Sorgenfrey直線

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Sorgenfrey 直線

Sorgenfrey直線(ソルゲンフライちょくせん)とは、位相空間のひとつである。集合 $\mathbb{R}$ 上に通常とは異なる位相を入れたものであり、位相空間論における様々な興味深い例を作る上での材料でもある。

定義

集合 $\mathbb{R}$ の部分集合であって $[a,b)$ の形のもの全体を $\mathcal{U}$ とおく。このとき $\mathcal{U}$ は有限交叉を取る操作について閉じるため、$\mathcal{U}$ を開基とするような集合 $\mathbb{R}$ 上の位相がただひとつ存在する。このようにして作られた位相空間を Sorgenfrey 直線という。

性質

Sorgenfrey直線 $X$ に対して、以下の性質が成り立つ。

  • $X$ は可分である。
  • $X$ は $T_6$ 空間である。
  • $X$ の任意の部分空間は Lindelöf空間である。
  • $X$ の任意の部分空間はパラコンパクトである。
  • $X$ は c.c.c.である。
  • $X$ の任意のコンパクト集合は可算集合である。よって、$X$ は $\sigma$ コンパクトではない。
  • $X\times X$ は $T_4$ 空間ではない。したがって、$X$ は距離化可能ではない。

最後の性質から、$T_4$ 分離公理、 Lindelöf性、パラコンパクト性がいずれも 2 個の空間の直積について保たれないことが分かる。

参考文献

関連項目