整数列 $\AA$ のSchnirelmann密度 (Schnirelmann density) $\sigma\AA$ を
$$\sigma\AA=\liminf_{n\geq 1}\frac{A(n)}{n}$$
により定める。
つぎのことがすぐにわかる。
奇数全体の集合のSchnirelmann密度は $1/2$.
偶数全体の集合のSchnirelmann密度は $0$ だが、$1$ と偶数全体からなる集合のSchnirelmann密度は $1/2$.
1933年にSchnirelmannは、つぎの$2$つの定理を証明した。
$\AA$ が $1$ を含む整数列で、$\BB$ が $0$ を含む整数列ならば
$$\sigma(\AA + \BB)\geq \sigma\AA + \sigma\BB - \sigma\AA \sigma\BB$$
あるいは
$$1-\sigma(\AA + \BB)\leq (1- \sigma\AA)(1 - \sigma\BB).$$
$A(n)=r$ とおく。
$0\in\BB$ より、$a_i=a_i+0\in \AA + \BB$ となる。
$g_i=a_{i+1}-a_i-1$ とおくとき、$i\leq r-1$ かつ $0< b_j\leq g_i$ ならば $a_i+b_j\in \AA + \BB$ かつ
$$a_i< a_i+b_j< a_{i+1}\leq n$$
となる。さらに $0< b_j\leq n-a_r$ ならば $a_r+b_j\in \AA + \BB$ かつ
$$a_r< a_r+b_j<\leq n$$
となる。よって
$$\begin{split}
(A+B)(n)\geq & A(n)+\sum_{i=1}^r B(g_i)+B(n-a_r) \\
\geq & n\sigma\AA + \sigma\BB ((n-a_r)+\sum_{i=1}^{r-1} g_i) \\
\geq & n\sigma\AA + \sigma\BB (n-a_r+\sum_{i=1}^{r-1} (a_{i+1}-a_i-1)) \\
= & n\sigma\AA + \sigma\BB (n-a_1-(r-1)) \\
= & n\sigma\AA + \sigma\BB (n-r)\geq n(\sigma\AA + \sigma\BB - \sigma\AA\sigma\BB).
\end{split}$$
$\AA, \BB$ がともに $0$ を含む整数列で、
$$\sigma\AA + \sigma\BB\geq 1$$
となるとき
$$\AA + \BB = \N_{\geq 0}.$$
$2$ 以上の任意の整数 $n$ をとり、 $n\in \AA + \BB$ となることを示す。
仮定より $0\in\BB$ だから、$n\in\AA$ ならば
$$n=n+0\in \AA + \BB$$
となる。$n$ が $\AA$ に含まれないとし、$A(n-1)=r, B(n-1)=s$ とおくと、
$A(n)=A(n-1)=r$ であるから
$$r+s=A(n)+B(n-1)\geq n\sigma\AA + (n-1)\sigma\BB>(n-1)(\sigma\AA + \sigma\BB) \geq n-1$$
より $r+s>n-1$ である。
$$1\leq b_1<\cdots < b_s\leq n-1$$
より
$$n-1\geq n-b_1>\cdots b_s\geq 1$$
であるから、
$r+s$ 個の数 $a_1, a_2, \ldots, a_r, n-b_1, n-b_2, \ldots, n-b_s$ はすべて
$$1\leq a_1, a_2, \ldots, a_r, n-b_1, n-b_2, \ldots, n-b_s\leq n-1$$
となる。よって
$$a_i=n-b_j$$
となる $i, j$ が存在するので
$$n=a_i+b_j\in \AA + \BB$$
となる。
この2つの定理から、$\AA$ が $0$ を含む整数列で、$\sigma\AA>0$ ならば
$$1-\sigma(h\AA)\leq (1-\sigma\AA)^h$$
となり、$\sigma(h_0\AA)\geq 1/2$ となる $h_0$ が存在し、
$$2h_0\AA=h_0\AA + h_0\AA=\N_{\geq 0}$$
となることから、 $\AA$ は $\N_{\geq 0}$ の基であることがわかる。