0-1 本書の読み方

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

本書の目的と原論文の位置づけ、本書の方針、章立て(第 0〜6 章、全 25 頁)と各章の要点、頁ごとに要る前提の対応表、読む順序の案、状態札の読み方と本書全体の集計、第 6 巻『交叉理論の基本性質』・第 7 巻『アフィン代数群と可換アフィン代数群』との関係をまとめる。分野ごとの要点は本書『0-2 線形代数群と旗多様体』、本書『0-3 ファイバー空間と有限エタール被覆』、本書『0-4 Chow 環の枠組み』に、全頁に共通する記号、本書が足した仮定、原論文の引き方、状態札の意味、原論文の不備の分け方と誤植の読み方は本書『0-5 記号と約束』に分けて置く。

本書の使い方

本書は、A. Grothendieck が 1958 年 6 月 16 日に Chevalley セミナー第 2 年「Anneaux de Chow et applications」CheACh58 で行い、同年 9 月にいくつかの点を補って書いた講演「Torsion homologique et sections rationnelles」(exposé 5、29 頁。本書では Gro58c と引く)を道案内にして、代数群を構造群とする主束がいつ局所自明になるかという問題を主題ごとに解説する。同じ巻の前の講演 Gro58b(第 6 巻の原典)が Chow 環の交叉理論を整え、第 1 講演 Ser58fib が主束と局所等自明性(有限エタールな被覆の上で自明になること)を扱った。本講演はこの二つを合わせ、主束の局所自明性への障害を、旗多様体の Chow 環の中の特性部分環の指数という整数(捩れ指数)で測る。可解群の等質空間の形(§1)、ファイバーの Chow 環への制限(§2)、線形表現による有理切断の構成(§3)、特性環と捩れ指数(§4)、特別な代数群の特徴づけ(§5)、ホモロジー的な捩れとの関係(§6)の順に進む。原論文が引く代数群の一般論は同じ Chevalley の前年のセミナー Che58 にあり、その一つ Gro56 は第 7 巻の原典である。
本書は原論文の翻訳ではない。原論文の §1〜§6 に一つずつ章を当て、前提知識の第 0 章を加えて 7 章 25 頁とした。ただし §5 と §6 は順を入れ替え、§6 を第 5 章、§5 を第 6 章に置いた。§5 の Lemme 9 の証明が §6 の超越的な結果に依るので、依存の順に並べるためである。第 1 章以後の各頁は、その頁で示すこと、背景と動機、定義と準備、主結果と証明、例と反例、その後の発展、原論文との対応表、という同じ形で書いてある。「この頁で示すこと」には主結果の名前と原論文の番号、状態札が並び、「定義と準備」の中の「引用する事実」には、その頁が証明せずに使う事実が、要点を置いた第 0 章の頁とともに列挙してある。
本書の方針は五つある。第一に、原論文が「すぐ分かる」「読者に委ねる」で済ませた段を補って閉じる。Proposition 1 の帰納法の順序(『1-1』)、Lemme 1 を Lemme 2・3 から導く組み合わせ方(『2-2』)、族の上の切断の同一視(『3-1』)、零点の族が有限エタール被覆になること(『3-2』)、正因子を重複度 1 で交わらせる回り道と倍数の場合(『4-4』)、定理 2 の (v)⇒(i) の底の非特異性(『4-5』)、胞体分割のコホモロジーの計算(『5-1』)、正因子の平行移動による固有な交わり(『6-3』)などがそれに当たる。第二に、枠組みを点の空間に固定する。原論文の「espace algébrique」を、代数的閉体の上の有限型の分離的な被約スキームの点の集合と読み、既約とも連結とも限らないとする(本書『0-3 ファイバー空間と有限エタール被覆』)。第三に、Chow 環の性質は前の講演が示したものを仮定として受け取り、その判定は第 6 巻に委ねる。本書はこの立場を「Chow 環の枠組み」と呼ぶ(本書『0-4 Chow 環の枠組み』)。第四に、原論文が黙って使う仮定は、本書が足した仮定として明示する(七つある。下の「状態札の読み方」)。第五に、原論文の主張が印字のままでは成り立たないときは、訂正した形を主結果とし、原論文の印字と反例を注意と反例のボックスに置く。
使い方は三通りを想定している。

  1. 最初に通して読む:次の「本書の章立てと各章の要点」で全体の地図をつかみ、第 0 章の残りの四つの頁(0-2〜0-5)は見出しと各ボックスの名前だけ拾う。
  2. 頁を読んでいて分からない語に出会ったら引く:第 0 章の各項目は分野ごとに頁を分け、定義または定理の要点をボックスに書き、本書での使いどころと教科書への案内を付けた。
  3. どこから読むかを決める:本頁の「頁ごとの前提の対応表」と「読む順序の案」を見る。
    用語解説記事へのリンク(主束、特別群、旗多様体、Chow環、特性準同型、捩れ指数、有限エタール被覆、等質ベクトル束、Bruhat分解、サイクル類写像 など)は、記事が未作成のものもリンクの形で示してある。定義は各頁の中でも短く繰り返す。

本書の章立てと各章の要点

章ごとに、頁と原論文の対応と要点を挙げる。各頁の「この頁で示すこと」に並ぶ主結果を要約したもので、詳しくは各頁の冒頭を見よ。印字頁は原論文の頁番号 5-01〜5-29 である。

章頁原論文要点
第 0 章 前提知識と読み方0-1〜0-5§1 と §2 の冒頭の約束読み方、線形代数群と旗多様体、ファイバー空間と有限エタール被覆、Chow 環の枠組み、記号と約束
第 1 章 可解群の等質空間1-1、1-2§1(印字 5-01〜5-04)単冪群の主束はアフィンな底の上で自明、可解群の等質空間はアフィン空間とトーラスの積
第 2 章 ファイバーの Chow 環2-1〜2-3§2(印字 5-04〜5-08)局所自明な点での制限の全射性、被覆の次数による余核の消滅、多重切断と交叉数
第 3 章 線形表現による有理切断3-1〜3-3§3(印字 5-08〜5-13)等質ベクトル束と誘導表現、横断的な切断の零点による構造群の簡約、特別群と主束の自明化
第 4 章 特性環と捩れ指数4-1〜4-6§4(印字 5-13〜5-21)特性準同型と特性部分環、引き戻しの像、捩れ指数の定義と五つの特徴づけ、群の Chow 環
第 5 章 ホモロジー的な捩れ5-1、5-2§6(印字 5-27〜5-29)サイクル類写像と胞体分割、代数的な捩れ素数と分類空間の捩れ素数の一致
第 6 章 特別群6-1〜6-4§5(印字 5-22〜5-27)特殊線形群と斜交群の旗多様体、Schubert 類と Chevalley–Bott の補題、特別群の特徴づけ、局所自明性の予想

第 0 章は引用の頁である。『0-2 線形代数群と旗多様体』は Borel 部分群、旗多様体、連結単冪群と単冪根基の正規列、Rosenlicht の局所切断、半単純群の Bruhat 分解と単連結な被覆、Chevalley の存在定理をまとめる。『0-3 ファイバー空間と有限エタール被覆』は代数的空間の読み、非特異点、主束と付随束、局所等自明性と特別群、第 1 講演に委ねられた事実、不分岐な射とエタールな射、原論文の「不分岐な被覆」の本書の読み(有限エタール)、降下、連接層、曲線の事実をまとめる。『0-4 Chow 環の枠組み』は本書が使う Chow 環の性質と第 6 巻の頁との対応表、固有な交わりの重複度、代数的同値の理論を述べ、旗多様体の胞体分割による生成だけを頁の中で証明する。本書『0-5 記号と約束』は記号、足した仮定、原論文の引き方、状態札、不備と誤植の一覧である。
第 1 章は原論文 §1 である。『1-1 単冪群を構造群とする主束』は、アフィンな底の上の連結な単冪群の局所自明な主束が自明であること(Proposition 1)と、底を $H^1(X,\mathcal O_X)=0$ の空間にしても同じであることを、単冪群の正規列による帰納法で示す。原論文の帰納法は二つの束を自明化する順序を書かないので、先に商の束を自明化する形に直した。原論文が付言する「群が連結でなくてもよい」は底が可約だと破れるので、底が既約な形に訂正した。『1-2 可解群の等質空間』は、連結可解群をその閉連結部分群で割った空間が、アフィン空間とトーラスの積に同型であること(Proposition 2 とその系)を、前の頁の結果を使う二重の帰納法で示す。補トーラスの存在は、第 7 巻の完結した主結果から導いた。この章は Chow 環を使わない。
第 2 章は原論文 §2 である。『2-1 局所自明な点でのファイバーへの制限』は、束が点で局所自明なら全空間からファイバーへの Chow 環の制限が全射であること(Proposition 3)、束が固有で底が連結なら底の Chow 環が全空間の Chow 環の直和因子になることを示し、固有性が外せないことを零切断を除いた直線束で確かめる。『2-2 被覆の次数と余核の消滅』は、構造群が連結線形群なら、次数 $m$ の有限エタール被覆の上で自明になる束の制限の余核が $m$ で消えること(Proposition 4)を示す。鍵は連結線形群の元が Chow 環に自明に作用すること(Lemme 1)である。原論文の Lemme 2 は単位群を除かないと成り立たないので訂正形とし、原論文の「不分岐な被覆」は平坦かつ有限の意味に読まないと Proposition 4 が偽になることを円錐曲線の族で示した。『2-3 多重切断と交叉数』は、被覆の上の切断(多重切断)から、ファイバーとの交叉数が被覆の次数の最大公約数になる類を作ること(Proposition 5)と、その系、横断的な代表があるときの逆を扱う。系には底の連結性を、逆には連結とは限らない被覆を要する。
第 3 章は原論文 §3 である。『3-1 等質ベクトル束と誘導表現』は、閉部分群の線形表現から等質空間の上のベクトル束を作り、切断の空間が群の有理表現になること、主束の族に拡げても切断の空間が底の上のベクトル束になることを示す。有理性は有限個の点での値から係数を取り出して示し、原論文が読者に委ねた族の上の同一視は同変な関数で直接確かめた(降下は固有性にだけ使う)。『3-2 横断的な切断の零点と構造群の簡約』は、零切断に横断的な切断の零点の族が各点の近くで次数が零点の数の有限エタール被覆になり、その上で構造群が簡約されること(Proposition 6)を示す。零点の数が $1$ 以上であることは原論文が暗に使う仮定で、本書が足した。原論文の Lemme 4 の対角線の議論は、印字の積を底の上のファイバー積と読めば固有な交わりの範囲で通ることも確かめた。『3-3 特別群と主束の自明化』は、特別群の例、アフィンな空間の有限集合の近傍での自明化(Lemme 5)、特別な部分群への簡約で主束が被覆の上で自明になること(Proposition 6 の系)、底の非特異性を外す注意を扱う。この章は第 2 章を経ない。
第 4 章は原論文 §4 である。『4-1 特性準同型と特性部分環』は、指標に付随する直線束の類から特性準同型を定め、特性部分環が旗多様体だけでは決まらないこと(特殊線形群と射影線形群)、可解群と一般線形群が捩れなしであることを示す。『4-2 特性部分環と引き戻しの像』は、閉部分群の特性部分環が大きな群の特性部分環の引き戻しであるという定理 1 と、捩れのない群(たとえば一般線形群)に埋め込めば特性部分環が旗多様体の間の引き戻しの像に一致するという系を示す。『4-3 捩れのない群と特性部分環の指数』は、特別群が捩れなしであること、特性部分環の指数が有限であることを示し、捩れ指数を定める。『4-4 捩れ指数と横断的な切断』は、原論文が示せなかった「正因子を重複度 1 で交わらせる」主張を、係数を大きくした正因子で回り道し(Bertini の定理を引く)、捩れ指数の倍数を横断的な切断の零点の数の最大公約数として実現する。原論文が省いた倍数の場合は一つの因子だけを倍にして補った。旗多様体が一点のとき倍数の場合は偽になるので、訂正形とした。『4-5 捩れ指数の特徴づけ』は、捩れ指数の五つの特徴づけ(定理 2)とその系を、旗多様体が一点でない場合の訂正形で示す。『4-6 群の Chow 環と捩れ素数』は、群自身の Chow 環が、旗多様体の Chow 環を特性部分環の次数 1 の部分の生成するイデアルで割ったものであることを示す。原論文の「有限環である」は次数 0 の部分で破れ、正次数部分が有限であるという形に直した。
第 5 章は原論文 §6 である。『5-1 サイクル類写像と胞体分割』は、原論文が証明なしに認めるサイクル類写像の性質の下で、Chow 環から整係数コホモロジーへの環準同型を定め、胞体分割をもつ空間、とくに旗多様体でそれが同型になることを示す。原論文はコンパクトな場合を念頭に置くので、Borel–Moore ホモロジーで補った。『5-2 代数的な捩れと位相的な捩れ』は、特性準同型が位相的な主束の特性準同型に一致することから、代数群の捩れ素数が分類空間の捩れ素数に一致するという定理 4 を示し、原論文が未公刊とする Bott の結果と合わせて、分類空間が捩れのない半単純群を述べる。この章の主結果はどれも原論文が認める入力に依る。
第 6 章は原論文 §5 である。『6-1 特殊線形群と斜交群の旗多様体』は、二つの群の旗多様体の Chow 環を射影束の反復で計算し、積の次数が $1$ になる正因子の類を与える。旗の類を双対の類と読まないと正因子の主張が崩れる。『6-2 Schubert 類と Chevalley–Bott の補題』は、Borel 部分群の軌道の閉包の類が旗多様体の Chow 環を生成すること、それが基底をなすという Chevalley の結果、捩れのない半単純群が特殊線形群と斜交群の積であるという Lemme 9 を扱う。Lemme 9 は第 5 章の結果に依る。『6-3 特別群の特徴づけ』は、代数群が特別であることとアフィンで連結で捩れなしであることの同値(定理 3)を示す。『6-4 局所自明性の予想』は、主束が一点で局所自明になることを旗の束の交叉数で判定できるという原論文の予想を扱い、条件の必要性を示し、Borel 部分群を連結と書かない言い換えでは位数 $2$ の群で偽になることを示す。

本書を読むのに要る分野

分野ごとに、本書で要る水準の目安を示す。「◎」は本書の多くの頁で証明の中で使うもの、「○」は一部の章で使うもの、「△」は言明の理解のために触れるだけのものである。

分野主な内容水準の目安主に使う章第 0 章の頁
線形代数群Borel 部分群と旗多様体、極大トーラスと単冪根基、連結単冪群、Rosenlicht の局所切断、等質空間の商◎ 言明を知っていれば証明は引用でよい1・3・4・6 章0-2
半単純群Bruhat 分解と胞体、余次元 1 の胞体と $\operatorname{Pic}(G/B)$、単連結な被覆、Dynkin 図式、特殊線形群と斜交群○ 第 4 章後半と第 6 章で使う4・5・6 章0-2
ファイバー空間主束と付随束、局所自明と局所等自明、有理切断と構造群の簡約、特別群◎ 全章の土台全章0-3
エタール射と被覆不分岐・エタール・有限な射、有限エタール被覆、非特異点、降下◎ 第 2〜4 章と 6-3 で使う2・3・4・6 章0-3
連接層アフィンな空間の上の $H^1$ の消滅、Čech コホモロジー、有限個の点での切断と Nakayama の補題、完備な空間の切断の有限次元性○ 第 1 章と第 3 章で使う1・3 章0-3
Chow 環と交叉理論引き戻しと順像、射影公式、完全性、横断的な底変換、射影束と旗束の環、固有な交わりの重複度、胞体分割による生成◎ 第 2・4・5・6 章の証明の中心2・4・5・6 章0-4
位相特異コホモロジー、Borel–Moore ホモロジー、Lie 群の分類空間、位相の Chern 類○ 第 5 章で使う5 章(第 5 巻の頁と引用)
群スキームと後代の理論トーサー、エタール位相、Schubert 計算、分類空間の Chow 環△ 「その後の発展」で触れるだけ—0-2、0-3

第 0 章に頁を設けない事実(分類空間のコホモロジーの事実、Bott の結果など、一つの章だけに使うもの)は、使う頁の「引用する事実」で出典とともに述べる。

頁ごとの前提の対応表

行は本書の頁、列は第 0 章の頁である。「◎」はその頁の証明の中心で使うもの、「○」は一部の段や引用で使うもの、空欄はほとんど使わないものを表す。「頁の前提」の列には、その頁の主結果の札が引く本書の頁を番号で挙げた(第 0 章の頁は省く)。括弧内は、札には現れないが、証明の中の補題や例で定義・補題・例を引くだけの頁である。

頁0-20-30-4頁の前提
1-1 単冪群を構造群とする主束◎◎なし
1-2 可解群の等質空間◎1-1
2-1 局所自明な点でのファイバーへの制限○◎なし
2-2 被覆の次数と余核の消滅○◎◎1-2(2-1)
2-3 多重切断と交叉数◎◎なし(2-2)
3-1 等質ベクトル束と誘導表現○◎なし
3-2 横断的な切断の零点と構造群の簡約○◎○3-1
3-3 特別群と主束の自明化○◎3-2(1-1)
4-1 特性準同型と特性部分環◎◎なし
4-2 特性部分環と引き戻しの像◎○◎4-1、1-2(1-1)
4-3 捩れのない群と特性部分環の指数◎◎◎4-2、4-1、2-2、2-1(1-1)
4-4 捩れ指数と横断的な切断◎○◎4-3、4-1、2-2
4-5 捩れ指数の特徴づけ◎◎◎4-4、4-3、4-2、4-1、3-3、2-2(3-2)
4-6 群の Chow 環と捩れ素数◎◎4-5、4-3、4-2、4-1
5-1 サイクル類写像と胞体分割○○◎なし
5-2 代数的な捩れと位相的な捩れ○○○5-1、4-5、4-3、4-1、1-2
6-1 特殊線形群と斜交群の旗多様体○○◎4-1
6-2 Schubert 類と Chevalley–Bott の補題◎○◎6-1、5-2、4-1(4-3)
6-3 特別群の特徴づけ◎◎◎6-2、6-1、4-3、4-1、3-3、3-2、2-2(4-5)
6-4 局所自明性の予想○◎○2-1(2-2、6-3)

表から読み取れることを四つ挙げておく。

  • 第 1 章は Chow 環を使わない。『1-2』の主結果(可解群の等質空間はアフィン空間とトーラスの積)は、『2-2』の Lemme 2、『4-2』の Lemme 6、『5-2』の特性準同型の位相的な解釈で使われる。
  • 第 2 章と第 3 章は互いに依らない。第 2 章は Chow 環の枠組みの上で、第 3 章は第 1 講演の局所等自明性の事実の上で組み立てられ、第 3 章が第 1 章から引くのは『1-1』の補題(推移関数と切断)だけである。二つの筋は第 4 章で合流する。『4-3』は『2-1』『2-2』の制限の結果を特性部分環に当て、『4-5』は『2-2』の余核の消滅と『3-3』の被覆の上の自明化を捩れ指数の五つの特徴づけで結ぶ。
  • 『4-1』『5-1』『6-1』は第 0 章だけを前提とし(『6-1』は『4-1』も引く)、旗多様体の Chow 環の計算を先に読める。
  • 『6-3』の定理 3 は、第 2・3・4 章と第 6 章の前半を合わせて得られ、『6-2』を通して第 5 章にも依る。

読む順序の案

原論文の順序は §1 から §6 まで一本道だが、本書は §5 と §6 を入れ替えたうえで、三つの道筋を想定している。どの道筋でも、各頁の冒頭の「この頁で示すこと」に主結果と原論文の番号、状態札がまとめてあるので、まずそこだけを全頁通して読み、原論文のどの主張がどこまで閉じているかの全体像を先につかむのも一つの方法である。

特別群の特徴づけまで通して読む

原論文の主定理である定理 3(特別群はアフィンで連結で捩れのない群にちょうど一致する)へ向かう道筋である。
『1-1 単冪群を構造群とする主束』→『1-2 可解群の等質空間』→『2-1 局所自明な点でのファイバーへの制限』→『2-2 被覆の次数と余核の消滅』→『3-1 等質ベクトル束と誘導表現』→『3-2 横断的な切断の零点と構造群の簡約』→『3-3 特別群と主束の自明化』→『4-1 特性準同型と特性部分環』→『4-2 特性部分環と引き戻しの像』→『4-3 捩れのない群と特性部分環の指数』→『4-4 捩れ指数と横断的な切断』→『4-5 捩れ指数の特徴づけ』→『5-1 サイクル類写像と胞体分割』→『5-2 代数的な捩れと位相的な捩れ』→『6-1 特殊線形群と斜交群の旗多様体』→『6-2 Schubert 類と Chevalley–Bott の補題』→『6-3 特別群の特徴づけ』
この道筋から外れる『2-3 多重切断と交叉数』『4-6 群の Chow 環と捩れ素数』『6-4 局所自明性の予想』は、どれも定理 3 の証明に使われない。『6-4』の主結果は『2-1』だけを引くので、第 2 章の後に読める(予想の設定は『2-2』の定義で述べる)。定理 3 の「特別なら捩れなし」の向きは『4-3』までで済み、「捩れなしなら特別」の向きに第 5 章と第 6 章の前半が要る。

旗多様体の Chow 環の計算を先に読む

特性部分環と Schubert 類を、主束の議論より先に具体的に知りたい読者のための道筋である。
『4-1 特性準同型と特性部分環』→『6-1 特殊線形群と斜交群の旗多様体』→『5-1 サイクル類写像と胞体分割』→『6-2 Schubert 類と Chevalley–Bott の補題』(主結果 1)
この四頁の最初の三つは第 0 章と『4-1』だけを前提とする。『6-2』の主結果 1(Schubert 類による生成)も第 0 章だけで閉じる。そのあと第 2 章へ戻り、『4-2』『4-3』で捩れ指数が定まる様子を見るとよい。

構造群の簡約から読む

第 3 章の、線形表現の切断の零点で構造群を簡約する議論を先に知りたい読者のための道筋である。
『3-1 等質ベクトル束と誘導表現』→『3-2 横断的な切断の零点と構造群の簡約』→『3-3 特別群と主束の自明化』
第 3 章は第 2 章に依らず、第 1 章からは『1-1』の補題(推移関数と切断)を一つ引くだけなので、第 0 章の次に読める。続けて『4-4』『4-5』へ進めば、零点の数の最大公約数として捩れ指数が現れる様子が分かる(その前に『4-1』〜『4-3』で捩れ指数の定義を読む)。

状態札の読み方

各主結果には、本書の判定として状態札を一つ付ける。[完結]は本書の中で証明し切ったもの、[条件付き:…]は引用した事実に依るもの(何を引用したかを札の中に書く)、[未完結:…]は証明を閉じられなかったもの(何が足りないかを書く)である。原論文に証明が無くても、本書が外部入力を使った証明を与えたものは[条件付き]であり、原論文にも本書にも、外部入力を使った証明も無いものだけが[未完結]である。
本書の基準は第 4〜7 巻と同じく厳しい。次のどれかを引いた段が一つでもあれば[条件付き]とする(本書『0-5 記号と約束』の「状態札の意味」)。

  1. 第 0 章に集めた古典的前提:線形代数群の構造、Borel 部分群と旗多様体、連結単冪群の構造(単冪根基の正規列を含む)、Rosenlicht の局所切断、半単純群と Bruhat 分解(単連結な被覆、Chevalley の存在定理を含む。本書『0-2 線形代数群と旗多様体』)、非特異点の基本、アフィンな空間と連接層の基本、不分岐な射とエタールな射の基本、曲線の基本(本書『0-3 ファイバー空間と有限エタール被覆』)、固有な交わりの重複度と長さ(本書『0-4 Chow 環の枠組み』)。
  2. Chow 環の枠組みの性質(本書『0-4 Chow 環の枠組み』の「枠組みの性質」の節。胞体分割による生成を含む)。第 6 巻では、それらは Chow 環の上の主張としては[条件付き]である。
  3. 第 7 巻で[条件付き]の結果。本書の主結果の証明が使う第 7 巻の結果はどれも第 7 巻で[完結](または完結の部分)なので、この種の条件は現れない(本書『0-2 線形代数群と旗多様体』の「他の巻から引く群の結果」)。
  4. 外部入力:同じセミナーの第 1 講演に委ねられた局所等自明性の基本事実、有限エタール被覆に沿った降下、代数的同値の理論、超平面切断の Bertini の定理、Chevalley の Schubert 類の結果、原論文が認めるサイクル類写像、分類空間のコホモロジーの事実、Bott の結果、Borel–Moore ホモロジー。
    [完結]に残るのは、定義、初等的な代数(線形代数、有限生成アーベル群、整数の最大公約数など)、第 0 章の頁の中で証明した命題(本書『0-2 線形代数群と旗多様体』の命題「単冪群の有理指標と Borel 部分群の指標」の (1)、本書『0-3 ファイバー空間と有限エタール被覆』の命題「主束の切断と自明性」と命題「被覆の縮小と非交和」の (2))、第 7 巻で[完結]の結果、本書の他の頁で[完結]とした主張だけで閉じるものである。条件は依存する主結果に伝わる。したがって[条件付き]は証明の欠落を意味せず、何に依って閉じたかを示す札である。
    [条件付き]の札の理由には、二つの句を添えることがある。「Chow 環の枠組みの下では完結」は、証明が本書の頁の中の議論、Chow 環の枠組みの性質、第 0 章の古典的前提だけで閉じ、外部入力を使わないという意味である。「Chow 環の枠組みに依らない」は、枠組みの性質を直接にも、引いた結果を通しても使わないという意味である。どちらも札の種類ではなく、理由の補足である(本書『0-4 Chow 環の枠組み』の注意「Chow 環の枠組みに依る主結果の札」)。
    本書が足した仮定は、その仮定の下での判定として、主結果の札と頁の注意の両方に書く。足した仮定は七つある。
    足した仮定札に書いた頁
    被覆の読み(「$a$ で不分岐な次数 $m$ の被覆」は、$a$ の近くでエタールな有限射で $a$ の上にちょうど $m$ 点をもつもの。連結とは限らない)0-3(定義)、2-2、2-3、3-2、3-3、4-3、4-5、6-3
    旗多様体の束の空間($A(P/B)$ を使う主張では $P/B$ は非特異準射影)4-2、4-5
    特性準同型の符号($c_G(\chi)$ は $B$ が $\chi$ で作用する直線束の類)4-1
    旗の類の符号($\xi_i$ は旗の各段の商の双対の第一 Chern 類)6-1
    零点の総数は $1$ 以上(Proposition 6 の前の主張と Proposition 6、その系、§3 の末の注意)3-2、3-3
    逆の被覆は連結とは限らない(Proposition 5 の後の注意)2-3
    系 1 の底は連結(Proposition 5 の系 1)2-3
    被覆の読みは被覆を使う全体に掛かる読みなので、被覆を直接構成するか使う主結果の札にだけ書き、それを定理として引くだけの主結果には書かない。ほかの六つは、直接使う主結果のすべての札に書いた。このほか「零点をもたない単項式を除く」(Théorème 2 の (iii)⇒(iv))は、一度は足した仮定として立てたが、定理の主張から従うので不要と判明し、『4-4』の注意に観察として残した。文言と、外したときに何が壊れるかは本書『0-5 記号と約束』の「本書が足した仮定」にある。
    原論文の不備は三つに分ける(本書『0-5 記号と約束』の「主張の偽と証明の段の不備」)。誤植は訂正した形で読み、主結果には数えない。主張の偽は四件で、訂正した主張を主結果とし、名前に「訂正形」と入れ、「この頁で示すこと」の状態札の後に原論文の形がどの反例で破れるかを一文で添える。『1-1』の非連結な単冪群(可約な底で破れる)、『2-2』の Lemme 2(単位群で破れる)、『4-4』と『4-5』の Théorème 2(旗多様体が一点で破れる)、『4-6』の群の Chow 環の有限性(次数 0 の部分で破れる)である。したがって札に[偽]は現れない。主張は正しいが原論文の証明の段がそのままでは通らないものは七件で、札には影響させず、その頁の注意に書いた。原論文の Lemme 4 の対角線の議論は、印字の積を底の上のファイバー積と読めば通るので、この七件に入れない(本書『3-2 横断的な切断の零点と構造群の簡約』)。
    状態札とは別に、原論文自身の確信度(Proposition・Lemme・Théorème・Remarque の別、「すぐ分かる」「読者に委ねる」、「認める」と明記した仮定、未公刊の帰属、「証明されていない」と明記した主張)を各頁の本文で添える。原論文の所見と問い(§5 の注意 1° の所見、§6 の末の注意、Théorème 2 の後の注意 1° の問い)、原論文の予想(Proposition 5 の後の期待、§5 の注意 3° の予想)は主結果に数えず、注意と予想のボックスに置いた。反例も主結果に数えず、各頁の「例と反例」の節に置く。

本書全体の集計

第 1〜6 章の 20 頁の「この頁で示すこと」に並ぶ主結果の状態札を数えた。主結果は合わせて 71 個で、内訳は次のとおりである。所見・問い・予想と反例はこの数に含めない。[偽]の札は無い(主張の偽は訂正形で数える)。

章頁主結果完結条件付き未完結
第 1 章1-1、1-25050
第 2 章2-1〜2-3130130
第 3 章3-1〜3-3111100
第 4 章4-1〜4-6250223
第 5 章5-1、5-26060
第 6 章6-1〜6-411092
合計20 頁711655

頁別の内訳(完結/条件付き/未完結)は、1-1 が 0/3/0、1-2 が 0/2/0、2-1 が 0/4/0、2-2 が 0/6/0、2-3 が 0/3/0、3-1 が 1/3/0、3-2 が 0/3/0、3-3 が 0/4/0、4-1 が 0/5/0、4-2 が 0/5/0、4-3 が 0/4/1、4-4 が 0/2/1、4-5 が 0/4/1、4-6 が 0/2/0、5-1 が 0/3/0、5-2 が 0/3/0、6-1 が 0/2/1、6-2 が 0/4/0、6-3 が 0/2/0、6-4 が 0/1/1 である。
[完結]は一つだけで、『3-1』の主結果「不変な切断空間の表現の有理性」である。代数群がベクトル束に作用し、有限次元の切断の空間が不変なら表現は有理的であることを、有限個の点での値から係数を取り出す線形代数で示すので、定義と初等的な代数だけで閉じ、Chow 環の枠組みにも依らない。原論文の道筋(積の上の関数の分解)なら第 0 章の連接層の事実を引くので、別の経路で書いたことが[完結]の条件である。
[条件付き]の 65 個は、何に依るかで三つに分かれる。

  1. 「Chow 環の枠組みの下では完結」の句を札に添えたもの(26 個):Chow 環の枠組みの性質と第 0 章の古典的前提だけで閉じる。『2-1』の四つすべて、『2-2』の主結果 1・3・4・5、『2-3』の三つすべて、『4-1』の五つすべて、『4-2』の主結果 1・3・4、『4-3』の主結果「有理切断をもつ等質空間による捩れなしの判定」、『4-5』の主結果「素数ごとの捩れの判定」、『4-6』の主結果「群の Chow 環の表示」、『6-1』の主結果 1・2、『6-2』の主結果「Schubert 類による生成」、『6-4』の主結果「予想の必要性」である。
  2. 第 0 章の古典的前提だけに依り、Chow 環の枠組みも外部入力も使わないもの(7 個):『1-1』の三つ、『1-2』の二つ、『2-2』の主結果「連結線形群の元と単位元を結ぶ直線(訂正形)」、『3-2』の主結果「部分空間への零サイクルの制限」である。『1-1』『1-2』はほかに、完結の入力として別の巻(第 7 巻)の完結の結果を使う。
  3. 外部入力に、直接または引いた結果を通して依るもの(32 個):第 1 講演の局所等自明性の基本事実に依るものが最も多く、第 3 章の十個のうち九個(『3-2』の主結果 1 を除く)、『4-2』の主結果 2・5、『4-3』の主結果「特別群は捩れなし」「特性部分環の指数の有限性」「最高次の部分と捩れ指数の存在」、『4-4』の主結果 2、『4-5』の主結果 1・2・5、『4-6』の主結果「群の Chow 環の正次数部分の有限性(訂正形)」、『6-3』の主結果「特別群の特徴づけ」である。『4-4』の主結果 1 は Bertini の定理に、『2-2』の主結果 6 は代数的同値の理論に依る。第 5 章の六つと『6-2』の主結果 2〜4、『6-3』の主結果「積の次数が 1 になる正因子の類」は、原論文が認めるサイクル類写像、Chevalley の Schubert 類の結果、分類空間の事実、Bott の結果のどれかに依る。
    名指しした古典的前提と Chow 環の枠組みを完結の側に数える緩い基準をとれば、完結は $1+26+7=34$ 個、条件付きは 32 個、未完結は 5 個になる。本書の札は厳しい基準による。『4-3』の主結果「最高次の部分と捩れ指数の存在」は、前半(次数が同型であることと $d\ge0$ の存在)だけなら枠組みの下で閉じるが、$d>0$ に指数の有限性を使うので、上の三つ目の種類(外部入力に依るもの)に数えた。

原論文が閉じていない点

[未完結]は五つある。

  • 『4-3』の主結果「超越定理の代用」:原論文は、Théorème 1 の系 4 が Borel の超越定理の代わりになり、コンパクト Lie 群の分類空間のコホモロジーの古典的な結果の大部分を与えると述べるが、どの結果をどう導くかの精確な形も証明も無い。
  • 『4-4』の主結果「至るところ重複度 1 で交わる正因子」:原論文自身が「この主張は証明されていない」と断る主張で、本書も証明を立てられない。原論文はこれを避けて、係数を大きくした正因子で回り道する。
  • 『4-5』の主結果「一つの次数で済む十分条件」:原論文が定理 2 の証明から出るとする十分条件で、上の未証明の主張と同じ型の主張を要する。
  • 『6-1』の主結果「斜交旗束の Chow 環」:原論文は、斜交束の部分的な等方旗の束の Chow 環が前の講演の旗束の環の完全な類似であると述べるが、形も証明も書かない。完全な等方旗の束の場合は『6-1』の命題「完全な等方旗束の環」で示した。
  • 『6-4』の主結果「予想の部分的な成立」:原論文は、群が可換な場合と一般線形群の商群の場合に予想が正しいと述べるが、証明を書かない。
    本書はどれも「原論文はこう述べる」と書き、証明したとは書かない。原論文が証明なしに認めるサイクル類写像(第 5 章)と、未公刊とする Bott の結果(『5-2』)は、外部入力として札に名指し、[条件付き]の主結果の入力として扱う。原論文自身が §6 の終わりで、証明が完全であるにはこの二つが要ると明記しており(本書『5-2 代数的な捩れと位相的な捩れ』の注意「厳密さについての原論文の注意」)、本書の札はそれと一致する。

第 6 巻・第 7 巻との関係

本書は「古典を読む」の第 8 巻である。二つの巻と直接つながる。
第 6 巻『交叉理論の基本性質』の原典は、本書の原論文が「前の講演」と呼ぶ同じ巻の exposé 4 で、本書の Chow 環の枠組みそのものである。本書は第 6 巻の主結果を枠組みの仮定として引き、再証明しない。本書『0-4 Chow 環の枠組み』に、使う性質と第 6 巻の頁・主結果との対応表と、原論文の前の講演の番号引用の対応表を置いた。第 6 巻の旗束の分裂の因子の類と本書の旗の類は符号が逆である(本書『0-4 Chow 環の枠組み』の注意「旗の類の符号と第 6 巻の分裂の因子」)。第 6 巻の結果の多くは、Chow 環の上の主張としては第 6 巻でも[条件付き]で、本書の札はその条件を「Chow 環の枠組み」として受け継ぐ。旗多様体の胞体分割による生成だけは、第 6 巻の「層別による生成」が閉部分の非特異性を求めるので、本書『0-4 Chow 環の枠組み』で開部分の列と完全性から導き直した。
第 7 巻『アフィン代数群と可換アフィン代数群』の原典は、本書の原論文の文献 [4] である。本書は第 7 巻の、トーラスの正則関数と指標、トーラスの閉部分群の構造、有理準同型が単冪元を保つこと、単冪性が実現によらないこと、標数 0 の加法群の有理表現、正標数の非連結な可換単冪群(1-1 の注意と反例が引く)を引く。どれも第 7 巻で[完結](または完結の部分)で、本書では完結の入力として使う。第 7 巻で[条件付き]の閉部分群と指標群の部分群の対応は、原論文が補トーラスの存在に引く道筋の説明でだけ挙げ、本書の証明は使わない(本書『1-2 可解群の等質空間』)。一覧は本書『0-2 線形代数群と旗多様体』の「他の巻から引く群の結果」にある。
このほか、第 5 章は第 5 巻『Chern 類と離散群の線形表現』の頁『0-4 位相的 Chern 類・平坦束・Lie 群と代数群』の位相の事実を引き、第 5 巻の頁『1-2 序論の構想と群のトポス』は、Grothendieck が 1968 年の論文で本書の原論文を引く所を記録している(本書『5-2 代数的な捩れと位相的な捩れ』の「その後の発展」)。第 3 巻『Chern 類の公理的理論』とは、Chern 類の規約を第 6 巻を経て共有する。
原論文が予告する後の問題(Grothendieck–Serre の予想、トーサーの指数、分類空間の Chow 環、個々の群の捩れ指数の計算)は本書の範囲外で、各頁の「その後の発展」で名前だけ挙げ、内容を原論文に帰属させない。

記号と約束

全頁に共通する記号($k$、$p$、$V$、$A(X)$、$\chi$、$\varepsilon$、$i_a$、$G$、$B$、$T$、$B_u$、$\hat B$、$r$、$r_0$、$N$、$R$、$\bar G$、$\tilde G$、$W$、$X_w$、$z(w)$、$P\times^GF$、$V(u)$、$W(u)$、$c_G$、$d$、$\eta_j$、$m_\alpha$、$\xi_i$、$\mathrm{cl}$ など)、枠組みの規約(点の空間、基礎体、Chow 環の枠組み、被覆の読み、二つの符号の約束、記号の衝突の読み分け)、本書が足した仮定の文言、原論文の番号と印字頁の引き方、状態札の意味、原論文の不備の分け方と誤植の読み方の一覧は、本書『0-5 記号と約束』にまとめてある。

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