有限単純グラフの二頂点 $s,t$ が連結とは道で結べること。$s,t$ と異なる頂点集合を除くと両者が非連結になるなら、その集合を頂点切断という。互いに内部頂点を共有しない $s$–$t$ 道の最大本数と、最小頂点切断の大きさは等しい。ただしここでは $s,t$ が非隣接の場合を述べる。
Mengerの定理の証明経路。 第4章の整数最大流最小切断を使う。各内部頂点 $v$ を入側・出側へ分け、間の有向辺の容量を1にする。元の各無向辺には両方向に十分大きい整数容量、例えば頂点数 $n$ を与える。$s,t$ は分割しない。非隣接なので他の頂点全てを除けば両者は離れ、容量 $< n$ の切断がある。従って最小切断に大容量の辺は含まれず、その容量は削除すべき内部頂点の個数になる。整数最大流を道へ分解すれば、各内部頂点を一度しか使わない道が同じ本数だけ得られる。逆向きに、$k$ 本の内部頂点素な道を切るには少なくとも $k$ 個の頂点が必要。□
四角形の向かい合う二頂点の間には内部頂点を共有しない二道があり、二つの中間頂点を除くと切れる。隣接頂点間には内部頂点のない辺があるため、上の頂点切断の表現をそのまま用いない。
演習。 長さ3の道 $s-a-b-t$ の $s,t$ 間の頂点切断最小数を求めよ。
解答。 $a$ または $b$ の一頂点を除けば切れる。最小数は1。
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