8-5 位数 p^2 の群

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素数位数の群は巡回群でした。次の段階 $p^2$ でも、非可換群はまだ現れません。類等式で中心を見つけ、「中心で割った商が巡回なら元の群も可換」という補題が分類を一気に終わらせます。

巡回な中心商

中心による商が巡回なら可換

$G/Z(G)$ が巡回群なら $G$ は可換群である。

$G/Z(G)=\langle gZ(G)\rangle$ とする。任意の $x,y\in G$ は
$$ x=g^az,\qquad y=g^bw $$
となる整数 $a,b$ と $z,w\in Z(G)$ をもつ。中心元はすべてと可換するので
$$ xy=g^{a+b}zw=g^{b+a}wz=yx. $$
従って $G$ は可換。□

位数 $p^2$ の群の分類

$p$ を素数、$|G|=p^2$ とする。このとき $G$ は可換で
$$ G\cong C_{p^2} \quad\text{または}\quad G\cong C_p\times C_p. $$

有限 $p$ 群の中心は非自明なので、$|Z(G)|$ は $p$ または $p^2$。
$|Z(G)|=p$ と仮定すると $|G/Z(G)|=p$ で、素数位数の群は巡回群。直前の補題により $G$ は可換となり $Z(G)=G$、これは $|Z(G)|=p$ に矛盾。従って $|Z(G)|=p^2$ で $G=Z(G)$、すなわち可換。
$G$ に位数 $p^2$ の元があれば、その元が $G$ 全体を生成し $G\cong C_{p^2}$。なければ単位元以外の全元の位数はCauchyの定理とLagrangeの定理から $p$。$a\ne e$ を取り、$\langle a\rangle$ の外から $b$ を取る。写像
$$ C_p\times C_p\to G,\qquad (\bar i,\bar j)\mapsto a^ib^j $$
は可換性により準同型。$a^ib^j=e$ なら $b^j=a^{-i}\in\langle a\rangle$。$j\not\equiv0\pmod p$ なら $b=(b^j)^k\in\langle a\rangle$ となる $jk\equiv1\pmod p$ があり矛盾。従って $j\equiv0$、さらに $i\equiv0$。核が自明で、両群の位数が $p^2$ なので同型。□

二つの群を見分ける

$C_{p^2}$ には位数 $p^2$ の元が $\varphi(p^2)=p(p-1)$ 個あります。一方 $C_p\times C_p$ では非単位元がすべて位数 $p$。元の位数の分布だけで同型でないと分かります。
$C_p\times C_p$ は二次元ベクトル空間 $\mathbb F_p^2$ の加法群でもあります。位数 $p$ の部分群は一次元部分空間で、その個数は
$$ \frac{p^2-1}{p-1}=p+1. $$

位数4の群

位数4の群を同型を除いて列挙し、それぞれの積表を元の位数から区別せよ。

解答

$p=2$ の分類から
$$C_4,\qquad C_2\times C_2$$
の二つ。$C_4=\langle a\rangle$ では $a,a^3$ が位数4。$C_2\times C_2$ では三つの非単位元がすべて位数2。この性質は同型で保存されるため両群は非同型。□

位数 $p$ の部分群の個数

$C_p\times C_p$ の位数 $p$ の部分群が $p+1$ 個であることを、非単位元を生成元ごとに数えて示せ。

解答

非単位元は $p^2-1$ 個。各位数 $p$ の部分群は非単位元を $p-1$ 個もち、異なる位数 $p$ の部分群は単位元以外で交わらない。従って個数は
$$ \frac{p^2-1}{p-1}=p+1. $$
□

参考文献

[1]
David S. Dummit and Richard M. Foote, Abstract Algebra, 3rd ed., Wiley, 2004

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