核型空間(nuclear space)とは、局所凸空間 $E$ であって、任意の連続な半ノルム $p$ に対し、より強い連続な半ノルム $q$ を適当にとると、半ノルムから作った Banach 空間の間の自然な写像 $E_q\to E_p$ が核型作用素(ランク 1 の作用素の絶対収束する和)になるもののことである。Hilbert 的な半ノルムの間の写像が Hilbert–Schmidt 作用素であれば核型になり、急減少数列の空間、円周上の滑らかな関数の空間、正則関数の空間はこの判定で核型と分かる。核型な Fréchet 空間の有界集合は相対コンパクトであり、無限次元のノルム空間は核型でない。Schwartz の核定理を一般化する枠組みとして Grothendieck が導入した。
前提知識: 位相ベクトル空間, Fréchet空間, Hilbert–Schmidt作用素, コンパクト作用素
滑らかな関数や正則関数の空間は、可算個の半ノルムで位相が決まる Fréchet空間 である。これらの空間では、強い半ノルムで有界な集合が、1 段弱い半ノルムで測るとコンパクトになるだけでなく、さらに「小さく」なる。円周上の滑らかな関数なら、微分の階数を 1 つ上げた半ノルムで押さえると Fourier 係数が $1/|m|$ だけ速く減る。この性質を、半ノルムから作った Banach 空間の間の写像が 核型作用素(ランク 1 の作用素の絶対収束する和)であることとして定式化したものが 核型空間(nuclear space)である。
核型空間は Grothendieck が、どんな空間 $F$ との射影テンソル積と単射テンソル積も一致する空間として導入した。Schwartzの核定理 はこの一致の現れであり、核型空間の理論はそれを一般の空間へ広げる。この記事では、核型空間を半ノルムの間の写像で定義し、Hilbert 空間の半ノルムで判定する方法(thm-nuc-hilbert)を示して、急減少数列の空間、円周上の滑らかな関数の空間、正則関数の空間が核型であることを証明する(thm-nuc-examples)。また核型 Fréchet 空間の有界集合は相対コンパクトであり、無限次元のノルム空間は核型でないことを示す(thm-nuc-montel)。
係数体は $\mathbb{R}$ または $\mathbb{C}$ とする。局所凸空間 は 位相ベクトル空間 の定理「局所凸性と半ノルム族」の意味で、Hausdorff とする。$E$ を局所凸空間、$p$ を $E$ 上の連続な半ノルムとする。$N_p:=\{x\mid p(x)=0\}$ とおくと、$p$ は $E/N_p$ 上のノルムになる。その完備化を $E_p$ と書き、$\pi_p\colon E\to E_p$ を自然な写像とする。連続な半ノルム $q$ が定数 $C$ について $p\le Cq$ を満たせば、$N_q\subset N_p$ であり、$E/N_q\to E/N_p$ はノルム $C$ 以下の線形写像なので、有界線形写像
$$
\iota_{p,q}\colon E_q\to E_p,\qquad\iota_{p,q}\circ\pi_q=\pi_p
$$
に延びる。$E_p$ を $p$ の 局所 Banach 空間 という。
$B_1,B_2$ を Banach 空間とする。線形写像 $T\colon B_1\to B_2$ が 核型(nuclear)であるとは、$B_1$ 上の連続線形汎関数 $\varphi_k$ と $y_k\in B_2$($k=1,2,\dots$)で
$$
\sum_k\|\varphi_k\|\,\|y_k\|< \infty,\qquad Tx=\sum_k\varphi_k(x)\,y_k\quad(x\in B_1)
$$
となるものがあることをいう。
右辺の級数は絶対収束し、$\|T\|\le\sum_k\|\varphi_k\|\|y_k\|$ である。$R,S$ が有界線形写像なら $STR=\sum_k(\varphi_k\circ R)\otimes Sy_k$ も核型である。核型作用素は有限階作用素 $\sum_{k\le n}\varphi_k\otimes y_k$ の作用素ノルムでの極限なので、コンパクト作用素 の定理「コンパクト作用素の全体は閉じたイデアル」の 2 によりコンパクトである。
局所凸空間 $E$ が 核型空間(nuclear space)であるとは、$E$ 上の任意の連続な半ノルム $p$ に対し、連続な半ノルム $q\ge p$ で $\iota_{p,q}\colon E_q\to E_p$ が核型であるものがあることをいう。
$q\ge p$ の代わりに $p\le Cq$ としても同じである($q$ を $\max(p,Cq)$ に替えて、有界な写像と合成すればよい)。
半ノルム $p$ が Hilbert 的 であるとは、$E$ 上の半正定値な Hermite 形式 $h$ によって $p(x)=h(x,x)^{1/2}$ と書けることをいう。このとき $E/N_p$ は内積空間で、$E_p$ は Hilbert 空間になる。
$H_1,H_2,H_3$ を Hilbert 空間、$A\colon H_1\to H_2$、$B\colon H_2\to H_3$ を Hilbert–Schmidt作用素 とする。このとき $BA$ は核型であり、$\sum_k\|\varphi_k\|\|y_k\|\le\|A\|_{\mathrm{HS}}\|B\|_{\mathrm{HS}}$ となる表示がとれる。
$(e_i)$ を $H_2$ の正規直交基底とする。$x\in H_1$ について $Ax=\sum_i\langle Ax,e_i\rangle e_i$ であり、$B$ は連続なので
$$
BAx=\sum_i\langle Ax,e_i\rangle Be_i=\sum_i\langle x,A^*e_i\rangle Be_i
$$
である。$\varphi_i(x):=\langle x,A^*e_i\rangle$ とおくと $\|\varphi_i\|=\|A^*e_i\|$ であり、Cauchy–Schwarz の不等式と Hilbert–Schmidt作用素 の命題「基底によらないことと随伴」により
$$
\sum_i\|A^*e_i\|\,\|Be_i\|\le\Bigl(\sum_i\|A^*e_i\|^2\Bigr)^{1/2}\Bigl(\sum_i\|Be_i\|^2\Bigr)^{1/2}=\|A\|_{\mathrm{HS}}\|B\|_{\mathrm{HS}}< \infty
$$
となる。項が $0$ でない $i$ は可算個なので、これは def-nuc-operator の表示である。$\square$
$E$ を局所凸空間、$\mathcal{P}$ を Hilbert 的な連続半ノルムの族とし、次の 2 条件を仮定する。
$r$ を連続な半ノルムとし、1 により $r\le Cp$($p\in\mathcal{P}$)とする。2 を 2 回使って $p\le q\le s$($q,s\in\mathcal{P}$)で $\iota_{p,q}$、$\iota_{q,s}$ が Hilbert–Schmidt 作用素であるものをとる。$\iota_{p,s}=\iota_{p,q}\circ\iota_{q,s}$ は lem-nuc-hs により核型である。$r\le Cs$ なので $\iota_{r,s}=\iota_{r,p}\circ\iota_{p,s}$ は核型作用素と有界な写像の合成として核型であり、def-nuc-space の後の注意により $E$ は核型である。$\square$
逆に、核型空間の位相は Hilbert 的な半ノルムで定まる(Sch54a Proposition 4、pp. 5–6)。この記事では証明しない。
次の空間は核型空間である。
どれも thm-nuc-hilbert を、増大する Hilbert 的なノルムまたは半ノルムの列 $p_1\le p_2\le\cdots$ に使う。この列が位相を定めれば条件 1 は満たされるので、各 $k$ について $\iota_{p_k,p_l}$ が Hilbert–Schmidt 作用素になる $l$ を見つければよい。
1.$H_k:=\{x\mid\|x\|_k< \infty\}$ は重みつき $\ell^2$ 空間で Hilbert 空間である。有限個の項だけが $0$ でない列は $s$ に属し $H_k$ で稠密なので、$s$ の局所 Banach 空間は $H_k$ で、$\iota_{k,k+1}$ は包含写像 $H_{k+1}\to H_k$ である。$e_n$ を第 $n$ 項だけが $1$ の列とすると、$u_n:=n^{-(k+1)}e_n$ は $H_{k+1}$ の正規直交基底で、$\|u_n\|_k=n^{-1}$ だから $\sum_n\|u_n\|_k^2=\sum_nn^{-2}< \infty$ である。
2.$f\in C^\infty(\mathbb{T})$ の Fourier 係数を $\hat f(m)=\frac1{2\pi}\int_{-\pi}^{\pi}f(x)e^{-imx}dx$ とし、$h_k(f):=\bigl(\sum_{m\in\mathbb{Z}}(1+m^2)^k|\hat f(m)|^2\bigr)^{1/2}$ とおく。部分積分により $\widehat{f^{(j)}}(m)=(im)^j\hat f(m)$ である。$(1+m^2)^k=\sum_{j\le k}\binom kjm^{2j}$ と Parsevalの等式 の定理「Riemann 積分可能な関数の Parseval の等式」の 2 から
$$
h_k(f)^2=\sum_{j\le k}\binom kj\frac1{2\pi}\int_{-\pi}^{\pi}|f^{(j)}|^2dx\le2^k\max_{j\le k}\sup|f^{(j)}|^2
$$
である。逆に Cauchy–Schwarz の不等式から $\sum_m|m|^j|\hat f(m)|\le h_{j+1}(f)\bigl(\sum_m(1+m^2)^{-1}\bigr)^{1/2}$ であり、$f^{(j)}$ の Fourier 級数は一様に絶対収束する。その和は $f^{(j)}$ と同じ Fourier 係数をもつ連続関数なので、同記事の系「係数による一意性」により $f^{(j)}$ に等しい。よって $\sup|f^{(j)}|\le Ch_{j+1}(f)$ であり、$(h_k)$ は同じ位相を定める。$f\mapsto(\hat f(m))_m$ は $h_k$ について等長で、像は有限個の項だけが $0$ でない列(三角多項式の係数)を含むから、局所 Banach 空間は $\{a\mid\sum_m(1+m^2)^k|a_m|^2< \infty\}$ と同一視され、$\iota_{h_k,h_{k+1}}$ は包含写像になる。正規直交基底 $(1+m^2)^{-(k+1)/2}e_m$ について $\sum_m\|(1+m^2)^{-(k+1)/2}e_m\|_{h_k}^2=\sum_m(1+m^2)^{-1}< \infty$ である。
3.相対コンパクトな開集合 $U_1\subset U_2\subset\cdots$ で、$\overline{U_j}\subset U_{j+1}$、$\bigcup_jU_j=U$ となるものをとり(正則凸包 の補題「コンパクト集合による取り尽くし」の $L_j$ の内部をとればよい)、
$$
q_j(f):=\Bigl(\int_{U_j}|f|^2\,d\lambda\Bigr)^{1/2}
$$
とおく($\lambda$ は $\mathbb{C}^n=\mathbb{R}^{2n}$ の Lebesgue 測度)。$q_j$ は Hilbert 的で $q_j\le q_{j+1}$ である。$r_j>0$ を、$\overline{U_j}$ の各点を中心とする半径 $r_j$ の閉球が $U_{j+1}$ に含まれるようにとる($\overline{U_j}$ はコンパクトで $U_{j+1}$ に含まれる)。正則関数の実部と虚部は $\mathbb{R}^{2n}$ の調和関数なので、調和関数の平均値の性質 の定理「平均値の性質」と Cauchy–Schwarz の不等式により、$z\in\overline{U_j}$、$f\in\mathcal{O}(U)$ について
$$
|f(z)|=\Bigl|\frac{1}{\lambda(B)}\int_{B(z,r_j)}f\,d\lambda\Bigr|\le\lambda(B)^{-1/2}q_{j+1}(f)=:c_jq_{j+1}(f)
$$
となる(平均値による評価。$\lambda(B)$ は半径 $r_j$ の球の体積)。$q_j(f)\le\lambda(U_j)^{1/2}\sup_{\overline{U_j}}|f|$ と平均値による評価、およびコンパクト集合がある $U_j$ に含まれることから、$(q_j)$ はコンパクト一様収束の位相を定める。
局所 Banach 空間 $H_j$ は、$\{f|_{U_j}\mid f\in\mathcal{O}(U)\}$ の $L^2(U_j)$ での閉包と同一視され、$\iota_{q_j,q_{j+1}}$ は $U_j$ への制限である。$(e_i)$ を可分な Hilbert 空間 $H_{j+1}$ の正規直交基底とする。平均値による評価により、$\mathcal{O}(U)$ の関数で $L^2(U_{j+1})$ の中で $e_i$ に近づく列は $\overline{U_j}$ の上で一様 Cauchy なので、$e_i$ の $U_j$ への制限は連続な代表 $\tilde e_i$ をもち、有限和について $\bigl|\sum_ia_i\tilde e_i(z)\bigr|\le c_j\bigl(\sum_i|a_i|^2\bigr)^{1/2}$($z\in U_j$)が成り立つ。$a_i:=\overline{\tilde e_i(z)}$($i\le N$)とおくと $\sum_{i\le N}|\tilde e_i(z)|^2\le c_j\bigl(\sum_{i\le N}|\tilde e_i(z)|^2\bigr)^{1/2}$、すなわち $\sum_{i\le N}|\tilde e_i(z)|^2\le c_j^2$ である。単調収束定理 により
$$
\sum_i\|\iota(e_i)\|^2_{H_j}=\int_{U_j}\sum_i|\tilde e_i|^2\,d\lambda\le c_j^2\,\lambda(U_j)< \infty
$$
となり、$\iota_{q_j,q_{j+1}}$ は Hilbert–Schmidt 作用素である。$\square$
3 の証明は、Bergman空間 の再生核(Bergman 核)が対角線上で局所有界であることの言い換えになっている。Gro52 第 II 章 n° 3 の系(p. 102)は、複素多様体上の正則関数の空間が核型であることを述べている。同じ系と Sch54b の例(pp. 4–5)により、Schwartz 空間 $\mathcal{S}(\mathbb{R}^d)$(Schwartz空間)、開集合 $\Omega\subset\mathbb{R}^d$ 上の $C^\infty(\Omega)$ と試験関数の空間 $\mathcal{D}(\Omega)$、およびそれらの双対である超関数の空間(超関数)も核型である。これらはこの記事では証明しない。部分空間・商空間・任意個の直積・可算個の直和について核型性が保たれることも知られている(Gro52 第 II 章 Théorème 3、p. 102、Sch54b Proposition 4–7、pp. 1–3)。
$E$ を核型な Fréchet 空間とする。$E$ の有界集合は相対コンパクトである。
$E$ の位相を定める連続な半ノルムの増大列 $p_1\le p_2\le\cdots$ をとり(Fréchet空間 の定理「可算個の半ノルムと距離」の 3 と、その前の注意)、同定理の距離 $d$ を使う。$B\subset E$ を有界集合とする。
$k$ を固定する。核型性により $q\ge p_k$ で $\iota_{p_k,q}$ が核型、したがってコンパクトであるものがある。$B$ は有界なので $\sup_Bq< \infty$ であり、$\pi_q(B)$ は $E_q$ の有界集合である。よって $\pi_{p_k}(B)=\iota_{p_k,q}(\pi_q(B))$ は $E_{p_k}$ で相対コンパクト、とくに全有界である。すなわち任意の $\varepsilon>0$ について、$B$ は有限個の点 $b_1,\dots,b_N\in B$ を中心とする集合 $\{x\mid p_k(x-b_i)< \varepsilon\}$ で覆われる。
$\varepsilon>0$ に対し $2^{-k}< \varepsilon/2$ となる $k$ をとり、上のように $p_k(x-b_i)< \varepsilon/2$ で $B$ を覆う。$l\le k$ では $p_l\le p_k$ なので、同じ点 $x$ について
$$
d(x,b_i)\le\sum_{l\le k}2^{-l}p_l(x-b_i)+\sum_{l>k}2^{-l}< \frac\varepsilon2+\frac\varepsilon2=\varepsilon
$$
となる。よって $B$ は距離 $d$ について全有界である。$E$ は完備なので、$B$ の閉包は完備かつ全有界でコンパクトである。$\square$
ノルム空間 $E$ が核型なら、$E$ は有限次元である。とくに無限次元の Banach 空間は核型でない。
$E$ の完備化 $\hat E$ は Banach 空間で、ノルム $p$ について $E_p=\hat E$ である。核型性から $q\ge p$ で $\iota_{p,q}$ がコンパクトなものがあり、$q$ は連続なので $q\le C p$ である。$E$ の単位球 $B$ について $\pi_q(B)$ は有界なので、$B$ は $\hat E$ で全有界である。$\hat E$ の閉単位球は $B$ の閉包なので全有界かつ完備でコンパクトであり、Fredholm作用素 の補題「Rieszの補題」の 2 により $\hat E$ は有限次元である。$\square$
Gro52 第 II 章 Théorème 1 の系 1(p. 101)と Sch54a Proposition 3(p. 5)は、より一般に核型空間の有界集合が前コンパクトであることを述べている。$U\subset\mathbb{C}^n$ が Stein 多様体である開集合なら、有限個の大域切断が生成する $\mathcal{O}^p$ の部分層の切断の空間は $\mathcal{O}(U)^p$ の閉部分空間であり(大域切断空間のFréchet位相 の定理「有限生成な部分層の切断」)、核型空間の有限個の直積の部分空間として核型である(Gro52 第 II 章 Théorème 3)。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 核型であること | Hilbert 空間 $\ell^2$ | 有界集合が相対コンパクト(thm-nuc-montel) |
| 完備であること | 有限個の項だけが $0$ でない列の空間 $c_{00}$ に $s$ の位相を入れる | 有界集合が相対コンパクト(thm-nuc-montel) |
| Hilbert–Schmidt 作用素を 2 つ合成する | $\ell^2$ 上の対角作用素 $D$、$De_n=e_n/n$ | 核型であること(lem-nuc-hs) |
1 行目:閉単位球は有界だが、$\ell^2$ は無限次元なので Rieszの補題によりコンパクトでない(cor-nuc-normed の証明と同じ)。
2 行目:$c_{00}$ の局所 Banach 空間は $s$ と同じ $H_k$ なので、thm-nuc-examples の 1 の証明により $c_{00}$ は核型である。$y:=(2^{-n})_n\in s$ の最初の $N$ 項を残した列を $x^{(N)}$ とすると、$\{x^{(N)}\}$ は $\|x^{(N)}\|_k\le\|y\|_k$ を満たすので有界である。コンパクト集合 $K\subset c_{00}$ に含まれるなら、ある部分列が $c_{00}$ の点 $z$ に収束するが、$s$ の中では $x^{(N)}\to y$ なので $z=y\notin c_{00}$ となり矛盾する。
3 行目:$\sum_n\|De_n\|^2=\sum_nn^{-2}< \infty$ なので $D$ は Hilbert–Schmidt 作用素である。$D=\sum_k\varphi_k\otimes y_k$ と核型に表せたとすると、Cauchy–Schwarz の不等式と Bessel の不等式(Besselの不等式)により
$$
\sum_n\frac1n=\sum_n|\langle De_n,e_n\rangle|\le\sum_k\sum_n|\varphi_k(e_n)|\,|\langle y_k,e_n\rangle|\le\sum_k\|\varphi_k\|\,\|y_k\|< \infty
$$
となって矛盾する($\sum_n|\varphi_k(e_n)|^2\le\|\varphi_k\|^2$ は Rieszの表現定理 で $\varphi_k$ を内積で表して Bessel の不等式を使う)。
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