$n\in\mathbb{N}$、$z\in\mathbb{C}$とする。
$
z^n=1
$
の解を1の$n$乗根という。 $n$乗根$\xi$のうち、${\xi}^i\neq1(i=1,\cdots,n-1)$を満たすものを原始$n$乗根という。 特に、$1\leq k\leq n-1$で$GCD(k,n)=1$のとき
$
\xi_n=\exp\left(\frac{2k\pi i}{n}\right)
$
とすると$\xi_n$は原始$n$乗根となる。
$f=x^n-1\in\mathbb{Q}[x]$とする。 $f$は重根を持たず、$1,\xi_n,\cdots{\xi_n}^{n-1}$を根に持つ。
$f(\alpha)=0$ならば$\alpha\neq0$で、$f^\prime=nx^{n-1}$より$f^\prime(\alpha)\neq0$。 よって、$f$は重根を持たない。 $1,\xi_n,\cdots{\xi_n}^{n-1}$が$f$の根であることは代入すればわかる。
$\mathbb{Q}(\xi_n)$と書ける体を円分体という。
$\mathbb{Q}(\xi_n)/\mathbb{Q}$はガロア拡大である。
$\xi_n^n-1=0$なので$\xi_n$は$\mathbb{Q}$上代数的で、$\mathbb{Q}(\xi_n)/\mathbb{Q}$は代数拡大である。 $\mathbb{Q}$が完全体なので、任意の代数拡大は分離拡大となるため、$\mathbb{Q}(\xi_n)/\mathbb{Q}$は分離拡大。 $\xi_n^n-1=0$の根は$1,\xi_n,\cdots,\xi_n^{n-1}$であり、$1,\xi_n,\cdots,\xi_n^{n-1}\in\mathbb{Q}(\xi_n)$なので$\mathbb{Q}(\xi_n)/\mathbb{Q}$は正規拡大。 以上より、$\mathbb{Q}(\xi_n)/\mathbb{Q}$はガロア拡大。
$
\Phi_n(x)=\prod_{GCD(1,i)=1,1\leq i\leq n}(1-\xi_n^i)
$
と定義する。 $\Phi_n$を$n$次の円分多項式という。
写像$\phi:\mathbb{N}\rightarrow\mathbb{N}$を
$
\phi(1)=1
$
$
\phi(n)=|(\mathbb{Z}/n\mathbb{Z})^\times|(n\geq 2)
$
と定義する。 $\phi$をオイラー関数という。
$m,n\in\mathbb{N}$が互いに素であるとする。
$
\phi(mn)=\phi(m)\phi(n)
$
$
(\mathbb{Z}/mn\mathbb{Z})^\times\cong(\mathbb{Z}/m\mathbb{Z})^\times\times(\mathbb{Z}/n\mathbb{Z})^\times
$
より明らか。
$\Phi_n$は$\xi_n$の最小多項式である。