本書の目的と原論文の位置づけ、本書の方針、章立て(第 0〜4 章、全 16 頁)と各章の要点、頁ごとに要る前提の対応表、読む順序の案、状態札の読み方と本書全体の集計、同じ連作の他の回との関係をまとめる。分野ごとの要点は本書『0-2 圏と前層』、本書『0-3 層と環付き空間の貼り合わせ』、本書『0-4 解析空間』に、全頁に共通する記号、本書が足した仮定、原論文の引き方、状態札の意味、原論文の不備の分け方と誤植の読み方は本書『0-5 記号と約束』に分けて置く。
本書は、A. Grothendieck が 1961 年 1 月 30 日に Cartan セミナー第 13 年「Familles d'espaces complexes et fondements de la géométrie analytique」で行った講演「Formalisme général des foncteurs représentables」(exposé n° 11、28 頁。本書では Gro61iv と引く)を道案内にして、前層がいつ一つの対象で表されるかを判定する一般の方法を、主題ごとに解説する。この講演は、同じセミナーの連作「Techniques de construction en géométrie analytique」の第 IV 回である。連作は、第 I 回 Gro61i で Teichmüller 空間とその変種を公理的に記述し、第 II 回 Gro61ii で環付き空間と解析空間を定義し、第 III 回 Gro61iii で解析空間のファイバー積の存在を示す。本講演はそのあとで、普遍問題の解が存在するかどうかを関手の言葉で調べる一般の枠組みを与える。対象をその点の前層に置き換える対応(§2)、前層の射の相対的な表現可能性と底変換(§3)、表現可能な前層を同値の対で割った商の表現可能性(§4)、解析空間の圏での開被覆による貼り合わせ(§5)の順に進む。原論文自身が断るように、表現可能関手の言語は代数幾何の Bourbaki セミナーの講演 Gro60mod で先に素描され、同値の対と商の定義は同じ系列の講演 Gro61quot にある(二つを合わせたものが原論文の文献 [1])。本講演はそれを解析幾何に移す形をとり、後の回(第 V 回 Gro61v のベクトル束・Grassmann 束・旗束、第 IX 回 Gro61ix のモジュライ問題、第 X 回 Gro61x の Teichmüller 空間の構成)がこの枠組みを使う。
本書は原論文の翻訳ではない。原論文の §2〜§5 に一つずつ章を当て、前提知識の第 0 章を加えて 5 章 16 頁とした(§1 は短い導入で、第 1 章の最初の頁の「背景と動機」で扱う)。§3 は主題が多いので第 2 章を 4 頁に、§2・§4 はそれぞれ 2 頁に、§5 は 3 頁に分けた。第 1 章以後の各頁は、その頁で示すこと、背景と動機、定義と準備、主結果と証明、例と反例、その後の発展、原論文との対応表、という同じ形で書いてある。「この頁で示すこと」には主結果の名前と原論文の番号・印字頁、状態札が並び、札の中や直後の段に、その主結果が依る本書の頁と第 0 章の事実が名指しで書いてある。
本書の方針は五つある。
章ごとに、頁と原論文の対応と要点を挙げる。各頁の「この頁で示すこと」に並ぶ主結果を要約したもので、詳しくは各頁の冒頭を見よ。印字頁は原論文の頁番号 11-01〜11-28 である。
| 章 | 頁 | 原論文 | 要点 |
|---|---|---|---|
| 第 0 章 前提知識と読み方 | 0-1〜0-5 | §1 の目的、§5 が前提にする連作の前の回 | 読み方、圏と前層、層と環付き空間の貼り合わせ、解析空間、記号と約束 |
| 第 1 章 表現可能関手と米田の対応 | 1-1、1-2 | §2(印字 11-01〜11-03) | 点の関手と米田の対応、普遍問題の解の一意性、前層の圏の極限と関手で与える群構造 |
| 第 2 章 底変換と相対的表現可能性 | 2-1〜2-4 | §3(印字 11-03〜11-11) | 関手に沿った引き戻しとスライス圏への制限、射のファイバーと表現可能な射、表現可能な前層の間の射、底変換と合成での安定性と射のクラス |
| 第 3 章 有効エピと商 | 3-1、3-2 | §4(印字 11-11〜11-22) | 有効エピと降下、商対象への射の記述、ファイバー積の同値の対と商による表現可能性の主定理 |
| 第 4 章 解析空間の貼り合わせ | 4-1〜4-3 | §5(印字 11-22〜11-28) | 局所化射と貼り合わせの商、局所的な関手の表現可能性、開はめ込みの点ごとの判定 |
第 0 章は引用と準備の頁である。『0-2 圏と前層』は、宇宙と集合の圏、圏・関手・前層、極限の普遍性と一意性、Hom が極限を保つこと、カルテシアン正方形の貼り合わせ、エピと余等化子、集合の同値関係と商集合、スライス圏、点ごとの随伴をまとめ、定義から数行で出るこれらの事実をすべて証明まで書く。『0-3 層と環付き空間の貼り合わせ』は、開集合の上の前層と層(空の被覆を含める約束)、環付き空間、環付き空間と射の貼り合わせ、分離的な空間と非交和を、定義と引用としてまとめる。『0-4 解析空間』は、連作第 II 回の解析空間の定義、開部分空間とはめ込み、局所環の剰余体、解析空間の射を引用としてまとめ、そこから出る三つの補題と命題「開はめ込みの底変換と非交和」を証明し、第 II 回のはめ込みの底変換と第 III 回のファイバー積の存在を引用する。原点を二重にした直線と二重点の例もここに置く。『0-5 記号と約束』は記号、足した仮定、原論文の引き方、状態札、不備と誤植の一覧である。
第 1 章は原論文 §2 である。『1-1 米田の対応と表現可能関手』は、対象にその点の前層を対応させる関手が関手であること、点の前層から前層への射がその前層の値と一対一に対応すること(米田の対応。紙面に米田の名は無く、本書の名前である)、点の関手が充満忠実であること、前層を表す組が普遍元と両立するただ一つの同型を除いて一意で、点の関手が表現可能な前層の圏との圏同値を与えること、を示す。原論文は対応を作るだけで全単射であることの確かめを書かないので、その段を補った。『1-2 前層の圏の極限と関手で与える構造』は、前層の圏の極限が点ごとに計算され、点の関手が存在する極限を保つことを示し、「ファイバー積が存在する」を点の前層のファイバー積が表現可能という意味で使う約束を置く。関手の値の群構造で対象の上の群構造を与える原論文の方法を、図式で書く群対象と比べる命題も置いた。この章の主結果はどれも本書の中で閉じる。
第 2 章は原論文 §3 である。『2-1 制限と底変換』は、関手に沿った前層の引き戻しの表現可能性を点ごとの随伴で言い換え、底の上の圏(スライス圏)への制限が表現可能であることが積の存在と同値であることを示し、制限の推移性と、終対象と定数前層の関係をまとめる。『2-2 ファイバーと表現可能な射』は、前層の射のファイバーを定義し、射が表現可能であることを、点の前層に沿うファイバー積が表現可能であることと言い換える(後の言い換えは原論文に無く、後代の定義との対応をつけるために本書が補った)。表現可能な前層の間の射が表現可能であることは、それを与える射が底変換可能であることと同値になる。『2-3 表現可能な関手の間の射』は、目標が表現可能なとき、普遍元の上の一つのファイバーが源の前層を決めることを示し、終対象への射の場合と、ファイバーを表す対象の底変換を扱う。『2-4 安定性と射のクラス』は、表現可能な射が底変換と合成で安定であること、ファイバー積への射の表現可能性、底変換で安定な射のクラスについての判定を示す。原論文の「合成と後の因子が表現可能なら前の因子も」は、ファイバー積の無い圏(空でない集合の圏)で破れるので、ファイバー積の存在を仮定する訂正形にした。射のクラスの判定では、原論文の安定性の定義の「どの選び方についても」の一句から、クラスが両側からの同型の合成で閉じることを示し、判定が表す組の選び方によらないことを確かめた。最後に、原論文の用例である解析空間のはめ込みのクラスの底変換を、連作第 II 回の定理を引いて示す。
第 3 章は原論文 §4 である。第 2 章の問題を逆向きにし、源が表現可能なとき、射の性質から目標の表現可能性を導く。『3-1 有効エピと降下』は、有効エピと普遍有効エピ、同値の対と有効な同値の対、有効降下の射を定義し、有効な同値の対の商射が有効エピであること、普遍有効エピに沿ってカルテシアン正方形が降りること、商対象への射が源の上の降下の組の同型類と一対一に対応することを示す。原論文が確かめを省いた関手性と集合の大きさを補った。『3-2 商と表現可能性の主定理』は、表現可能な源の自分自身とのファイバー積が同値の対を定めることを示し、主定理として、目標が表現可能で射が与えられたクラスに属するための三つの条件(ファイバーの表現可能性、降下、同値の対の有効性)を与える(原論文の定理 4.7)。原論文の証明は目標の表現可能性で終わり、射がクラスに属することを示さないので、その段を補った。原論文が事実として述べる二つの注意(最大の射のクラス、有効性の条件の省略)には証明を与え、後者は原論文の「他の二つの条件から」より強く、条件 (a) だけから従う形で示した。代数幾何の判定の例が解析幾何に移せるという原論文の一文は、証明も精確な形も無いので[未完結]とした。
第 4 章は原論文 §5 である。第 3 章の主定理を解析空間の圏で、射のクラスを局所化射に選んで当てはめる。『4-1 局所化射と貼り合わせの商』は、開はめ込みの非交和を全射で覆う局所化射を定義し、それが同型を含み、底変換と合成で閉じ、普遍有効エピであることを示し、開はめ込みで局所的な同値の対が貼り合わせで商をもつこと、同じことが底の上でも成り立つことを示す。分離的な解析空間だけで読むとこの商が作れないことを、二つの直線を原点の外で貼る同値の対で示した。『4-2 局所的な関手の表現可能性』は、局所的な関手を開被覆についての層として定義し(空の被覆を含める)、表現可能な関手が局所的であること、局所性の言い換え、開部分関手で覆われる局所的な関手が表現可能であること(原論文の命題 5.6)、底の開被覆による判定(系 5.7)を示す。原論文の命題 5.6 の証明の一段は、射影が局所化射であるというだけでは通らないので、条件 (a) を分解の片に当てる別の道で埋めた。空の被覆を除く読みと分離的な読みでの反例、分離的な読みでも系 5.7 が成り立つことも置いた。『4-3 開はめ込みの点ごとの判定』は、点だけからなる被約な部分空間とその上の値を使って、表現可能な前層への射が開はめ込みで表されることを、成分ごとの単射性、点の集合の開性、全体での持ち上げの三条件で判定する(原論文の命題 5.9)。三条件のどれか一つを外すと結論が崩れる反例を一つずつ置いた。
分野ごとに、本書で要る水準の目安を示す。「◎」は本書の多くの頁で証明の中で使うもの、「○」は一部の章で使うもの、「△」は言明の理解のために触れるだけのものである。
| 分野 | 主な内容 | 水準の目安 | 主に使う章 | 第 0 章の頁 |
|---|---|---|---|---|
| 集合と圏 | 宇宙の約束、圏・関手・自然変換、極限と余極限、ファイバー積、スライス圏、エピと余等化子、同値関係と商集合 | ◎ 定義を知っていればよい。基本事実は本書で証明する | 全章 | 0-2 |
| 前層と表現可能関手 | 点の前層、米田の対応、表現可能な前層、前層の圏の極限 | ◎ 本書の第 1 章で一から述べる | 全章 | (第 1 章) |
| 位相空間の層 | 開集合の上の前層と層、開被覆、空の被覆 | ○ 第 4 章で使う | 4 章 | 0-3 |
| 環付き空間 | 環付き空間とその射、開部分環付き空間、貼り合わせ、非交和、分離的な空間 | ○ 第 4 章で使う。貼り合わせは引用 | 4 章 | 0-3 |
| 解析空間 | 完備付値体の上の解析空間、開部分空間とはめ込み、局所環、ファイバー積の存在 | ○ 第 4 章と 2-4 の一つの主結果で使う。定義と定理は連作の前の回から引用 | 2・4 章 | 0-4 |
| 代数幾何・後代の理論 | スキームの関手、表現可能な射、降下、代数空間、Hilbert スキーム、サイト | △ 「その後の発展」で触れるだけ | — | 0-2、0-3 |
第 0 章に頁を設けない事実は、使う頁の「定義と準備」で出典とともに述べる。例の中でだけ使う解析の事実(たとえば $E^1$ の平行移動 $z\mapsto z+\lambda$ や $z\mapsto-z$ が解析空間の自己同型であること、$\mathbf C$ や $\mathbf C^*$ が連結であること)は、使う例の中で「本書では証明しない」と断ってある(本書『4-1 局所化射と貼り合わせの商』、本書『4-2 局所的な関手の表現可能性』の反例)。これらは主結果の札に影響しない。
行は本書の頁、列は第 0 章の頁である。「◎」はその頁の証明の中心で使うもの、「○」は一部の段や引用で使うもの、空欄はほとんど使わないものを表す。「頁の前提」の列には、その頁の「この頁で示すこと」(札とその直後の段)が引く本書の頁を番号で挙げた(第 0 章の頁は省く)。括弧内は、そこには現れないが、証明・補題・例で定義や補題を引く頁である。後の頁への前向きの言及(予告や「その後の発展」)は数えない。
| 頁 | 0-2 | 0-3 | 0-4 | 頁の前提 |
|---|---|---|---|---|
| 1-1 米田の対応と表現可能関手 | ○ | なし | ||
| 1-2 前層の圏の極限と関手で与える構造 | ◎ | 1-1 | ||
| 2-1 制限と底変換 | ◎ | 1-1(1-2) | ||
| 2-2 ファイバーと表現可能な射 | ◎ | 2-1、1-2、1-1 | ||
| 2-3 表現可能な関手の間の射 | ◎ | 2-2、2-1、1-2、1-1 | ||
| 2-4 安定性と射のクラス | ◎ | ○ | 2-3、2-2、2-1、1-2、1-1 | |
| 3-1 有効エピと降下 | ◎ | 2-4、1-2、1-1 | ||
| 3-2 商と表現可能性の主定理 | ◎ | 3-1、2-4、2-2、1-2、1-1 | ||
| 4-1 局所化射と貼り合わせの商 | ○ | ◎ | ◎ | 3-1(定義だけ) |
| 4-2 局所的な関手の表現可能性 | ○ | ◎ | ◎ | 4-1、3-2、2-2、2-1(3-1、1-1) |
| 4-3 開はめ込みの点ごとの判定 | ○ | ◎ | 2-4(2-2、1-2、1-1) |
表から読み取れることを四つ挙げておく。
原論文の順序は §2 から §5 まで一本道で、本書も章の順をそのまま保った。本書の頁が証明で使う引用はすべて前の頁への引用で、後の頁への言及は予告と注意だけである。そのうえで、三つの道筋を想定している。どの道筋でも、各頁の冒頭の「この頁で示すこと」に主結果と原論文の番号、状態札がまとめてあるので、まずそこだけを全頁通して読み、原論文のどの主張がどこまで閉じているかの全体像を先につかむのも一つの方法である。
原論文の第 5 節の中心である命題 5.6(開部分関手で覆われる局所的な関手は表現可能)と系 5.7(底の開被覆による判定)へ向かう道筋である。
『1-1 米田の対応と表現可能関手』→『1-2 前層の圏の極限と関手で与える構造』→『2-1 制限と底変換』→『2-2 ファイバーと表現可能な射』→『2-3 表現可能な関手の間の射』→『2-4 安定性と射のクラス』→『3-1 有効エピと降下』→『3-2 商と表現可能性の主定理』→『4-1 局所化射と貼り合わせの商』→『4-2 局所的な関手の表現可能性』
この道筋から外れるのは『4-3 開はめ込みの点ごとの判定』だけで、命題 5.6 の証明には使われない。『2-3』は第 3 章の証明に直接は現れないが、『2-4』の主結果が『2-3』の主結果と補題を引くので、この道筋に入る。
表現可能関手と商の一般論を、解析空間なしに知りたい読者のための道筋である。
『1-1 米田の対応と表現可能関手』→『1-2 前層の圏の極限と関手で与える構造』→『2-1 制限と底変換』→『2-2 ファイバーと表現可能な射』→『2-3 表現可能な関手の間の射』→『2-4 安定性と射のクラス』→『3-1 有効エピと降下』→『3-2 商と表現可能性の主定理』
第 0 章からは『0-2 圏と前層』だけを使う。『2-4』の主結果「解析空間のはめ込みのクラスの底変換」は飛ばしてよい。各頁の例の多くは集合の圏で書いてあるので、例だけを追っても主定理が何を言うかが分かる(本書『3-2 商と表現可能性の主定理』の例「集合の圏での定理の読み」)。
第 4 章の解析空間の議論を先に知りたい読者のための道筋である。
『0-3 層と環付き空間の貼り合わせ』→『0-4 解析空間』→『4-1 局所化射と貼り合わせの商』
『4-1』は『3-1 有効エピと降下』の定義「同値の対と有効な同値の対」を引くだけなので、第 0 章の次に読める(有効エピと普遍有効エピの定義は『0-2 圏と前層』にある)。続けて『4-3 開はめ込みの点ごとの判定』を読むには、『2-4』の主結果「底変換で安定な射のクラスの判定」を認めればよい。『4-2 局所的な関手の表現可能性』の主結果「開部分関手で覆われる局所的な関手の表現可能性」は第 3 章の主定理に依るので、その前に『3-1』『3-2』を読む。
各主結果には、本書の判定として状態札を一つ付ける。[完結]は本書の中で証明し切ったもの、[条件付き:…]は引用した事実に依るもの(何を引用したかを札の中に書く)、[未完結:…]は証明を閉じられなかったもの(何が足りないかを書く)である。原論文に証明が無くても、本書が証明を与えたものは[完結]か[条件付き]であり、原論文にも本書にも証明が無いものだけが[未完結]である。
本書の基準は第 4〜8 巻と同じく厳しい(本書『0-5 記号と約束』の「状態札の意味」)。[完結]に使ってよいのは次の三つだけである。
| 足した仮定 | 札に書いた主結果 |
|---|---|
| 解析空間は分離的とは限らない(連作第 II 回の定義に従い、底の位相空間の分離性を要求しない) | 『4-1』の「はめ込みで局所的な同値の対の商」「相対的な貼り合わせの商」、『4-2』の「開部分関手で覆われる局所的な関手の表現可能性」「底の開被覆による表現可能性の判定」 |
| 空の和と空の被覆を含める(和を積に移す条件に空の族を、層の条件に空の被覆を含める) | 『4-2』の「表現可能な関手は局所的」「局所的な関手の言い換え」「開部分関手で覆われる局所的な関手の表現可能性」「底の開被覆による表現可能性の判定」 |
| 同値の対の読み(原論文の「graphe d'équivalence」を、各点で単射で像が同値関係のグラフである対と読み、「有効」も同じ文献の意味で読む) | 『3-1』の「有効な同値の対の商射は有効エピ」、『3-2』の「ファイバー積が定める同値の対」「商による表現可能性の判定」「有効性の条件の省略」、『4-1』の「はめ込みで局所的な同値の対の商」「相対的な貼り合わせの商」、『4-2』の「開部分関手で覆われる局所的な関手の表現可能性」 |
第 1〜4 章の 11 頁の「この頁で示すこと」に並ぶ主結果の状態札を数えた。主結果は合わせて 47 個で、内訳は次のとおりである。所見・予告と反例・例はこの数に含めない。[偽]の札は無い(主張の偽は訂正形で数える)。
| 章 | 頁 | 主結果 | 完結 | 条件付き | 未完結 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第 1 章 | 1-1、1-2 | 5 | 5 | 0 | 0 |
| 第 2 章 | 2-1〜2-4 | 21 | 20 | 1 | 0 |
| 第 3 章 | 3-1、3-2 | 11 | 10 | 0 | 1 |
| 第 4 章 | 4-1〜4-3 | 10 | 0 | 10 | 0 |
| 合計 | 11 頁 | 47 | 35 | 11 | 1 |
頁別の内訳(完結/条件付き/未完結)は、1-1 が 4/0/0、1-2 が 1/0/0、2-1 が 6/0/0、2-2 が 4/0/0、2-3 が 4/0/0、2-4 が 6/1/0、3-1 が 5/0/0、3-2 が 5/0/1、4-1 が 0/3/0、4-2 が 0/5/0、4-3 が 0/2/0 である。
[完結]の 35 個は第 1〜3 章の主結果で、一般の圏の定理である。『1-1』の四つ、『1-2』の一つ、『2-1』の六つ、『2-2』の四つ、『2-3』の四つ、『2-4』の主結果 1〜6、『3-1』の五つ、『3-2』の主結果 1〜5 で、どれも定義、本書『0-2 圏と前層』の証明付きの基本事実、本書の前の頁の[完結]の結果と頁内の補題だけで閉じる。訂正形の『2-4』の主結果「合成から因子の表現可能性を戻す(訂正形)」もここに入る。このうち四つ(『3-1』の主結果「有効な同値の対の商射は有効エピ」、『3-2』の主結果 1・2・5)は、足した仮定(同値の対の読み)の下での判定である。
[条件付き]の 11 個は、何に依るかで二つに分かれる。
[未完結]は一つだけで、『3-2』の主結果「代数幾何の判定例の解析幾何への移し替え」である。原論文は注意 4.10 の最後に、有効性の条件を省ける射のクラスの重要な例が代数幾何にあり、それは解析幾何に移せると述べて文献 [1] III を引く。しかし、どのクラスについてのどの形の定理を指すのかが本講演に書かれておらず、移し替えの証明も本講演と文献 [1] III(本書は同値の対の定義の所だけを開いた)に無い。本書は「原論文はこう述べる」と書き、証明したとは書かない。第 4 章の貼り合わせの判定は、この移し替えに頼らず、主定理の条件 (c) を直接確かめる。
このほか原論文の証明の段の不備は、本書がすべて別の道または書き足しで埋めた(上の「状態札の読み方」の四件)。
本書は「古典を読む」の第 9 巻である。原論文は連作の第 IV 回で、本書は他の巻の主結果を証明に使わない。関係が深いのは同じ連作の他の回である。
全頁に共通する記号($\mathcal U$、$(\mathrm{Ens})$、$\mathbf C$、$\widehat{\mathbf C}$、$h_X$、$(X,\xi)$、$\mathbf C/S$、$i_{/S}$、$F_{/S}$、$p_T$、$e$、$c$、$F_\xi$、$F_\eta$、$\eta_Y$、$\xi_X$、$\mathcal S$、$R\rightrightarrows X$、$X/R$、$B_R$、$k$、$E^n$、$(\mathrm{An})$、$(\mathrm{An})_{/S}$、$e_t$、$i_t$、$\eta_t$、$T_\eta$ など)、枠組みの規約(二層の構成、宇宙と前層、ファイバー積が存在するという約束、解析空間の定義、分離性の読み、空の和と空の被覆、同値の対、射のクラス、訳語)、記号の衝突の読み分け、本書が足した仮定の文言、原論文の番号と印字頁の引き方、状態札の意味、原論文の不備の分け方と誤植の読み方の一覧は、本書『0-5 記号と約束』にまとめてある。
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