時空点 $p\in M$ を通過する世界線 $\alpha:I\ni\lambda\mapsto\alpha(\lambda)\in M,\ \alpha(0)=p$ を瞬間の観測者 $V\in T_pM$ が観測したときの $\alpha$ の速度を次のように定義する。
瞬間の観測者 $V\in T_pM$ と $p$ を通る因果的な世界線 $\alpha\colon I\rightarrow M,\ \alpha(0)=p,\ X=\frac{d\alpha}{d\lambda}(0)$ に対して、$V$ が時空点 $p$ において観測する $\alpha$ の空間的速度ベクトル $X^V$ を
$$
X^V\colon=-\frac{c}{g(V,X)}X^{S(V)}=-\frac{c}{g(V,X)}\left(X+g(V,X)V\right)
$$
とする。
$X^V$ は $X\to\alpha X$ という変換に対して不変である。
この定義の意味は次のようなものである。
すなわち、$X^{S(V)}$ は $V$ にとっての $\alpha$ の空間的な微小な移動距離(単位パラメータ $\lambda$ 当たり)であり、$-g(X,V)/c$ はその移動の間に経過した $V$ の固有時である。