$\zeta$関数 (zeta function) を
$$\zeta(s)=\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s}$$
により定義する。
Dirichlet級数 $\zeta(1)$ は発散する。
実際、積分との比較から $\sum_{n=1}^N 1/n=\log N+O(1)$ となることが容易にわかる。
さらに正確に、
Abelの総和公式
から、$$\sum_{n=1}^N \frac{1}{n}=\log N+\gamma+O\left(\frac{1}{N}\right)$$ となる定数
$\gamma$ が存在することがわかる。
$\sigma=\operatorname{Re} s>1$ のとき、Dirichlet級数 $\zeta(s)$ は絶対収束し、
$$\abs{\zeta(s)}\leq \zeta(\sigma)<1+\int_1^\infty\frac{dt}{t^\sigma}=\frac{\sigma}{\sigma-1}$$
が成り立つ。
このことから、$\zeta(s)$ の絶対収束座標は $1$ であることがわかる。
よって、$\operatorname{Re} s>1$ において $\zeta(s)$ は
Euler積
$$\zeta(s)=\prod_p \left(1-\frac{1}{p^s}\right)^{-1}$$
をもつ。
さらに、$\sigma>1$ が $1$ より大きい実数のときは
$$\zeta(\sigma)>\int_1^\infty\frac{dt}{t^\sigma}=\frac{1}{\sigma-1}$$
となるから、
$$\frac{1}{\sigma}<\zeta(\sigma)<\frac{\sigma}{\sigma-1}$$
が成り立つ。このことから
$$\lim_{\sigma\rightarrow 1+0}(\sigma-1)\zeta(\sigma)=1$$
となることがわかる。