ネットによる位相空間論6:可算性と点列

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6.位相空間の可算性と点列

基本近傍系

$X$ を位相空間とする。$x\in X$ に対し $x$ の近傍からなる集合 $\mathcal{B}(x)$$x$ の基本近傍系であるとは、$x$ の任意の近傍 $V$ に対し $B\in \mathcal{B}(x)$$B\subset V$ なるものが存在することを言う。

第一可算空間

位相空間が第一可算空間である(第一可算公理を満たす)とは、任意の $x\in X$ に対し $x$ の基本近傍系として可算なものが取れることを言う。

第一可算空間における基本補題

$X$ を位相空間、$x\in X$ とし、$x$ が可算な基本近傍系を持つとする。このとき $x$ の近傍からなる列 $(B_n)_{n\in\mathbb{N}}$ で次の条件を満たすものが取れる。

  • $x$ の任意の近傍 $V$ に対し $B_n\subset V$ なる $n\in\mathbb{N}$ が存在する。
  • 任意の$n\in \mathbb{N}$ に対し $B_{n+1}\subset B_n$.

$\{U_n\}_{n\in\mathbb{N}}$$x$ の可算な基本近傍系として、任意の $n\in \mathbb{N}$ に対し、$B_n:=U_1\cap\ldots \cap U_n$ とおけば、$(B_n)_{n\in\mathbb{N}}$ は条件を満たす。

第一可算空間における点列の堆積点と部分列

$(x_n)_{n\in \mathbb{N}}$ を第一可算空間 $X$ の点列、$x\in X$ とする。このとき次は互いに同値である。

  • $(1)$ $x$$(x_n)_{n\in\mathbb{N}}$ の堆積点である。
  • $(2)$ $(x_n)_{n\in\mathbb{N}}$ の部分列で $x$ に収束するものが存在する。

$(2)\Rightarrow(1)$ は自明である。$(1)\Rightarrow(2)$ を示す。$(1)$ が成り立つとし、$x$ の近傍の列 $(B_n)_{n\in\mathbb{N}}$ 補題1 の条件を満たすものを取ると、 $(x_n)_{n\in \mathbb{N}}$ の部分列 $(x_{k(n)})_{n\in\mathbb{N}}$ を、$x_{k(n)}\in B_{n}$ $(\forall n\in\mathbb{N})$ となるように取れる。このとき $(x_{k(n)})_{n\in\mathbb{N}}$$x$ に収束するので、 $(2)$ が成り立つ。

第一可算空間における閉包の点の点列による特徴付け

$X$ を第一可算空間、$A\subset X$$x\in X$ とする。次は互いに同値である。

  • $(1)$ $x\in \overline{A}$.
  • $(2)$ $x$ に収束する $A$ の点列が存在する。

$(2)\Rightarrow(1)$ は自明である。$x$ の近傍の列 $(B_n)_{n\in\mathbb{N}}$ 補題1 の条件を満たすものを取る。$x\in \overline{A}$ ならば、 命題2 より任意の $n\in\mathbb{N}$ に対し $x_n\in A\cap B_n$ が取れる。こうしてできる $A$ の点列 $(x_n)_{n\in\mathbb{N}}$$x$ に収束する。よって $(1)\Rightarrow(2)$ が成り立つ。

連続性の点列による特徴付け

$X$ を第一可算空間、$Y$ を位相空間、$x\in X$$f:X\rightarrow Y$ とする。このとき次は互いに同値である。

  • $(1)$ $f$$x$ において連続である。
  • $(2)$ $x$ に収束する $X$ の任意の点列 $(x_n)_{n\in\mathbb{N}}$ に対し、$Y$ の点列 $(f(x_n))_{n\in\mathbb{N}}$$f(x)$ に収束する。

$(1)\Rightarrow(2)$ は自明である。 $(B_n)_{n\in\mathbb{N}}$ 補題1 における $x$ の近傍の列とする。$(2)\Rightarrow(1)$ の対偶を示す。 もし $(1)$ が成り立たたないならば、$f(x)$ の近傍 $V$ で、任意の $n\in \mathbb{N}$ に対し $B_n\backslash f^{-1}(V)\neq\emptyset$ となるものが取れる。そこで任意の $n\in \mathbb{N}$ に対し $x_n\in B_n\backslash f^{-1}(V)$ を取ることで $X$ の点列 $(x_n)_{n\in \mathbb{N}}$ を定義する。これは明らかに $x$ に収束する。しかし $f(x_n)\notin V$ $(\forall n\in \mathbb{N})$ より $(f(x_n))_{n\in\mathbb{N}}$$f(x)$ に収束しない。よって $(2)$ は成り立たない。

点列コンパクト

位相空間 $X$ が点列コンパクトであるとは、$X$ の任意の点列が収束する部分列を持つことを言う。

第一可算なコンパクト空間は点列コンパクト

第一可算なコンパクト空間は点列コンパクトである。

$X$ を第一可算なコンパクト空間とし、$(x_n)_{n\in \mathbb{N}}$$X$ の任意の点列とする。 定理1 より $(x_n)_{n\in\mathbb{N}}$ は堆積点 $x$ を持つ。 命題2 より $(x_n)_{n\in \mathbb{N}}$ のある部分列は $x$ に収束する。よって $X$ は点列コンパクトである。

点列コンパクトなLindelöf空間はコンパクト

点列コンパクトな Lindelöf空間 はコンパクト空間である。

$X$ を点列コンパクトな Lindelöf空間 とする。$X$ がコンパクトではないと仮定すると、$X$ の開被覆 $\{U_j\}_{j\in J}$ で、そのいかなる有限部分族も $X$ の開被覆ではないものが取れる。$X$ はLindelöf 空間であるので、$\{U_j\}_{j\in J}$ の可算部分開被覆 $\{U_{j_n}\}_{n\in\mathbb{N}}$ が取れる。任意の $n\in\mathbb{N}$ に対し、$x_n\in X\backslash \bigcup_{k=1}^{n}U_{j_k}$ を取り、$X$ の点列 $(x_n)_{n\in\mathbb{N}}$ を定義する。$X$ は点列コンパクトであるので $(x_n)_{n\in\mathbb{N}}$ は収束する部分列を持つ。よって 命題2 より $(x_n)_{n\in\mathbb{N}}$ は堆積点 $x$ を持つ。$x\in U_{j_{n_0}}$ なる $n_0\in\mathbb{N}$ を取る。$U_{j_{n_0}}$$x$ の近傍であり、$x$$(x_n)_{n\in\mathbb{N}}$ の堆積点であるから、$n\geq n_0$ かつ $x_n\in U_{j_{n_0}}$ なる $n\in \mathbb{N}$ が取れる。よって $x_n\in U_{j_{n_0}}\subset \bigcup_{k=1}^{n}U_{j_k}$ となり、$x_n\in X\backslash \bigcup_{k=1}^{n}U_{j_k}$ に矛盾する。ゆえに $X$ はコンパクトである。

第二可算空間においてはコンパクトと点列コンパクトは同値

第二可算空間 においてはコンパクトと点列コンパクトは同値である。

第二可算空間が第一可算空間かつ Lindelöf 空間 であることと、 命題5 命題6 による。

距離空間の位相について

距離空間は第一可算空間であり( 距離空間の位相の基本的性質の命題2.2 )、距離空間が可分であることと第二可算であることは同値である( 距離空間の位相の基本的性質の命題3 )。また距離空間がコンパクトであることと点列コンパクトであることは同値である( 距離空間の位相の基本的性質の定理6.5 )。

参考文献

[1]
Gert K. Pedersen, Analysis Now
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