$K$ 上のベクトル空間 $V$ 上の線形変換 $f\colon V \to V$ について、
$$f^{**}=f$$
が成り立つ。また、$k\in K$ について
$$(kf)^*=\bar kf^*$$
が成り立つ。さらに、$K$ 上のベクトル空間 $V$ 上の線形変換 $f$, $g$ について、
$$(f+g)^*=f^*+g^*, (fg)^*=g^* f^*$$
が成り立つ。
$K$ 上のベクトル空間 $V$ 上の基底 $\Bu_1, \ldots, \Bu_n$ を一組とり、この基底に関する $f$ の表現行列を $A$ とおく。
このとき、$f^{**}$ の表現行列は $$(A^*)^*=^t \overline{^t (\overline{A})}=^t (^t A)=A$$ となるから、$f^{**}=f$ となる。
また、$(kf)^*$ の表現行列は $$(kA)^*=^t \overline{kA}=\bar k ^t \overline{A}=\bar k A^*$$ となるから、$(kf)^*=\bar kf^*$ となる。
さらに、基底 $\Bu_1, \ldots, \Bu_n$ に関する $g$ の表現行列を $B$ とおくと、
$(f+g)^*$ の表現行列は
$$(A+B)^*=^t \overline{(A+B)}=^t \bar A+^t \bar B=A^*+B^*$$
となり、$(fg)^*$ の表現行列は
$$(AB)^*=^t \overline{(AB)}=^t \bar B ^t \bar A=B^* A^*$$
となる。