Chebyshev関数の値の大きさについて、 のとき
となる定数 が存在することが初等的に示せる。
を二項係数
とする。
のとき、 は を割り切るが を割り切らないから は を割り切る。
よって素数の積 も を割り切るので
となり
が成り立つ。
なので
であるから となり
となることがわかる。
のときは , のときは だから、は成り立つ。
のとき、が成り立つとする。 が奇数のとき、
定理1
より
なので、帰納法の仮定から
となり、は成り立つ。 が偶数のとき、 は素数ではないので
となり、は成り立つ。よって帰納法よりは任意の整数 について成り立つ。
整数 に対し、素数 が二項係数
を割り切る回数を とおくと
二項係数:定理8
より
となる。各被加数は または となる。実際 とおくと より
となる。また ならば被加数は となるから
となる。よって
が成り立つ。
のとき となるから
より
となるから
となる。よって が偶数ならばが成り立つ。また が奇数のとき
よりが成り立つ。最後に
より のときもが成り立つ。
とする。
定理3
の証明と同様に素数 が二項係数
を割り切る回数を とおく。
のとき となるから より
が成り立つ。
のとき、 より
となる。
よって
となり、
定理2
より
が成り立つ。
のとき より であるからより
となる。
このことから、 に対して となる。
はいずれも素数だから、 が 以上の整数のとき、 となる素数 が存在することがわかる(Bertrand-Chebyshevの定理)。