA^2=9+16=25$、$OB^2=9+16=25$、$OC^2=25+0=25$。半径は $5$ である。
    直線 $AC$ は $y=\frac12x$ である。$B(6,0)$ では $0<\frac12\cdot6$ なので $B$ は直線 $AC$ の下側にあり、$O(3,4)$ では $4>\frac12\cdot3$ なので $O$ は上側にある。$O$ は直線 $AC$ について $B$ と反対側にあり、三角形の外に出ている。

鋭角・直角・鈍角の三角形に 3 辺の垂直二等分線(破線)と外接円を描いたもの。外心 !FORMULA[104][37081][0] は、鋭角三角形では内部、直角三角形では斜辺の中点、鈍角三角形では外部にあることを見る図。 鋭角・直角・鈍角の三角形に 3 辺の垂直二等分線(破線)と外接円を描いたもの。外心 $O$ は、鋭角三角形では内部、直角三角形では斜辺の中点、鈍角三角形では外部にあることを見る図。
3 つの例のどれでも、3 本の垂直二等分線は 1 点で交わった。ここから次の問いが出てくる。

  1. なぜ「2 点から等しい距離にある点」の集まりは直線(垂直二等分線)になるのか。→ thm-cc-bisector
  2. なぜ、どんな三角形でも 3 本の垂直二等分線は 1 点で交わるのか。3 点を通る円はいくつあるのか。→ thm-cc-main
  3. 外心の座標を、計算の手順ではなく式で書けないか。3 点が一直線上だとどうなるのか。→ prop-cc-cramer、ex-cc-collinear
  4. 外心が三角形の内部・辺上・外部のどこに来るかは、何で決まるのか。→ thm-cc-position
  5. 「最も近い点で平面を分ける」という大学数学の図と、外心はどう関係するのか。→ prop-cc-voronoi3、prop-cc-empty
    高校の計算この記事での見方ボックス
    $OA=OB$ を 2 乗して展開すると 1 次式が残る距離の 2 乗の差は 1 次式lem-cc-difference
    2 本の垂直二等分線の交点が 3 本目にも乗る等距離の関係は「推移的」thm-cc-main
    連立 1 次方程式を解く分母は三角形の面積の 4 倍prop-cc-cramer
    外心の位置と角の大小外心から辺までの符号つきの距離は $\cos$ と同じ符号thm-cc-position
    3 本の垂直二等分線Voronoi 図の頂点、Delaunay 三角形分割の空の円prop-cc-voronoi3、prop-cc-empty

垂直二等分線

線分の垂直二等分線

異なる 2 点 $P,Q$ を結ぶ線分 $PQ$ の中点を $M$ とする。$M$ を通り、直線 $PQ$ に垂直な直線を、線分 $PQ$ の 垂直二等分線 という。
位置ベクトルで書くと、$\vec m=\frac{\vec p+\vec q}2$ であり、垂直二等分線は点 $X$ のうち
$$ (\vec x-\vec m)\cdot(\vec q-\vec p)=0 $$
を満たすものの全体である。

最後の式の理由を述べる。$X\ne M$ のとき、$X$ が垂直二等分線上にあることは、$\overrightarrow{MX}=\vec x-\vec m$ が $\overrightarrow{PQ}=\vec q-\vec p$ に垂直であること、つまり内積が $0$ であることと同じである。$X=M$ のときは $\vec x-\vec m=\vec0$ で内積は $0$ になり、$M$ は垂直二等分線上の点である。

垂直二等分線の式を 2 つ書く
  1. $P(0,0)$、$Q(6,0)$:中点 $M(3,0)$、$\vec q-\vec p=(6,0)$。式は $6(x-3)+0\cdot(y-0)=0$、つまり $x=3$。
  2. $P(6,0)$、$Q(2,4)$:中点 $M(4,2)$、$\vec q-\vec p=(-4,4)$。式は $-4(x-4)+4(y-2)=0$。両辺を $4$ で割って $-(x-4)+(y-2)=0$、つまり $y=x-2$。
    2 の直線上の点、たとえば $X(5,3)$ で確かめる。$XP^2=(5-6)^2+3^2=10$、$XQ^2=(5-2)^2+(3-4)^2=10$ で、たしかに $XP=XQ$ である。

ex-cc-first では、$OA=OB$ を 2 乗して展開すると $x^2$ と $y^2$ が消え、1 次式が残った。これはいつでも起こる。

距離の 2 乗の差は 1 次式

異なる 2 点 $P,Q$ と、線分 $PQ$ の中点 $M$ について、平面のどんな点 $X$ でも
$$ XP^2-XQ^2=2(\vec x-\vec m)\cdot(\vec q-\vec p) $$
が成り立つ。

2 乗の差を因数分解する

方針:$|\vec u|^2-|\vec v|^2=(\vec u-\vec v)\cdot(\vec u+\vec v)$ を使う。
段 1(因数分解の公式)。内積の分配法則と交換法則により
$$ (\vec u-\vec v)\cdot(\vec u+\vec v)=\vec u\cdot\vec u+\vec u\cdot\vec v-\vec v\cdot\vec u-\vec v\cdot\vec v=|\vec u|^2-|\vec v|^2 $$
である($\vec u\cdot\vec v$ と $\vec v\cdot\vec u$ は等しいので打ち消し合う)。
段 2(代入)。$\vec u=\vec x-\vec p$、$\vec v=\vec x-\vec q$ とおくと、$|\vec u|^2=XP^2$、$|\vec v|^2=XQ^2$ である。また
$$ \vec u-\vec v=\vec q-\vec p,\qquad \vec u+\vec v=2\vec x-\vec p-\vec q=2\Bigl(\vec x-\frac{\vec p+\vec q}2\Bigr)=2(\vec x-\vec m) $$
である。
段 3(結論)。段 1 に段 2 を入れると $XP^2-XQ^2=(\vec q-\vec p)\cdot2(\vec x-\vec m)=2(\vec x-\vec m)\cdot(\vec q-\vec p)$ となる。$\square$

補題を数で確かめる

$P(6,0)$、$Q(2,4)$、$M(4,2)$ として、垂直二等分線の上にない点 $X(1,1)$ をとる。

  1. 左辺:$XP^2=(1-6)^2+1^2=26$、$XQ^2=(1-2)^2+(1-4)^2=10$ で、差は $16$。
  2. 右辺:$\vec x-\vec m=(-3,-1)$、$\vec q-\vec p=(-4,4)$ で、内積は $12-4=8$。その $2$ 倍は $16$。
    両辺とも $16$ で一致する。右辺が正なので $XP>XQ$、つまり $X$ は $Q$ のほうに近い。
垂直二等分線は 2 点から等距離の点の集まり

異なる 2 点 $P,Q$ について、点 $X$ が線分 $PQ$ の垂直二等分線上にあることと、$XP=XQ$ であることは同値である。さらに、垂直二等分線は平面を 2 つに分け、$Q$ の側の点では $XP>XQ$、$P$ の側の点では $XP< XQ$ である。

補題の右辺の符号を見る

方針:lem-cc-difference で $XP^2-XQ^2$ を 1 次式に直し、その符号を調べる。
段 1(同値)。距離は $0$ 以上なので、$XP=XQ$ と $XP^2=XQ^2$ は同値である。lem-cc-difference から、これは $(\vec x-\vec m)\cdot(\vec q-\vec p)=0$ と同値で、def-cc-bisector によりこれは $X$ が垂直二等分線上にあることである。
段 2($Q$ の側)。$f(X)=(\vec x-\vec m)\cdot(\vec q-\vec p)$ とおく。$X=Q$ では $\vec q-\vec m=\frac{\vec q-\vec p}2$ なので $f(Q)=\frac12|\vec q-\vec p|^2>0$ である。$f$ は $x,y$ の 1 次式なので、$f>0$ の点の集まりは垂直二等分線 $f=0$ で区切られた片側($Q$ を含む側)であり、直線の方程式と点と直線の距離 で見るように 1 次式の符号は直線のどちら側にあるかで決まる。その側では lem-cc-difference から $XP^2-XQ^2=2f(X)>0$、つまり $XP>XQ$ である。
段 3($P$ の側)。$f(P)=-\frac12|\vec q-\vec p|^2<0$ で、同じ理由により $P$ の側では $XP< XQ$ である。$\square$

同じことは合同でも示せる。$X$ が垂直二等分線上にあれば、三角形 $XMP$ と $XMQ$ は $XM$ が共通、$MP=MQ$、$\angle XMP=\angle XMQ=90^\circ$ なので、2 辺とその間の角が等しく合同で、$XP=XQ$ となる。内積の証明の利点は、段 2・段 3 のように「どちらに近いか」までわかることである。これは後の prop-cc-voronoi3 で使う。

主定理:外心の存在と外接円の一意性

3 辺の垂直二等分線は 1 点で交わる

一直線上にない 3 点 $A,B,C$ を頂点とする三角形 $ABC$ について、次が成り立つ。

  1. 3 辺 $AB$、$BC$、$CA$ の垂直二等分線は 1 点 $O$ で交わる。
  2. $OA=OB=OC$ である。
  3. 3 点 $A,B,C$ を通る円はちょうど 1 つあり、それは $O$ を中心とし半径 $OA$ の円である。
2 本の交点が 3 本目にも乗る

方針:2 本の垂直二等分線の交点が 3 点から等距離であることを示し、thm-cc-bisector で 3 本目に乗せる。円の一意性は、円の中心が 3 点から等距離の点であることから出す。
段 1(2 本は交わる)。辺 $AB$ の垂直二等分線は $\overrightarrow{AB}$ に垂直で、辺 $BC$ の垂直二等分線は $\overrightarrow{BC}$ に垂直である。もしこの 2 本が平行なら、両方に垂直な方向が共通なので $\overrightarrow{AB}$ と $\overrightarrow{BC}$ は平行になり、$A,B,C$ は一直線上にある。これは仮定に反する。平行でない 2 直線はちょうど 1 点で交わるので、その点を $O$ とする。
段 2(3 点から等距離)。$O$ は $AB$ の垂直二等分線上にあるので、thm-cc-bisector により $OA=OB$ である。$O$ は $BC$ の垂直二等分線上にもあるので $OB=OC$ である。よって $OA=OB=OC$ で、2 が示せた。
段 3(3 本目)。段 2 から $OC=OA$ なので、thm-cc-bisector により $O$ は辺 $CA$ の垂直二等分線上にある。これで 1 が示せた。
段 4(円の存在)。$O$ を中心、半径 $OA$ の円は、段 2 により $A,B,C$ を通る。
段 5(円の一意性)。$A,B,C$ を通る円があったとし、中心を $O'$、半径を $r$ とする。$O'A=O'B=r$ なので、thm-cc-bisector により $O'$ は $AB$ の垂直二等分線上にある。同じく $O'B=O'C$ なので $O'$ は $BC$ の垂直二等分線上にある。段 1 から 2 本の交点は $O$ だけなので $O'=O$、$r=OA$ である。$\square$

外心と外接円

thm-cc-main の点 $O$ を三角形 $ABC$ の 外心 という。$O$ を中心とし $A,B,C$ を通る円を三角形 $ABC$ の 外接円 といい、その半径 $R=OA=OB=OC$ を 外接円の半径 という。

段 5 で使ったのは「円の中心は円周上のどの点からも等距離」ということだけである。とくに、円の弦(円周上の 2 点を結ぶ線分)の垂直二等分線は必ず円の中心を通る。これは 円周角の定理(高校数学) や 方べきの定理(高校数学) でもくり返し使う。

弦の垂直二等分線で円の中心を見つける

円 $(x-3)^2+(y-1)^2=10$(ex-cc-first の外接円)の上に、2 点 $D(0,2)$、$E(4,4)$ をとる。$D$ では $9+1=10$、$E$ では $1+9=10$ なので、どちらも円周上にある。

  1. 弦 $DE$ の中点は $(2,3)$、$\overrightarrow{DE}=(4,2)$。
  2. 垂直二等分線は $4(x-2)+2(y-3)=0$、つまり $2x+y=7$。
  3. 中心 $(3,1)$ を代入すると $6+1=7$ で、たしかに中心を通る。

外心の座標は、連立 1 次方程式を解けば求まる。解き方を一度だけ式にしておくと、「3 点が一直線上のときに何が起きるか」がはっきりする。

外心の座標の公式

$A$ を原点にとり、$\vec b=(b_1,b_2)$、$\vec c=(c_1,c_2)$ とする。$D=b_1c_2-b_2c_1$ とおく。

  1. 外心 $O$ の位置ベクトル $\vec o=(o_1,o_2)$ は、連立 1 次方程式
    $$ \vec o\cdot\vec b=\frac{|\vec b|^2}2,\qquad \vec o\cdot\vec c=\frac{|\vec c|^2}2 $$
    の解である。
  2. $D\ne0$ のとき解はただ 1 つで、
    $$ o_1=\frac{|\vec b|^2c_2-|\vec c|^2b_2}{2D},\qquad o_2=\frac{b_1|\vec c|^2-c_1|\vec b|^2}{2D} $$
    である。
  3. $|D|$ は三角形 $ABC$ の面積の $2$ 倍であり、$D=0$ は $A,B,C$ が一直線上にあることと同値である。
垂直二等分線の式を書き直して解く

方針:def-cc-bisector の式に $\vec a=\vec0$ を入れ、あとは 2 元 1 次の連立方程式を解く。
段 1(方程式)。$AB$ の垂直二等分線は、$\vec a=\vec 0$ なので中点が $\frac{\vec b}2$ で、式は $\bigl(\vec o-\frac{\vec b}2\bigr)\cdot\vec b=0$ である。分配法則で $\vec o\cdot\vec b-\frac12\vec b\cdot\vec b=0$、つまり $\vec o\cdot\vec b=\frac{|\vec b|^2}2$。$AC$ についても同じで $\vec o\cdot\vec c=\frac{|\vec c|^2}2$ である。外心はこの 2 本の交点なので、1 が示せた。
段 2(解く)。成分で書くと
$$ b_1o_1+b_2o_2=\frac{|\vec b|^2}2,\qquad c_1o_1+c_2o_2=\frac{|\vec c|^2}2 $$
である。1 つ目を $c_2$ 倍、2 つ目を $b_2$ 倍して引くと $o_2$ が消えて $(b_1c_2-b_2c_1)o_1=\frac{|\vec b|^2c_2-|\vec c|^2b_2}2$、つまり $Do_1=\frac{|\vec b|^2c_2-|\vec c|^2b_2}2$ となる。同じく 1 つ目を $c_1$ 倍、2 つ目を $b_1$ 倍して、2 つ目から 1 つ目を引くと $Do_2=\frac{b_1|\vec c|^2-c_1|\vec b|^2}2$ となる。$D\ne0$ なら両辺を $D$ で割って 2 の式を得る。ここまでの消去の計算からわかるのは、「解があれば $o_1,o_2$ はこの値に限る」こと(一意性)である。
段 3(代入して確かめる)。逆に、この値が実際に解であること(存在)を代入で確かめる。1 つ目の式の左辺は
$$ b_1o_1+b_2o_2=\frac{b_1\bigl(|\vec b|^2c_2-|\vec c|^2b_2\bigr)+b_2\bigl(b_1|\vec c|^2-c_1|\vec b|^2\bigr)}{2D}=\frac{|\vec b|^2(b_1c_2-b_2c_1)}{2D}=\frac{|\vec b|^2}2 $$
となる($|\vec c|^2$ の項は $-b_1b_2+b_2b_1=0$ で消える)。2 つ目の式の左辺も同じく
$$ c_1o_1+c_2o_2=\frac{c_1\bigl(|\vec b|^2c_2-|\vec c|^2b_2\bigr)+c_2\bigl(b_1|\vec c|^2-c_1|\vec b|^2\bigr)}{2D}=\frac{|\vec c|^2(b_1c_2-b_2c_1)}{2D}=\frac{|\vec c|^2}2 $$
となる($|\vec b|^2$ の項は $c_1c_2-c_2c_1=0$ で消える)。よってこの値は 2 式を満たし、解はちょうど 1 つである。
段 4(面積)。原点と $(b_1,b_2)$、$(c_1,c_2)$ を頂点とする三角形の面積は $\frac12|b_1c_2-b_2c_1|$ である(1次変換と行列式:面積の拡大率、靴ひも公式)。よって $|D|$ は面積の $2$ 倍で、$D=0$ は面積が $0$、つまり 3 点が一直線上にあることと同値である。$\square$

公式で外心を求める

ex-cc-first の三角形 $A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(2,4)$ では $\vec b=(6,0)$、$\vec c=(2,4)$ である。

  1. $D=6\cdot4-0\cdot2=24$、$|\vec b|^2=36$、$|\vec c|^2=20$。
  2. $o_1=\frac{36\cdot4-20\cdot0}{48}=\frac{144}{48}=3$。
  3. $o_2=\frac{6\cdot20-2\cdot36}{48}=\frac{120-72}{48}=1$。
    外心は $(3,1)$ で、ex-cc-first と一致する。三角形の面積は $\frac{|D|}2=12$ で、底辺 $6$、高さ $4$ の三角形の面積 $\frac12\cdot6\cdot4=12$ と合う。
反例:3 点が一直線上にあると外心はない

$A(0,0)$、$B(2,0)$、$C(5,0)$ とする。3 点は $x$ 軸の上にある。

  1. $AB$ の垂直二等分線は $x=1$、$BC$ の垂直二等分線は $x=\frac72$。
  2. 2 本はどちらも $y$ 軸に平行で、交わらない。
  3. prop-cc-cramer では $\vec b=(2,0)$、$\vec c=(5,0)$ なので $D=2\cdot0-0\cdot5=0$ で、分母が $0$ になる。
    3 点すべてを通る円は存在しない。thm-cc-main の「一直線上にない」という仮定を外すと、段 1 の「2 本は交わる」が崩れる。

外心の位置:鋭角・直角・鈍角

図1 では、外心は鋭角三角形の内部、直角三角形の斜辺の中点、鈍角三角形の外部にあった。これを 1 つの式で説明する。座標軸を、辺 $AB$ の中点が原点、直線 $AB$ が $x$ 軸、$C$ が $x$ 軸の上側に来るようにとる。長さや角は座標軸のとり方によらないので、このようにとっても一般性は失われない。

外心が辺のどちら側にあるか

$d>0$、$q>0$ として、$A(-d,0)$、$B(d,0)$、$C(p,q)$ を頂点とする三角形 $ABC$ を考える。外心 $O$ は $O(0,k)$ の形で、
$$ k=\frac{p^2+q^2-d^2}{2q}=\frac{\overrightarrow{CA}\cdot\overrightarrow{CB}}{2q} $$
である。したがって次が成り立つ。

  1. $\angle C$ が鋭角なら $k>0$ で、$O$ は直線 $AB$ について $C$ と同じ側にある。
  2. $\angle C$ が直角なら $k=0$ で、$O$ は辺 $AB$ の中点である。
  3. $\angle C$ が鈍角なら $k<0$ で、$O$ は直線 $AB$ について $C$ と反対側にある。
外心の $y$ 座標を計算する

方針:外心は辺 $AB$ の垂直二等分線($y$ 軸)の上にあるので、$O(0,k)$ とおき、$OA=OC$ から $k$ を求める。$k$ の符号を内積の符号と比べる。
段 1($O$ は $y$ 軸上)。$AB$ の中点は原点で、$\overrightarrow{AB}=(2d,0)$ である。def-cc-bisector により $AB$ の垂直二等分線は $2d(x-0)+0\cdot(y-0)=0$、つまり $x=0$ である。thm-cc-main により外心はこの直線の上にあるので、$O(0,k)$ と書ける。
段 2($k$ を求める)。$OA^2=OC^2$ より $d^2+k^2=p^2+(q-k)^2$ である。右辺を展開すると $p^2+q^2-2qk+k^2$ なので、両辺から $k^2$ を引いて $d^2=p^2+q^2-2qk$、つまり $2qk=p^2+q^2-d^2$ である。$q>0$ なので $k=\frac{p^2+q^2-d^2}{2q}$ となる。
段 3(内積で書く)。$\overrightarrow{CA}=(-d-p,\,-q)$、$\overrightarrow{CB}=(d-p,\,-q)$ なので
$$ \overrightarrow{CA}\cdot\overrightarrow{CB}=(-d-p)(d-p)+(-q)(-q)=-(d+p)(d-p)+q^2=p^2-d^2+q^2 $$
である。よって $k=\frac{\overrightarrow{CA}\cdot\overrightarrow{CB}}{2q}$ である。
段 4(符号)。$\overrightarrow{CA}\cdot\overrightarrow{CB}=CA\cdot CB\cos C$ で、$CA>0$、$CB>0$、$q>0$ なので、$k$ の符号は $\cos C$ の符号と同じである。$\angle C$ が鋭角なら $\cos C>0$ で $k>0$、直角なら $k=0$、鈍角なら $k<0$ である。直線 $AB$ は $x$ 軸で、$C$ は上側($y>0$)にあるので、$k>0$ は「$O$ が $C$ と同じ側」、$k<0$ は「反対側」を意味する。$k=0$ のとき $O$ は原点、つまり $AB$ の中点である。$\square$

3 つの場合を数で確かめる

$d=3$、つまり $A(-3,0)$、$B(3,0)$ として、$C$ を 3 通りに選ぶ。

  1. $C(1,4)$:$\overrightarrow{CA}=(-4,-4)$、$\overrightarrow{CB}=(2,-4)$ で内積は $-8+16=8>0$(鋭角)。$k=\frac{8}{2\cdot4}=1$ で、$O(0,1)$ は $C$ と同じ上側にある。確かめ:$OA^2=9+1=10$、$OC^2=1+9=10$。
  2. $C(0,3)$:$\overrightarrow{CA}=(-3,-3)$、$\overrightarrow{CB}=(3,-3)$ で内積は $-9+9=0$(直角)。$k=0$ で、$O$ は $AB$ の中点 $(0,0)$ である。確かめ:$OA=OB=OC=3$。
  3. $C(1,2)$:$\overrightarrow{CA}=(-4,-2)$、$\overrightarrow{CB}=(2,-2)$ で内積は $-8+4=-4<0$(鈍角)。$k=\frac{-4}{2\cdot2}=-1$ で、$O(0,-1)$ は $x$ 軸の下側、つまり $C$ と反対側にある。確かめ:$OA^2=9+1=10$、$OC^2=1+9=10$。

三角形の内部は、「直線 $BC$ について $A$ と同じ側」「直線 $CA$ について $B$ と同じ側」「直線 $AB$ について $C$ と同じ側」の 3 つを同時に満たす点の集まりである。thm-cc-position をどの辺にも使うと、次がわかる。

外心が内部にある条件

三角形 $ABC$ の外心 $O$ について、

  1. 3 つの角がすべて鋭角なら、$O$ は三角形の内部にある。
  2. 1 つの角が直角なら、$O$ はその角の対辺(斜辺)の中点にある。
  3. 1 つの角が鈍角なら、$O$ は三角形の外部にあり、その鈍角の頂点とは対辺について反対側にある。
3 辺それぞれに定理を使う

方針:3 辺それぞれで thm-cc-position を使う。どの辺についても、座標軸をその辺に合わせてとり直せばよい。
段 1(鋭角三角形)。$\angle A$、$\angle B$、$\angle C$ がすべて鋭角とする。thm-cc-position の 1 を、辺 $BC$(向かいの角 $A$)、辺 $CA$(向かいの角 $B$)、辺 $AB$(向かいの角 $C$)に使うと、$O$ はどの辺についても向かいの頂点と同じ側にある。これは $O$ が内部にあるということである。
段 2(直角三角形)。$\angle C=90^\circ$ なら、thm-cc-position の 2 により $O$ は $AB$ の中点である。
段 3(鈍角三角形)。$\angle C$ が鈍角なら、thm-cc-position の 3 により $O$ は直線 $AB$ について $C$ と反対側にある。内部の点は $C$ と同じ側にあるはずなので、$O$ は外部にある。$\square$

直角三角形の外心が斜辺の中点になることは、ex-cc-right で見たとおりである。言いかえると、直角三角形の斜辺は外接円の直径であり、これは「直径に対する円周角は直角」という 円周角の定理(高校数学) の特別な場合の逆にあたる。
thm-cc-position の式からは、外接円の半径と角の関係も出てくる。

正弦定理とのつながり

thm-cc-position の記号で、三角形の面積を $S$ とする。底辺 $AB=2d$、高さ $q$ なので $S=dq$ である。一方、$S=\frac12\,CA\cdot CB\sin C$ でもあるので、$q=\frac{CA\cdot CB\sin C}{2d}$ となる。これを $k=\frac{CA\cdot CB\cos C}{2q}$ に入れると
$$ k=\frac{CA\cdot CB\cos C\cdot 2d}{2\,CA\cdot CB\sin C}=\frac{d\cos C}{\sin C} $$
である。外接円の半径 $R$ は $R^2=OA^2=d^2+k^2$ なので
$$ R^2=d^2\Bigl(1+\frac{\cos^2C}{\sin^2C}\Bigr)=\frac{d^2(\sin^2C+\cos^2C)}{\sin^2C}=\frac{d^2}{\sin^2C} $$
となり、$R=\frac{d}{\sin C}$、つまり $AB=2R\sin C$ を得る。ここまでの議論は辺 $AB$ を $x$ 軸に置いただけで、辺 $AB$ に特別な性質は使っていない。頂点の名前を付け替えて、辺 $BC$ を $x$ 軸に置き $A$ を向かいの頂点にすれば $BC=2R\sin A$、辺 $CA$ を $x$ 軸に置き $B$ を向かいの頂点にすれば $CA=2R\sin B$ が同じように得られる。外接円はただ 1 つなので $R$ はどれも同じで、合わせて
$$ \frac{BC}{\sin A}=\frac{CA}{\sin B}=\frac{AB}{\sin C}=2R $$
となる。これが 正弦定理 である。正弦定理の証明と使い方は 正弦定理(高校数学) で扱う。

正弦定理を数で確かめる

ex-cc-position の 1、$A(-3,0)$、$B(3,0)$、$C(1,4)$ では、$CA=4\sqrt2$、$CB=2\sqrt5$、$\overrightarrow{CA}\cdot\overrightarrow{CB}=8$、外接円の半径は $R=\sqrt{10}$ である。

  1. $\cos C=\frac{8}{4\sqrt2\cdot2\sqrt5}=\frac{8}{8\sqrt{10}}=\frac1{\sqrt{10}}$。
  2. $\sin C=\sqrt{1-\frac1{10}}=\frac3{\sqrt{10}}$($C$ は三角形の角なので $\sin C>0$)。
  3. $2R\sin C=2\sqrt{10}\cdot\frac3{\sqrt{10}}=6$ で、$AB=6$ と一致する。

例と反例

この記事の定理は、どれも仮定を外すと崩れる。

外した仮定・変えたこと崩れる主張ボックス
3 点が一直線上にない外心(3 点を通る円)の存在ex-cc-collinear
距離を三平方の定理で測る(内積から来る距離)2 点から等距離の点の集まりが直線になるex-cc-taxicab
点が 3 個(4 個以上にする)その点をすべて通る円があるex-cc-four
4 点が 1 つの円の上にないVoronoi 図の頂点で出会う領域がちょうど 3 つex-cc-square
反例:縦と横の道のりで測る距離

碁盤の目の街で、縦と横の道だけを通って進む道のりを距離とする。点 $X(x,y)$ と $Y(x',y')$ の距離を $|x-x'|+|y-y'|$ で定める。$P(0,0)$、$Q(2,2)$ から等しい距離にある点を調べる。

  1. $X(1,1)$:$P$ までは $1+1=2$、$Q$ までは $1+1=2$ で等しい。
  2. $X(3,-1)$:$P$ までは $3+1=4$、$Q$ までは $1+3=4$ で等しい。
  3. $X(4,-2)$:$P$ までは $4+2=6$、$Q$ までは $2+4=6$ で等しい。
  4. 一般に $x\ge2$、$y\le0$ の点では、$P$ までは $x+(-y)=x-y$、$Q$ までは $(x-2)+(2-y)=x-y$ で、いつも等しい。
    等距離の点の集まりは、直線ではなく、$x\ge2$、$y\le0$ の広い領域(4 分の 1 の平面)をまるごと含む。変えたこと:距離の測り方。崩れる主張:thm-cc-bisector。lem-cc-difference の証明は、距離の 2 乗が内積 $|\vec u|^2=\vec u\cdot\vec u$ で書けることを使っていた。この距離は内積からは作れない(中線定理(高校数学) で扱う平行四辺形の法則が成り立たない)。
反例:4 点を通る円はふつうない

$A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(2,4)$ を通る円は、thm-cc-main によりただ 1 つで、中心 $(3,1)$、半径 $\sqrt{10}$ である(ex-cc-first)。4 点目 $D(0,3)$ をとると、中心からの距離の 2 乗は $(0-3)^2+(3-1)^2=9+4=13\ne10$ なので、$D$ はこの円の上にない。よって 4 点 $A,B,C,D$ をすべて通る円はない。
3 点で円が 1 つに決まるので、4 点目が円の上に来るのは特別なことである。4 点が 1 つの円の上にある条件は 円周角の定理(高校数学)(円に内接する四角形)や 方べきの定理(高校数学) で扱う。

大学数学で見る:Voronoi 図と Delaunay 三角形分割

地図の上に店が 3 軒あり、客はいちばん近い店に行くとする。平面は「$A$ に行く客の場所」「$B$ に行く客の場所」「$C$ に行く客の場所」の 3 つに分かれる。この分け方の境目は垂直二等分線の一部であり、3 つが出会う点が外心である。この節では、点が何個あっても使える形でこれを定式化する。

点の集まりの Voronoi 領域

平面の有限個の異なる点 $P_1,P_2,\dots,P_n$($n\ge2$)を考える。これらを 母点 という。母点 $P_i$ の Voronoi 領域 $V(P_i)$ を、平面の点 $X$ のうち
$$ XP_i\le XP_j\qquad(j=1,2,\dots,n) $$
をすべて満たすものの集まり、つまり「$P_i$ がいちばん近い母点である点(同点を含む)」の集まりとする。平面を Voronoi 領域に分けた図を Voronoi 図 という。

$V(P_i)$ は、$j\ne i$ ごとの「$XP_i\le XP_j$ となる側」の共通部分である。thm-cc-bisector により、それぞれは線分 $P_iP_j$ の垂直二等分線で区切られた $P_i$ の側(境界の直線を含む)である。

3 点の Voronoi 図の境目を計算する

母点 $A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(2,4)$(ex-cc-first の三角形。外心は $O(3,1)$)で、$V(A)$ と $V(B)$ の境目を求める。

  1. 境目の点は $XA=XB$ を満たすので、$AB$ の垂直二等分線 $x=3$ の上にある。$O(3,1)$ から $x=3$ に沿って進む点を $X=(3,\,1-t)$ と書く。
  2. 境目の点は $XA\le XC$ も満たす。lem-cc-difference を $P=A$、$Q=C$、中点 $(1,2)$ で使うと $XA^2-XC^2=2\bigl((3,1-t)-(1,2)\bigr)\cdot(2,4)=2\bigl(2\cdot2+4(-1-t)\bigr)=-8t$ である。
  3. $-8t\le0$ は $t\ge0$ と同じなので、境目は $O$ から真下に向かう半直線 $\{(3,1-t):t\ge0\}$ である。
    同じ計算で、$V(A)$ と $V(C)$ の境目は $O$ から向き $(-2,1)$ に進む半直線($AC$ の垂直二等分線 $x+2y=5$ の一部)、$V(B)$ と $V(C)$ の境目は $O$ から向き $(1,1)$ に進む半直線($BC$ の垂直二等分線 $y=x-2$ の一部)である(図2)。

母点 !FORMULA[625][1360680324][0]、!FORMULA[626][-2041242165][0]、!FORMULA[627][-1157428724][0] の Voronoi 図。色は「いちばん近い母点」で塗り分けてあり、3 本の境目(垂直二等分線の半直線)が外心 !FORMULA[628][903601494][0] で出会い、!FORMULA[629][37081][0] を中心とする外接円(破線)が 3 つの母点を通ることを見る図。 母点 $A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(2,4)$ の Voronoi 図。色は「いちばん近い母点」で塗り分けてあり、3 本の境目(垂直二等分線の半直線)が外心 $O(3,1)$ で出会い、$O$ を中心とする外接円(破線)が 3 つの母点を通ることを見る図。

3 つの母点の Voronoi 図

一直線上にない 3 つの母点 $A,B,C$ の Voronoi 図について、$O$ を三角形 $ABC$ の外心とする。

  1. 3 つの領域すべてに属する点は $O$ だけである。
  2. $V(A)$ と $V(B)$ の両方に属する点の集まりは、辺 $AB$ の垂直二等分線の上にあって $O$ を端点とする半直線である。ほかの 2 組についても同じである。
垂直二等分線の上で 1 次式の符号を見る

方針:「両方の領域に属する」を距離の等式と不等式に書き直し、thm-cc-bisector と lem-cc-difference を使う。
段 1(3 つとも)。$X$ が 3 つの領域すべてに属するとする。$X\in V(A)$ から $XA\le XB$、$X\in V(B)$ から $XB\le XA$ なので $XA=XB$ である。同じく $XB=XC$ である。thm-cc-bisector により $X$ は $AB$ と $BC$ の垂直二等分線の交点で、thm-cc-main の証明の段 1 によりその点は $O$ だけである。逆に $OA=OB=OC$ なので、$O$ は 3 つの領域すべてに属する。
段 2(2 つの領域)。$X\in V(A)$ かつ $X\in V(B)$ であることは、段 1 と同じ理由で「$XA=XB$ かつ $XA\le XC$」と同値である(このとき $XB=XA\le XC$ も成り立つ)。$XA=XB$ は、$X$ が $AB$ の垂直二等分線 $\ell$ の上にあることと同値である。
段 3($\ell$ の上の 1 次式)。$\ell$ の向きのベクトル $\vec e\ne\vec0$ をとり、$\ell$ の点を $\vec x=\vec o+t\vec e$ と書く。$AC$ の中点を $N$ とすると、lem-cc-difference により
$$ XA^2-XC^2=2(\vec o+t\vec e-\vec n)\cdot(\vec c-\vec a)=2(\vec o-\vec n)\cdot(\vec c-\vec a)+2t\,\vec e\cdot(\vec c-\vec a) $$
である。$OA=OC$ なので $t=0$ のとき左辺は $0$ であり、右辺の第 1 項は $0$ である。よって $XA^2-XC^2=2t\,\vec e\cdot(\vec c-\vec a)$ である。
段 4(係数は $0$ でない)。$\vec e\cdot(\vec c-\vec a)=0$ とすると、$\vec e$ は $\vec b-\vec a$($\ell$ は $AB$ に垂直)とも $\vec c-\vec a$ とも垂直になる。平面で 1 つの向き $\vec e$ に垂直なベクトルはすべて互いに平行なので、$\vec b-\vec a$ と $\vec c-\vec a$ は平行で、$A,B,C$ は一直線上にある。これは仮定に反する。
段 5(結論)。段 3・段 4 から、$XA\le XC$ は $t\,\vec e\cdot(\vec c-\vec a)\le0$ と同値で、$\vec e\cdot(\vec c-\vec a)$ の符号に応じて $t\le0$ か $t\ge0$ のどちらかになる。どちらの場合も、それを満たす $\ell$ の点は $O$($t=0$)を端点とする半直線である。$\square$

点が 4 個以上になると、Voronoi 図の頂点(3 つ以上の領域が出会う点)が何個もできる。どの 3 つの母点の外心が頂点になるかは、外接円の中を見ればわかる。

空の円の性質

母点 $P_1,\dots,P_n$ のうち、一直線上にない 3 つを $A,B,C$ とし、三角形 $ABC$ の外心を $O$、外接円の半径を $R$ とする。次の 2 つは同値である。

  1. $O$ は $V(A)$、$V(B)$、$V(C)$ のすべてに属する。
  2. どの母点も、三角形 $ABC$ の外接円の内部(中心からの距離が $R$ より小さい部分)にない。
定義を書き直す

方針:def-cc-voronoi の不等式を、外接円の半径 $R$ との比較に書き直す。
段 1(1 から 2)。$O\in V(A)$ なので、どの母点 $P_j$ についても $OA\le OP_j$ である。$OA=R$ なので $OP_j\ge R$ で、$P_j$ は外接円の内部にない。
段 2(2 から 1)。2 を仮定すると、どの母点 $P_j$ についても $OP_j\ge R$ である。thm-cc-main により $OA=OB=OC=R$ なので、$OA\le OP_j$、$OB\le OP_j$、$OC\le OP_j$ がすべての $j$ で成り立つ。これは $O\in V(A)$、$O\in V(B)$、$O\in V(C)$ ということである。$\square$

4 つの母点で空の円を調べる

母点を $A(0,0)$、$B(4,0)$、$C(5,3)$、$D(0,3)$ とする。4 通りの 3 点の組の外接円を調べる。

  1. 三角形 $ABD$:$\angle A=90^\circ$ なので、外心は斜辺 $BD$ の中点 $(2,\frac32)$、$R^2=2^2+\bigl(\frac32\bigr)^2=\frac{25}4$。残りの $C$ までの距離の 2 乗は $3^2+\bigl(\frac32\bigr)^2=\frac{45}4>\frac{25}4$ で、$C$ は円の外。
  2. 三角形 $BCD$:外心は $\bigl(\frac52,\frac{13}6\bigr)$ で、$R^2=\bigl(\frac32\bigr)^2+\bigl(\frac{13}6\bigr)^2=\frac{250}{36}=\frac{125}{18}$。$A$ までの距離の 2 乗は $\bigl(\frac52\bigr)^2+\bigl(\frac{13}6\bigr)^2=\frac{394}{36}=\frac{197}{18}>\frac{125}{18}$ で、$A$ は円の外。
  3. 三角形 $ABC$:外心は $\bigl(2,\frac73\bigr)$ で、$R^2=4+\frac{49}9=\frac{85}9$。$D$ までの距離の 2 乗は $4+\frac49=\frac{40}9<\frac{85}9$ で、$D$ は円の内部。
  4. 三角形 $ACD$:外心は $\bigl(\frac52,\frac32\bigr)$ で、$R^2=\frac{25}4+\frac94=\frac{17}2$。$B$ までの距離の 2 乗は $\frac94+\frac94=\frac92<\frac{17}2$ で、$B$ は円の内部。
    prop-cc-empty により、Voronoi 図の頂点になるのは 1 と 2 の外心だけである。外接円が空になる三角形 $ABD$ と $BCD$ で四角形 $ABCD$ を分けると、対角線は $BD$ になる。

2 の外心は、$BC$ と $CD$ の垂直二等分線から求めた。$CD$ は $y=3$ の上にあるので垂直二等分線は $x=\frac52$、$BC$ の中点は $\bigl(\frac92,\frac32\bigr)$ で $\overrightarrow{BC}=(1,3)$ なので垂直二等分線は $(x-\frac92)+3(y-\frac32)=0$ である。$x=\frac52$ を入れて $3y=\frac{13}2$、$y=\frac{13}6$ となる。

反例:円の上に 4 つの母点がある場合

母点を正方形の頂点 $A(0,0)$、$B(2,0)$、$C(2,2)$、$D(0,2)$ とする。中心 $(1,1)$ から 4 点までの距離の 2 乗はどれも $1+1=2$ で、4 点は 1 つの円の上にある。

  1. 三角形 $ABC$ の外心は $(1,1)$ で、$D$ は外接円の上(内部ではない)にある。prop-cc-empty により $(1,1)$ は Voronoi 図の頂点である。
  2. 点 $(1,1)$ は 4 つの領域 $V(A)$、$V(B)$、$V(C)$、$V(D)$ のすべてに属する。4 つの領域が 1 点で出会う。
  3. 四角形を空の円をもつ三角形に分ける方法は、対角線 $AC$ で分けても $BD$ で分けてもよく、1 通りに決まらない。
    外した仮定:4 点が 1 つの円の上にないこと。崩れる主張:Voronoi 図の頂点で出会う領域がちょうど 3 つであること、三角形への分け方がただ 1 つであること。
Delaunay 三角形分割

ex-cc-empty のように、母点を頂点とし、外接円の内部に母点を含まない三角形で母点の凸包(すべての母点を含む最小の凸多角形)を分けたものを Delaunay 三角形分割 という。母点のどの 3 点も一直線上になく、どの 4 点も 1 つの円の上にないとき、Delaunay 三角形分割はただ 1 つあり、その三角形の外心が Voronoi 図の頂点とちょうど対応する(BCKO08。本記事では証明しない)。ex-cc-square は、4 点が 1 つの円の上にあるとこの一意性が崩れることを示している。
Delaunay 三角形分割は、三角形の最小の角をできるだけ大きくする分け方でもある(BCKO08。本記事では証明しない)。細長い三角形を避けたい場面、たとえば地形の標高データから曲面を作るときや、有限要素法で方程式を数値的に解くための網目を作るときに使われる。外心は、こうした計算幾何の基本の道具になっている。

ばらばらに置いた 14 個の母点(黒)の Voronoi 図(青)と Delaunay 三角形分割(灰色の破線)。赤い円は Delaunay 三角形の外接円の例で、どの母点も内部に含まず、中心(赤い点)が Voronoi 図の頂点になっていることを見る図。 ばらばらに置いた 14 個の母点(黒)の Voronoi 図(青)と Delaunay 三角形分割(灰色の破線)。赤い円は Delaunay 三角形の外接円の例で、どの母点も内部に含まず、中心(赤い点)が Voronoi 図の頂点になっていることを見る図。

数学オリンピックの問題から

2007 年第 4 問:角の二等分線と垂直二等分線

角の二等分線の上に、2 本の垂直二等分線との交点と外接円との交点が並ぶ問題である。prop-cc-cramer と同じく「垂直二等分線の式 $\vec x\cdot\vec b=\frac{|\vec b|^2}2$」を使うと、3 つの点の位置が長さの式で書ける。

国際数学オリンピック(2007 年)第 4 問

三角形 $ABC$ で、角 $BCA$ の二等分線が外接円と再び交わる点を $R$、辺 $BC$ の垂直二等分線と交わる点を $P$、辺 $AC$ の垂直二等分線と交わる点を $Q$ とする。辺 $BC$ の中点を $K$、辺 $AC$ の中点を $L$ とする。三角形 $RPK$ と三角形 $RQL$ の面積が等しいことを示せ。
出典:国際数学オリンピック(2007 年)第 4 問(Oly07)。和訳は本記事による。

高校数学で解く

方針:$C$ を原点にとり、角の二等分線の向きの単位ベクトルを $\vec u$ とする。$P,Q,R$ は $\vec u$ の実数倍で表せるので、その倍率($C$ からの距離)を求める。面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」で比べる。
段 1(記号)。$a=BC$、$b=CA$、$\gamma=\angle BCA$ とし、$\theta=\frac\gamma2$ とおく。$0<\gamma<180^\circ$ なので $0<\theta<90^\circ$ で、$\cos\theta>0$ である。$C$ を原点とし、$\vec v=\overrightarrow{CB}$、$\vec w=\overrightarrow{CA}$ とする($|\vec v|=a$、$|\vec w|=b$)。二等分線上の点は $t\vec u$($t$ は実数)と書ける。$\vec u$ と $\vec v$、$\vec u$ と $\vec w$ のなす角はどちらも $\theta$ なので、内積の定義 $\vec u\cdot\vec v=|\vec u||\vec v|\cos\theta$ に $|\vec u|=1$ を入れて
$$ \vec u\cdot\vec v=a\cos\theta,\qquad \vec u\cdot\vec w=b\cos\theta $$
である。
段 2($P$)。$C$ は原点なので、prop-cc-cramer の段 1 と同じく、$BC$ の垂直二等分線は $\vec x\cdot\vec v=\frac{|\vec v|^2}2=\frac{a^2}2$ である。$\vec x=t\vec u$ を入れると $t\,a\cos\theta=\frac{a^2}2$ なので、$CP=t=\frac{a}{2\cos\theta}$ である。
段 3($Q$)。同じく $AC$ の垂直二等分線は $\vec x\cdot\vec w=\frac{b^2}2$ で、$t\,b\cos\theta=\frac{b^2}2$ より $CQ=\frac{b}{2\cos\theta}$ である。
段 4($R$)。2 つの単位ベクトルの和 $\frac{\vec v}a+\frac{\vec w}b$ は、ひし形の対角線なので角 $C$ を二等分する向きを向く。よって $\vec u=\lambda\Bigl(\frac{\vec v}a+\frac{\vec w}b\Bigr)$($\lambda>0$)と書ける。段 1 の 2 式をそれぞれ $a$、$b$ で割って足すと
$$ \vec u\cdot\Bigl(\frac{\vec v}a+\frac{\vec w}b\Bigr)=2\cos\theta $$
である。左辺は $\vec u\cdot\frac{\vec u}{\lambda}=\frac{|\vec u|^2}\lambda=\frac1\lambda$ なので、$\lambda=\frac1{2\cos\theta}$ である。外心 $O$ は 2 本の垂直二等分線の上にあるので $\vec o\cdot\vec v=\frac{a^2}2$、$\vec o\cdot\vec w=\frac{b^2}2$ であり、
$$ \vec o\cdot\vec u=\lambda\Bigl(\frac{\vec o\cdot\vec v}a+\frac{\vec o\cdot\vec w}b\Bigr)=\lambda\Bigl(\frac a2+\frac b2\Bigr)=\frac{a+b}{4\cos\theta} $$
である。点 $t\vec u$ が外接円の上にある条件は $|t\vec u-\vec o|^2=|\vec o|^2$(半径は $OC=|\vec o|$)で、左辺を展開すると $t^2-2t\,\vec o\cdot\vec u+|\vec o|^2$ なので、条件は $t^2-2t\,\vec o\cdot\vec u=0$ である。$t=0$ は $C$ なので、$R$ は $t=2\,\vec o\cdot\vec u$ の点で、
$$ CR=\frac{a+b}{2\cos\theta} $$
である。
段 5(長さ)。段 2〜4 から $0< CP< CR$、$0< CQ< CR$ で、
$$ RP=CR-CP=\frac{b}{2\cos\theta},\qquad RQ=CR-CQ=\frac{a}{2\cos\theta} $$
である。
段 6(高さ)。$K$ は半直線 $CB$ の上で $CK=\frac a2$ の点で、$CK$ と二等分線のなす角は $\theta$ である。よって $K$ から直線 $CR$ までの距離は $\frac a2\sin\theta$ である。同じく $L$ から直線 $CR$ までの距離は $\frac b2\sin\theta$ である。
段 7(面積)。三角形 $RPK$ は底辺 $RP$ が直線 $CR$ の上にあるので、面積は
$$ \frac12\cdot RP\cdot\frac a2\sin\theta=\frac12\cdot\frac{b}{2\cos\theta}\cdot\frac a2\sin\theta=\frac{ab\sin\theta}{8\cos\theta} $$
である。三角形 $RQL$ の面積も同じく $\frac12\cdot\frac{a}{2\cos\theta}\cdot\frac b2\sin\theta=\frac{ab\sin\theta}{8\cos\theta}$ で、2 つは等しい。$\square$

国際数学オリンピック(2007 年)第 4 問の図。角 !FORMULA[883][36709][0] の二等分線の上に !FORMULA[884][37143][0]、!FORMULA[885][37112][0]、!FORMULA[886][37174][0] が並び、塗った 2 つの三角形 !FORMULA[887][35768859][0] と !FORMULA[888][35769851][0] の面積が等しいことを見る図。!FORMULA[889][37112][0] と !FORMULA[890][37143][0] はそれぞれ辺 !FORMULA[891][1138015][0]、!FORMULA[892][1137054][0] の垂直二等分線(破線)の上にある。 国際数学オリンピック(2007 年)第 4 問の図。角 $C$ の二等分線の上に $Q$、$P$、$R$ が並び、塗った 2 つの三角形 $RPK$ と $RQL$ の面積が等しいことを見る図。$P$ と $Q$ はそれぞれ辺 $BC$、$AC$ の垂直二等分線(破線)の上にある。

直角三角形で確かめる

$C(0,0)$、$B(4,0)$、$A(0,2)$ とする。$\angle C=90^\circ$ で、二等分線は $y=x$ である。

  1. $BC$ の垂直二等分線 $x=2$ との交点は $P(2,2)$、$AC$ の垂直二等分線 $y=1$ との交点は $Q(1,1)$。
  2. 外心は斜辺 $AB$ の中点 $O(2,1)$(cor-cc-inside の 2)、半径 $\sqrt5$。$(t-2)^2+(t-1)^2=5$ を解くと $2t^2-6t=0$ で、$t\ne0$ から $t=3$、$R(3,3)$。
  3. $K(2,0)$、$L(0,1)$。三角形 $RPK$ は $P$ と $K$ が縦の直線 $x=2$ の上にあり、底辺 $PK=2$、$R$ までの高さ $1$ なので面積 $1$。三角形 $RQL$ は $Q$ と $L$ が横の直線 $y=1$ の上にあり、底辺 $QL=1$、$R$ までの高さ $2$ なので面積 $1$。
    公式でも、$a=4$、$b=2$、$\theta=45^\circ$ で $\frac{ab\sin\theta}{8\cos\theta}=\frac{8\cdot1}{8}=1$ である。
大学数学で見ると

段 5 から $RP=CQ$、$RQ=CP$ である。つまり、線分 $CR$ の中点と線分 $PQ$ の中点は一致する(ex-cc-oly07-check ではどちらも $\bigl(\frac32,\frac32\bigr)$)。これは次の対称性で説明できる。
弦 $CR$ の垂直二等分線を $m$ とすると、$m$ は円の中心 $O$ を通る(ex-cc-chord の前の段落)。$m$ についての折り返し(鏡映)$\sigma$ は外接円を外接円に移し、$C$ と $R$ を入れかえ、直線 $CR$ を自分自身に移す。さらに、直線 $CB$ と直線 $CA$ は直線 $CR$ についての折り返しで互いに移り合う。$OP\perp CB$、$OQ\perp CA$ なので、直線 $OP$ と直線 $OQ$ の向きも $CR$ についての折り返しで移り合い、どちらも直線 $CR$ と角 $90^\circ-\theta$ をなして左右逆に傾く。よって $a\ne b$ のとき、三角形 $OPQ$ は $PQ$ を底辺とする二等辺三角形で($a=b$ なら $P=Q=O$)、$O$ から $CR$ に下ろした垂線の足、つまり $m$ と $CR$ の交点が $PQ$ の中点になり、$\sigma$ は $P$ と $Q$ も入れかえる。
長さを保つ変換(合同変換)のうち円を自分に移すものは、回転と鏡映からなる群をつくる(回転・鏡映と行列の群)。この問題は、その群の 1 つの鏡映が「$C\leftrightarrow R$、$P\leftrightarrow Q$」と点を入れかえることの帰結である。面積のほうは、底辺を直線 $CR$ の上にとると高さが固定されるので、面積は底辺の長さの 1 次式になる。向きつきの面積が 2 つのベクトルの行列式で、各ベクトルについて 1 次式(線形)であること(1次変換と行列式:面積の拡大率)の、ごく簡単な場合である。
ex-cc-oly07-check では $\overrightarrow{CR}=(3,3)=(2,2)+(1,1)=\overrightarrow{CP}+\overrightarrow{CQ}$ である。一般にも段 5 から $CR=CP+CQ$ で、3 点は同じ半直線の上にあるので $\overrightarrow{CR}=\overrightarrow{CP}+\overrightarrow{CQ}$ が成り立つ。

さらに先へ

  • 外心 $O$・重心 $G$・垂心 $H$ は一直線上にあり、正三角形でないとき $OG:GH=1:2$ である(正三角形では $O=G=H$ となり、比は意味をなさない。Euler線)。外心を原点にとると垂心は $\vec a+\vec b+\vec c$ になる(三角形の垂心)。
  • 空間の 4 点(同じ平面の上にない)を通る球はただ 1 つあり、その中心は 6 本の辺の垂直二等分面の共通の点である(四面体の外接球と内接球)。この記事の証明は「垂直二等分線」を「垂直二等分面」に取りかえればそのまま使える。
  • Voronoi 図と Delaunay 三角形分割は、3 次元以上でも同じように定義され、計算幾何学の基本の構造になっている(Voronoi図、Delaunay三角形分割、BCKO08)。

関連項目

参考文献

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