6-7 二次拡大と双二次拡大

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前提知識:単純代数拡大、Galoisの基本定理

最初のGalois拡大を分類する

二次拡大とは
$$ [L:K]=2 $$
を満たす体拡大です。$\mathbb Q(\sqrt2)/\mathbb Q$ が典型例ですが、「すべての二次拡大は平方根を一つ加えた形か」「異なる平方根が同じ体を作るのはいつか」「平方根を二つ加えると中間体はいくつあるか」を順に解くと、Galois対応を最初から最後まで手で計算できます。
まず標数が2でない場合を扱い、その後で標数2に何が起こるかを調べます。

標数が2でない体上の二次拡大

二次拡大の平方根表示

$\operatorname{char}K\ne2$ とする。$L/K$ が二次拡大なら、ある $d\in K^\times$ で $K$ の平方でないものが存在して
$$ L=K(\sqrt d) $$
と書ける。逆に、$d\in K^\times$ が $K$ の平方でなければ $K(\sqrt d)/K$ は二次拡大である。

$[L:K]=2$ とし、$\alpha\in L\setminus K$ を取ります。$1,\alpha$ は $K$ 上一次独立で、$L$ の次元は2なので
$$ L=K(\alpha). $$
$\alpha$ の最小多項式を
$$ m_{\alpha,K}(x)=x^2+bx+c \qquad(b,c\in K) $$
と書きます。$m_{\alpha,K}(\alpha)=0$ から
$$ (2\alpha+b)^2=b^2-4c. $$
ここで
$$ \beta=2\alpha+b, \qquad d=b^2-4c $$
と置きます。$2\ne0$ なので
$$ \alpha=\frac{\beta-b}{2} $$
であり、$K(\alpha)=K(\beta)$ です。また $\beta^2=d\in K$。
もし $d=e^2$ が $K$ の平方なら
$$ (2\alpha+b-e)(2\alpha+b+e)=0. $$
体には零因子がないため、いずれかの因子が0となって $\alpha\in K$ になり、選び方に反します。従って $d$ は平方ではなく、$L=K(\sqrt d)$ と書けます。
逆に $d$ が $K$ の平方でなければ $x^2-d$ は $K$ に根をもちません。二次多項式が可約であることと根をもつことは同値なので、$x^2-d$ は既約です。従って
$$ [K(\sqrt d):K]=2. $$
□

$L=K(\sqrt d)$ の任意の元は一意的に
$$ a+b\sqrt d \qquad(a,b\in K) $$
と書けます。$x^2-d$ の二根は $\sqrt d$ と $-\sqrt d$ で、ともに $L$ に属します。標数が2でないので二根は相異なります。従って $L/K$ は分離かつ正規、すなわちGaloisです。
非自明な自己同型は
$$ \tau(a+b\sqrt d)=a-b\sqrt d $$
で与えられ、
$$ \operatorname{Gal}(L/K)=\{1,\tau\}\cong C_2. $$
トレースとノルムは
$$ \operatorname{Tr}_{L/K}(a+b\sqrt d)=2a, $$
$$ N_{L/K}(a+b\sqrt d) =(a+b\sqrt d)(a-b\sqrt d) =a^2-db^2 $$
です。二次形式 $a^2-db^2$ は、体のノルムを座標で書いたものです。

いつ二つの平方根が同じ体を作るか

異なる数 $d,e$ でも、$K(\sqrt d)$ と $K(\sqrt e)$ が同じ体になることがあります。例えば
$$ \mathbb Q(\sqrt2)=\mathbb Q(\sqrt8) $$
です。$\sqrt8=2\sqrt2$ だからです。これが唯一の理由です。

二次拡大の同一性判定

$\operatorname{char}K\ne2$ とし、$d,e\in K^\times$ はいずれも $K$ の平方でないとする。このとき
$$ K(\sqrt d)=K(\sqrt e) $$
であることと
$$ de^{-1}\in(K^\times)^2 $$
であることは同値である。

まず $de^{-1}=u^2$、$u\in K^\times$ とします。このとき $\sqrt d=u\sqrt e$ と根の符号を選べるので、互いの生成元が相手の体に属し
$$ K(\sqrt d)=K(\sqrt e) $$
です。
逆に二つの体が等しいとし、$\sqrt d\in K(\sqrt e)$ を
$$ \sqrt d=a+b\sqrt e \qquad(a,b\in K) $$
と書きます。両辺を二乗すると
$$ d=a^2+eb^2+2ab\sqrt e. $$
$1,\sqrt e$ は $K$ 上一次独立なので
$$ 2ab=0. $$
$\operatorname{char}K\ne2$ より $ab=0$。$b=0$ なら $\sqrt d=a\in K$ となって $d$ が平方になり矛盾するので、$a=0$ です。従って
$$ d=eb^2, \qquad de^{-1}=b^2\in(K^\times)^2. $$
□

乗法群 $K^\times$ の平方全体
$$ (K^\times)^2=\{u^2\mid u\in K^\times\} $$
で割った商群
$$ K^\times/(K^\times)^2 $$
を平方類群と呼びます。各元を二乗すると自明な類になるので、これは $\mathbb F_2$ 上のベクトル空間とみなせます。定理は、標数が2でない体の二次拡大が平方類群の非零元によって分類されることを示しています。

平方根を二つ加える

$a,b\in K^\times$ とし
$$ L=K(\sqrt a,\sqrt b) $$
を考えます。$a$ と $b$ がともに非平方でも、$\sqrt b$ が既に $K(\sqrt a)$ に入っていれば次数は2のままです。前節の判定により、それは $ab^{-1}$ が平方の場合です。
そこで平方類 $[a],[b]$ が $K^\times/(K^\times)^2$ の中で一次独立、すなわち
$$ a,\quad b,\quad ab $$
がすべて非平方である場合を考えます。

双二次拡大の次数と基底

$\operatorname{char}K\ne2$ とし、$a,b,ab$ がすべて $K$ の平方でないとする。このとき
$$ L=K(\sqrt a,\sqrt b) $$
は $K$ 上4次であり、
$$ 1,\quad\sqrt a,\quad\sqrt b,\quad\sqrt{ab} $$
は $K$ 基底である。

$K(\sqrt a)/K$ は二次拡大です。もし $\sqrt b\in K(\sqrt a)$ なら
$$ K(\sqrt b)=K(\sqrt a) $$
であり、二次拡大の同一性判定から $ab^{-1}$ は平方です。しかしこのとき
$$ ab=(ab^{-1})b^2 $$
も平方になり、仮定に反します。従って $\sqrt b\notin K(\sqrt a)$ です。
$\sqrt b$ は $K(\sqrt a)$ 上 $x^2-b$ を満たし、その最小多項式は一次ではないので二次です。塔の法則から
$$ [L:K] =[L:K(\sqrt a)][K(\sqrt a):K] =2\cdot2=4. $$
$L$ の任意の元は
$$ (u+v\sqrt a)+(s+t\sqrt a)\sqrt b =u+v\sqrt a+s\sqrt b+t\sqrt{ab} $$
と書けるので、表示した四元は $L$ を張ります。$L$ の次元が4なので基底です。□

Galois群を符号変換として書く

二つの平方根の符号を独立に変える写像を
$$ \begin{aligned} \sigma(\sqrt a)&=-\sqrt a,&\sigma(\sqrt b)&=\sqrt b,\\ \tau(\sqrt a)&=\sqrt a,&\tau(\sqrt b)&=-\sqrt b \end{aligned} $$
と定めます。基底表示を使えば、これらは $K$ 自己同型であることが直接確認できます。さらに
$$ \sigma^2=\tau^2=1, \qquad \sigma\tau=\tau\sigma $$
です。

双二次拡大のGalois群

上の仮定のもとで $L/K$ はGalois拡大であり
$$ \operatorname{Gal}(L/K) =\{1,\sigma,\tau,\sigma\tau\} \cong C_2\times C_2. $$

$L$ は二つの分離多項式
$$ x^2-a,\qquad x^2-b $$
の積の分解体なので有限Galois拡大です。従ってGalois群の位数は
$$ [L:K]=4. $$
上で構成した $1,\sigma,\tau,\sigma\tau$ は平方根への作用が異なるので相異なる四つの自己同型です。これらですべてです。
非自明な三元はすべて位数2であり、群は可換です。位数4の群で全非自明元の位数が2であるものは $C_2\times C_2$ です。□

中間体をすべて求める

$G=C_2\times C_2$ の部分群は
$$ \{1\},\quad \langle\sigma\rangle,\quad \langle\tau\rangle,\quad \langle\sigma\tau\rangle,\quad G $$
の五つです。固定体を直接計算すると
$$ \begin{aligned} L^{\langle\sigma\rangle}&=K(\sqrt b),\\ L^{\langle\tau\rangle}&=K(\sqrt a),\\ L^{\langle\sigma\tau\rangle}&=K(\sqrt{ab}). \end{aligned} $$
最後の等式を確かめます。任意の $x\in L$ を
$$ x=u+v\sqrt a+s\sqrt b+t\sqrt{ab} $$
と書くと
$$ \sigma\tau(x) =u-v\sqrt a-s\sqrt b+t\sqrt{ab}. $$
従って $\sigma\tau(x)=x$ であることは $v=s=0$ と同値であり、固定元はちょうど
$$ u+t\sqrt{ab} $$
の形です。
Galois対応により、$K$ と $L$ の間の真の中間体は
$$ K(\sqrt a),\qquad K(\sqrt b),\qquad K(\sqrt{ab}) $$
の三つだけです。候補を見つけただけでなく、ほかに存在しないことまで群の部分群分類から分かります。

二つの平方根を一つの元にまとめる

有限分離拡大は単純拡大になるという原始元定理を、双二次拡大では手で確認できます。

双二次拡大の原始元

上の仮定のもとで
$$ \theta=\sqrt a+\sqrt b $$
と置くと
$$ L=K(\theta). $$
$\theta$ の $K$ 上の最小多項式は
$$ x^4-2(a+b)x^2+(a-b)^2 $$
である。

$a-b\ne0$ です。実際 $a=b$ なら $ab=a^2$ が平方となって仮定に反します。また $\theta\ne0$ です。もし $\sqrt a=-\sqrt b$ なら二乗して $a=b$ となるからです。
$$ (\sqrt a+\sqrt b)(\sqrt a-\sqrt b)=a-b $$
より
$$ \sqrt a-\sqrt b=\frac{a-b}{\theta}\in K(\theta). $$
標数が2でないので
$$ \sqrt a =\frac12\left(\theta+\frac{a-b}{\theta}\right), \qquad \sqrt b =\frac12\left(\theta-\frac{a-b}{\theta}\right). $$
従って $L\subseteq K(\theta)$。逆の包含は明らかなので $L=K(\theta)$ です。
次に
$$ \theta^2=a+b+2\sqrt{ab} $$
なので
$$ (\theta^2-a-b)^2=4ab. $$
展開すると
$$ \theta^4-2(a+b)\theta^2+(a-b)^2=0. $$
従って $\theta$ は表示した4次多項式を満たします。一方
$$ [K(\theta):K]=[L:K]=4 $$
なので最小多項式の次数は4です。表示した多項式はモニック4次で $\theta$ を根にもつため、最小多項式そのものです。□

この多項式の四根は
$$ \sqrt a+\sqrt b,\quad -\sqrt a+\sqrt b,\quad \sqrt a-\sqrt b,\quad -\sqrt a-\sqrt b $$
であり、Galois群による $\theta$ の軌道と一致します。

平方類で双二次拡大を見る

$K^\times/(K^\times)^2$ を $\mathbb F_2$ ベクトル空間とみなすと、$[a]$ と $[b]$ が張る二次元部分空間は
$$ \{[1],[a],[b],[ab]\} $$
です。その三つの非零元が、三つの二次中間体
$$ K(\sqrt a),\quad K(\sqrt b),\quad K(\sqrt{ab}) $$
に対応します。
一方、Galois群も二次元 $\mathbb F_2$ ベクトル空間
$$ C_2\times C_2 $$
です。双二次拡大では、平方類の線形代数とGalois群の部分空間の線形代数が向かい合っています。この見方は、平方根を多数加える多重二次拡大とKummer理論へ一般化されます。

標数2では平方根だけでは足りない

$\operatorname{char}K=2$ では $-\alpha=\alpha$ なので、$x^2-d$ は形式微分すると
$$ (x^2-d)'=2x=0 $$
となります。$d$ が平方でないとき $x^2-d$ は既約でも、その二根は代数閉包の中で一致し、得られる二次拡大は非分離です。従ってGalois拡大ではありません。
一方、標数2の分離二次拡大は平方根ではなくArtin--Schreier方程式で表されます。

標数2の分離二次拡大

$\operatorname{char}K=2$ とし、$L/K$ を分離二次拡大とする。このとき、ある $c\in K$ と $\theta\in L$ が存在して
$$ L=K(\theta), \qquad \theta^2+\theta=c $$
と書ける。非自明な $K$ 自己同型は
$$ \theta\longmapsto\theta+1 $$
で与えられる。

$\alpha\in L\setminus K$ を取り、その最小多項式を
$$ x^2+bx+d $$
と書きます。分離的なので形式微分 $b$ は0ではありません。$\theta=\alpha/b$ と置き、最小多項式の等式を $b^2$ で割ると
$$ \theta^2+\theta=\frac{d}{b^2}. $$
右辺を $c$ と置けばよいです。また $\alpha=b\theta$ なので $L=K(\theta)$。
$\theta^2+\theta+c=0$ の一根が $\theta$ なら、標数2では
$$ (\theta+1)^2+(\theta+1)+c =\theta^2+2\theta+1+\theta+1+c =\theta^2+\theta+c =0. $$
二根は $\theta$ と $\theta+1$ で、ともに $L$ に属します。従って $\theta\mapsto\theta+1$ が非自明な自己同型を与えます。□

この境界例は、「二次拡大は平方根で記述できる」という主張に標数の仮定が不可欠であることを示します。

演習

二次体の一致

次の等式または不等式を証明せよ。

  1. $\mathbb Q(\sqrt{12})=\mathbb Q(\sqrt3)$。
  2. $\mathbb Q(\sqrt2)\ne\mathbb Q(\sqrt3)$。
解答

1について、$12/3=4=2^2$ は $\mathbb Q$ の平方です。実際
$$ \sqrt{12}=2\sqrt3, \qquad \sqrt3=\frac12\sqrt{12} $$
なので二つの体は等しいです。
2について、$2/3$ が $\mathbb Q$ の平方でないことを示せば十分です。もし
$$ \frac23=\left(\frac mn\right)^2 $$
を互いに素な整数 $m,n\ne0$ で満たすなら
$$ 3m^2=2n^2. $$
右辺から3が $n^2$、従って $n$ を割ります。$n=3r$ と置くと $m^2=6r^2$ なので3が $m$ も割り、互いに素であることに反します。従って $2/3$ は平方でなく、二つの二次体は異なります。□

双二次拡大のノルム

$L=K(\sqrt a,\sqrt b)$ を本文の仮定を満たす双二次拡大とする。
$$ \theta=\sqrt a+\sqrt b $$
に対して $\operatorname{Tr}_{L/K}(\theta)$ と $N_{L/K}(\theta)$ を求めよ。

解答

$\theta$ の四つのGalois共役は
$$ \sqrt a+\sqrt b,\quad -\sqrt a+\sqrt b,\quad \sqrt a-\sqrt b,\quad -\sqrt a-\sqrt b $$
です。その和では $\sqrt a$ と $\sqrt b$ の係数が打ち消し合うので
$$ \operatorname{Tr}_{L/K}(\theta)=0. $$
積は
$$ \begin{aligned} N_{L/K}(\theta) &=(\sqrt a+\sqrt b)(\sqrt a-\sqrt b)\\ &\quad\cdot(-\sqrt a+\sqrt b)(-\sqrt a-\sqrt b)\\ &=(a-b)(a-b)\\ &=(a-b)^2. \end{aligned} $$
これは最小多項式の定数項とも一致します。□

三つ目の中間体

$L=\mathbb Q(\sqrt5,\sqrt{13})$ とする。$\sqrt5$ と $\sqrt{13}$ の符号を同時に変える自己同型の固定体を求め、ほかの二つの二次中間体とともに列挙せよ。

解答

一般の元を
$$ x=u+v\sqrt5+s\sqrt{13}+t\sqrt{65} $$
と書きます。同時符号変換は $\sqrt5,\sqrt{13}$ の係数の符号を変え、$\sqrt{65}$ を固定します。従って固定条件は $v=s=0$ であり、固定体は
$$ \mathbb Q(\sqrt{65}) $$
です。三つの二次中間体は
$$ \mathbb Q(\sqrt5), \qquad \mathbb Q(\sqrt{13}), \qquad \mathbb Q(\sqrt{65}) $$
です。Galois群 $C_2\times C_2$ の部分群は五つしかないため、これ以外の真の中間体はありません。□

原始元の最小多項式

$$ \theta=\sqrt2+\sqrt3 $$
の $\mathbb Q$ 上の最小多項式を求め、その四根を列挙せよ。

解答

本文の公式へ $a=2,b=3$ を代入すると
$$ x^4-2(2+3)x^2+(2-3)^2 =x^4-10x^2+1 $$
を得ます。$\mathbb Q(\sqrt2,\sqrt3)$ は4次で $\theta$ がこの体を生成するため、これが最小多項式です。四根は
$$ \sqrt2+\sqrt3,\quad -\sqrt2+\sqrt3,\quad \sqrt2-\sqrt3,\quad -\sqrt2-\sqrt3 $$
です。□

標数2の自己同型

$K=\mathbb F_2(t)$ とし、$\theta$ を
$$ \theta^2+\theta=t $$
の根とする。$x^2+x+t$ が $K$ 上既約であることを示せ。さらに $L=K(\theta)$ において、写像 $\tau(\theta)=\theta+1$ が位数2の $K$ 自己同型になることを直接確かめよ。

解答

$x^2+x+t$ が可約なら二次式なので $K$ に根をもちます。そこで
$$ r=\frac{f}{g}\in\mathbb F_2(t), \qquad f,g\in\mathbb F_2[t],\quad \gcd(f,g)=1 $$
が $r^2+r=t$ を満たすと仮定します。分母を払うと
$$ f^2+fg=tg^2. $$
$m=\deg f,n=\deg g$ と置きます。
$m>n$ なら左辺の最高次数は $2m$、右辺の最高次数は $2n+1$ です。一方は偶数、他方は奇数なので等しくなれません。$m< n$ なら左辺の最高次数は $m+n<2n$、右辺の最高次数は $2n+1$ で矛盾します。$m=n$ の場合、左辺の次数は高々 $2n$ ですが右辺の次数は $2n+1$ で、やはり矛盾します。従って根は存在せず、$x^2+x+t$ は既約です。特に $[L:K]=2$ です。
$\theta+1$ も同じ多項式の根です。実際、標数2なので
$$ (\theta+1)^2+(\theta+1) =\theta^2+2\theta+1+\theta+1 =\theta^2+\theta =t. $$
従って $\theta\mapsto\theta+1$ は既約な最小多項式の根を別の根へ送るので、$K$ を固定する自己同型を一意に定めます。また
$$ \tau^2(\theta)=\tau(\theta+1)=\theta+1+1=\theta $$
で、$K$ 上も恒等写像なので $\tau^2=1$。$\tau(\theta)\ne\theta$ だから $\tau$ の位数は2です。□

参考文献

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