共役作用で一つの元を固定する群が中心化群、部分群全体を固定する群が正規化群です。軌道安定化群定理と組み合わせると、共役類の大きさや共役な部分群の個数を指数として計算できます。
$C_G(A)\le G$、$N_G(H)\le G$。さらに
$$
H\trianglelefteq N_G(H),
$$
かつ $N_G(H)$ は $H$ が正規となる $G$ の最大の部分群である。
$e$ は $A$ の全元と可換する。$x,y\in C_G(A)$ なら任意の $a\in A$ に対し
$$
(xy^{-1})a=x(ay^{-1})=(xa)y^{-1}=a(xy^{-1}),
$$
従って部分群判定法から $C_G(A)\le G$。
$x,y\in N_G(H)$ なら
$$
(xy^{-1})H(xy^{-1})^{-1}
=x(y^{-1}Hy)x^{-1}=xHx^{-1}=H,
$$
なので $N_G(H)\le G$。定義から $H$ は $N_G(H)$ の中で共役不変、従って正規。
$H\trianglelefteq K\le G$ なら全 $k\in K$ で $kHk^{-1}=H$、従って $K\subset N_G(H)$。よって最大。□
特に
$$
Z(G)=C_G(G)=\bigcap_{g\in G}C_G(g).
$$
また
$$
H\trianglelefteq G\Longleftrightarrow N_G(H)=G.
$$
$G$ の自身への共役作用で元 $x$ の安定化群は $C_G(x)$ です。従って
$$
|\operatorname{Cl}_G(x)|=[G:C_G(x)].
$$
一方、$G$ が部分群全体へ共役で作用するとき $H$ の安定化群は $N_G(H)$。従って $H$ と共役な部分群の個数は
$$
[G:N_G(H)].
$$
Sylow部分群 $P$ について第二Sylow定理により共役類が全Sylow集合なので
$$
n_p=[G:N_G(P)]
$$
が再び得られます。
$S_3$ で $x=(12)$ とします。$x$ と可換する置換は $\{e,(12)\}$ だけなので
$$
|C_{S_3}(x)|=2,\qquad
|\operatorname{Cl}(x)|=6/2=3.
$$
実際共役類は三つの互換です。
$S_4$ で $x=(12)(34)$ とします。$x$ の二つの2-cycleをそれぞれ保つか交換する置換が中心化します。
$$
C_{S_4}(x)
=\langle(12),(34),(13)(24)\rangle
$$
は位数8。従って共役類は $24/8=3$ 元で
$$
(12)(34),\quad(13)(24),\quad(14)(23)
$$
です。
$S_4$ における $(123)$ の中心化群と共役類の大きさを求めよ。
$(123)$ と可換する置換は、その軌道 $\{1,2,3\}$ を保ち、そこで $(123)$ の冪として作用しなければならない。文字4は固定される。従って
$$
C_{S_4}((123))=\langle(123)\rangle
$$
で位数3。共役類の大きさは
$$[S_4:C_{S_4}((123))]=24/3=8.$$
これは4文字から3文字を選ぶ4通りと、その上の3-cycle二方向の積 $4\cdot2=8$ と一致する。□
$P=\langle(123)\rangle\le S_3$ について $N_{S_3}(P)$ を求め、Sylow 3部分群の個数を計算せよ。
$P=A_3$ は指数2なので $S_3$ で正規。従って
$$N_{S_3}(P)=S_3.$$
共役なSylow 3部分群の個数は
$$
n_3=[S_3:N_{S_3}(P)]=1.
$$
□
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